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SM315展(サムホール展)銀座中央ギャラリー告知(作品のおしながき)

大変ギリギリになってしまいましたが、SM315展の展示告知をします。6月9日(月)〜

あわてて展示告知

3ヶ月ぶりの銀座中央ギャラリーでのグループ展に参加します。

展示概要

SM 315展 

会場:銀座中央ギャラリー第2 315号室(銀座奥野ビル)https://chuogallery.com/

会期:6月9日(月)〜14日(土)

時間:12:00〜18:30(最終日〜17:00)

展示の概要:25人の作家によるサムホールサイズ(160×220mm)の作品のグループ展。1人ずつ4点まで、額なしでパネルのみの展示です。作品ジャンルもバラバラ、作家歴も様々なので、見ていて楽しいです。

はじめてのパネル貼り

今回私は作品4点で出展しています。ノンフレーム(額装なし)の展示が実ははじめてになるので、水彩画をどういう風に展示するのか迷ったのですが、とりあえず水彩紙をパネル貼りする方向にしました。

水彩紙を木製パネルを覆うように貼って、そこに絵を描きました。パネル貼りの水彩画やアクリル画で、サイドまで丁寧に絵が描かれている作品を見かけることがあって、それが「めっちゃ素敵だなあ!」と思っていたので、ずっと挑戦したかったんです。それをボックスフレームに入れるとさらに素敵で✨

ただ、そのサイドまで絵が描けるように、パネルを包むような紙の貼り方がよく分からなくて。色々調べてみたりもしたのですが、ほとんど情報なく。ということで自分なりに研究して貼りました。

できあがったパネルは、もちろんまだまだ改善の余地はあるのですが、なんとか形にはなったかなと!

もう少し練習したら、ノウハウが溜まるかなと思ってます。

作品制作で気をつけたこと

作品制作で気をつけたのは、手で触って絵具が取れてしまわないこと。普段は額装してから、展示、お渡しになるので、作品の表面はあまり気にしないのですが、今回は額装なしの展示。

むきだしの状態で飾るため、あまり表面の状態が弱いのはよくないと思いました。なので、人物の繊細な描写は、水彩を使うけれど、背景はアクリルを使いました。キラキラの絵具も取れにくいように、アクリル絵具を使用しました。

それでも表面が少し摩擦に弱くなってしまう部分はあるので、飾るときは慎重に飾りました。次回は額なしパネル展示の時はアクリル絵具の割合を多くしていけるように工夫したいと思います。

また、サイドの部分は横から見ても美しいように絵が繋がるようにしましたが、ここは絵を描くのがとても難しくて。あまり複雑な絵を入れないようにしたのですが、それでも水彩だと絵具が垂れないように慎重に塗りました。

おかげでいつもとは違う立体的な水彩画ができました。

サイドの部分はなぜか写真では写りにくいのですが、肉眼でははっきり見えるのでかなり印象が強いです。サイドまで絵があることで、単なる水彩画を超えた立体作品になったように感じます。なかなか面白い感じ。ぜひ見にきてもらいたいです。

作品紹介

今回は4つの鉱石の物語を描きました。鉱石をテーマにはしていますが、鉱石そのものを作品に描くのではなく、鉱石の擬人化というべきか、その人物の内面に焦点をあてて、それを鉱石のイメージと重ねています。選んだのは、ラピスラズリ、アメシスト、オパール、オブシディアンの4つです。

それぞれ制作エピソードも添えて。

ラピスラズリ 真実の言葉を求めて

最初に選んだのは「ラピスラズリ」です。ラピスラズリは私がもっとも惹かれる鉱石の1つ。好きなので、実は何度かミニ原画で登場しています。

今回はサムホールサイズということで、ある程度大きさがあるので、もっと詳細な感情表現ができるのではないかと思いました。実はDM用の画像として1作品必要だったのですが、締切の日を勘違いしていて、ものすごく短時間で描かなければいけなくなってしまいました。

(そういう時は得意な色調で塗ることにしています)

今回は全部の作品に共通することですが、クラシカルな衣装で「鉱石を表現する」ことにしました。ラピスラズリは、複数の鉱石が混じってできています。青い部分にラズライトやソーダライト、白い雲のような部分は方解石(カルサイト)、金色のキラキラがパイライト(黄鉄鉱)なんだそう。真っ青な方が価値が高いみたいなのですが、私は色が濃かったり、白や黄色の点々模様が入っているものの方が好き。まるで夜空みたいだから。

結構複雑な鉱石なんですよね。

そして絵具好きにはお馴染みですが、ラピスラズリはその昔、青の絵具としても使われていました。

そこから、私は今回のラピスラズリの作品には「知性と探求」のイメージをのせました。少女は横顔ですが、そこから静かに真実を探究するような気配を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

アメシスト 神秘なる願い

SNSでもポロッと発言してしまったのですが、今回この作品が一番苦戦しました。紫がメインになっている絵というのをあまり描いたことがないので、それを引き立てる構図や質感、色彩、というのが、まだまだ飲み込めていない部分が多かったです。

ただ、衣装は結晶っぽくしようと、ただ塗るだけでなく、筆で色々なタッチをつけました。実を言うとこの途中経過の状態がとても気に入っていたんです!

紫は鮮やかなものであっても、かなり暗いので、コントラストが見せにくいんですよね。白と紫の対比がすごくきれいでいいな〜とは思っていたのですが、さすがに白く残すと描きかけっぽいので、透けた感じに見えるよう描きこみました。できあがりがこちら↓

ヴェールの部分はキラキラします。

アメシストは紫水晶といって、宝石としてというより、鉱石として意外とよく見かける石です。水晶がドーム状になっているジオードはときどき見かけることがあるんじゃないかと思います。

この作品には「祈り」と「自分を見つめる内省的な心」を込めました。私としてはシンプルな構成ですが、その分テーマ性が強い作品になったかと思います。

あまり扱わない色彩なので、かなりチャレンジでしたが、衣装の下の方はかなり鉱石の輝きが表現できたのはないかと思ってます。

オパール 希望をたずさえて

オパールの魅力はなんといっても、複雑に遊色するところです。色が何色にもちらちら輝いて、いくら見ていても飽きません。

少女のドレス部分は、黒い地の上にのせた時のオパールの輝き、袖の部分や手前の雲の部分は白い地にのせたときのオパールの色合いを表現しました。といってもオパールは色々な色のものが存在するので、あくまで私の持っている石がモデルです。

ドレス部分は絵具はニッカーのデザイナースカラーを中心に塗りました。髪の毛や肌は透明水彩ですね。背景はアクリル絵具です。一枚の絵に色々な画材を混ぜて使うのには、それなりに理由があって、自分の使いたい技法に合わせています。

オパールは他の鉱物とは違って、カットしなくても自然のままで輝きをはなつ石。「変化や予兆」を表す石としても知られています。

私はろうそくやランプは「希望の象徴」として描いています。希望をたずさえ、前に進む意思が感じられたら嬉しいです。

雲はキラキラしますので、そこも見ていただけたらと思います。

オブシディアン 思いをこめて

最後はオブシディアンです。オブシディアンは黒曜石のことで、黒い鉱石です。

私は黒曜石は真っ黒な石だと思い込んでいたのですが、実際には濃い色の中にも深い緑や黒っぽい赤が混じるような石も存在すると知って、それの複雑な色味をドレスとして表現してみようと思いました。スキャン画像ではどうしてもわかりにくいですが、実際に見ると、緑や紫、青がゆらぐ複雑な黒になっています。

偶然ですが胸元が少し明るくなるように塗れてよかったです。髪の毛の部分はウルトラマリンがしっかり分離する分離色を3色ほど使っています。ここもグレーが単調にならないように意識しました。

たくさんの窓から、夜空が浮かぶ、静かだけどちょっと目を惹く構図にできたらと思いました。特に人物には動きがないけれど、画面全体に流れや緊張感が生まれるように。

意識して、色々な女性像を描いていますが、定期的に強めの女性描きたい〜と思っています。それは誰のためとかでもなく自分のために。可愛い子だけじゃなくて、かっこいい子や強い子を描くのも自分の持ち味だと思っています。なのでオブシディアンには「強い意思」や「決意」のテーマをのせています。

価格について

今回はどの作品も25,000円で統一です。パネルのみなので、もし額装を希望する方がいたらお気軽にご相談ください。

残った作品は今回は会期後に申し込み制の通販にしようかと思っています。

最後に

というわけで、告知記事がギリギリになってしまい申し訳ございません。

こういった展示系の記事はあまり読まれていなくて、感想をいただくこともあまりないのですが、いぜん来ていただいた学生さんが「よく過去の記事にさかのぼって、過去作を見ている」と言ってくださったので、やっぱ描く意味があるとと思っています。

ちなみに今回は展示の写真も撮れました。順番など悩みましたが、上の方に飾った作品の方がキラキラします。

サムホール展を楽しむコツは、正面だけでなくサイドの処理まで見てみることです。そこにも作家さんの意識の違いがあります。また額がないことで表面の質感がとても分かりやすいです。いつもより画材の違いによる質感の違いも分かりやすいので、そのあたりも見ていただけると楽しいと思います!

私は9日(月)、12日(木)、14日(土)は在廊しようと思いますが、時間はちょっと不明なので、もしお会いできたらラッキーということで🖐️

SM 315展 

会場:銀座中央ギャラリー第2 315号室(銀座奥野ビル)https://chuogallery.com/

会期:6月9日(月)〜14日(土)

時間:12:00〜18:30(最終日〜17:00)