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水彩紙、荒目、中目、細目どれが好み?

透明水彩で使う水彩紙には「荒目、中目、細目」に分かれているものも多いです。その目が「どんな絵柄に向いているのか、考えてみたいと思います。

荒目、中目、細めとは?

水彩紙を買うときに、まず迷うのが「目の大きさ」ではないでしょうか?

一種類しかない水彩紙もあるのですが、「荒目、中目、細目」と分かれていることもあって、「どれを買えばいいんだろう?」と迷ってしまいますよね。

また水彩紙によっては「中目、細目、極細目」という表記のこともあって、さらに混乱します。

ひよこ
ひよこ

う〜ん、どれがいいのかな?

枯葉の絵は透明水彩の技法も適度に生かしつつ、色鉛筆やペンで細かい描き込みもしたりするので、あまりゴツゴツした水彩紙は向いていません。かといってあまりツルツルの水彩紙もうまく塗れないので、かなり紙の目の大きさは気にしています。

かれは
かれは

ちょうどいい目の大きさの紙を探しています

紙の目の荒さというのは、紙を触ってみて、つるつるだったら目が細かい紙、ざらざらしていたら目が荒い紙、という感じです。

それぞれどんな絵に向いているのか、ちょっと考えてみたいと思います。

荒目、中目、細目、どんな違いあり?

荒目

荒目はかなり、表面の凹凸が大きいです。触るとザラザラしています。

下書きの線もざっくりした感じになります。

ただ、この凹凸が大きいほど、凹凸に絵具が溜まるので乾くのがゆっくりになります。ですので、均一に色のせやすいです。グラデーションも余裕を持って作れますし、にじみもきれいに出やすいです。

背景に大きなグラデーションをかけるときなど、背景をゆったり描きたいときにはこの目はおすすめです。どちらかというと紙が大きいときに、目の荒さが生きてきます。ウォッシュやウェットインウェットなど、透明水彩ならではの技法は一番向いています。

かれは
かれは

絵具で塗る面積が大きい時は荒目がおすすめ!

絵具だけで描写を進めていく画風には一番相性がいいと思いますね。

ただ、表面の凹凸が大きいので、あまり細かく描き込むのには向いていません。繊細な描写をしたい時にはもう少し目が細かいものを選ぶ必要があります。

↑こちらはW&Nプロフェッショナルの荒目です。この紙はポストカードサイズで小さいので、多少ざっくりはしましたが、背景の塗りは一番ムラなくできたと思います。ただ、ペンなどはひっかかりがちですね。人物は顔の部分が凹凸が出るので、気になることもあります。

中目

中目は荒目と細目の中間ですが、どちらかと粗目の特性に近いです。粗目よりは表面の凹凸が小さいので、細かい部分をしっかり描いていくこともできます。

グラデーションやウォッシュもできるのですが、荒目よりは早く乾くので、少し手早くする必要がありますが、十分キレイにできます

3種類の中で一番、色々な表現に対応する紙だと思います。使う技法や画風も選びません。なので愛用者も一番多いです。

1種類しか目の大きさがないような水彩紙は、だいたい中目くらいの目だと思っておけば間違いないです。

そして、一口に中目といっても、水彩紙によって目の荒さは結構違います。このあたりは実際に使ってみて好みが出るところだと思います。

↑こちらはW&Nプロフェッショナル水彩紙の中目。バランスよく、水彩技法も使えるし、色鉛筆やペンでの細密描写も可能でした。バランスがいいですね。

細目

細目は、つるつるとしていて、凹凸がなく、鉛筆や色鉛筆、ペンで細密な線が描けます。

が、透明水彩の場合、絵具が乾くのが早いので、広い面をムラなくウォッシュするとか、グラデーションをかけるのは少しコツが必要です。

細密なボタニカルアートや、写真そっくりの写実画を鉛筆で描く、といったジャンルが向いています。ペンや色鉛筆、マーカーなどの画材にも向いています。

紙の目のぼこぼこした感じが好きではないという人は細目がおすすめですね。ちょっと難度の高い紙目だとは思います。

↑W&Nプロフェッショナル水彩紙の細めです。ウォッシュはムラになりやすく、とくに背景が難しかったです。塗り広げるにもコツがいります。ただ、線のシャープさを生かすような画風にはいいですね。滑らかな感じになります。

どれを買えばいい?

とりあえず3種類あったら、真ん中の目のものを買ってみるのがおすすめです。

つまり、中目

ややこしいのが、メーカーによっては荒目、中目、細目の3種類ではなく、中目、細目、極細の表記であることもあります。この場合は細目が中目にあたります。

荒目中目Rough
中目細目Cold Press
細目極細Hot Press

英語の表記は共通なので、よく分からなかったら英語を見てみるといいです。ともかく、3つの分類の真ん中のものが、中目だというイメージですね(表記統一してくれ〜)

透明水彩でイラストを描く目的なら中目がおすすめです。

ひよこ
ひよこ

中目がおすすめ!

よほどの細密画でなければ、細目である必要はないような感じがしています。

細目は透明水彩で塗りづらいような感じがします。でも細かい塗りをしたい場合や、ツルツルした表面の方が滑らかな塗りができる、ということで細目を愛用する人もいます。

私も比較的絵が細かいので、細目が合うのではないか?と思い、細目を買ったことが何回かあります。が、やっぱり合わなくて、毎度なかなか使いきれず苦労しています。とくにアルシュの極細…15年前に買って、未だに使い切れていません笑

追記:スキャンすると紙の目が気になる

今の時代は、展示会よりもSNSなどで、まず作品を見てもらうことが多いじゃないですか。なので、デジタル映えした方がいいと思う人が多いのも当然。

で、荒い水彩紙は、でこぼこがあって、スキャンの時にこのでこぼこを読み取ってしまうため、絵が暗く感じる。だから細目を愛用しているという方もいると思うのですが。

最近のスキャナは、「紙の目を読み取るか」「紙の目を読み取らず、滑らかにするか」を選べるんです❗️

紙の目を読み取ったパターン
kかかmかみか

上のほうが「紙の目があるバージョン」で下の方が「紙の目がなし、滑らかバージョン」です。

私は「適度に紙の目があったほうが、アナログらしくて好き」ですが、印刷や線画だけ抽出したい時、など滑らかな方がいい場面もあるので、とても助かっています。

描きやすい中目で描いて、スキャンでは紙目を読み取らないモードにして読み込み、SNSなどでは滑らかな絵を見せる、というのが現代風かもですね。デジタル絵がやっぱり滑らかでそちらに目が慣れていることもあり、滑らかなほうが見栄えするかもしれません。

なので、「描くときの紙の目」と「見せるときの紙の目」を分けることもできちゃうんですね、スゴイ!

これが愛用のスキャナです、おすすめ。スキャナはアナログ絵師さんには必須のアイテムです。

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中目でも同じじゃない

ただ同じ中目でもかなり目の大きさには違いがあります。妙に凹凸が大きくて、ペンが引っかかるものや、割と中目でもさらっとしたものもあります。

使ってみないとなんとも分かりません。

ひよこ
ひよこ

同じ中目でも色々なんだね

凹凸の固さにもくせがあるものもあります。妙に凹凸がハードだと鉛筆で下書きするのが難しく感じたりします。ペンで主線を描くのも引っかかってしまいます。(例えばアルシュなど)

ただ、凹凸がはっきりあるものの方が、ウェットインウェットはうまくいくし、ウォッシュもムラになりません。グラデーションもかけやすいという特徴はあります。

透明水彩らしい技法が使いやすいという点と、細かい線が描きやすいという点は、両立しにくい特徴なのかもしれません。

このあたりはどうしても好みが入る部分でもあります。

中目と言いながら、凹凸が激しいのはアルシュ、ホワイトアイビス、アヴァロン、ワーグマン、キャンソンヘリテージ

少し凹凸があるものはラングトンプレステージ、ウォーターフォード、クレスター、ストラスモア、セザンヌ

あまり凹凸が感じられないのは旧ファブリアーノ、ランプライト、ワトソン、ヴィフアール、アルビレオ、トルションなど。

あくまで私の体感になってしまいますので、参考までに。

ちなみに、表面の粗さや硬さは、絵具より色鉛筆をのせた時の方が分かりやすいです。

そして、濡れている時は目の粗さが目立つのに、乾くとあまり感じられないこともあります。

そしてサイジングの強さによっても表面の感じ方は違うことが、分かってきました。

まとめ

  • 3種類ある場合は、真ん中の中目がおすすめ。
  • 細目が中目のことも。(Cold Press)という表記を見てください。

目の大きさや、表面の形状は意外と大切な要素です。

かなり、仕上がりの雰囲気も変わってきます。

大体、粗めの紙だと、絵具はのせやすいけれど、細かく描くのは難しいです。

一方、紙がつるつるしていれば、絵具をのせにくいかわりに、繊細な描き込みができます。

かれは
かれは

表面の粗さや形状は、かなり好みが分かれるポイントだと思います。

自分の画風だと、細目よりの中目が合うのかな、と思っていますが、サイズが大きい絵の場合は目が荒いものがいいこともあります。

なので、自分の描きたい絵がどんな紙に合うのか、考えながら紙を試してみると、「自分にとってのベストな水彩紙」が見つけやすいと思います。