今回はチャコペーパーを使って水彩の下書きをキレイにする方法です。
下書き、どうやってするのが正解?
今回はどうやって水彩画の下書きを描くか、についてお話したいと思います。
以前「透明水彩の線画を何で描くか?」の記事は書きました。鉛筆で描くのか、ペンでなぞるのか、印象も変わるし、悩ましいですよね!↓
こちらのペン線画と鉛筆線画の比較も人気ですね。
この↑2つの記事は線画を作るのに使う画材の話。今回はそもそも下書きの線画をどうやって描くか、の話です。意外と探しても出てこないんですよね、この情報が…
何度も描き直したら、紙がボロボロになっちゃったよ〜〜
一発でキレイに下書き描くのは難しいよね💧
下書きは色々な作り方があるから紹介するね✊
水彩の教本だと、下書きはささっと直接描いているか、そもそも下書きが既に描かれているところからスタートするので、直接描いているんだ!と思う方も多いでしょう。
シンプルな絵ならそれでも構わないのですが、そもそも一発でキレイに下書きを描くのはかなりハードルが高いのです!!
実は水彩の場合、プロアマ問わずほとんどの人が、紙直接下書きはしません。
ん?どういうこと??
特に透明水彩は繊細な画材。あまりに下書きの鉛筆線がたくさん描いてあると、塗った時にキレイに見えないことが多いです。(透明水彩は透明なので、塗っても下書きの線がばっちり見えちゃいますからね…)
鉛筆の線で、紙が汚れてしまうことも。そして絵具で塗ってしまうと、鉛筆の下書き線が消えなくなる紙もあります。また、不必要な線を消すために、消しゴムでゴシゴシ消すうちに水彩紙が傷んでしまうこともよくあります。

なので、別の紙に描いたラフや下書きを、トレス台やチャコペーパーで水彩紙に写す、という方法を取る人が多いです。(もちろん直接描くやり方を採用する人もいます)
ただそれぞれのやり方にメリットデメリットがあるので、「どの方法が自分に合うか」記事を読みながら考えて欲しいと思います。下書きを描く方法はとても繊細な問題で、どれが合うかはスキル面だけでなく、かなり作家の性格が関係してきます。そこもまとめられるようにしたいと思いますね!
下書きを描く方法は3つ
下書きを作る方法は大きく分けて3つ。
①トレス台を使って写す
②チャコペーパーを使って写す
③水彩紙に直描きする
①と②は別の紙にラフを描いて、転写する方法、③だけは直接描く方法となっています。
①トレス台を使って写す
トレス台という道具を使って転写する方法です。私は最近導入したのですが、トレス台、めちゃくちゃ便利です!もう、天と地がひっくり返るくらいの衝撃がありました。分厚い水彩紙をトレスするのは難しいと聞いていたのですが、私が購入した機種ではきれいに転写することができました。

どういうものか軽く説明すると…トレス台は光ります。トレス台の上に、写したいラフ、水彩紙の順番にのせて、台を光らせると、下に置いた線画が写るので、上からなぞっていけば簡単に転写ができます。
ラフを描く紙を薄くしておくのがコツです。

こちらは下の線画と上の水彩紙を両方確認しながら転写ができるので、かなり精度高く写すことができます。達人になるとそのままペンで転写も可能だそうです。どちらかというとイラスト系の作品を描く人が多く採用している方法ですが、これは全人類におすすめです。
ただ、トレス台自体がそこそこ価格がするのと、場所もかなり取ります。色々な意味でコストがかかります。なのでこれを導入するかどうかは、これから水彩を長くやっていきたいか、ということにも関係しそうです。
関連記事でおすすめのトレス台や、どのくらいの厚みならきれいに写るのか詳しく紹介しているので気になる人はぜひ。
②チャコペーパーでの転写
チャコペーパーでの転写は、トレス台に比べるとコストもかからず、場所も取りません。どういうものかというと、こちらは水彩紙、チャコペーパー、下書きラフの順番に載せて、下書きラフを硬めのペンでなぞっていくと、下の水彩紙に転写される仕組みです。

なぞりながら下の紙が確認できないため、なぞり残しがあったり、ミスをすることがあります。また、トレスした線は水で消えるため、なぞったあとに再度鉛筆やペンでなぞり直す必要があります。


少し手間はかかりますし、トレス自体もコツがいります。
ただ、こちらはパネルやブロック水彩紙など厚みがあるものにも転写ができるので、どちらかというと絵画系の人が多く採用している方法です。トレス自体はそのまま移すというより目印程度に写しておき、そこからちゃんと下絵が起こせるといい感じです。
トレス台を買うほどではないが転写はしたいという人にもおすすめ。詳しいやり方やコツはこちらの記事で紹介してます↓
③直接線画を描く
直に水彩紙に線画を描く方法です。こちらはわりと構図がシンプルな場合によいです。
なんといっても線画を描いたらすぐに塗れるので、制作時間も早いこと、気軽に制作できるのがメリットです。


デメリットはただ一つ。塗りやすいような整った線画を一発で描くのは、それなりにスキルが必要だということです。線画用に練習が必要だし、迷い線が多くなるとかえって塗るのにも時間がかかります。
なので初心者向けのようで初心者向けではないのがこの方法です。
上達すれば柔らかく柔軟な線が描けるのもこの方法。なのでトレス台やチャコペーパーとミックスしてもよいかも。
どういうところが難しいのか、また弱点をカバーする方法を延々と語っています。参考になるかはよくわからないので、個人的な読み物として読んでみてください。
こんな人に向いている?線画の方法
今回はそれぞれの方法の比較と向いている人です。
トレス台 ラフでしっかり練りたい、複雑な線画を描くことが多い、線画作りを手間なくしたい、コストがかかってもいい、卓上に置く場所がある
※私の印象では、しっかり計画を練るタイプの人、真面目な人が多いです。複雑な絵ほどこちらを利用する人が多い印象。もともと漫画や製図、設計用に作られたツールなだけあって、デザインやイラスト、コミックイラストの人がとても多く利用しています。
チャコペーパー ラフでしっかり練りたい、複雑な線画を描くことが多い、水張りしたパネルに転写したい、コストはかけたくない
※やはりしっかり計画を練ってから制作をする人が多め。なぜか美大を経由してきた人はこちらの方法を利用する人が多いです。また大きな絵を描く人もこちらですね。水彩だけでなく、日本画を描く人もこちらの方法です。
直書き シンプルな線画、下書きに時間をかけたくない、シンプル線画を描くスキルがある、コストをかけたくない
※その時その時のフィーリングを大事にする感覚派の人、せっかちな人が多い印象。私もここに含まれます。水彩で風景や静物を描く人はほとんどがこの方法を取っていて、水彩教本も直に下書きを描いているものがほとんど。中には下書きすらせず、急に色を塗り始める人も。
| コストかかる | 場所取る | 修正しやすさ | 手軽さ | 向くサイズ | |
| トレス台 | ◎ | ◎ | ◎ | × | A3まで |
| チャコペーパー | △ | △ | ○ | × | 大作品も |
| 直書き | × | × | × | ◎ | 大作品も |
個人的には下書きを描くのが得意でない人ほどトレス台がおすすめなのですが、下書きを描くのが好きでない人ほどコストや時間をかけたくないというジレンマかもしれませんね。
おまけ、デジタル作画→印刷
最近は下書きをデジタルで作画して、それを水彩紙に印刷し、そのまま着彩するという方法を取る作家も徐々に増えています。パッと見た感じでは分からなくて、展示会などで作品に目を近づけてみると「線画が印刷かな?」と思う程度です。
作家さんに聞いたところ、デジタルで線画を印刷するということは、複製が可能なので、塗りで失敗しても、何度でもリトライできるという強みがある、ということでした。
家庭用プリンターで水彩の線画を印刷する場合は、インクが水でにじまないようにしないと使えません。インクジェットプリンタのインクを顔料インクに変えるか(目詰まりしやすい)、レーザープリンタにするか、どちらかだと思います。


私個人は線画を印刷するのはぬりえとして配布する場合のみなのですが、そこで気づいた点を挙げておくと、線画を印刷すると線のインクが絵具を弾いてしまうので、水彩との一体感は出づらいと感じました。
個人的には印刷ではなく、手で描いた線画が好きなのですが、プリンタで印刷するメリットもありますし、それこそぬりえのような形で配布することもできるので、これも一つの形だと思っています。
何度でもトライできる💡
ということで意外と悩ましい水彩画の下書き方法についてまとめてみました。水彩だけでなく、色鉛筆やアクリル絵具でも同じだと思います。下書きって、あまり注目されないのですが、ここが絵の出発点ですし、いい下書きや線画が描けると驚くほどスムーズに制作が進みます。
なので、美しい線が描けるとか、きれいに下絵を作れるのはとても大事なことだなと思います。
私は色塗りが好きなので、ついつい下絵作りをさぼりがちです。なので、心地よく線画を作れるように工夫していきたいと思っています。
下絵に使う画材についてはこちら。鉛筆、色鉛筆、ペン線画のメリットデメリットをまとめています。
そもそもアイディアってどうやって出せばいいの?アイディアの保存の仕方やラフの描き方について。
下書きからすぐに着彩に入るのではなく、着彩計画を立てるのも大事〜〜!とにかく準備が大事なんですね。






















