額装費は、まだ活動の日が浅い作家にとっては、かなり負担になるもの。額装しないで、作品を販売する方法も知って、うまく使い分けしましょう!
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水彩画を額装しないで販売できないか?
展示会や問い合わせで、よく質問を受けることが、額装にまつわることです。

水彩画を額装しないで販売する方法はある?
こんな質問は多いですね!そのときこんな風にお答えしてます。

メイン作品は額装したほうがいいです!
小作品は額装しないというのもあり。
水彩画のスタイルは基本「額装」
水彩画の展示では、基本的には「額装するのがおすすめ」です。
理由は2つ。
- 折れ、汚れを防ぐため
- 作品をよく見せるため
折れ、汚れを防ぐため
水彩画は水彩紙に描かれているので、紙1枚ペラっとしていることが多いです。なので、かなり脆弱な状態。そのままでは、折れや汚れが心配な状態です。
なので、そういった事故を防ぐためにも、額装するのがおすすめです。

紙1枚のままではちょっと怖いね…
作品をよく見せるため
また、額装は作品の格を上げてくれるという効果もあります。思い切って額装してみると「とても作品が良く見える」ということが多いです。紙1枚ペラペラの状態ではそこまで価値を感じにくい作品でも額装するととても立派に見えるのです。

額装はした方が、絵の世界観にも入りやすくなる感じがしています。
額装しないなら、パネル貼り
なので上記の理由から、メインで出す作品は「額装するのがおすすめ」です。
もし額装しないのなら「水彩紙をきれいにパネルに貼りつけてフックでかける」という方法がおすすめです。日本画の作家さんなんかはよく和紙をパネルに貼りつけた状態で、展示販売しています。
が、透明水彩の作品は、絵の具が完全に耐水性ではないことや、汚れなどにも弱いので、基本的には額装するものと思ってもらえたらいいと思います。
補足ですが、パネル貼りを額装することを考えた場合、油彩額か、立体額に入れると思うのですが、どのようにお客様が額装されるのかイメージしておいた方がいいです。油彩額はいかついデザインのものが多いので、それが販売しようとしている水彩作品に合うかどうか。また規格外のサイズで、額装に費用的負担がかからないか。お迎え後のイメージもしておくといいと思います。
額装しないで販売する方法
とはいっても、全ての作品を額装するのはかなり費用的な負担があるので避けたい、というのもよく分かります。若い作家さんなんかは、低予算で展示や販売をしたいと思っているはず。
枯葉自身も今年2022年は額なし作品も多く販売しました(50点近く)
その経験から、「持ち帰り可能な小作品」の場合は「額なし販売」もおすすめだということ。
ただ、やはりどのようなサイズで販売するかについては少し考えてもよいかもしれません。今年にたくさん活用した規格やボードなどとご紹介します。
ATCサイズ
今年たくさん描いたのはATCサイズの作品です。
ATCてなんぞやという方には、こちらの記事が詳しいのでぜひご覧ください。
ATCは56mm×81mmのトレーディングカードサイズの作品です。こちらは専用のボードがたくさん売られています。展示によってはこちらのATCボードを使う展示もあります。
こちらのイラストボードを使えば、折れたりする心配はありませんし、この分厚さが信頼できる感じがします。

買う側からすると額装しやすいのもポイントだと思います。
ATCサイズの額というのも増えてきていますし、ポストカードサイズの額やL版サイズの額にマットを挟んで額装することができます。

マットを挟むとこんな感じです。マットがあるとグッと豪華に感じますね。ポストカードサイズの額に入れているんですが、ポストカードサイズは種類も多く、手に入れやすいので、額装しやすいのがポイントです。

販売する時には、クリアケースに入れて販売します。クリアケースはトレーディングカード向けのサイズが100円ショップに売っています。

豆色紙
豆色紙も今年はたくさんの方に手に取って頂きました。とくにホルベインの水彩マラソンではたくさんの方に「印象に残った」と言っていただけました。

こちらは75mm×75mmの正方形のものですが、縁取りの金がとても豪華に見えるので、額なしでも十分通用すると感じました。
こちらもピッタリのサイズのクリアケースがセリアに売っていました。クリアケースにきれいに納めると額なしであることが気になりません。こちらもとてもおすすめです。

面積のサイズ感はATCと同じくらいなのですが、この正方形の規格のほうが構図のバリエーションも豊富で絵が描きやすいと感じる作家さんも多いそうです。
額も正方形の額自体は存在するので、マットさえはさめば選択肢は多いです。
もちろんそのまま飾っていただいてもいいですよね。
ハガキ or L版 サイズドローイング
ドローイングとは本来は「色のついていない素描」のことを指すようですが、最近は「簡易的な作品」として販売する作家さんが多いようです。
サイズはハガキサイズか、もしくはL版サイズが額装しやすくおすすめです。

あまり特殊な縦横比の紙に描いてしまうと、お迎えくださった方が額装するのにハードルが上がります。できるだけ一般的でメジャーな規格サイズの紙に描くのがおすすめです。ハガキサイズやL版サイズはフォトフレームにもよくある規格なので、一番優秀だと思っています。
こちらのドローイング作品は、まさに紙1枚ぺらっとしているため、あまり作品の価格は上げられません。それだけに、メインの作品とはしっかりクオリティの区別をしておくのがおすすめです(でないと安いドローイングばかりお迎えされてしまう)

私の場合は1時間〜1時間半で仕上げています(ワンドロ)
折れが心配なので、ドローイングの後ろに厚紙や色紙を入れて厚みの補強を入れています(少し豪華に見える効果もあり)

額なし作品をメインにしない
作品をある程度販売してきて思ったのは、「額なし作品はメイン作品の引き立て役に徹するべし」ということ。やっぱりドローイングや小作品は自分の世界観を打ち出していくには、サイズが小さいのです。
あくまでメインの作品は額装作品だといういう風に見てもらえるように絵の内容も調整します。私は制作時間を区切ってあまり時間をかけすぎないようにしています。

持ち帰り作品が豪華すぎると、
メイン作品がお迎えされる
チャンスを失うことも💦
メインの作品をしっかり作っていって、ドローイングや小作品は時間が余ったら…くらいでいいと思います。
こういった簡易作品には向き不向きもあると思っていて、作ってみてあまりしっくりこなかったら、大きめのメイン作品だけを丁寧に作っていくのもアリだと思います。
最後に
額装なしの作品は、作品の単価が安くなりがちですが、額装費用がかからないので、安定して数を供給できるのなら、積極的に活用したいところです。

買う方からしても
お手頃で嬉しい額なし作品♪
うまくメインの額装作品と使い分けをして、手に取ってもらえる機会を増やしましょう!
ではでは〜