ホワイトアイビスという水彩紙をご紹介したいと思います。こちらはコットン+パルプの混合紙です。
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ホワイトアイビスとは
ホワイトアイビスはホルベインから販売されている国産の水彩紙です。
謳い文句に「コットンを高配合し、欧州の水彩紙に匹敵する描画特性を持った日本製の高級水彩紙」とありますので、コットン+パルプの混合紙なのだということが分かります。コットン高配合、というだけあってかなり描き心地はコットン紙に近いです。
コットン+パルプ!
なんか頼りになりそう
お値段はワトソン紙と同じくらい。
一応、中目ですが、かなり凹凸は大きめです。
ホワイトアイビスの特徴
- 吸い込みはやや遅めで、にじみはきれいにできる
- にじみはコットン紙に比べると広がりにくい。
- グラデーションやウォッシュもムラなくきれいに塗りやすい
- 色がとても濃くのりやすい
- 目が荒く、凹凸が大きい
- 紙の色が白く、発色は鮮やか
- リフティングはできない(色を抜きにくい)
- 表面が強く、マスキングが使える。
- 重ね塗りはバッチリ
ホワイトアイビスってこんな紙!
コットン紙に近く、高コスパ
どちらかというと、コットン紙の描き心地に近いので、値段がワトソンと同じくらいであることを考えると、高コスパな水彩紙です。
厚さも300gとしっかりしていて、ちょっとした絵なら水張りしなくても快適に描くことができます。
値段がリーズナブルな割に、かなり水彩らしい技法が楽しめるので、初心者の方にもおすすめです。特にグラデーションやウェットインウェットは、コットン紙と同じような感じでできると思います。やや、絵具の広がり方は鈍いのですが、グラデーションなどは逆にそれがよかったりもします。
綺麗なグラデーションできます!
濃く着色する
あと、絵具の着色や染み込みがよく、色が濃くつきがちです。なので、淡く仕上げたい時には慎重に色をのせないと、あっという間に色が濃くなってしまいます。逆に、濃くはっきり色をのせたい場合には重宝します。乾いても色が薄くなったりしないです。
色鉛筆で塗った時もかなり色が濃くなりました。面白いです。そういった特性の紙なのかも。
濃く塗りたいときに良さそうだね!
重ね塗りできるが、リフティングできない
色をとるリフティングの技法もイマイチです。ウォーターフォードと並んで色が取れにくい水彩紙です。その分、重ね塗りはきれいにできます。
マゼンタの上にレモン色をのせていますが、重ね塗りしても赤色が溶け出していません。重ね塗りできる水彩紙だということが分かります。
う〜ん、修正しにくいのかな?
色が白く、発色が鮮やかなのも魅力の一つです。
目の荒さは好みが出るかもしれません。繊細に細かく描き込みたい時には、ちょっと目の荒さが気になるかもしれません。
表面強い、マスキングOK
ホワイトアイビスの表面は強く、マスキングは大丈夫でした。マスキングテープ、マスキング液どちらも問題なく使うことができました。
個人的な感想
最近、練習用にもよく使っている紙です。ワトソンと同じくらいの値段なのに、ホワイトアイビスはよりコットン紙らしさがあります。もちろん練習だけでなく、作品用にも使える高クオリティの水彩紙です。
ただ、私の作品には、少し目が荒いです。小さい作品だと凹凸が気になり、細かところの描きこみがしづらいです。大きな紙だったらちょうど良いかもしれません。
色が濃く着色する、というのは少し変わった特性です。力強い表現にしたい時にはよいかもしれません。肌の色など、気持ち薄くのせないと、色が濃すぎることもあり、微調整が必要です。ただ、背景の色を思いっきり濃い色にしよう、と思ったりしたとき、ホワイトアイビスはとても素晴らしく感じます。
この価格帯で、重ね塗りが自由にでき、色が濃く着色する紙は中々ないので、コスパは素晴らしいです。
表面が強くマスキングが使える、というのも人によっては嬉しいポイントかもしれません。
発色も鮮やかですし、色見本を作るのにもむいています。
私は、よくポストカードサイズのホワイトアイビスで、グラデーションの練習をしています。裏も同じような感じで使えます。
普段使いにできる、高クオリティの水彩紙で、おすすめです。
追記ーホワイトアイビスはどうも風邪をひきやすい水彩紙のように感じます。もともと弾きの少ない紙なのかもしれませんが…ちょっと塗り広げにくい状態になっていることが多いです。なので保存は要注意!ジップロックや水彩用保存袋に入れておくことをおすすめします!
同じくらいの価格帯の紙↓
コットン100%の水彩紙もおすすめ↓