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便利な混合グリーンを知ろう!緑の絵具あれこれ

今回は便利な緑の絵の具についてお話しします。

サップグリーン、フーカースグリーン、オリーヴグリーンなど、調整された便利なグリーンを紹介。

グリーンの種類について

緑の絵具は、風景や植物を描くときに描かせない色だと思います。なので、誰でもひとつくらいはパレットに入っているのではないかな、と思います。

実は、緑の絵具を分けてみるとこんな感じかなと。

  1. 単一顔料の鮮やかなグリーン(フタログリーン、PG7とPG36)
  2. 混合グリーン(①をベースにして混ぜて作られた、自然な緑)
  3. その他の単一顔料の緑(ビリジャン、コバルトグリーン、オキサイドグリーンなど)

今日のテーマは、②の混合グリーンについてです。

①のフタログリーンについて

①の鮮やかなグリーンはフタログリーン(メーカーによって名前が違う)のことで、顔料はPG7かPG36です。

驚くほど鮮やか!

あまりに鮮やかすぎるので、そのまま使うと、人工的すぎてあまり自然な感じが出ません。なので、混色して使うのが基本です。元の色が鮮やかなぶん、様々な色を作り出すことができます。粒子も細かく、他の色ときれいに混ぜることができるので、混色に向いています。

かれは
かれは

混色で色々な色が作れます!
使い出のある色です。

フタログリーンの使い方と絵具名については、詳しく以下の記事に書いていますので、ぜひ読んでみてください↓

②の混合グリーンについて

①のフタログリーンは人工的な色味で、そのままでは使いづらいので、そのまま使えるような自然な色味に調整されて売られているグリーンもあります。今回のメインの話になります。

こちらは主に、①のフタログリーン(PG7かPG36)がベースになっています。そこに黄色やオレンジなどが混ぜられて、作られています。

ひよこ
ひよこ

ちょっと渋くて便利なグリーン♪

混合グリーンの種類

どんなものが、この混合グリーンにあたるかというと…

代表的なものはこんな感じです。

  • サップグリーン
  • フーカースグリーン
  • オリーブグリーン

この3種類は愛用者が多い、人気の混合グリーンです。

他にも鮮やかな黄緑であるパーマネントグリーン(ホルベイン )やメイグリーン(シュミンケホラダム)

オリーブ色の亜種オリーブグリーンイエローウィッシュなど

メーカーによって色々なグリーンが売られています。グリーンは、顔料が少ない色味なので、売られているほとんどが混合グリーンで、各メーカーが工夫して作っています。なので、1番メーカーごとの個性があります。

かれは
かれは

有名なものを1つずつ紹介しますね!

サップグリーン

黄緑色の混合色です。黄緑は、使うことの多い色ですし、あると便利な色です。黄緑の顔料というのは存在しない(グリーンゴールドくらいかな)ので、この色は、どのみち作るしかありません。

サップグリーンは各メーカーが独自の配合で作っているので、メーカーごとに色味も異なります。

どの色も素敵で迷いますが、個人的にはホルベインのサップグリーンがお気に入りです。クサカベのサップグリーンは、薄めたところが黄色がかっていて、本物の葉のようです。面白い色ですね。

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ちょうど、植物の葉を塗るのにいい色です。

また混色で、さらなる色を作り出すことができるので、植物や自然の風景を描くことが多い方におすすめの色です。

サップグリーンの混色例

単色でも十分便利な色ですが、少し別の色が加わるだけで、ぐっと幅が広がります。

参考記事に飛べます↓

フーカースグリーン

フーカースグリーンは、もっと深みのある濃いグリーンです。

名前もフーカスグリーンだったり、フッカースグリーンだったりフーカースグリーンだったり…英名だとHooker’s greenです。Hooker(ウィリアム・フッカー (植物画家))がこのグリーンの由来だそうです。

森の木々を思わせるようなグリーンで、この色も風景画を描く時の定番色。ちょうど、針葉樹の木々はこんな色だなって思います。

混合色なので、サップグリーンと同じく、メーカーによって色は結構違います。

セヌリエのフーカスグリーン
シュミンケホラダムのフーカースグリーン

シュミンケホラダムはちょっと色が暗いですね。セヌリエやホルベインは明るめです。

サップグリーンよりもこちらの方が便利、という場合もあるようです。ほどよく渋みもあり、鮮やかすぎるフタログリーンの代わりのフーカースグリーンをメインの緑として使うこともできそうです。

かれは
かれは

実は、私はこの色使ったことないのですが…
木や森に良さそうなグリーンですね!

ただ風景を描く方には主力になるグリーンなのでは…と思っています。

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私は黄緑の方が好きなのでサップグリーンとフタログリーンを主力にしています。

オリーブグリーン

かなり渋めの黄緑で、枯れ草のような色。

独特だがとても美しい色で、意外と汎用性があります。

鮮やかな色と混ぜたり、赤の下地に使ってみたり、色々な使い方があって、かなり便利。とても渋い色なのですが、私はこの色がとても美しい色だと感じます。

このオリーブグリーンと真っ赤やピンクの組み合わせが好きですね。

売っているのはホルベインとウィンザー&ニュートンで、「オリーブグリーン」という名前で、同じような色が売られています。

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その他の混合グリーン

まだまだたくさん混合グリーンはあります!メーカーの数だけ緑の絵具は存在する、といっても過言ではない!

その中でも、植物を表現するのにちょうどいいおすすめのグリーンをご紹介します。

パーマネントグリーン

パーマンネントグリーンはホルベインの絵具。シュミンケホラダムにも同名色があります。(色も似てる)

サップグリーンよりも鮮やかで、青みが強い黄緑。悪い色ではないのだが、芝生や葉の色として、使うと不自然な色になりがち。少し混色したり、下地の色を塗って重ねたりすると、使いやすい。

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メイグリーン

メイグリーンはシュミンケホラダムの絵具です。

サップグリーンよりも、鮮やかで、黄色みが強い明るい黄緑。

もちろん作れる色だけど、とても使いやすい黄緑なので、植物を描くのが好きな人は持っていてもいいかもしれない。明るい色なので、パレットに入れると一気に華やぎます。

メイグリーン✖️ウルトラマリン
ひよこ
ひよこ

好きな色❤️

オリーブグリーンイエローウィッシュ

オリーブグリーンイエローウィッシュはシュミンケホラダムの絵具です。

色はオリーブグリーンとサップグリーンの中間くらいです。オリーブグリーンよりは、鮮やかで、サップグリーンよりは渋みがあります。いわゆる抹茶色で、絶妙に便利な色です。が、画面をこの色で埋め尽くすと、とても地味な印象になってしまうので、混色したりしてひと工夫する必要があります。

サップグリーンをこの色に置き換えるのはアリかもしれません。

グリーンはメーカーで個性の出る色

グリーンはあまり顔料が存在しません。

1番優秀なのがフタログリーンで、黄色と青で作り出すことのできない鮮やかさを持っています。この色は混色で作れる色の幅が広く、万能ですが、鮮やかすぎるので、自然の色を表現するには、そのままでは使えないことが多いです。

そのまま使えるような便利な混合グリーンも必要になってくるわけです。

なので、どのメーカーも「このフタログリーンと別の色を混ぜた色」を売っています。ほとんどの色が混合色になるので、メーカーによって配合もラインナップも様々です。

クサカベではほとんどが、明るめの混合グリーンですね。パステルカラーもあります。

クサカベのグリーン

シュミンケホラダムの混合グリーンは自然の植物の色に近い色が多いです。ちょっと渋めですね。

マイメリは全てが単一顔料のため、グリーンのバリエーションは少なく混合グリーンはありません。サップグリーンやフッカーズグリーンも単一顔料なので、他のメーカーと色味がかなり違います。

マイメリは単一顔料のみなので種類が少ないです

ウィンザー&ニュートンのラインナップは、とてもバランスがよく選びやすさがあります。種類は少ないですが、色も使いやすい色が多いので、迷ったらウィンザー&ニュートンがおすすめですね。

少ないですが、使いやすい色が多いのがW&Nです

セヌリエはちょっと濃いめなのが特徴です。明るめのグリーンが多く黄緑からパステルカラー、青緑などバリエーションも豊富です。

濃いめで発色がいいのがセヌリエ

どのグリーンもメーカーごとの個性があり、面白いです。私はシュミンケホラダムの絵具を愛用していますが、グリーンに関してはホルベインが好きだったりします。なんとなく日本の植物や自然に近い色が多い感じがするんですよね。

フタログリーンとの比較

今回ご紹介した混合グリーンは、初めから完成度が高く、そのまま使えるとても便利な色ですが、フタログリーンがベースになっているものです。

なので、作れるといえば作れる。

フタログリーンは黄色やオレンジ、茶色、青などの組み合わせによって本当にいろいろな緑が作れます。

これはフタログリーンに黄色と赤茶色を加えています。

もっともっとあるのですが、詳しくは記事を読んでみてください。

フタログリーンの使い方がわかると、便利な混合グリーンを全部買い集めなくてもよくなるかもしれません。

私の場合は、緑は、フタログリーンとサップグリーン(ホルベインの)の2色だけをパレットに入れています。

パレットに入れるグリーン

以前のパレットを見ると5種類ほどグリーンを入れていました。よく使うし、好きな色だからです。でも、結局は1番便利な色を使ってしまうので、思ったほど全ての色を活用はできていなかったです。

なので、今年はグリーンはフタログリーンをメインにしていて、もう一色便利な混合グリーンを入れておくという考え方に変わりました。もう一色は、3色混ぜないと作れない渋めの黄緑(サップグリーン)にしました。

ほとんどの緑はフタログリーンの混色で作りますが、サップグリーン自体も別の色との混色で幅が広げられるので、両方使い分けしています。フタログリーンだけで、理論上は、ほとんどのグリーンを作れるのですが、やはり調合された緑も便利です(特に黄緑系)

かれは
かれは

今年は緑は2色だけです♪

両方とも働き方が違うので、どちらも満遍なく使っていい感じです。

フタログリーンはブルーシェード(PG7)でもイエローシェード(PG36)でも働きは同じなので、どちらでも大丈夫です。

今回の話に出てこなかったのは③のフタログリーン以外の単一顔料グリーンです。こちらは日本のメーカーではあまり目にしない顔料が多いです。粒子の荒い色も多いので、粒子の細かい色と混ぜてあえて分離色を作るのも面白いです。また別の機会にご紹介したいと思います。

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました!