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透明水彩で身近なものを描く-葉っぱ編

今回は何か身近なものをスケッチしてみよう、というテーマでお話したいと思います。

絵を描くモチーフはどこにでも転がっているのですが、透明水彩で描くのがちょっと難しいものもあります。

また透明水彩で描くと映えるモチーフというものもあります。

りんごにと同じように、透明水彩の初心者の方が、挑戦しやすく、かつ、奥が深いモチーフを考えてみたいです。

葉っぱを題材に選ぶ

今回は葉っぱを選びました。

それも落ち葉でOKです。

どこにでも落ちていますね。

あまりにもありふれすぎていて、誰も注目しませんが。

大人になると、どこにどんな木がはえているかなんて、注目しないですね。街を見回してみると、自然の少ない都心部でも様々な街路樹が立っています。

私は、何か絵を描こうかな、と思ったとき、何気なーく、道に落ちている葉っぱを何枚か拾います。

桜、楠木、プラタナス、カエデ、ケヤキなど

よくよく見てみると、色々な葉っぱが落ちてます。

これはカエデだったかな

秋になると、紅葉して赤や黄色になった葉がたくさん落ちています。

初夏の葉っぱを描く

葉っぱを4枚拾いました(これを拾ったのは初夏でした)

1枚よりも4枚くらい並べた方が、絵になります。同じ種類の葉でも、少しずつ色や形が違うので、バリエーションを楽しむ感じです。違う葉を何枚か並べても良いです。

葉っぱは形はそんなに難しくありません。立体感はないので、輪郭だけよく見て描きます。

鉛筆でサッと写しました。

一方、色は複雑です。

緑一色ではありません。黄色がっていたり、様々な緑が混じっていることもあります。途中で色がグラデーションになっていることもあります。紅葉した葉はもっと複雑な色合いです。

虫に食われて、穴があいていたり、茶色っぽくなっているものもあります。

形を鉛筆で描けたら、色塗りです。

重ね塗りの練習をしてみます。

何色を下地に塗ったらいいか迷います。

黄色?黄土色?茶色?今回は黄色にしました。透明感があるイミダゾロンイエローです。

乾いたら、着彩。サップグリーンやバーントアンバーで重ねました。色が変化しているところをウェットインウェットでにじませました。

紅葉した桜の葉を描く

次は紅葉して赤く色づいた桜の葉を描きました。(拾ったのは11月です)

桜の葉は、秋になると葉が全て落ちますが、落ちた葉っぱの色は様々です。

真っ赤なものも、オレンジ、黄色からオレンジに変化したもの、黒っぽくなったもの、一枚一枚表情が違います。その違いを楽しんで描いてみます。

こちらも4枚並べました。初夏に拾った4枚と比べると立体感があります。

下書きをします。今回は茶色の色鉛筆で下書きです。絵具をのせたとき、馴染みやすいという特徴があります。

色塗りです。こちらも形が単純な割に、色はとても複雑です。

まず下塗り。どうしようかと迷いましたが、黄色にしました。赤やオレンジも一緒に、にじませました。

赤やオレンジを重ねていきます。カドミウムイエローやカドミウムオレンジは着色力が強く、葉の赤にはぴったりです。茶色やグリーンも重ねて複雑な色合いを表現していきます。

完成!緑の葉とはまた違った、趣があります。こちらの方が描きがいがありました。

目の前のものを観察して描く

自然のものは…同じものがないので、同じ木から落ちた葉でも、色、形、少しずつ違います。

思い込みで描かずに、じーっと観察していると、面白いです。

ポイントは拾ったらすぐに描くこと。落ち葉はすぐ、乾いてくしゃくしゃになってしまうので、時間の勝負です。乾燥してしまった枯葉を描くのも楽しいですけどね。立体感が出るので少し難易度あがります。

私はふだんはファンタジーな絵や空想的な絵をを描いてますが、時々目の前のものをスケッチして描いてます。でも、モチーフは特別なものでなくて大丈夫です。

身近にあるものでも、十分面白いです。

葉っぱはあまり難しくないので、誰でも挑戦できます。時間もあまりかかりません。すぐに出来上がります。

4、5枚並べて描いてみるとリズムができます。

色が複雑なので、絵具ののせかたや色作りの練習もできます。

色も工夫して、色を混ぜて、葉っぱに近い色を作ります。

チューブの色をそのまま塗らず、一工夫してみましょう。

おすすめは、実物大で描くことです。

最後は出来上がった絵の横に、本物の葉っぱを置いて写真を撮っておくと記念になります。