イエローオーカーは、一見地味な色ですが、とても優秀で、よく使う色。パレットの中で1番減りの早い色です。なので、今日はイエローオーカーにスポットライトを当てたいと思います。
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イエローオーカーの使い道?
イエローオーカーは黄土色です。
ほとんどの12色セットに入っていると思います。さりげなく。
基本色の1つということになっています。
でも、「あまり使わない色」「何に使ったらいいか分からない」なんて声も…
それはもったいない!
イエロオーカーはとっても優秀なんです‼️
もちろん、そのまま使うのもいいのですが、混色でも大活躍ですし、下地に使うこともできます。一人何役もこなす万能選手!本当に汎用性の高い色なんです。
私の場合、イエローオーカーはほとんどの絵で使っています。
ただ、初心者の時は使い方がよく分からず、パレットのすみっこで余りがちな色でした。子供の時も黄土色のクレヨンや色鉛筆は中々減らなかったような気がします。
なので、今回はイエローオーカーの素晴らしさをお伝えしようと思います。
イエローオーカーの顔料
イエローオーカーの顔料はPY42かPY43です。
PY43は天然土の顔料です。
PY42は合成の酸化鉄です。
どちらもイエローオーカーです。PY42の方が主流で、ほとんどのイエローオーカーはPY42の方。こちらは不透明。
PY43の絵具はシュミンケホラダムや、マイメリ、セヌリエなど高級ブランドで売っています。少し透明感があります。
イエローオーカーの居場所
イエローオーカーは、メーカーカタログや絵具売り場では茶色のゾーンにいることが多いです。
ですが、イエローオーカーの色味はどちらかというと黄色。なのでパレットでは黄色のゾーンにいれてあげましょう!
イエローオーカーは茶色ではなく、黄色としてあつかう
これだけで、すごく活躍できる色になるんです。
茶色として使おうと思うと、枯れ草とか木とかくらいかな、って感じで、あまり使い道が思いつかないんですが、
彩度の低い黄色だと捉えると。。
いつもの黄色(イミダゾロンイエロー、カドミウムイエローなど鮮やかな黄色)の代わりに使うことができるんです。そうするととても使い方の幅が広がります。
いつもの黄色とイエローオーカーを取り替えてみましょう。
使い道①混色
いつもはカドミウムイエローを使って、混色していたところを…
代わりにイエローオーカーを使ってみる。
左がカドミウムイエロー(黄色)、右がイエローオーカーを使った混色です。
どんなちがいがあるかな?
フタログリーンを混ぜてみよう
フタログリーンにカドミウムイエローを混ぜたもの、フタログリーンにイエローオーカーを混ぜたものを比べてみましょう。
フタログリーンとカドミウムイエローの混色は、かなり鮮やかです。できるだけ鮮やかな色が欲しい時はこちら。逆にイエローオーカーを混ぜると少し、落ち着いた感じになりますが、私はこのくらいが使いやすい緑の彩度だと思っています。
フタロブルーを混ぜてみよう
フタロブルーに2種類の黄色を混ぜて比べてみましょう。フタロブルーとカドミウムイエロー、フタロブルーとイエローオーカーを混ぜたもの、どんな色合いになるでしょうか?
こちらはカドミウムイエローとフタロブルーを混ぜると、鮮やかな緑なので爽やかな新緑などにとても良いですね。
イエローオーカーとフタロブルーの混色だとかなり落ち着いた感じなりますが、より深みのある落ち着いた緑になります。
ウルトラマリンを混ぜてみよう
ウルトラマリンブルーにカドミウムイエロー混ぜたもの、ウルトラマリンにイエローオーカー混ぜたもの、比べてみましょう。
こちらは、イエローオーカーを使うとかなりグレーがかった色になりますが、これはこれでキレイな色です。
マゼンタ(赤)と混ぜてみよう
赤と混ぜてみます。こんな感じの色を混ぜてみましょう!
カドミウムイエローを混ぜると、鮮やかなはっきりとしたオレンジ(みかんのような色)が作れます。オレンジが欲しい時はこっちの混色ですね!
一方、イエローオーカーを混ぜると少し鈍いオレンジになります。とても穏やかなオレンジ。薄めるとピンクベージュのような優しい色合いになります。こちらの混色もとっても使いやすいんですよ!おすすめです。
イエローオーカーの混色の特徴
いかがでしたか?カドミウムイエローを使った混色は、鮮やかで明るい色合いでしたが、イエローオーカーを使った混色はとても落ち着いた色調でしたよね。
イエローオーカーには、混ぜた相手の色を落ち着いた色にする役割があるんです。
それも、ものすごく鈍い色にしてしまうのではなくで、「少しだけ落ち着いた色」にしてくれるのが、絶妙でありがたいのです。
イエローオーカーを使った混色は、派手ではありませんが、他の色となじみやすい使いやすい色合いになります。
オリジナル三原色をよく作るのですが、黄色をイエローオーカーにすると、すごく落ち着いた色のトーンになります。ちょっとクラシックなイメージにしたいときや、落ち着いた雰囲気にしたいときにはぴったりです。くすんだ緑、とても使いやすいです。赤もちょっと落ち着いた赤が作れます。
ちょっぴり優しい色が作れる♪
使い道②下地に使う
下地に使ってみよう!イエローオーカーを植物の絵の下地に使ってみると…
自然で優しい色調になりやすいです。統一感も出ます。
かなり自然な色味になってます
使い道③水で薄めてクリーム色として使う
イエローオーカーを水で薄めると、優しいクリーム色になります。イエローオーカーは、濃さがある黄色なので、濃淡で違った色を見せることができます。
この色は、濃く塗ったときの黄土色の色味とは別に、重宝する色です。
真っ白でも黄色でもなく、クリーム色で塗りたいときはこの色がとてもおすすめです。
使い道④黄土色として使う
黄土色自体も、絵にはよく登場する色味です。
また、薄い茶色が固有色、というものはかなり多いので、木製の小道具や、動物、食べ物(特に焼き菓子やパン)、それこそ枯葉なんかも、イエローオーカー大活躍です。
左は茶色であるバーントアンバーとイエローオーカーの混色です。美味しそうな、こんがりした色合いで、自然のものだけでなく、お菓子やパンもこの色合いが。
右は、フタロブルーとの混色です。青との混色は、緑を作るのにも便利ですが、このような灰色がかったベージュを作るのにもいいですね。金属にもいいね。
私はメタリックカラーを使わずに、金色(金属)を表現する時や、金色の髪の毛や瞳を塗るときには欠かせないです。
この絵、魚は金なんですが、髪の毛やサンゴ、建物はイエローオーカーがベースです(他にも別の色を足して、細工してますが…)
イエローオーカーが優秀すぎる!
というわけで、イエローオーカーには色々な使い道があり、とても便利なんです。
色々な使い方があってびっくり!
何となしにイエローオーカーはもともと土由来の顔料だったので、茶色のイメージが強いです。色も名前も黄土色ですしね。
色自体も地味なので、「優秀な色」といってもピンとこないかもしれませんが、単色でも混色でも重ね塗りでも大活躍!
イエローオーカーは落ち着いた色なんですが、明るい黄色の仲間でもあるためか、どの色と混色してもそこまでは渋くはならないんです。色々混ぜてみましたが、グレーや黒はできなかったです。一番渋くなる組み合わせでも茶色でした。あまり鈍い色やくすんだ色は作れないんです。
混色のところでもお話しましたが、イエローオーカーは混ぜた色を落ち着いた色にするけれど、そこまで暗い色にはしない、というところがポイントだと思います。なので、あまり恐れずに色々混ぜてみるのがおすすめですよ!
私も使い方が分かってからは、一番減りの早い色に!
イエローオーカー買いに行かなくちゃ!
どこのメーカーのものでも、同じように使えるので、あまりこだわらなくていいと思います。となると、ホルベインに軍配が上がるかな??
カドミウムイエローも優秀な黄色なので、おすすめです。