透明水彩で、明るい色の絵具は華やかで目が行きやすいですが、地味な色も便利なんです!
おすすめの暗色を紹介します。
Table of Contents
明るい色に目が行きやすい?
主に12色セットや18色セットに入っているのは、明るく、鮮やかな色が多いです。
絵具を買い足す時にも、つい、鮮やかな色は目につきやすく、選びがちです。私もやはり明るく鮮やかな色には惹かれやすいので、透明感のあるオレンジや、黄色、紫、ターコイズブルーなどの色は、必要かどうか?は置いておいて、パレットに入れたくなります。
鮮やかな色はやっぱりすぐ目につくよ
でも実際に絵を描いていると、明るい色ばかりでは物足りないこともあります。実際には、絵の中には建物や植物などの影、夜の空や地面など、暗い部分もあったりします。なので暗く、地味な色の絵具も使ってみると、とても便利だったりします。
特に透明水彩の場合、絵具の透明性のせいか、明るい色ばかりではメリハリがないように見えぼんやりしがちです。濃いめの暗い色も使って対比を見せた方が美しく見えることも多いです。
あまり、注目されないけれど、とても使い勝手の良いおすすめの暗色の絵具をご紹介します。
おすすめ暗色
インディゴ
ホルベイン、ウィンザー&ニュートン、シュミンケホラダム、クサカベ、マイメリ、などなど、大抵どのメーカーでも売られています。(ターナーは海外色15mlチューブのみです)
この色は、紺色です。暗めの青です。
混合色なので、大抵、黒と青の顔料が混ぜられています。青に使われている顔料がメーカーごとに違うので、色味もそれぞれ違います。黒と青が混ぜられているだけなので、どうしても買わなければいけない色ではないような気もするのですが、持っていると便利です。一応青なのですが、かなり渋みがあるので、どちらかというとグレーに近い色味です。ブルーグレーといった感じです。
そのまま塗って、夜空のような表現にもよいです。かなり色の濃さがあるので、他の色と混ぜなくても、暗い紺色が使えるのは便利です。特に背景に大量に使いたい時など。。
また、薄めて、薄いグレーにして、影表現として重ね塗りするのもよいです。
いろいろなメーカーのインディゴ絵具を比較した記事です。
ほとんどが黒と青の顔料の混合なのですが、マイメリだけは、本物のインディゴ顔料で単一顔料です。気になる方はぜひ…
セピア
この色も大抵のメーカーが作っている色です。
かなり暗い焦げ茶色です。
この色も混合色で、茶色と黒が混ぜられています。セピアも黒と茶色の混色で作れるような色なので、絶対に必要な色というわけではないのですが、あると便利な色になります。
黒の代わりに、影や暗い部分を塗ると、少しソフトで暖かい表現にすることができます。重ね塗りにもとっても便利です。自然のものは、茶系統の色のものが多いので、木の幹、岩、土、植物の影など、かなり活躍します。
また混色にも便利です。ウルトラマリンと混ぜたもの、プルシャングリーンと混ぜたものが私のお気に入りです。
かなり黒に近いので、温かみがあるグレーとしても使えます。
ホルベインのセピアが好きです。
マースバイオレット
ホルベインのちょっと変わった褐色です。
バイオレットとありますが、どちらかというと紫がかった焦げ茶色です。
赤みがあるので、セピアやアイボリーブラックよりも断然華やかな印象になります。
また、青系の色と相性がよく、隣に置くと青を引き立ててくれる色です。
また、植物系の茎やヘタなど、グリーンのポイントにも使える色です。青系の混色もとても素敵です。色気のあるグレーで画面を暗くしません。相性のいい色は他にもたくさんあります。
重ね塗りして、影の色としても使うことができます。
マースバイオレットは溶けやすく、濃く色を載せることができるのも魅力的です。
個性的な色なのですが、案外使い勝手がよくおすすめの暗色です。
ペリレングリーン
ホルベインではシャドウグリーン、ウィンザー&ニュートンやシュミンケホラダムではペリレングリーンの名前で売られています。
ペリレングリーンはかなり暗いグリーンの色味です。グリーンというより、グレーの色味に近いかもしれません。葉の色に使えなくもないのですが、どちらかというと影の色です。風景画の暗い部分や、水の表現、などにも使うことができます。
全体的に赤みが強すぎる絵の色彩を和らげたりすることもできます。混色や重ね塗りをせずに、そのまま使っても独特の渋みが、落ち着いていて素敵な色です。
ペリレングリーンはシュミンケホラダムのものが色が深くて素敵です。
マダーブラウン
シュミンケホラダム、ウィンザー&ニュートン、ターナーにある色です。赤みの強い茶色です。暗色とは言えないかもしれませんが、おすすめの色なので、ご紹介します。
赤茶色といえば、ライトレッドやバーントシェンナ、ベネチアンレッドは、オレンジよりの茶色なのに対し、マダーブラウンはかなり赤みが強いです。なので、思い切って赤の代わりに使うこともできます。赤の代わりにマダーブラウンを使うと、絵のトーンをクラシックな感じや、レトロで懐かしい感じにすることもできます。
薄めるとくすんだピンクに。このいろでバラの花を塗ったりするとお洒落です。
特に風景画を描かれる方の場合、真っ赤は使わないで、マダーブラウンを赤の代わりに使うとしっくりくるかもしれません。描くものにもよりますが、おすすめの赤系の暗色です。
番外編(絵墨)
渋い色といえば…こちらも目にすることの多い商品。気になります。
まとめ
いくつかおすすめの暗い色を集めてご紹介しました。黒と色の絵具を混色して作れる色もあるのですが、大量に使う時には、やはり便利です。特にインディゴとセピアは、たくさん使いそうな時には、おすすめの色です。
また、少し落ち着いた色(彩度の低い色)を作りたいな〜と言う時も、鮮やかな色にいきなり黒を混ぜるのではなく、このような暗色をちょこっと混ぜるだけで、好みの色が作りやすいです。
またまた、良い暗色を見つけたら追記したいと思います!