今回は最高級筆の代名詞であるラファエルについて、禁断の(?)レポートです。最高級の筆は他の筆と何が違うのか?徹底検証してみます。
Table of Contents
ラファエルのコリンスキー筆とは?
数あるコリンスキー筆の中でも、桁違いの価格であるラファエル。他にもW&NのNo.7シリーズや、レオナルド、ラウニーのコリンスキーは同じくらいの価格帯の高級筆です。大体8号サイズで10,000円前後です。

高っ!!
いつも紹介しているナイロン筆が、8号で1000円前後なので、桁違いの価格です。
丸善美術へのリンクを貼っておきます。
世界堂のオンラインショップの方がラインナップがわかりやすい↓
ラファエルのコリンスキー筆のラインナップ
世界堂のページを見ると分かりやすいですが、ラファエルのコリンスキー筆はいくつか種類があります。軸の先っぽの色が違っていて、種類は見分けやすいです。
8404(中細)ボリュームがあるタイプ、赤の軸

8402(細描)ちょっと細いタイプ、黄色の軸
8408(極細)先が尖った細いタイプ、クリーム色の軸
8400(点付)短く先が細いタイプ、色なし
上の3タイプ(8404、8402、8408)は穂先が長めで、水含みがよくたくさん塗れるタイプで、8400だけは、穂先が短く、細部仕上げ用で、値段も少し安めです。
他にも穂先が長い、細筆もあります。
持っている筆の品番
私が持っているのはこの筆です↓
ラファエルコリンスキー 8408 (中細) 8号サイズ
価格 12,650円(世界堂で購入したので、割引があり、10,000円くらいでした)

一番ボリュームがあるタイプの筆です。しかもサイズは8号。
サイズ展開は、
0/6、0/5、0/4、0/3、0/2、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16号
で、かなり細かくサイズが分かれています(20種類)
なので、ピンポイントで好きなサイズが見つかりそうです。ちなみにサイズ展開がここまで豊富なのは8404(中細)のみで、8402(細書)、8408(極細)は13種類のみです。
ラファエル8404どんな筆?
毛のボリュームがすごい
まず、毛のボリューム感がすさまじいです。
口金の大きさは他のメーカーの8号筆とそこまで変わらないのですが、毛の束の太さが全然違う!見た目からして違いますよね。

そして毛のボリューム感がすごいだけでなく、穂先の長さも長いです。
私、描く前に気づいてしまったんです。

買った筆、大きすぎた。。。
そう、8号と言ってもラファエルの8404の8号は、かなりボリューミーな8号なんです。とにかく毛の量とボリュームが贅沢すぎるんです。毛の長さも長いです。店頭で見たときは糊で固められていたせいか、そこまで、大きいと感じなかったのですが。。。
いつも使っている8号より、だいぶ大きめでした💧
もう一度言いますが、口金の大きさは、他と変わりません。
問題の描き心地
問題の描き心地です。
絵具をつけて塗ってみたら、
ものすごい保水力!!

水含みが半端ないのです。もちろんコリンスキーなので、毛のまとまりなども素晴らしいのですが、特筆すべきはやはり水含みです。一回で、物凄い量の絵具を吸い込み、大きな面でも絵具が途切れることなく塗ることができます。
毛はちょっと柔らかめですね。(毛が長いので、そう感じるだけかもしれません)
いつもの筆の試し描きがあるのでご覧ください↓

一番上の塗りが、一回の吸水でどのくらい塗れているかを試しているものです。

驚異の保水力!
2列半塗れています(実はもっとたくさん塗れそうでした)大体、同じ大きさのナイロン筆は端から端まで塗れることは少ないです。
そしてもうひとつ、驚いたのが、色の濃さです。ナイロン筆と比べると、ラファエルの筆で塗ったものは色が非常に濃いんです。しかもかすれる最後まで色が薄くなりません。ということは、おそらく、ラファエルの筆は水分だけでなく、絵具の粒子もたくさん吸い込む力があるのだと思います。安い筆ほど、保水力も絵具の粒をキャッチする力も弱いことが、わかりました。
これは全く予想してなかったので、驚きです。
なので、色をしっかり濃く塗りたいときには、紙だけでなく、筆のチョイスにも気を配る必要がありますね。

筆に絵具をつけてどのくらい濡れるか試したものです。1番上がラファエル8404で塗ったものですが、2列半塗れています。すごいですね。(紙はF3です)
下4つはナイロン筆ですが、端から端まで塗れていません。保水力はちょっと物足りなめです。特に下3つは塗っていくうちに色がすぐ薄くなっています。
ラファエル 8404使い心地 まとめ
- 驚異の保水力
- 先端は細くないが、まとまりがよい
- 少し柔らかめ
- 弾力があり、筆の戻りがよい
- コントロールしやすい
ラファエル8404の総評
ラファエル8404 はものすごいボリューム感なので、8号サイズは、普段F4サイズ以下の作品を描かれる方には、少し大きいと思います。私も普段使いにはちょっと大きいです。逆にF8や四つ切りサイズなどの大きめのサイズの作品の背景などには、ちょうどいいです。下手すると、小型の刷毛よりも保水している感じがしました。それでいて、小回りも効きますしね。
小さめのサイズがメインの方や、絵が細かい場合は、もう少し小さいサイズでよさそうです。5、6号くらいでいいかと思います。そうすると6000円くらいの値段になりますので、少し現実的でしょうか。

それでも高いけどね
買う前は「高価すぎる」と思っていましたが、価格は毛のボリューム感に比例している感じがしたので、他のリーズナブルなコリンスキーと比べて、値段が高すぎるというわけではないかもしれません。安いコリンスキーは、毛の長さや量が少なく、シュッとしているという印象です。
ラファエル8404は保水力や色の濃度なども凄まじく、本格的に大作を仕上げようというときには頼りになると感じました。が、絵が小さかったり、細かい場合は、そこまで他の筆と違いを感じないかもしれません。

ウェットインウェットもきれいにできる
また、より先が細い8402や8408になると、毛のボリューム感や、使用感はまた違ってくると思います。どちらかというと8404は風景画や、イラストでも背景などに向く筆で、イラストだったら先の細い8402や8408の方が、細かい描き込みがしやすく、使いやすいかもしれません。

8402や8408シリーズも使ってみたいな♪
興味のある人は世界堂のwebショップでサイズ確認を
筆は、ある程度のクオリティの筆であれば、リーズナブルな価格のものでも十分絵が描けてしまうので、コリンスキーの筆は全ての人におすすめするものではありません。
ただ、コリンスキーの筆、とても長持ちです!
ナイロン筆は、描き心地も値段もとてもいいのですが、耐久性にやや難ありで、先端にクセがつきやすいです。なので、頻繁に絵を描いていると、何度も筆を買い直すことになります。

同じナイロン筆を6本ほど買い直しています!
高価なコリンスキーは、かなり長持ちで、先端にクセはつきません。先が細くなっているタイプのものも、ずっと同じ形を保っています。それでも何年も使い続ければ磨耗して毛も削れていきますよが、ナイロンのものよりは、ずっと長く使うことができます。(私のラファエルは3年目、使い始めと大きな変化はないはず。少しボリューム減ったかな?エスコダのコリンスキーもヘビーユースしてますが、1年経ってほとんど変化は感じられないです。)
そして、描き心地は、やっぱりいいです^^ 特にラファエルのコリンスキーは保水性と色の濃さで、ウェットインウェットなどの技法もキレイに決まります。
なので、長い目で見ればそこまでコスパは悪くないのかも?

よく絵を描く人で、これからも長く描きそうならいいかも
この記事を読んで、コリンスキー筆に興味出てしまった方、世界堂のウェブショップを覗いてみてください。
サイズが分かりやすくまとめられている(定規のような表記がある)ので、自分の持っている使いやすい筆と比べて見るとイメージわきやすいと思います。そして割引のある画材店で買いたいですね…

今度買うとしたら、8402の6号かな〜

えっ買うの!?
Amazonにありました!!
Twitterで情報頂きました。イラストには4号くらいを使われている方が多かったです。個人的には6号くらいでも良さそう!と思います。
コリンスキー筆エスコダもおすすめ、もう少しリーズナブルです。こちらは先端が細くシュッとしたタイプです↓
ラファエルの筆はちょっと柔らかくて…という方にはこちらがおすすめ↓