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水彩は偶然性?水彩と仲良くなる方法を考えてみた

質問を頂いたので、回答したのですが、思ったより反響いただきましたので、ブログにまとめてみました。もし、同じように疑問に思っている方いたら、ぜひ参考にしてみてください。

質問の内容

とても面白い質問でしたので、ガチ回答させて頂きました↑原文読みたい方はXのポストを見ていただければ!

あまりに長文になってしまったので、改めてこちらの記事に、内容を追加しつつまとめていきます。

偶然性の難しさ

ペンや色鉛筆ならコントロールできるのに、水彩はコントロールできない!

そうです、私も初心者の時、質問者さんと同じことを考えていました。 鉛筆や色鉛筆ならコントロールできるのに、水彩のこの水におまかせ、偶然性に委ねる感じ、なんとも納得できなくて。

透明水彩には、偶然性を必要としない技法と、割と偶然性の高い技法、両方があります。ある程度水分を少なくして、不透明水彩のようにムラなく仕上げていくこともできますし、あるいはにじみににじみを重ねて、模様ができていくのを待つ、という技法もあります。

(色々な方の意見を見て思ったのは、決して偶然性の高い技法に頼るのがいけない、ということではなく、それはむしろ透明水彩の魅力の1つでもあります。でも、「自分のコントロールの外側にある」というのに戸惑いを覚えるというのも、とても共感できました。)

なので、水彩初心者の私は、水彩らしい技法、ウェットインウェットやバックランなどはあまり使わず、色鉛筆でかなりいい感じに仕上げておき、水彩でシンプルに着彩、というのが多かったです。 にじみが広がりすぎたり色が入りすぎたりしたら、よくティッシュで拭う、ということもしていました。 偶然性とうまく付き合うというのがとても難しいことのようにも思いました。

ただ、20年ほど透明水彩と付き合ってきて、最近は考えが変わりました。 それは「透明水彩は偶然性の高い画材だが、その偶然性をある程度コントロールできるようになる」ということです。 100%ではありません。 ですが、あらかたどのような感じになるか、かなり予想できるようになりました。

ウェットインウェットなどで色をランダムに滲ませていくのですが、どのようなタイミングで、どのくらいの水加減で、どのくらい筆に絵の具を含ませて、塗ればどんな感じになるのか、というのが少し掴めるようになってきました。

とはいえそれでも予想外になることもあります。そんな時でもその予想外の効果を逆手にとって生かしていく、そんなこともできるようになりました。

偶然だ偶然だ、と言いますが、ある程度は感覚でつかめるようになります。 偶然の要素もあるが、70〜80%くらいはコントロールできる、という感じかな。 とはいうもの、水彩の技法は、水彩紙、筆、絵具の顔料の性質、あとはお天気などにも左右されるので、かなり複雑ではあります。すぐになかなかつかめないかも、とも思います。

水彩と仲良くなる方法

ですが! やっぱり水彩と仲良くなる方法はあるような気がしています。 それは使う道具を同じものに固定して、同じ条件で練習する ということです。 たとえば、使う水彩紙も1~2種類決めて、そればかり使います。

ひよこ
ひよこ

水彩紙によって塗り心地が
かなりちがうもんね…

あれこれ色々なものを使うと、それぞれの性質を理解するのに時間がかかります。ネットには私のブログもですが、あれこれ情報が溢れ、目移りしますが、ここはグッと堪えていくつか使うものを絞って徹底的に同じものを使うことが大事です。

筆も同じものを使います(ちょっと上等なものがおすすめ、にじみのコントロールしやすいです) あとは絵具もあれこれ使わないほうがいいかもしれません。

で、やるのは同じような感じに塗るという練習です。いくつかの線画を意識しながら同じような調子で塗る、というのを繰り返しているとだんだんコントロールが効くようになってきます。

私も作品だと自分のやりやすい塗り方に逃げてしまうのですが、色見本を淡々と作っていたら、かなり水加減などに慣れました。色見本は同じような濃さで塗らないと、見本として使えないので、同じような濃度、調子で塗るように気をつけていたら、かなり塗り方に慣れることができました。

葉っぱの色見本も同様です。色の濃度や色合いに気をつけて、同じような調子で塗っていくことを意識していくとかなり上達します。単純作業を繰り返していくのがおすすめです。

にじみもにじみばかり練習します。同じような調子で塗っていくと、どのくらいの濃度でウェットインウェットすると、にじみがどのくらい広がるのか、ということがなんとなく予想できるようになります。

それにはやはり、同じ条件で練習するのがいいのではないかと! 画力を上げるというと、つい線を書く練習をしてしまうのですが、実は塗るのも技術で、かなり鍛錬が必要です。実は水彩は同じように塗るのが難しく、複雑な画材なので、「偶然性がある」とされがちなのですが、それも含めて意外とコントロールはできるようになるのだ、というのが最近の私の気づきです。

ひよこ
ひよこ

もっと仲良くなりたい!

もちろん「偶然性が楽しい画材」と捉えるのも自由ですが、じっくりと付き合っていくと案外仲良くなれる画材だ、とも思います。

偉そうに語ってしまいましたが、私も道半ばです。もっともっと技術を磨きたいと思っています。

もちろん、 色々なものを使い比べして自分と合ったものを探していくのも大事ですが、偶然性をもコントロールすることを目的にするなら、なるべく同じ条件で同じ技法を練習していくのがいいかな、と思いました。

それでも何か違うと感じたら

それでも何か違うと感じたら、他の画材を試してみるのもありですね。

特に、最近私が注目している不透明水彩(ガッシュ)は、透明水彩と成分が同じ絵具ですから、一緒に使ったり混ぜたりすることができます。透明水彩よりも、水で流れていくことがないため、より置きたいように色を置ける画材です。またポスターカラーも平滑に色を置きやすい画材です(メーカー様とご縁があり、また来年に詳しく記事を書くつもりなので、お楽しみに!)

またアクリル絵具も、透明水彩よりは、コントロールしやすい画材だと思います(修正が難しいので、その分画力が必要になりますが)

こういったものをうまく併用していくのも、選択肢の1つだと思います。

より自分と繋がりを感じやすい、ペンや色鉛筆の比重を増やして、あっさり着彩していくのも、1つの方法です。どちらにより比重を置くのか、ということですよね。

自分が画材とどのように付き合っていきたいか、少しずつ考えていけるといいのかな、と思いました。

長い回答になりますが、参考になれば!