今回はアヴァロン水彩紙のレビューです。コットン100%の水彩紙です。
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アヴァロン水彩紙について
アヴァロンは ”製紙会社として由緒あるセントカスバーツ ミル社で製造された、コットン100%のホルベインオリジナルの高級水彩紙” とのことです。
価格はちょうどウォーターフォードやストラスモアよりも、少しだけ高価ですが、コットン100%の水彩紙の中では、まあまあ気軽に買える方です。

どんな水彩紙かな♪
厚みは300g、素材はコットン100%
価格表はこちらに
あまりウォーターフォードやアルシュに比べると愛用者が少ないのか、あまりレビューも見かけませんので、今回アヴァロンを徹底的に解剖してみようと思います。
アヴァロンの特徴
紙の色がとにかく白い
アヴァロンはとにかく白い水彩紙です。
色が白い水彩紙といえば、ウォーターフォード(ホワイト)やストラスモア、ホワイトアイビス、アルティスティコ(ホワイト)アクリルデネブなどがありますが、それと白色度が高いです。

そのためか、青系の発色がとても鮮やかです。特にウルトラマリン系の青がとてもはっきり発色します。
あとはマゼンタ系のピンクもとても鮮やかで明るく発色します。
ちなみに色鉛筆の発色も明るめです。全てがワントーン明るめというかんじです。
冷たい色をのせた時に真価を発揮する水彩紙のような気がしました。
なので、描いている絵に鮮やかな発色を求めるときはおすすめの水彩紙です。
紙肌はソフトで粗い
紙肌は、柔らかめではあるのですが、そこそこに凹凸が目立つ紙肌です。
人物の顔を小さめに描くと紙肌の荒さが少し目立つことがあります。あまり小さいところまで描き込みが出来なかったので、顔は少し大きめに描く方が良さそうでした。

この凹凸が目立つことで、影が出来てしまい、実際の発色よりも、少し暗く感じてしまうのが残念だなあと思います。色鉛筆やペンで線を描くのも、引っかかりができてしまい、滑らかな線が描きづらかったです。
セザンヌやアルティスティコの荒目と同じくらいだと思います。なので中目といいつつ荒目よりの中目ですね。
ゆっくりにじみが広がる
そこそこに弾きが強く、にじみはふわ〜っとゆっくり広がります。なので、ウェットインウェットは、大きくにじんでとてもきれいです。空を塗ってみましたが、とてもにじみがとてもいい感じに。

乾くのはゆっくりなので、慌てずにゆったり作業ができます。グラデーションも得意ですね。
他のコットン100%水彩紙と比べると、少し水彩境界(エッジ)が出来やすい感じもします。乾くのがゆっくりなことと関係があるような気がします。
どちらかというと細密なイラストよりも、風景やリアルなテイストの絵に合いそうだなと思いました。
重ね塗りもリフティングもできる
重ね塗りもできます。着色はしっかり色が乗ります。

ただ、ウォーターフォードのようにしっかり定着するわけではないので、少し描いた後に修正したり拭き取ったりすることができます。ただそこまでガッツリ色が抜けるわけではありません。
バランスはいいかなと思います。
マスキングに弱い
色を塗ったり、線を消しゴムで消したりする分には問題ないのですが、マスキングには弱いです。

そこまで紙肌が弱いようにも見えないのですが、ホルベインのマスキングだと紙が剥がれてしまいました。
マスキングテープはギリギリで、少し粘着力を弱めてから貼らないと剥がれてしまうことが多かったです。なので、マスキングは使用しない方が無難かなあと思いました。
アヴァロンの感想
上質な水彩紙だけど、人を選ぶ
というのがアヴァロンを使った感想です。
ゆったりとしたにじみはとても魅力的ですが、凹凸が大きく細かい描き込みがしにくいので、広範囲にグラデーションやにじみを施した表現に向くと思います。

私の場合、人の顔を描くときはちょっと凹凸が気になってしまいました。
ただ、ピンクの色はとてもきれい!このような冷たいピンクはきれいに発色しない紙も多いのですが、アヴァロンはきれいにピンクを見せてくれる!塗り残した余白も真っ白できれいです。

寒色系はどの色もきれいでした。いつもなら暖かい色合いが好きな私も、アヴァロンだとクールカラーを多くチョイスしてしまいます。青やグリーン、ピンクが映える紙。

マスキングがNGなことを考えると、まずおすすめしたいのはウォーターフォードやストラスモア(価格帯が同じ)になりますが、アヴァロンもハマる人にはハマる水彩紙だと思います。
それなりに値段する水彩紙なのでまずはポストカードでお試ししてもいいかもしれません。
他にもストラスモア、ウォーターフォードは同クラスの水彩紙なので、比較してみても面白いかもしれません。