水彩やアクリル描いている方の中で、日本画に興味のある方いませんか?私はですね、とっても興味があります!
ですが、日本画って始めるのにとてもハードルが高いですよね。そんなあなたに(私にも)必要なものが全部入った初心者セットを見つけたのでご紹介します。
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日本画ってハードル高くない?
ここ最近ずっと挑戦したいと思っていたのが、日本画です。岩絵具や胡粉、金箔など、見ているだけでワクワクします。
元々、私は昔の日本画がとても好きで、琳派や日本のデザインという画集を穴が開くほど読み込んでいます。そこまで詳しいわけではないですが、特に酒井抱一が好きです。
なので、いつか日本画を習いに行きたいなあと思っていたのですが、
時間がないっ!!
とにかく時間がないのですね。そしてコロナのおかげでますます教室に習いに行く、ということが現実から遠ざかりました。
なので、少し独学してみようかなと思いました。
最近はYoutubeなどで動画を検索できるので、ある程度は勉強できるかもしれません。
日本画ハードルが高いと思うところ
日本画のハードルの高いところは
- 他の画材はチューブから出せば、そのまま使えるけど、岩絵具や水干絵具は膠で溶くところから、これは初心者にはかなりハードルが高い。しかも膠をふやかしたり、湯煎したり。楽しそうだけど、絵を描く前に気持ちがめげそう。
- 岩絵具も粒子の細かさで、種類が分かれていて、初心者にはどれを選んだらいいか?さっぱり。岩絵具には天然やら新岩絵具やら。どんな違いかよく分からない?
- 紙は?何を選べばいいのか?ドーサ引きの作業があるということは、にじみどめもひいてない?
- 筆も種類が多い。水彩なら、丸筆と平筆の2択なのに。彩色筆、隈取筆、面相筆、骨書筆、刷毛も種類が多い。材質も混合筆が多く、値段以外で特性を見極めるのが難しい。
他にも分からないことがたくさんあります。とにかく選択肢が多すぎる日本画の画材。。そして一番のハードルの高さは日本画の技法書はとても数が少ないことかもしれません。
そこで見つけたのが、中川胡粉さんの「初心者日本画セット」
絵具と筆、紙、皿など、日本画を描くのに必要なセットが一通り入っていて、手順書と、図案も入っているんです。これなら、気軽に始められるかな。と思ったので買ってみることにしました。
私の他にも、「日本画難しそうだけど興味あるなあ」という方の参考になれば嬉しいです。私は水彩歴はそれなりなのですが、日本画はほとんど初めてなので初心者として、少しずつ日本画の画材にも挑戦していく様子もレポートしたいと思います。
中川胡粉さんの岩絵具初心者キットについて
今回買ったのはこのキットです。
これですね、図案に色々種類があります。私が買ったのは「寒牡丹」です。
他にも椿や朝顔、桔梗、桜など、色々な種類があり、どれも素敵なのでとても迷います。そしてキットごとに使われる色が違うため、入っている岩絵具の種類も違います。
どのキットも9色みたいですね。
セットの内容を紹介!
入っているものを紹介します。
岩絵具
まず岩絵具ですね。「寒牡丹」のキットには、暖色系の色を中心に9色入っていました。胡粉という白い粉も入っていました。岩絵具には「天然」と書かれたものも、「新岩」と書かれたものも両方入っていました。
この岩絵具は、セットに入っている図案によって違います。
寒牡丹を描くための絵具なので、使用する色しか入っていません。
ニカワと墨
次に、膠です。膠は、岩絵具を溶くためのもの。粉のままでは描けないので、膠と混ぜて絵具にします。膠というと固形状のものを温めて溶かすイメージを持っていましたが、キットに入っていたのは液体状のものでした。
これなら、失敗なくできそう!
あとは、墨です。これは骨書きという作業のためのものだそう。骨書きは、イラストでいうと「主線を書く」作業です。日本人って本当に輪郭線描くの好きだな、って思いました。うん、私もですが。
筆
次は筆です。筆は2本入っていました。平筆と面相筆の2本です。面相筆は細かいところを描くのに使います。背景も塗るので平筆も入っています。もう一本、彩色筆っぽいものがあるとなお良さそうな感じがします。
皿
お皿が3枚入っていました。絵具を溶く絵皿ですね。プラスチック製です。ちょっと軽いので、長期的にみると陶器のお皿があった方が良さそうですね。もう少し枚数はあった方が便利です。とりあえず導入には問題なし。
紙
紙2枚ポストカードサイズ(色紙っぽいものです。)表面を触るとペタっとしていて、にじみどめは塗られていそうです。水張りも必要ないので、このまま描くことができます。
図案2種類と念紙。図案は横向きのものと縦向きのもの2種類入っています。念紙は、図案を写すためのもの。要はトレスのためのカーボン紙のようなものですね。図案と紙の間に挟んで、図案を紙に写します。
解説書
解説書。ある意味これが一番大事。
画材についての説明や絵を書く手順がとても細かく書かれています。全体の流れが見通せるので、初心者にはとても有り難い!
何度も読み返して楽しんでいます。
実際に描いてみよう!
テキストの手順に沿って、絵を描いてみました。
どのセットにも、ちゃんと下絵がついていて、下絵を写してから色を塗ります。なので、「絵心に自信ない」という方でも大丈夫ですよ!
それなら安心♪
下絵を写す
念紙(カーボン紙みたいな図案を下の紙に写すための紙)を挟んで、下絵をポストカード型の和紙に写します。ただ、上から赤ボールペンで写すだけなので、難しくありません。
その後、写した図案の主線を墨でなぞります。この作業を「骨書き」というそうです。骨書きは、細い面相筆で行います。
この骨書きはちょっと難しかったです。細い線を均一に引いていくのは、かなり緊張しましたね…
手がプルプルしちゃった💧
かれはさん、
息とまってる!
線がガタガタしちゃいましたが、何とかできました。
ちょっと筆に慣れていないと苦戦するかもしれません。が、次に背景を塗る作業であまり目立たなくなりますので、うまくいかなくても大丈夫!
背景を塗る
ここからは岩絵具を使います。
この岩絵具をニカワで溶いていきますが、テキストにちゃんと分量比がのっています。ただ、その分量を測るさじ(スプーン)が付属していないので、正確に測ることができず、かなり目分量に頼りました(やっぱり、絵具の濃度は適切ではなかったような感じがします)
慣れていないうちはしっかり専用のさじで測って絵具を作った方がいいと思いました。
岩絵具とニカワの量が大事なんだね
背景を金の絵具で一気に塗りました。
テキストのものより、私の作った金の絵具は濃かったみたいで、下絵はかなり見えにくくなってしまいました。もう少し薄くて良かったみたいです。
手前の花や葉を塗っていく
それぞれの色の岩絵具を順番に、ニカワで説いていって、塗っていきます。
胡粉をニカワで説いたとき、ニカワが多すぎたようで、ちょっと薄かったです。このあたりは動画などで、感覚を掴んでおいた方が良さそうです。
色によっても適切なニカワの量は違うみたいでした。
葉っぱや茎はほぼテキスト通りできているのですが、花はちょっと違う感じになってしまいました。あまりうまくいかなかったですが、まあいいでしょう^^;とりあえず完成です!
岩絵具は水彩とは勝手が違った
水彩とはどんな風にちがうの?
岩絵具はかなりざらざらしてるよ。
塗るというよりのせていく感じかも。
水彩と似ているところもあるのですが、やはり粒子の大きさはかなり違うので、きれいに塗るコツも違うと思いました。筆は面相筆と平筆の2本だけなのですが、できたら彩色筆も1本あったら良さそうです。
ニカワは出すだけで使えるので、お手軽でとてもよいです。岩絵具は絵具を展色材と調合していくところからスタートなのですが、やはりそこが慣れが必要な部分だと思いました。あまりシャバシャバに薄めすぎないようにしないと、色がうまくのりません。このあたりは、やっぱり水彩のように簡単にはできなかったです。手強い…
皿も3枚だけで使うたびに洗わなくてはいけないので、10枚くらいはあった方がいいですね。
中川胡粉より、動画が配信されていたので、絵柄は違うのですが見てから挑戦してみるといいかもしれません。
私が選んだのは寒牡丹で色が淡い花だったのですが、色が濃い花の方が失敗なくできそうな感じもしました。淡い色の花は、胡粉で下塗りするのですが、それがうまくいっていなかったみたいです。
終わりに
いかがでしょうか?
岩絵具も使ってみたいなーと思った方にはおすすめできます。やっぱり、一式セットになっているのがとてもありがたいです。岩絵具って、何から揃えたらいいのか分からないですし、自力で揃えるのはやっぱり知識がないとできないので、初心者セットのありがたさを感じました。
ちょっと難しい部分もありますが、親切な解説書がついているので、手順通りやっていけば作品を完成させることはできます。
ただ、絵を初めて描く、という方には骨書きという作業がハードル高めかもしれません。無理!という人は滲まないペンで、輪郭線をなぞってしまってもいいかもしれません。水彩画やアクリルなどの画材に慣れている人は大丈夫と思います。
紙はもう1枚あるので、もう一枚挑戦してみようかなと思います。