未完成の作品が多すぎるのでなんとかしたい話です。
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整理整頓していたら
個展が終わったので、アトリエスペースのお掃除や整理整頓をしています。何しろ、毎日画材研究系の資料を作ったり、作品を描いたり、画材も散らばるし、作品もバラバラになりがちです。整理整頓苦手なので、少し貯めてから一気に片付けたりしてます。
そこで大量に出土したのが、描きかけの作品&失敗作品。2年くらい前に結構たくさん捨てた気がするのですが、また大量に増えてました。これが前回2年前の分↓ほとんど捨てたのだったな?もうどんな絵があったすら覚えていない。
とにかく自分の場合、未完成の作品、とても多いです。色々試してみたくなって、描いたものの途中で放棄された作品たちです。どうもあれこれ描き散らすのが癖になっているんですよね(年を追うごとに酷くなっている)
こういう作品は展示に出すことはないんですけど、中途半端に素敵な部分があったりしてすっぱり捨てるのは惜しいです。
捨てるにはもったいないし、でも場所も取るし…
どうしたらいいのかね?
もう少し1枚ずつ大事に製作していきたいなあと思いました。
ということで、今回はどうやったら描き散らすのをやめて、ちゃんと完成させられるかを考えてみました。
そもそもなぜ未完の作品が多いのか?
見返してみると未完の作品にもいくつかタイプがありまして。
①とりあえず描いてみたかった。
新しい画材を買ってみたから使ってみたかったとか、発光表現をやってみようとか。ほぼ練習のような作品。でももう少し手を入れたり、サイズを工夫したら展示できるのに、中途半端に小さくて悩む…というものも多くてもったいない。
②上手くいかないのでやめた
描いてみたものの、バランスが思ったのと違う
紙が合ってない、など
色々描くと思うようにいかないものもあります。「上手くいかないな」と思ったらすぐに損切りしてしまいます。(もう少し粘ってもいいのかもしれない?)
③どう進めるか分からない
意外とこれも多いです。理由はよく分からないのですが。下書き自体は悪くないのに、かなり初期の段階で止まってしまって、時間が経って描き足しにくくなってます。
理由はよく分かりませんが、どこかがピンときていないんでしょうね。
ちゃんと完成させる対策
で、対策を考えてみました。
中途半端なところで中断しないよう心がける。
心がけ大事ですよね。
下塗り→固有色の配置→影塗り→背景の描写→細部の描き込みの順番でやることが多いのですが、未完の作品は下塗りで終わってたり、影塗りまでいって終わってたり。進んでいないものほど放棄されがちでした。
背景の描写までやると、画面全体が一応埋まるのですが進捗70%くらい、そこまでいくと不思議と最後まで描くんですよね。なので、7割までは休まずに一気に進めよう、と思いました。
大体ですが、左の状態が進捗70%くらいの状態です。(右が完成)
画面が一応埋まって、あとは細かいところを描いたり、影を入れたり、コントラストを強くしていく作業だけなので、ここまで来ると大丈夫ですね。
とにかく休まず一気に描く!
ラフや下書きを丁寧に仕上げる。
細部が分からなくなって後で調べたりすると、急に面倒になったりします。自分の場合、あまり下書きが仕上がってないのに、我慢できずに着彩してしまうことがあるので、ちゃんと構成を練ってから、次の工程に進むことを意識しようとおもいました。
特に下書きが丁寧に描かれているとスムーズなので、意識していこうと思います。とは言っても、途中で書き足したりしちゃいがちなのですが!
サムネイルスケッチを活用する。
これも構成や下書きの話と重なるのですが。サムネイルスケッチを作ると一応完成図が見える形になります。(解像度は低めで、細部は煮詰まってないですが)配色が決まることで、ゴールが見えてるので、完成させやすいです。
小作品で完成ぐせをつける。
豆色紙やATCのような小さい作品だと画面はすぐに埋まります。なので、完成までかなり早いんですよね。小さくても1枚完成!のような形にできると、作品完成力が高まる感じがしました。
不思議と豆色紙とATCは途中で放棄した作品ってないんですよ。
画力とは別の、構成力、作品完成力みたいなものがつくと思いました。
画材のお試しはハガキサイズに
かき散らしの中には妙にサイズが大きいものが多かったです。サイズが大きいならば、ちゃんと描かないと価格がつけづらいです。なので、ちょっと試してみたい画材があるならハガキサイズのドローイングとして描くと、後の処理に困らない感じがしました。
途中経過をアップしたり、配信を利用する。
途中経過をアップしたら、少し緊張感が出ますので、完成させようとなります。もっといいのはライブ配信。ライブ配信は見られている(見守られている)感がすごいので、どんな作品でも投げ出さずに仕上げることができます。これは活用していくのもアリですね!
でもちょっと緊張しちゃうねえ
短所は長所でもある。
とはいうものの、実はあまり気にしなくてもいいのかもしれない?
「こういう特性ってメリットデメリットあるから、あまり改善しようとしなくていいんじゃない?」
これは夫の言葉なのですが「確かに…」と思いました。
いいところを見ていこう!
描き散らし=アイディア出しやチャレンジ
「描き散らしてしまう」と表現しましたが、ある意味、これは「チャレンジ」だったり「試行錯誤」だったりもするんですよね。たくさん描けば、上手くいかないものも出てくるし、それだけチャレンジした証でもあるな、と。たくさんアイディアを出すことが(完成しなくても、失敗作品でも)次への作品のアイディアの元になったりします。チャレンジするからこそ、気づくこともあって、次の作品へ生かす踏み台ができたり。
多く生み出せば、それなりに上手くいかないものも出るということかもしれません。
損切り=悪いことではない?
損切りが早いのも悪いことばかりではないかもしれません。「上手くいかない→すぐ書き直そう」と思ってすぐに損切りできれば、時間を無駄にしなくて済みます。書き出しの段階で「あっ、ダメだな」と思ったものって、完成してもよくならないことが多いんですよ。
下の作品は「月光ソナタ」という作品なのですが、描き出しの段階で、「コレ、ダメなやつだ」と思ったので、開始10分で損切りしました。(よりによって配信中だったんですよね)水彩紙のコンディションがダメだったのですが、水彩紙の特性も絵に合っていないと感じました。なので、すぐ別の水彩紙に描き直しました。
きれいに描きあがったので、損切りして良かったのだと思う。
毎回毎回いい作品を描こうと思わなくてもいいのかもしれません。気楽なチャレンジもあってよいはずだし。でもそれにしても自分は描き散らしが多いので、少し気をつけていこうと思います。
未完成の作品は完成しないのか?
最初はこれらの描きかけを処分するつもりでいたので、こちらのポストをしたところ…
「捨てないで完成は難しいですか?」というコメントが入っていたので一言追記。
長らく描きかけで放置していたものを、1〜2年経ってから急に完成させる!ということもちょこちょこあります。
昔描いた絵を見返してみて、「これ、なかなかいいじゃん」と思った昔の絵を急に完成させることもあるんです。
不思議とそういう作品は
水彩紙も風邪をひいてないんです!
なのでそれも今度記事にしたいな!と。
下塗りがちょっとうまくいったりすると、進めるのを躊躇っちゃうことがあるんですよね。何作か同時並行していて、いくつか放棄されてしまったり。
それを発掘するには、ちゃんとファイリングが必要だなって思ってます。
終わりに
とういうことで、今回は未完成品を作りすぎないために、意識したいことを語ってみました。
描く作品全てクオリティが安定していて、これといって未完成品もないし、失敗したことない。という方もいるのかな?いそうな感じもします。多分、丁寧に仕上げる人気の作家さんに多い気がする。尊敬しかない!!
逆にそういう方はもっとあれこれ描き散らす、みたいな自由なチャレンジがあってもいいのかもしれませんね!
未完成品も味があっていいよね!
枯葉のように、あれこれ次々描いて、たくさん失敗や未完成品が出ている人は、ちょっと落ち着いて丁寧に制作することを意識してもいいのかもしれません。
どっちにしてもチャレンジ自体には価値がありますからね!
あとは「取っておくのはいいが、ちゃんと整理して保管しろ」と言われたので、本当にその通りなので、少しずつ卓上の整頓と、いらないものの断捨離をがんばろうと思ってます。また画材の収納については記事を書いていくつもりなので楽しみにしていてくださいね🙏
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