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水彩額装のマットの選び方(色・形・ダブルマット・ライナーを比較、額装例多数)

今回は水彩画額装のマットについて解説します。額装に興味があるけど踏み出せない人や、効果的なマットの使い方が分からない人へ!

マットの使い方

マットとは?

水彩画の額装で欠かせないのがマットです。マットとは、額と作品の間に設置する窓付きのボードです。このように真ん中に穴が空いています。この穴のところから作品が覗く形になります。

実際に額に設置してみるとこんな感じ。マットは額縁とマットの間に入ります。

デッサン額の中身を開けてみると、階層構造になっています。額縁、アクリル板、マット、厚み調整板、裏板、の順番で入っています。作品は③マットと④厚み調整板の間に入ります。

マットと作品のくっつけ方

とはいっても、そのままでは作品とマットはズレてしまうため、マットの裏に作品をくっつけています。

くっつける方法はテープでOK。ただマスキングテープは時間が経つと糊が染み出して変色してくるそうです。なので理想は額装用のテープ!私はこちらのミューズの作品テープを愛用しています。

テープを貼る場所は1辺だけ長めにしっかり貼るか、多くても2箇所くらいで大丈夫。作品のサイズに合わせて貼れるところに。

コーナーピタックでもOK。こちらは作品の四隅に貼るのですが、作品直接テープを貼るわけではないので、デリケートな紙の場合はこちらがよいかも。

マットが大事な理由

  • 作品のサイズと額のサイズの差を埋める

作品と額にはサイズ差があることが多いので、サイズ調整のためにマットを敷きます。逆に言うとどんなサイズの作品でもマットを使えば、規格額に額装することができるのです。

  • 作品が見やすくなる

マットを入れると額と作品の間にワンクッションができるので、作品が見やすくなる効果があります。特に水彩画は色が淡かったり、塗りが繊細な作品も多いので、デザイン性がある額と少し距離ができるのは大事です。

  • 作品が豪華に見える

マットがある方が作品の見栄えがします。マットには色々な色や素材があり、額縁との相性で作品を美しく見せることができます。

またマットをつけた方が額縁サイズも大きくなるため、作品そのものも大きく感じます。

  • 作品保護

マットを挟むと、表面のアクリル板と作品の間に隙間を作ることができます。作品がアクリル板に触れないため、作品を保護してくれます。また余計な湿気をマットが吸ってくれる効果もあります。マットを入れた方が作品の長期保存に向いています。

マットの種類(色、素材)

ここからは、私が実際にした作品の額装を例にマットの種類について紹介します。

白マット(スタンダード)

一番スタンダードなのは、白いマットです。これは全ての額装の基本です。
額縁屋さんに行くと、「どれにしますか?」と色々な色のマットを見せてくれるのですが、基本は白いマットです。

ただ、同じ白であっても、真っ白、クリームっぽい白、凹凸があるもの、など色々な白があり、色も質感もさまざまです。

私が最もよく使うのは、白い水彩紙のマットです。適度に凹凸があり、純白よりも少し温かみがあるものです。具体的にはオリオンのワーグマンやミューズのワトソンなどです。私の作品は水彩画なので、同じ水彩紙のマットは相性がいいと感じることが多いです。

色は、真っ白とクリームの中間くらいのオフホワイトが一番万能で、どの作品にも合いやすいのですが、絵によっては純白がいいこともあるし、少し色のついたクリーム色がしっくりくることもあります。

色マット

色マットにする時はどの色がいいか、額の店員さんに相談してみましょう。絵を引き立てる色を提案してくれます。

私は色マットはどういうときに使ったらいいのか分からなかったのですが、最近はチャレンジするようにしています。

↑このようなマットのサンプルがあるので、色々あててみて検討します。ちなみにこの色マットの種類は額屋さんによってもかなり違います。こだわりたい時には、色マットの種類が多く選べる額屋さんに行くことにしています。

いくつか色マット額装の例をご紹介します。

①グレー系

白の次にしっくりくるのがグレー系。淡いグレーは、白マットでは眩しく感じる時に。

黒額+グレーだとコントラストが強くなりすぎなくていい感じ。

②ベージュ系

グレーと同じくらい使えるのがベージュ系のマット。アイボリー色よりもさらに色が濃いので、白っぽいマットだとまぶしく感じる時に使います。

③淡いグリーン

淡いグリーンのマットも、絵の内容によってはいいですね。とくに余白が多いと、作品の色を補完する効果があります。

④紺色

紺色は、かなり色々な絵と相性がよいです。特にクラシックなイメージの額装とよく合います。黒よりはソフトな印象です。ただ、ちょっと印象は強くなるので、作品は選びます。

色マットは、絵の色との相性次第ですが、ぴったりマッチしていると特別感が出ます。ただ、その分難しい!色々試した結果やっぱり白がよかったということも💧

布マット

布製のマットはあまり利用したことがないのですが、木綿のマット、麻のマット、スエードのマットなどがあります。紙のマットに比べて少し価格は高くなりますが、特別感が出てとてもよいです!

スエードのマットは紙のように反射がないので、紺色や黒は深みがあって素敵です。より深い色で額装したいときに。特に金色や銀色の額と相性がよいです。

左は作品のサイズがかなり大きいのですが(F20号程度)細めに黒のスエードマットを入れています。右は変わった額装ダブルマットの内側にだけベージュのスエードマットを入れています。

色々なマットの加工

ダブルマット

ダブルマットは一時期ハマっていた加工です。窓サイズの違うマットを2枚重ねる加工です。

額装が立体的になるので、間違いなく豪華な感じにはなります。

ダブルマットには色々はパターンがあって、同色マットを重ねるもの別色のマット重ねるものがあります。

①同色のマットを重ねたダブルマット

「白いマットを2枚重ねたい」と額縁店で伝えると、「あんまり意味ないですよ」と言われることもありますが…

意味ありますよ!!(断言)階段みたいになってとってもよき…。重ねる幅でもイメージが変わります。ただ、マット幅は少し広めに取るのがおすすめです。

②少しだけ色が違うダブルマット

同じような色のマットを重ねているのですが、微妙に色が違います。左がクリーム色+純白、右が白+ベージュです。

③全く別の色のマットを重ねるダブルマット

全く別の色を2枚重ねています。これを一番よく見かけます。

別の色を重ねるときは、手前のマットを白、奥にくるマットを色つきのものにして差し色にすることが多いそうです。(左)手前のマットを白、奥のマットがグリーン。その場合は、カラーマットにするよりも、微妙に色を効かせられて洒落た雰囲気です。

私は手前のマットをグレー、内側に純白のマット、というパターンも時々やっています。(右)

ダブルマットは、マットがやや幅広でないとできない加工です。マットの代金はマット2枚分になるのですが、それ相応の価値があると感じてます。

フィレライナー(金縁加工)

マットの内側に入れる金属をフィレライナーと呼びます。

内側のカット部分に金や銀の装飾を施します。こちらもかなり豪華な感じになります。色は金と銀がメイン。光沢のある金やマットな金などお店によっても、手持ちのフィレライナーのデザインが違うことも。

両方とも金のライナーですが、左の人魚は幅広の光沢のあるライナーで、右の天使の作品は艶消しのライナーです。

フィレライナーには、マットの切り口を隠すという効果もあって、特に色マットでは白い切り口がのぞくのが気になるのですが、ライナー加工をすると切り口が金属で隠れて美しく見えます。特にマットがスエードのときライナーもセットで考えておくといいですね。

このような模様の入ったフィレライナーも存在します。

溝加工

窓の外側に溝の加工を入れるもの。ちょっとニュアンスが加わって、立体的な表情になります。ダブルマットほどではないけれど、ほどよくアクセントになります。

色マットに溝加工すると、溝部分が白になるので目立ちます。わりと大きなアクセントになるので、事前にシミュレーションするといいかも。

白いマットに溝加工もよく額縁店に「あまり意味がない」と言われがちなのですが、私はさりげなくて気に入っています。特に左のようにマット幅が広すぎて、少し間延びしがちな時に使っています。ダブルマットほど大げさにならなくていい感じです。

特殊な形の窓

あとは円や楕円の形など、四角以外の形に、窓の部分を切り抜いてくれる額縁店もあります。

色々あるのですが、絵で使いやすいのは、丸、楕円、アーチの3つです。こちらはマットを先にカットして、それに合わせて絵を描きます。

フォトフレームのように複数の窓を切り抜くこともできるそう。 ATCサイズの絵を2枚並べて1つの額に収めている絵を見たことがありますが、これもとても素敵でした。アイディア次第で、個性的な額装ができると思います。

マットは幅も大事

作品サイズが決まっているときは、幅は自動的に決まってしまうのですが、自分で作品サイズを決められる時は、マットの幅をどれくらいにするか計算してみましょう。

同じサイズの額装でもマットの幅でかなり印象は変わります。大体3〜5cmくらいがちょうどよいように感じますが、大きな作品になるとそれなりに幅があった方が安心です。

また画材店によっては25mmより細くマットを切れないところもあります。ある程度幅に余裕は持ちましょう!

こちら↓の記事では額のサイズから逆算して作品のサイズを決める方法を紹介しています。展示に出ることが多いなら、ぜひ参考にしてみてください。

マットで色々見せ方が変わる

マットの色だけでもかなり作品の印象は変わります。なので、思い込まずに色々チャレンジしてみるのもよいと思います。

下の作品は同じ額縁ですが、マットの色を変えるだけでこんなに印象が変わります。どちらも作品には合っていますが、作品の目立つ部分も違いますし、作品の意味や伝えたいことも変わってくるように思います。

こちらも同じ作品で額を変えていますが、マットの色が微妙に違います。白とベージュなのでそこまで違うわけではないのですが、やっぱり印象はかなり変わります。

なので、複数のマットを購入して、入れ替えてどう見え方が変わるのか、は試してみてもよいと思います。

こちらはnoteの記事になりますが、結局上の作品どの額装になったのかコラム形式で紹介しています。参考までにお楽しみください

額で作品の見え方はこんなに変わるよ①額とマットで4種類。どれが好き?|枯葉庭園

また額装の記事は下の記事が基本になってて、額装の種類ややり方を説明しています。ぜひ読んでみてください。

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