マルマン様よりPR記事となります。ヴィフアールコラボパッドとヴィフアール紙の魅力について徹底解説します。
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ヴィフアールのコラボパッド
マルマン様よりご依頼いただき、ヴィフアールのコラボパッドを作っていただけることになりました。
こちらの枯葉庭園の作品が表紙についた、こちらのヴィフアールの水彩紙パッドです。今回はこちらのコラボパッドについて、とヴィフアールの特徴をご紹介したいと思います。
こちらのコラボパッドは販売いたします!!そのお知らせも記事の最後の方にご案内しますので、ぜひお楽しみに!!
コラボパッドの作品コンセプト
表紙に使う作品は既存の作品でもよいとのことでしたが、今回のPRのために作品を描き下ろしました。ヴィフアールといえば、細目、中目、荒目の3つの目がありますが、それぞれ細目が青、中目が緑、荒目が赤です。
個人的に中目に思い入れがあるので、今回のコラボパッドは中目で作っていただくことにしました。そのため作品もそれに合わせて緑で統一することにしました。
また、ヴィフアール(Vif art)は造語ということですが、vifは活き活きとしたという意味なので、活き活きとしたアートという感じなのかなと。その商品名からイメージを広げて「新しい芸術が芽吹き、才能が開花する」というコンセプトにしました。
緑色の表紙の本はまさに「ヴィフアール」をイメージしています。
そこから、まるで生きているかのようなアートが芽を出して、花を咲かせて成長していきます。
作品に使われている緑は、ヴィフアール中目のグリーンをイメージしました。
最初は背景を白で考えていたのですが(これはこれでとっても気に入っていた)、やはり蝶々や花、本に発光している感じが欲しくて、背景を不透明水彩で塗り、夜空にしました。
実際にパッドに印刷された姿はこちら!!とっても素敵にデザインしていただき、感動!文字も入るとやっぱりカッコイイですね。
こちらのパッドは枯葉庭園個展(10月28日〜11月2日、銀座中央ギャラリーにて開催)と通販で限定販売いたします。(原画も個展で展示販売します)
原画について
作品の細かいところを少しだけ解説していきます。
①粒状化する色で下地を作りました。粒状化色の粒子の散り方が独特で面白いです。
②ペンも活用しました。サムトレーディングの顔料サインペンでペン入れしたりしています。ペンとの相性もいいです。
③背景は不透明水彩です。透明水彩でも塗れそうでしたが、不透明水彩の方が印刷映えしそうでしたので。印刷では背景は真っ黒に見えますが、原画は上の方が濃い青紫で、下の方が濃い緑となっています。原画は印刷よりも明るい雰囲気で、実際に見ると「あっ」と驚きがあると思います。
④緑の部分は緑色の絵具は使っていなくて、コバルトターコイズとネイプルスイエローという無機顔料同士です。いかにも「緑!」という感じにしたくなかったので、蝶々が光を放っている感じにしたかったです。
表情はここ最近描いた中で一番好きな感じに描けました。
ヴィフアールの特徴
実際にヴィフアールを使ってみながら、その特徴をおさらいしていきましょう!
まず素材!
ヴィフアールの素材は木材パルプだそうです。(水彩紙にはコットンパルプと木材パルプのものがあります)
木材パルプは絵具がそこまでしみこまないので、ちょっと扱いにコツはいるのですが、ただ、発色は鮮やかで、にじみも面白いです。
どこの画材屋さんでも買える!
価格がリーズナブルなのもメリットです。
にじみがランダムで面白い
にじみの感じが個性的。コットン水彩紙はやはり塗ったものがその場で広がっていくけれど、ヴィフアールはにじみも複雑な感じになりやすいです。ランダムで面白いし、水彩らしさがあります。水彩境界(エッジ)も出やすく、バックランもでやすいです。
水彩独特のにじみや水彩境界が好き、という人にはとても気に入ってもらえる水彩紙だと思います。
重ね塗りは難しいがリフティングができる
重ね塗りはちょっとしずらい、というか定着しにくいので、重ねると色が取れがちです。なので、あまりがしがし重ねられないのですが、その分リフティングがしやすいので、境界をぼかしたり、色を後で抜いてハイライトなどつけやすいです!
濃い色をのせたいときは、最初から濃い色をガツンとのせていきます。ちょっとずつ濃くしていくのはできません。今回の作品の背景はガッシュを使っています。
滑らかな紙肌
ヴィフアールは滑らかな紙肌なので、ペンや色鉛筆など、他の画材と併用しやすい。自然になじみます。(これが面白くて、荒目であってもそこまでゴツゴツしないので、他の画材との相性もいいです。)
この作品もカラーマスターや色鉛筆も使いました。地味に色鉛筆オンリーの作品なども熱いです。コットン水彩紙は水彩のにじみを作るのは得意だけど紙肌が強すぎてちょっとひっかかってしまうこともあるので、あくまで水彩特化という感じです。ヴィフアールは色々が画材を使うミクストメディアに向いているんですね〜✨
分離色が分離しやすい!
分離色が分離しやすい!これは推しポイントの1つです。コットン水彩紙と比べて、分離色の色がきれいに分かれやすいです。市販の分離色って、色によってはあまり分離しないものもあったりしますが、ヴィフアールはめちゃめちゃ分かれてくれます。
同じ分離色でも、色が全然違う!隠れた色もはっきり出てきます。比較したものがこちら↓↓(水彩紙Aがヴィフアールです。一番分離しています)
同じ分離色とは思えない色もあるよ
なんだか他の紙で塗ったものより鮮やかな感じがする!
こちらはシュミンケホラダムの分離色「ツンドラバイオレット」と「ヘイズブルー」↓
ツンドラバイオレットの方は、もともと分離しやすい色ですが、青もオレンジもはっきり出ていて、同じ分離色とは思えません。(この色にこんな鮮やかなオレンジが潜んでいたこと、知りませんでした!)
ヘイズブルーの方は分離が分かりにくいのですが、かなりはっきり分離していているのが分かります。こんな色だったんだね…
また、分離色だけではなくて、粒状化色もいつもとはちがう粒子の散り方です。大きな粒子の沈み方も紙目に沿って広がるので、なにか違うんですよね。
定着しづらいので、ちょっと扱いにはコツが必要ですが…。でもいつもとは違った楽しさがあるな!と。
少し慣れた人にも使ってほしい!
ヴィフアールは価格も安くて、どの画材店にもある水彩紙なので「ヴィフアールで水彩紙デビューした!」という方も多いのではないでしょうか?
枯葉も実は、初めて使った水彩紙が「ヴィフアール」でした。それまで画用紙しか知らなかったので、にじみや発色など、水彩紙の描き心地を知って、驚いたのと同時にとても楽しかった記憶があります。特にヴィフアールの中目は、思い出がたくさんつまった水彩紙です。
2007年〜2009年くらいはヴィフアールが多かったです。大きな作品もこれで描いたんですよ。これはF10くらい。今まで描いた作品の中で一番気に入ってます。
とっても思い出深い水彩紙ですし、いい絵をたくさん描かせてくれた水彩紙です。
が、もっと高価な水彩紙も使うようになった今では、ヴィフアールはあまり使わない水彩紙になってしまいました。パルプ100%の水彩紙なので、コットン100%水彩紙と比べると、やっぱりできない技法も多いので限界があるんです。なので、まだ慣れていない初心者さんには、コットン100%水彩紙もお試しして欲しいのですが、逆に水彩慣れてきた方には面白さのある水彩紙なので、見直していただきたいです。にじみも独特の広がり方で面白いですし、何しろ流行りの分離色も色が分かれやすいです。
コラボパッドの販売と原画販売について
こちらの水彩紙パッドはまず個展で販売した後、残りを通販で販売するつもりです。
まずは個展で販売だね
個展で思ったより出てしまった場合でも、少しだけ通販用に残しておくつもりです。なので水彩紙パッドを購入したいな、という方もなるべくお早めに来場されるのをおすすめします。また、個展で作品も飾られますので、こちらもお楽しみに。額装合わせてみていただけたら嬉しいです。今回マルマンさんの許可を頂けましたので、原画の一般販売も行います。ご興味ある方は、ご検討ください(直前に作品価格リストを載せますので、そちらを参考にお願いします。基本的に先着なので、早めにご来場ください)
枯葉庭園個展「星空の旋律」
2024年10月28日(月)〜11月2日(土)
12:00 ~19:00
銀座中央ギャラリー(銀座奥野ビル411号室)