透明水彩でスパッタリング

スパッタリングは、絵具の飛沫を飛ばす技法のことです。色々ある技法の中でも、特に偶然性が高いので、思わぬ仕上がりになってしまうこともありますが、画面の中に勢いや迫力をうむことができるので、うまく取り入れられると強力なツールになります。

スパッタリングとは

スパッタリングは飛沫を飛ばす方法です。

広くいえば、エアブラシなどもスパッタリングの一種だと思いますが、ここで紹介するのは主に筆から飛沫を飛ばす技法です。

スパッタリングは、透明水彩だけの技法、というわけではありませんが、水を使う画材と相性がよく、透明水彩の場合は特に、バリエーションが色々あるので、色々なパターンをご紹介します。

スパッタリングを使うときに、何を使ってするか、道具を使うか、そのまま飛ばすかでもずいぶん見た目が変わってきます。

スパッタリングに使う道具

そのまま筆を振って垂らす

筆にたっぷり絵具を作って、そのまま「えいっ」と振ります。振らないで、そのままポタポタ垂らすのでもいいです。

かなり水浸しにしないと、絵具は落ちてきません。いつもの水加減ではだめです。

たっぷりつけて、勢いよく振って垂らします。絵具がどの場所に、どのくらい垂れるかは予想がつきません。コントロール不可です。

勢いがあってかっこいい表現に…なるはず…

カッコよくなるかは腕次第…

筆を指で弾く

私が一番よくやっている方法です。

筆にたっぷり絵具を含ませたら、指でピンピンと弾きます。

これは柔らかい筆ではできないです。少し腰のあるナイロン筆などでやります。(安い筆でやりましょう)

これもどこに飛沫が飛ぶか予想ができないのですが、上のやり方よりもコントロールができます。

飛沫はやや細かくなります。絵具はいつもより水分たっぷりで。

硬いもので弾く

かれは
かれは

手を汚したくない時は、道具を使うよいです

指で弾くと、手が汚れるので、それがいやだという場合は、定規で弾きます。

飛沫はさらに細かくなる、ような感じがします。割と遠くまで飛ぶこともあるので、ちょっと慎重に…

人物の顔など、絶対に絵具を載せたくないところは軽く覆っておくといいかも。

スパッタリンング用の網を使う

もう処分してしまったのですが、スパッタリング用の網もあります。(100均でも調理用の網とか売っていそう)

割と細かい飛沫になります。そして、この場合や、筆よりも固めの歯ブラシのようなもので弾くととても細かい飛沫を飛ばすことができます。

最近はやっていませんが、昔はよくこの方法でエアブラシ風に絵具を飛ばして、背景を塗ったりしていました。これも一つの技法だと思います。

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スプレーボトルに入れる

スプレーボトルに入れて、飛沫を飛ばす方法、というのが本にのっていました。

もはや、これはエアブラシでは。。

この方法になると確実に飛沫を飛ばしたいところに飛ばせるので、コントロールができそうです。

私はやったことがないのですが、スプレーボトルは100均でも入手できるのでやってみたいと思いました。

水分量を変える

次は水分量を変えてみます。

水分量

水分が多いと飛沫は大きくなります。そのままボタっと落ちる感じです。

水分が少ないと飛沫は小さくなり、遠くまで飛ぶ感じになります。

絵具を変える

使う絵具の透明度や色によっても印象が変わります。

白絵具

いちばん見た目の印象が強いのが、白い絵の具を使った白い飛沫です。

雨や花びら、水の粒、光の粒、何を表現しているのかは文脈次第ですが、白い飛沫が飛んでいると印象深い風景になります。

どのように絵具が飛んでもきれいに見えやすく、失敗が1番少ないです。

そして効果的。

とても雰囲気が出やすいです。特に画面の色が暗めのときは白い粒が画面に入るだけでぐっと明るくなります。

色絵具

色の絵具をとばすときには絶対に人物の顔にかからないようにします。

私は古くなった建物や岩、土など、風合いを出したいところ、質感を出したいところに、アクセントとして色の絵具を飛ばすことがあります。

もちろん画面全体に飛ばしてもいいですが、ランダムな感じになるので、汚れた印象にならないように、色や濃度は計算が必要です。

飛沫は絵具でなくてもいいんです。

絵具で塗ったところに、水をたらすとバックランという逆流現象が起きます。

バックランが起きると、カリフラワー状のシミになります。

やはりあまりコントロールできないので、どんな模様にも模様になるかは運次第。

ムラなく塗ろうとした時にバックランが起きてしまうのは困りますが、バックランを効果として使うこともできます。

水をつけた筆を弾いて飛沫として飛ばせば、独特の模様を作ることができます。これもとても面白いので、背景や模様を付けたい時に試してみるといいかもしれません。

紙が乾いているか、濡れているか

紙が乾いているか、濡らしているかでも違った効果になります。

乾いた画面

今まで見てきたものは、ほとんどが乾いた紙の上にスパッタリングをしたものです。水以外

乾いた紙の上にスパッタリングをすると、飛沫はくっきりした形になります。飛沫が大きく重さがあると、ギザギザ模様ができてとても味があってワイルドになります。かっこいい雰囲気になりますが、やりすぎるとワイルドになりすぎますし、色によっては汚れた印象を与えてしまうので、やりすぎ注意です。

飛沫が軽ければ多くの場合、丸や楕円になります。粘度が高いとたまに横長になったりします。

いずれもはっきりした飛沫になります。

濡れた画面

水や絵具で紙を濡らしておいてから、飛沫を飛ばすと、にじみます。

ウエットインウエットになるので、ぼわーんと境界がぼけます。

こちらはソフトでふわっとした感じになるので、可愛い雰囲気、幻想的な雰囲気にもよく合います。

これもこれでとてもいい感じです。どのくらいにじみが広がるか、色の濃さは水彩紙や絵具の濃度によって変わります。画面がかなり塗れていると思ったより、にじみが広がってしまうので、少し乾いてからスパッタリングする方がいいかもしれません。

最後に

思いついたものを全部書いてみました。

スパッタリングはわりと使えるテクニックだと思います。

絵全体に統一感が欲しい時、ランダムなタッチを加えて絵を崩したい時、単純に水しぶきなどを表現したい時など…

特に絵が大人しくまとまってしまう時などは、効果的な技法だと思います。特にスパッタリングでできる偶然の模様はアナログならではのもの。うまく取り入れたいですよね。

とはいえ、あまり多用しすぎると誤魔化しになってしまうこともあるので、ほどほどに。

かれは
かれは

アクセントとして使うのがおすすめです

スパッタリングは中級者向けのテクニック。絵で大切なのは筆での塗りなので、うまく塗るコツも別の記事で紹介しています。ぜひ読んでみてくださいね!