透明水彩絵具の12色セットや18色セットには、よく白の絵具が入っています。
白い絵具は必要なの?今回の記事では、透明水彩の白の絵具の使い道について考えてみたいと思います。
この記事では、白い絵具の使い方を3通り紹介しています。
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透明水彩の白はいらない色?
透明水彩の白は「必要なのか」「必要ないのか」わりと意見が分かれるところだと思います。透明水彩の教本には「白は使わない」と書かれていたりしますが、最近では白絵具を積極的に使う作家さんも増えてきました。
![ひよこ](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/piyo2.png)
12色セットに入ってる白、ほとんど使ったことないんだけど…
これって何に使うの?
![かれは](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/koto.png)
白はあまり使わないという人も多いよね。
でもいくつか使い道があるから紹介するよ!
これから3つの使い方を紹介するので、読んでみて「いらないな」と思ったら、わざわざ買わなくて大丈夫です。
もしセット購入していて、白の絵具を持っている、という場合は活用してみてくださいね。
淡い色を作るのに白は使わない
まず、前提として、透明水彩では淡い色を作るのに、白い絵具は使いません。淡い色というのは、正確には明度の高い色ということです。
パステルカラー。こんな色ですね
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2020/06/img_1832-1-1024x603.jpg)
不透明水彩や、油彩ではこの明度の高い色を作るのに、白を混ぜて作ります。子供用の絵具でも、白は消費が激しかったですよね。
ですが、透明水彩では白は使わないのが基本。明度が高い色をつくるには、水で絵具を薄めて作るのです。透明水彩の透明感を生かすためです。
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2020/06/img_1845-1024x622.jpg)
白を混ぜると不透明になってしまいますからね。
なので、白い絵具はいらないように思うのですが、使い道はいくつかあります。
1.ハイライトとして白を使う
透明水彩では「白くしたい部分」は絵具を塗らないで、紙の白を残しておきます。これが基本のやり方です。
なので、白くしたい部分の形が複雑な時や、背景を一気に塗りたいときはマスキングをする必要があることもあります。筆で、うまく塗り残しておいてもOKです。
ただ、「白くしたいところを、意図的に塗り残しておく」というのは意外に難しいことだったりします。
![ひよこ](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/piyo2.png)
どこを白く残すか、最初から考えておかないといけない…
なので、一通り色を塗ってから、最後に白の絵具で白くしたい部分を塗ってあげてもいいのです。
例えば、ガラスの光沢や、りんごのツヤ、瞳に映る光、雨粒など…
白くしたい部分がピンポイントで小さな面積の場合、白い絵具を使って上から描くことができます。
![](https://k-garden.art/wp-content/uploads/2024/09/image-3-1021x1024.png)
上の作品↑では白い星や橋、リボンの水玉など白い絵具で入れています。枯葉はこの方法たくさん使っています。こういう使い方だと白い絵具はとても活躍します!
ただ…
こういった使い方をするときは、必ずしも透明水彩の白でなくてもよいのです。例えば不透明水彩の白とか、アクリルガッシュの白とか。コミック用のホワイトでもいいわけです。
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2020/06/img_1847-1024x638.jpg)
透明水彩の白は、少し透明感があるので、完全に真っ白にしようと思う時は物足りないこともあります。
![](https://k-garden.art/wp-content/uploads/2024/09/image-4-879x1024.png)
逆に透明感があるので、薄めて半透明に見せたりする使い方があります。ちょっともやがかかったような塗り方ですが、これも面白いです。
2.白の透明感を活かした表現をする
透明水彩の透明感を生かして、濃淡をつける塗り方もあります。特に下の色が濃かったりすると、白だけで濃淡をつけて絵を描くことができます。
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/03/white2-1024x496.jpeg)
こちらのアイキャッチに使ったお花の絵は、紺色の紙に透明水彩の白を使って描きました。このように白の濃淡で磨りガラスのような模様をつけたりすることができるのは、透明水彩の白だけです。
![](https://k-garden.art/wp-content/uploads/2024/09/white-flower-1024x700.jpeg)
3.他の色と混ぜて明度の高いパステルカラーを作る。
次は、白い絵具を他の色と混ぜてパステルカラーを作る方法です。
![ひよこ](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/piyo2.png)
あれ?さっき、パステルカラーを作るときに、白は使わないって言ってたよね
![かれは](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/koto.png)
そうなんだけど、白を混ぜて淡い色を作るメリットもあるの
パステルカラーで塗るときは、水で薄めるのが、基本のやり方です。
ですが、水で薄めて作った色には安定感がなく、塗りムラが出てしまいがち。水で薄めたことで、エッジ(水彩境界も出やすくなります)
パステルカラーを均一に、しかも面積の広い部分塗りたいときは、白を混ぜて作ってみると、安定感のある色になります。とにかく、きっちり塗りたいときは白を混ぜてしまう方が、綺麗にぬれるのです。
色も白を混ぜた方がちょっと鮮やかになります。
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2020/07/white-pastel-1024x520.jpeg)
あともうひとつ、パステルカラーを面積が小さい部分に塗りたいときは、白を混ぜた方がきれいに見えることが多いです。
![](https://k-garden.art/wp-content/uploads/2024/09/pastel-jisaku-1024x584.jpeg)
水を混ぜたパステルカラーは顔料が薄まってしまうので、色自体がしっかり見えません。細いけれど大事な部分は、白を混ぜると、しっかりした感じに見えます。
4.クセのある顔料に混ぜて、色味をやわらげる
絵具の中には、色味が強すぎて均一に塗りにくい色や、粒子が荒い色もあります。
そのようなクセの強い色に、白を少量混ぜると、そのような強すぎる特徴をやわらげることができます。
例えば、ウルトラマリンやコバルトブルー。色味は鮮やかでとても美しいですが、粒子の荒い色です。塗ると紙の凸凹がはっきり出てしまい、粒々も見えます。塗りムラも出来やすいです。均一に塗るのは結構難しいです。
そこに白を少量混ぜると…粒子感が弱められ、滑らかなタッチになります。。他の色と混ぜても分離しにくくなります。
![](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/03/white-pb15pb29-1024x691.jpeg)
他にも、フタロブルー(PB15)は色味が強すぎる顔料です。色自体は、三原色の青に近く、混色でも欠かせないのですが、どうにも色が深すぎます。そのため、ちょうどいい色で均一に塗るのが難しいです。
そこに少しだけ白を少量混ぜると…色が少し弱められ、ムラなく塗れる色になります。
![かれは](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/koto.png)
クセの強い色はきれいな色味のものが多いので、白を混ぜてうまく活用しよう!
クセの強い色は青系に多いです。塗るのが難しいときには、ちょっとだけ白を混ぜてみるのがおすすめです。
まとめ
- 明度の高い色をつくるのに、白は使わない(基本)
- 白の使い道1…真っ白でハイライトを入れる(不透明水彩やアクリル絵具でも代用可)
- 白の使い道2…透明感を活かし濃淡をつける
- 白の使い道3…あえて白を混ぜてしっかりした明度高い色を作る。
- 白の使い道4…クセの強い色に混ぜて、マイルドにする。
白は2種類の顔料がある
白い絵具は2種類ありますので、こちらも紹介しておきます。
チタニウムホワイト(PW6)不透明色ー市販のパステルカラー絵具に入っているのはこちら。隠蔽力が強く、ハイライト向き。安定感あり。
チャイニーズホワイト(PW4)半透明色ーかなり透明感が強いです。混色して不透明にしたくない時に活躍。
こちらは後日詳しい記事を書きましたのでどうぞ。
個人的には
透明水彩を始めてから白を買ったのは一度だけで、それがあまり使われることなく、引き出しに入っていました。が、最近は白の透明水彩絵具を積極的に使われる作家さんも多く、感化されて時々使っています。
こうして書き出してみると、色々用途がありますね。
全部ご紹介できてよかったです!
![かれは](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/koto.png)
わざわざ買わなくてもいいかもだけど、持っているなら活用してみよう!
![ひよこ](http://k-garden.art/wp-content/uploads/2021/01/piyo2.png)
パステルカラーが好きだから、混ぜてみようかな?
もちろんホルベインの白もよいのですが、シュミンケホラダムやマイメリなどの高級ブランドの白も滑らかでとてもよいそうです。つい色のついた絵具に目が入ってしまうけど、使ってみたいですね。
チタニウムホワイトとチャイニーズホワイトの比較記事です↓
黒も使わない色だっていうけど…↓
ホルベインの24色セットを知人から初めてもらい、使いかけてるし無い色もあったので24色入ってたわけでもないのですが、1、2本無かっただけかなと思いますが。それが最初の透明水彩絵の具との出会いでした。小中学校で使ってたぺんてるの絵の具と高校では、油絵の具しか知らなかったので、ホルベインのその透明水彩絵の具を見た時空いてる所は白かな?と勝手に思って、小中学で白い絵の具は沢山使う傾向があったので文房具屋さんの画材売り場でチタニウムホワイトとチャイニーズホワイトの両方を手にして、しかも大きなサイズの方を買ってしまって、24色セットをいただいた方から、白はハイライトとかで使うのと言うのは、その方に聞きました。私の最初の失敗です。それから、図書館で透明水彩絵の具で描く関連の本を借りて読み漁り、透明水彩絵の具の使い方が慣れないまま数年経ってしまいました。小中学で使ってた不透明水彩絵の具だと思われる使い方から、離れる事が出来ないままですが、時々、いたずら書きみたいに鉛筆で人間の顔を描いたり、花を描いたりして、透明水彩絵の具でちょっとずつ着彩してる感じです。描く時間が余り毎日は取れないので、透明水彩絵の具をパレットに出しておいてそのままにしてしまえるのは、自分には合ってるなと思うようになりました。瞳のハイライトを描き残す、色を塗らず白い紙のままで残すのもやっと理解出来るようになってきました。絵の具いただいた方にも紙の事は言われてはいたんですが、枯葉さんや他の絵描きさんの方達の丁寧なブログやツイートで水彩紙の事は大分理解出来るようになってきました。ヴィフアールの中目は、買い置きがあったのですが、どれも鉛筆で描いて絵の具で着彩してるのは数少ないです。これからも、枯葉さんのブログを読みつつ、マイペースですがちょっとずつ、透明水彩絵の具と水彩紙に慣れていきたいです。ブログの記事、大変有り難いです。これからも宜しくお願いします。
返信が遅れてごめんなさい。
子供用の絵具では白は一番使う色ですよね。
なので、透明水彩でも同じ感じかな、と思っていると透明水彩では「白は使いません」なんですよね。
透明水彩にも、絵具の特性を生かす基本の使い方がありまして、最初はそれに従って練習していくといいかなと思います。
ただ、白は上手に使っていくと、便利な色なので、「塗りにくいなあと思ったら、少し白を混ぜてみる」といいと思います。
水彩紙はとても大事なので、こだわって探してみてください。
最近ははがきサイズの水彩紙やアソートパックなども売っているので、
記事で紹介している水彩紙も色々試してみてください☺️
透明水彩は、パレットを作っていけば、いつでも空き時間に取り組めるのがいいところです。
私もまさにそこにメリットを感じています。最初は色見本を作ったり色遊びでも十分楽しいです。
水彩絵具を楽しんで使ってくださる方が増えるように、と思って記事を書いています。
わからないことがあったら、ブログ内を探してみてください。
何かヒントになることがありましたら嬉しいです😌