このたびニッカー絵具さまの新しいパンフレットに、枯葉庭園の作品が載りました!カタログに載せていただいた作品の紹介と、デザイナースカラーの活用法、メリットをお伝えしたいと思います。
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ニッカーカタログへの掲載
ニッカー絵具の商品カタログが新しくなりました。(2025年11月)
デザイナースカラーのページ。こんな感じです!!「小さく載ります。」と伺っていたのですが、思ったより大きかったです。公式のパンフレットに自分の絵が載っているなんて、嬉しすぎてしばらく正視できませんでした。
左下です↑
わあ…(語彙を喪失)
どきどきしちゃうね
なぜ画像が2つあるのかというと、透明水彩のみの作例と、透明水彩とデザイナースカラー(不透明水彩)を併用した作例が比較のためにあるからです。
パンフレットに載っているものをもう少し詳しく説明しますと。
透明水彩のみでも、工夫次第で、かなり多彩な表現ができます。ですが、透明水彩はそもそも透明感を重視しているので、顔料濃度が低いです。時々、色が物足りなかったり、均一に色を伸ばすのが難しいこともあります。そんな時、透明水彩だけでなく、デザイナースカラーのような不透明水彩を少しプラスするだけで、絵のインパクトが変わってくることが多いです。
今回の作品もたくさん窓が開いていて、色々な空が見えているのですが、色が淡いところや濃い部分は透明水彩だと色が足りないことがあります。そこで、デザイナースカラーの不透明ではっきりした色が加わるとかなり、絵が見えやすくなってくると思います。
どういう部分にデザイナースカラーを使ったのか?
せっかくなので、パンフレットには載りきらなかった詳しい解説も書いていきます。
①青空の部分
青空の部分は以前から、透明水彩だと少し物足りないと思ってました。もちろん、透明水彩のみで表現された空色も清涼感があって素敵です。風景画ならこれでOKなのです。が、しっかりめの人物が入った作品になると、手前の人物に空の淡い描写が負けてしまうこともあるんです。そして、水で薄めた淡い色をムラなくぬるのも難しい。ということで青空部分をデザイナースカラーで塗ってみました。また、デザイナースカラーは色をぬぐいやすい(リフティングしやすい)ため、雲の部分も表現しやすいです。
②夕焼けのグラデーション
透明水彩でグラデーションってすっっごい難しいんですよね。何が難しいって絵具を均一な濃度に保てないので、すぐにバックランしちゃうんです。それが、デザイナースカラーは滑らかで滑りもいいし、濃度があるので、グラデーションすごくやりやすいです。一度試して欲しいです。
③淡い色の重ね塗り
淡い色を上から重ね塗りできるのもデザイナースカラーの特徴。雲や雨の部分は透明水彩だけで描く場合、あらかじめマスキングなどで抜いておく必要がありますが、不透明水彩なら、先に空を塗ってから重ね塗りすることもできます。結果的に手早く仕上げることにもつながります。
④淡いグレー
これは実物を見ないと分かりにくいですが、淡いグレーなど、色が明るい色は、透明水彩で水で薄めただけと、ガッシュをつかった場合とでかなり差が出ます。やはり、しっかり色がのって、メリハリが出ますね。
⑤人物の影
顔の影や髪の毛の影など、細かい部分にデザイナースカラーの暗色を使うとものすごくコントラストがつくので、とても力強い印象になります。この、部分づかい、面積としては少しなのですが、かなり全体の印象が変わります。
もちろん透明水彩でも濃い色を使ってメリハリはつけられるのですが、水彩紙によっては色がのりにくかったり、まだらになってしまうので、そこはデザイナースカラーのマットで強い発色が役に立ちました!
⑥窓枠の境界線
デザイナースカラーは線描がとても得意です。滑らかでトロッとしているので、境界線を筆で描くのに向いてます。透明水彩では一定の線を描くのはちょっと難しいので、(濃くなりすぎたり薄くなりすぎたり)なので、この作品では窓枠の境界線をしっかりひいてはっきりさせるのに一役買ってます。
色々なポイントを一つの絵に盛り込みたかったので、このような構図になりました。色々な技法が詰まっているんですよ!
透明水彩を使う人におすすめしたい!
今回は実は「デザイナースカラーと透明水彩を使用した作品を」というご依頼だったのですが、個人的には「透明水彩だけ」と「透明水彩+デザイナースカラー」同じ絵で両方比較できたらデザイナースカラーの魅力が伝わりやすいかなと思って2枚の作例での納品を提案させていただきました。
透明水彩ユーザーはたくさんいるけど、不透明水彩だけを使って作品を描く方はまだまだ少ないと思います。まずは透明水彩ユーザーにところどころ併用という形でデザイナースカラーを手に取ってもらえたら嬉しいなと思ってます。普通の不透明水彩と比べると、柔らかくて、塗り広げやすいのもおすすめのポイントです。
不透明水彩のマットな感じも便利そう!
使ってみたいな✨
前回のPR記事にも全色の色見本と使いこなしを載せているので、ぜひ読んでみてください。
カタログについて
ちなみにカタログについてですが、業者用であまり一般ユーザーの手に渡る機会は少ないとのことです。が、「新宿世界堂のカタログ置き場には置く予定」とのことでしたので、もし見かけたら手に取ってみてください🙏