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思考整理ノートをやってみたくなった
↑こちらの作家さんの雲丹。さんのブログ。地味に更新を楽しみにしているのですが、こちらの記事をじっくり読ませていただきました!(正月が忙しくてなかなか読めていなかった)すごーく面白かった。作品の自己分析しっかりされててすごいな〜と思いました。
今回は、ブログ掲載の許可いただいたので、私もこの記事の質問に答えて自己分析してみよう!と思いました。
私も作品の構想や頑張りたいことなど、ノートに書き出して言語化する習慣があります。言語化してみると、色々発見があったり、人との比較ではなく、自分なりの答えを導き出せるのが、とても良いです。

私は1冊のノートにアイディアや日々の気づき、やることリストなどを書いていて、創作や仕事に生かしています。2018年から始めてかれこれ、7年目、35冊目に突入しました。このノートのことはまた詳しく別の記事でご紹介したいと思います。

雲丹。さんは自分の作品の方向性を考えていく色々な質問を作って自分の創作について自己分析されています。いろいろな質問項目を見るうちに「自分はどうだろう?」と思ったので、私もとりあえず思考整理ノートをやってみることにしました
とりあえず、「描きたいもの、描けるもの」をテーマにして、自分の作品制作の傾向と好きなものを項目ごとに書き出してみました。

・上の方が、練習が必要な技術的な要素
技術的なこと(デッサンや線)、陰影、背景
・下の方は、テイストや配色など選択の要素
テイスト、配色、要素(モチーフの選択)
となってます。人に見せるものとして書いているわけではないので、汚い字で、読みにくくすみません💦
私の場合、最近は作品の方向性はほぼ決まっていて、細かい部分をブラッシュアップしていったり、新しく挑戦したいことを増やしていったりすることが、課題みたいです。また記事内の質問の回答も考えてみました。
- 絵を描く工程(時間を忘れて没頭できる工程)で好きな工程は?
- 逆に苦手な(ストレスを感じる)工程は?
- 今までの自分の絵を見てわかる自分の手癖や性格は?
- 自分の絵に対して第三者(友達や家族、先生)に言われたことがあることは?
- 「正直やりたくない」絵の練習は?
- 辛い思いをしてまでそのやりたくない絵の練習する覚悟はある?
- 絵の方向性が定まらないということのほかに絵に関する悩みはある?
- 1つの絵を楽しく描き上げるために集中できる時間はどのくらい?
- リアル(写実的)に描かれたものと簡略化(デフォルメ)して描かれたものどっちが好き?
- 光や陰影を描いている時「楽しい」と感じる?
- アナログ画材で色を塗っている時どんなことに楽しさを感じる?
- キャラクターを描いている時によく描く顔の向きやポーズは?(その理由も)
- 風景(自然や建物)を見て「描きたい!」と思ったことはある?
- 逆に「描きたい」と思ったものってどんなもの?
- 好きな配色は?
- 好きなデザインは?
- 絵以外に興味があることとその理由は?
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絵を描く工程(時間を忘れて没頭できる工程)で好きな工程は?
好きな工程は、色塗りが好きだけど、絵が8割仕上がって最後細かい部分のブラッシュアップをする工程が好きです。

髪の毛や洋服など細かい部分の描き込みなどの仕上げの作業です。「なんか仕上がってきたぞ?」となってからが楽しい。なので、作品を8割くらいまで仕上げるのは集中して一気にやった方がいいみたいです。
逆に苦手な(ストレスを感じる)工程は?
ラフや下書きをしっかり細かく描く作業。ここをすっぽかしがち。でも上手くいかない絵はここが問題になっているので、少しずつ克服できたらと思いますね!質のいい線を描きたい、もっと整った下書きを描きたい。なので、線画の練習もしたいな〜と思いました。

今までの自分の絵を見てわかる自分の手癖や性格は?
- 感覚が大事(計画は最小限)
- 体も顔も縦に伸びがち(認知の癖かな?)
- 明暗や光を無視しがち
- 塗りあとが残るようなランダムな塗り方が好き
- せっかちでどんどん進めたい
こんな感じですね。私の場合どんなにあがいても、計画的に進めるのが苦手で、無計画な方が上手くいくことも多いです。アドリブで足していくことも多いですし、色彩計画も立てないでどんどん進めて行ったり、最初から下書きを直に描いて進めていくこともあります。
後戻りできない水彩には向いていない特性ですが、これは変えていくことが難しい要素なので、それを逆手に取って生かしていくことを考えています。

その代わり、なるべく失敗しなくて済むように1回できれいな線を描けるような練習を常にしていて、欠点を補うようにしています。
全体として縦に伸びる癖だけはあまりよくないので、気をつけよう!と改めて思いました。ここ1年の作品ではだいぶ改善しているはず。
これを答えながら思うのは、描いている時は「理屈よりも感覚を重視している」ってことですね。
自分の絵に対して第三者(友達や家族、先生)に言われたことがあることは?
最近身近な人からの指摘というのがあまりないので、昔の話を振り返ってみます。
20代のころお客様や先輩作家さんから指摘されたのは…
- デッサン力がない(人物のバランスが悪い)
- 明暗のコントラストが弱い
- 幻想的で儚い感じ
これは私の20代のころの作品です。今から15年くらい前かな?


確かに今見てみるとデッサンは弱いかも?あと思いっきり色を入れられてないですね。(すごい描き込みだけれども!)なので、そのあたり、集中的に克服するよう努力してました。
最近は、顔や絵具の使い方などポジティブな意見も頂けるようになりましたが、まだまだ課題はあると思ってます。


徐々に課題は自分で探していく感じになるのかな?
そして、昔、指摘されていたことを今振り返ってみると、確かに…って感じでした。アドバイスは聞いとくものですね。
「正直やりたくない」絵の練習は?
今、したくないのは鉛筆デッサンです。ちゃんと影をつけていくような練習は、ものすごくしんどく感じます。でも逆に今なら、1枚でもじっくりやったら力がつきそう。模写も本物そっくりに映すのは苦手になってしまって、何を描いても自分の絵になってしまいます。
今、取り組んでいるのは写真を見ながら自分の画風に置き換えて、描く模写です。これなら楽しくて無限に描けるのと、アイディアを吸収することもできて一石二鳥。

辛い思いをしてまでそのやりたくない絵の練習する覚悟はある?
今はできない…
ただ、若い頃は嫌な練習をやってでも上手くなりたいという気持ちがあったので、クロッキーと写真の模写を3000枚やりました。やりたくなかったけど、やっているとだんだん楽しくなるから不思議。まあ、少しは上手くなった…かな?
絵の方向性が定まらないということのほかに絵に関する悩みはある?
これは結構あって、描きたいものが多すぎてついつい描き散らして未完成や失敗品が多いことです。絵の内容の悩みより、制作スタイルの悩みです。
なので意識して少しずつ丁寧に丁寧に一枚ずつ、を心がけています(忘れてしまうけど)
あと絵の方向性は常に悩んでますね〜。テイストとか画風はほぼ固定しているので、「何を描くか」「モチーフ」「作品のテーマ(精神的な)」などを常に模索してます。
1つの絵を楽しく描き上げるために集中できる時間はどのくらい?
5日まで。おおよそですが、長くても1週間。
大作でも1週間〜2週間
ポストカードサイズ以下はなるべく1日で完成させます。
以前は時間をかけるほどよくなると思っていて、1枚に2週間とか描けてましたが、そうすると作品数がかなり少なくなってしまうのと、あと単純に疲れる。なかなか展示会に参加できないんですよね。
ある程度集中して一気に仕上げるのは大事だなと思います。一方で、やりかけ、やり残しも多いので、そこは気をつけたいです。
リアル(写実的)に描かれたものと簡略化(デフォルメ)して描かれたものどっちが好き?
これはかなりこだわりがあって、ややリアルよりだけどデフォルメとリアルのちょうど中間くらいを目指しています。
あまりデフォルメが強いと、私の描きたい世界観には合わないし、かといってあまりリアルにしてしまうと、具体的な「誰かの顔」になってしまって、ファンタジーの世界観が崩れてしまう。なので、顔のパーツとバランスは少し工夫しています。自分の描く人物に国籍や人種を感じさせたくないなと思ったも、あまりリアルに寄せすぎなかった理由の1つです(一応日本人の顔がベース)


このリアルとデフォルメの中間、このさじ加減はかなりこだわっています。
ただ、この画風のおかげで、どのグループ展でも浮いてしまい、ついでにいうと展示にあまり誘われません笑
あ、でもデフォルメの強い絵も好きなので、ひよこイラストで欲を満たしてますね。

あまりお見せしてないけど、真剣に描いた絵をデフォルメでセルフオマージュすることも多いです。自分の作品がシリアスすぎて、時々息がつまるので!


光や陰影を描いている時「楽しい」と感じる?
楽しいか?というより「あまり興味がない、意識がそこに向いていない」という感じですね。

。一応立体感を出すために、少し影を入れたりはするのですが、光源や陰影はあまり描いていないです。強いていうなら人物自体が発光している感じ。
ただ、最近気づいたのですが、日本画って陰影がないんですよね。なので、陰影を無視した画面作りってむしろ日本らしいんじゃないかな、と思ってポジティブにとらえています。
その代わり、形や線、全体の画面の流れを意識してます。私の作品は髪の毛とか洋服、鱗があまり立体的じゃなくて模様っぽいんです。でもそこは自分の持ち味かな〜と。

ランプの光だけは気に入って時々描いてます。ただ、これも光が当たっている表現じゃなくて、ただ光ってるだけなんですよね〜🕯️
アナログ画材で色を塗っている時どんなことに楽しさを感じる?
どういう作業が好きかで、どのアナログ画材がいいかは変わってくると思うんですよね。私は水彩絵具がふわっと水に乗ってにじむ瞬間が好きです。それを筆でコントロールするのも楽しいです。その過程もお見せしたいくらい。あと刷毛で伸ばしたり、均したり。境界をぼかしたり。
それでいうと、あまり好きではない作業はないですね。どれもアナログ画材でしかできない原始的な楽しさがあるというか。そういうことでいうと、マーカーや色鉛筆、ミリペンはコントロールできすぎるので、楽しさという意味では物足りないと最近感じたりします(まあ、使うんですが)
キャラクターを描いている時によく描く顔の向きやポーズは?(その理由も)
顔と体が反対を向いているポーズが好き。好きな理由は、画面に意外性や動きが生まれるからだと思います。また、人物の内面にも「矛盾」や「葛藤」が生まれると思ってます。
(これは質問の答えを考えながら気づいた!)


このポーズもよく描いてますね↓両手で大切なものを包み込むようなイメージ。遠く離れた大切なものを想うイメージを載せてます。


この首飾りを手の中に持つポーズもお気に入り↓これは実はロザリオを持っている設定なのですが、十字架が見えていないほうが、見る人が自由に想像できていいなと思ってます。祈ったりすがったり、でなくて「自分自身を信じる」とか「決意表明」みたいな意味を持たせてます。


でも最近はもっとポーズのバリエーションが欲しくて、色々資料を探してます。ポーズには何かの意味を持たせたいと思っているので、この辺も追求していきたい!
あとは個展など複数の作品が飾られると、構図やポーズが同じだと違和感があるので、苦手な向きの顔もがんばりたいな〜と思ったりします。
風景(自然や建物)を見て「描きたい!」と思ったことはある?
めっっちゃある!
最近特にこの願望は強いです。都市の風景をさりげなくいれたりしたい。
ただ、やっぱり人物は入れたいですね。風景の中に人物がポツンといるような感じ。
(ただ背景のある絵を描きたい時にネックになってくるのが、絵のサイズ…大きいサイズの紙に描きたい→売れない→一年通してたくさん描けないのジレンマ)


個人的にはもっと場所や空間を感じさせるような絵も描いていきたいですね。なので、建築や背景資料もたくさん持っています。

ただ、写真を参考に描くだけでは実感を伴わない感じになりがちなので、実際に足を運んで、絵を描きたくなるような風景に出会いたいと改めて思いました。
逆に描きたくないもの
↑雲丹。さんとは回答が逆だったので、描きたくないものも考えてみました。
私の場合、「犬と猫の絵は描かない」です。どちらも可愛いのだけど他の人が描くのを見ている方が好きです。素敵に描く人が多いので、わざわざ自分が描かなくてもいいかなあって思っちゃってます。どうせ描くなら大きな生き物や日常見れない動物がいいかな。
好きなのと描きたいのはちょっと違うかなって思いました。
あと他にも描かないと決めているものが2点ありますが、それはまたいずれ。
好きな配色は?
これは難しい!好きな配色から絵の方向性を定めることもできそう、と書かれてたのですが、なるほど。ここはあまり自分が改めて考えたことがなくて。
私の好きな配色はちょっと落ち着いたアンティークっぽい色合いです。それでいて、ハッと目の覚めるような鮮やかな色を時々足しています。

そこには、クラシックな雰囲気を持ちつつも、少し現代的、もしくは未来のイメージが欲しいからだなあと気づきました。(言語化するまでよくわからなかった)
昔(15年くらい前)は茶色とピンク、紫が好きだった →ここ5年くらい青の絵が多い →今年は少しずらして緑や紫の絵を描きたい。
あとは元々好きだった茶色とピンクの絵も増やしたい。
配色って、作品の印象を強く決めますよね。
そうそう、絵具を他の人に選んで描いていく企画をやったんだけど、色から描くものを決める、というスタイルだったから、なかなか新鮮で楽しかったな。幅を広げるにはいいかも。
好きなデザインは?
自分の好きなデザインを資料として集めていくのって大事ですね。ポップなデザイン、かわいいデザイン、はっきりとしたものよりは、クラシカルでレトロなデザインが好きです。
たとえば服装だと、古いヨーロッパの衣服の資料と着物の資料が多い。でも、古いものをそのままって、現代人の感覚に合わないので、どうやったら今風、もしくは未来的になるかな?というのも常に考えています。
結果ハイファッションの資料もたくさん集めてます。古いものをベースにしつつ、少しトレンドや新しさや奇抜さも欲しいなと思ったりします。それが、そのまま作風に反映されたりしていると思います。
また、デザインの話でいくと、日本画や日本のデザインのような余白を生かしたものがすごく好きです。なのでこういった資料もかなりお金をかけて集めています。直接、真似して取り入れるというより、空間の埋め方を参考にしたりしています。

最近はなんでもネットで探せるじゃん!な時代なんですけど、やっぱり本もいいですね。
私は自分の描きたいものに合わせて資料をそろえるのではなく、好きだなと思った資料を集めてから作品に活かすことが多いです。
描くための必要資料じゃなくて、自分が何が好きかを知るために資料を集めていくのも、方向性を知るためには大事なのかもしれないですね。
絵以外に興味があることとその理由は?
創作ではこれも大事ですよね。絵のことだけ考えていてもいい絵は描けない!絵画やイラスト以外に興味があることを色々考えてみました。
子育て世代なので、子供のことについ関心がいってしまうのですが、よくないよくない。もっと視野を広げないと!
・全体としては「模様」に関心が強いみたい?あとは和洋折衷みたいな、2つの文化が混じり合ったものも関心があります。
・若い頃に関心があったけど、今は失くなってしまったのは、香水、靴、ドール、音楽など。
・裁縫や生き物、自然科学系は子育てを通して生まれた関心
そう、興味関心は変わっていくもの。変わらず好きなものもありますが、人間は好きなものも興味も変わるんですね〜。それに伴って、作品に入れるテーマも徐々に変わってきたかもしれません。
振り返ってどうだった?
ああっ。人様の記事を借りて、自分語りをしすぎてしまった!

ちょっと恥ずかしいです
私もノートに走り書きしてみたのですが、書いてみると自分の傾向や大事にしていることが可視化されるようになってびっくりしました。ただ、考えているだけよりも、色々なことを発見できますね。

書いてみると色々発見できちゃうね!
ただ、「こうしないと」と思ったり、「自分はこれが苦手」って切り捨てるのも可能性が閉じちゃう感じがするので、「あくまで現時点で」と思ってます。私も今の画風になって20年以上経ちますが、やっぱり変化している部分はあるので。苦手が得意になったり、好きだったのに関心がなくなったり。
とりあえず全体として、「リバイバルと発展」がこれから数年のテーマだなと。活動初期に大事にしていたテーマや配色をリバイバルしつつも、新しいテーマやモチーフに挑戦したいです。
雲丹。さん、ありがとうございました〜〜!!思考整理ノートよかったです。ちゃんとテーマにそって振り返るのがとても役に立つ感じでした。作家でやっていきたい人は方向性を考えていくの大事だと思うので。とても参考になりました。
こちらの記事が元になっているので、ぜひ読んでみてほしいです。
食器、陶器、漆器(特に和食器が好き、ついつい集めてしまうほど。絵付けをして販売していた時期もあった、今は愛でる専門)裁縫、布地、テキスタイル(模様っぽいものが好きかも)鳥、海洋生物、水族館、鉱石、天体、骨、化石、貝、花(→なんでも好き、どれでも愛せる)庭園、レトロ建築(とくにレンガ建築が好き)、産業建築(橋、ダム、トンネルみたいな、インテリアよりも外側に興味がある感じかも。)