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神秘の色、プルシャンブルー[透明水彩おすすめの青]

プルシャンブルーという色をご紹介します。透明水彩の青の中でも、どのメーカーでも同じ名前で売られている定番の青です。私はここ数年プルシャンブルーにハマっています。個性的な色で、ちょっとクセもあるのですが、独特の深みが美しく、オススメの青の1つです。

プルシャンブルーってどんな色?

プルシャンブルーは顔料PB27から作られた色です。

全てのメーカーから同じ「プルシャンブルー」の名前で、販売されています。

ひよこ
ひよこ

分かりやすくてイイね!
12色セットや18色セットに入っていることも多いよ

そして全てのメーカーが必ず作っている基本的な青色の一つです。

落ち着いた色味なので、混色しないでそのまま使ってもまとまりやすく、使いやすいです。

ただ深みがありすぎるので、慣れるまでは扱いが難しいかもしれません。

プルシャンブルーの特徴

色は深い青です。

プルシャンブルーは黄色寄りの青ですが、やや色は鈍いです。

ひよこ
ひよこ

冷たい感じがする青だね。

濃く塗ると、とても深い色。かなり深いブルーですが、薄めると明るい水色になります。

一色の濃淡で表せる色の幅がとても広いです。なので、この一色でも絵が描けてしまいます。プルシャンブルーは不思議な色で、濃く塗ると渋い色ですが、薄く塗ると意外に明るい色です。色の濃さによって別々の表情があり、この性質がプルシャンブルーに独特の魅力を与えています。

この色の最大の特徴は、粒子が細かく、染みつきがとても強いことです。染みつきが強い色のことをステインカラーといったしますが、色々あるステインカラーの中でも、プルシャンブルーは特に着色力の強い色です。この着色力を生かした画法もあります。(第一層に塗って下地や影をつけてしまう方法です。)

ピンク色を上から重ねても、色が溶けにくい

ただ、リフティング(絵具をふきとる技法)もあまりできないので、修正もしにくいです。リフティングを使おうと思っているときは、この色を使わない方がいいかも。

透明度は半透明くらい。耐光性はまあまあ。

色がとても強く、伸びもイイので、少量で色を塗り広げることができます。燃費がよく、パレットに出した色は中々なくなりません。ただ、慣れていないと、色を濃く塗りすぎてしまうこともあります。

あとは、これもプルシャンブルーの特徴ですが、独特の色の凝集があります。

ちょっと分かりにくいですが、シボシボした感じ分かりますかね?

グラニュレーションカラーの色の凝集とはまた違った感じです。うまく言葉に表せないのですが、シボシボした感じです。ムラになっているわけではないですがなので塗ったところが和紙?のような見た目になっていることがあります。でも理由はよく分かりません。顔料に詳しい方がいらしたらお聞きしてみたいです。

(粒子の細かい色の特徴なのかなという気もしてきました)

メーカーごとの比較

手元にさまざまなメーカーのプルシャンブルーがあるので、試してみます。(ドットシートやサンプルが手に入ったら、追記していきます)

ホルベインのプルシャンブルー

私が、いつも使っているプルシャンブルーです。ホルベインのプルシャンブルーは、かなり深みのある色ですが、水で薄めたときの色が明るめです。なので、水色として使いたい時にも便利です。

プルシャンブルーは、表現できる色の幅が広いので、いろいろな使い方ができて便利です。私は背景の青空や夜空、海を塗る時によく使いますが、かなり作れる色が多く助かります。

ウィンザー&ニュートンのプルシャンブルー

ホルベインのプルシャンブルーと同じような感じですが、少しだけ色が渋めです。水で薄めるとやはり水色になりますが、より落ち着いた印象です。プルシャンブルーは独特の色の凝集(シボシボ)があるのですが(どのメーカーも同じ。理由はよく分かりません)ウィンザー&ニュートンのものは、この凝集がちょっと強めです。

シュミンケホラダムのプルシャンブルー

シュミンケホラダムのプルシャンブルーはホルベインやウィンザー&ニュートンに比べると、色が薄めです。(というよりたくさん塗らないと濃くならない)

プルシャンブルーは独特の色の深さと着色力にクセがあるので、使いやすい濃度に調整されているのかもしれません。ただ、色味の深さがあまりないので、使いやすい反面、少し物足りない気もします。ただ、混色や重ね塗りでは使いやすいと思います。

(シュミンケホラダムは、どの色も独特の美しさと使いやすさがありますが、プルシャンブルーに関しては、ホルベインやウィンザー&ニュートンのものの方が好きです。個人的な意見)

ターナーのプルシャンブルー

ターナーのプルシャンブルーは、ホルベインのものと比べて、青味が強いです。(ホルベインのプルシャンブルーの方が緑より)色も少しだけ鮮やかです。

色は深みがありますが、水で薄めたときの色は明るめで、きれいな水色。こちらは使いやすそうなので、オススメです。

クサカベのプルシャンブルー

クサカベのプルシャンブルーは、一番青味が強く、黄色っぽさがほとんどないです。

色も渋みが強く、落ち着いていて、使いやすいです。かなり深みがあるのですが、薄めた色は爽やかで、緑系との混色の相性もよかったです。独特のシボシボ感がほとんどなくて、快適。色味に個性がありますが、私はクサカベのプルシャンブルーはとても好きです。

セヌリエのプルシャンブルー

かなり発色の強いプルシャンブルーです。セヌリエの絵具全体に言える事ですが、色が濃く、強いです。少ない絵具でもしっかり色をつける事ができ、濃く塗りやすいです。深みがありながら、薄く塗ったところも弱くならないです。色はホルベインのプルシャンブルーとほぼ同じですが、少しだけ鮮やかです。

マイメリのプルシャンブルー


ホルベインのプルシャンブルーと同じような色味です。濡れている時はかなり深みがありましたが、乾くと落ち着きます。独特の凝集(シボシボ)は控えめ。しっかり発色しています。

色、濃さ、ともに好みのタイプです。

プルシャンブルーの使い方

ここ数年ハマっている色で、スケッチブック丸々2冊、プルシャンブルーメインで描いたものがあります。プルシャンブルーメインとは、ブルーの色味をプルシャンブルーだけにして、他の色との混色で描く試みです。

薄めて水色に。

水で薄めて水色として使う。濃度がある色なので、薄くしても弱い色になりにくいです。

そして落ち着いた色なので、他の色となじみやすい!上品な色です。あまり鮮やかすぎると浮いてしまうことが多く、このくらいが使いやすいです。チューブから出して、そのまま使えるイメージです。

空色としてもとても素敵な色です。ぴったり。

濃く塗って深いブルーとして使う

とても濃い色なので、ネイビーとしても使えます。透明度が強く、均一に塗るのは難しいですが、それを生かしつつ塗ると濃いめに塗ると、ベルベットのような上品な感じになります。深みがあってとてもきれい。

背景にもおすすめです。

さらに、インダンスレンブルーやペインズグレー、マゼンタ系と混色すると、色の変化を持たせることができます。深い色味が、夜空の表現にも良いです。

広い範囲に塗るときは、多めに色を作り、一気に塗り広げます。

混色しよう

いろいろな混色ができます。普通にブルーとして使えるので、緑や紫、グレーを作ることができます。

黄色や黄土色との混色でグリーンが作れます。

これはレモンイエローとイエローオーカーの混色
左がオリーブグリーン、
右はカドミウムイエロー

赤系との混色だと深ーい紫になります。

茶系と混ぜると、グレーです。

プルシャンブルーは、鮮やかな色ではないので、混色した色も、落ち着いた色になりやすく、調和の取れた色彩になりやすいです。自然な色合いにしたいときには、とても便利。

ひよこ
ひよこ

落ち着いた色合いしたいときに良さそう」!

フタロブルーやウルトラマリンで塗っていたところを、プルシャンブルーに置き換えてしまうと、落ち着いたトーンになりやすいです。

下地を作る

プルシャンブルーは独特の着色力の強さがあるので、重ね塗りしても色が動きにくいです。なので下地を作るのに向いています。

特にパルプ紙のような、重ね塗りしにくい紙の場合は、プルシャンブルーのような着色力の強い色を下に塗ると上から重ね塗りしても色が削れにくいです。なので、重ね塗りをしたいときに先に塗っておくの、とてもおすすめです。

プルシャンブルーは着色力が強いので、重ね塗りしやすい

上の画像では、ウルトラマリンを塗った上に赤色を重ね塗りしたら、青部分は少し溶けてしまって色が薄くなっています。うまく重ね塗りできてません。

一方プルシャンブルーは、上から赤をのせても色は溶け出していないので、きれいに重ね塗りできています。

どちらもワトソンという水彩紙に塗っています。

かれは
かれは

プルシャンブルー重ね塗りに優秀♪
そのかわり修正もしにくいです。

終わりに

プルシャンブルーが好きなのは、私だけではないはず。。特徴のあるブルーですが、かなり色々な使い方ができるし、色味そのものも美しいです。とても心惹かれる色です。

特にそこまで、絵に鮮やかさが必要ない場合は、フタロブルーのような鮮やかな青よりも、プルシャンブルーの方が使い勝手がいいかもしれません。

この色は不透明水彩やアクリルでもあるのですが、ここまで顔料の特徴が際立つのは、透明水彩ならではかもしれません。

ひよこ
ひよこ

どのメーカーのプルシャンブルーでも、そこまで違いはないね。

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かれは
かれは

プルシャンブルーは定番の青。他にも色々な青を探してみてね〜

定番といえばウルトラマリン。

もっと鮮やかな青がいい!という場合はフタロブルーです。

深みのある人気の青、インダンスレンブルー

2件のコメント

プルシャンブルー、私も好きな色です。何かで見てなるほどと思い理解が深まったのが、フタロブルーが開発される以前に印刷用のシアンとして使われていた色だそうです。枯葉さん記事にもあるように、薄めるとシアンぽくなり(緑寄りの青)私としてはフタロブルーほど強烈でないシアンとしても使っています。

フタロブルーが登場するまでは、鮮やかな青といえばプルシャンブルーだったようですね。
そのせいなのか、ちょっとレトロというか懐かしさのある深みのブルーです。
ちょっと色がくすんでいるせいか、絵の中では馴染ませやすいですよね。
お仲間がいて嬉しいです^^

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