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[透明水彩]マイメリブルー イントロセットの解説!

Twitterの企画に参加したところ、大日本美術工芸/マイメリさんからマイメリブルーイントロセット(5色セット)を頂きましたので、レビューをしようと思います。企画の内容は、マイメリの絵具を使って分離色を作るというものでした。(これもまた楽しい企画でした)

ではいってみましょう!!

マイメリブルーについて

マイメリはイタリアの絵具メーカーです。

2020年に全面リニューアルが行われ、大幅ラインナップが変わりました。元々、単一顔料の絵具が多いメーカーでしたが、今回のリニューアルで、全色単一顔料となりました。

今回紹介するのはイントロセットというもので、5色絵具がセットになっているものです。こちらは絵具を一本一本買い求めるより、かなり安くなっています。

5色の内容

左から

カドミウムイエローディープ

キナクリドンレーキ

グリーンゴールド

ウルトラマリンディープ

ペインズグレー

カドミウムイエローディープ

カドミウム系イエローの中でも、オレンジがかった濃厚なイエローです。

カドミウムイエローは不透明で、ムラなく塗ることができる、発色の強いイエローですが、このカドミウムイエローディープも同じ特徴を持っています。不透明で、発色も強いです。色味は少しオレンジがかっているので、通常のカドミウムイエローよりもソフトな色合いです。

いつもの黄色の代わりに使ってみると、落ち着いた色調にする事ができます。黄色が苦手という方にはおすすめかも。暖色系の色と混色すると、暖かい色を作る事ができて、とてもよいです!緑、青との混色にもおすすめです。穏やかなグリーンになります。

左はカドミウムレッド、右はフタロブルーやフタログリーンとの混色

キナクリドンレーキ

PV19という顔料なのですが、この顔料は色の幅があり、基本色のローズレッド系とこのキナクリドンレーキと同じ、赤紫系の色があります。マイメリのキナクリドンレーキは、ホルベインやシュミンケホラダムではキナクリドンバイオレットという色で売られていて、色もほぼ同じです。

鮮やかな赤紫色で、粒子が細かく滑らかな色。

単色でも十分美しい色ですが、粒子が細かいので混色にも向いています。青系との混色で、彩度の高い紫を作る事ができます。もともと紫は顔料の種類が少なく、色味も限られているので、花をよく描く方や紫という色自体が好きな方にはおすすめの色の一つです。

ウルトラマリンブルーとの混色

グリーンゴールド

買おうかな、と思っていた色だったので、とても嬉しい!

とても個性的なグリーンです。黄緑の単一顔料というのは、おそらくこの色だけです。黄緑と言ってもかなり黄色に近い明るい色です。なので、黄色の代わりに使うこともできます。

下地に塗ったり、混色にも使う事ができます。白い花の影にぴったりの色だと思いました。

左はグリーンゴールド単色、真ん中はウルトラマリン重ね塗り、
右はフタロブルー重ね塗り

重ね塗りしてみましたが、それも味があって良かったです。

絵具を出してみると、何だかイマイチなオリーブ色ですが、水で溶いていくと鮮やかな黄緑になります。

明るい黄緑と言っても、人工的な色ではなく、自然な色味で、植物を描く時に活躍しそうです。私は黄緑の使用頻度が高いので、とても気に入りました。

ウルトラマリンディープ

いくつかあるウルトラマリンブルーの中でも、粒子が荒いタイプです。ウィンザー&ニュートンやシュミンケホラダムでいうと「フレンチウルトラマリン」にあたります。

他メーカーのウルトラマリンを比較しています→ウルトラマリンあれこれ

ウルトラマリンは元々粒子が粗い絵具ですが、マイメリのウルトラマリンディープは特にざらっとした独特の感触があります。色は、赤みがかった美しいブルー。

混色すると、ほとんどの色と分離してしまうと思います。いくつかの色を混色してみましたが、どの色を混ぜても分離します。分離色を作りたい時には便利ですね。

粒子の荒い色は、画面にニュアンスを与える事ができるので、何色かパレットに入れておくのもいいかもしれません。

ペインズグレー

マイメリのペインズグレーは単一顔料です。単一顔料のペインズグレーは初めて見ました。ペインズグレーは黒の顔料と青の顔料、少しだけ赤の顔料が混ぜられている、というものが多いです。どのような顔料が使われているのだろう…と思ったら、合成インディゴ顔料でした。珍しい!(マイメリはインディゴにも天然インディゴ顔料が使われています。これもとても珍しいです)

色はインディゴよりもさらに渋みのある色です。青味がかったダークグレーです。

ですが、黒が入っていないせいか、一般のペインズグレーと比べると、色が薄めです。なので、黒として使う時には意識して、多めに絵具をのせる必要があります。

色があまり強くないので、重ね塗りをして影色などにするのにとてもよいです。

青や紫、緑にペインズグレーを重ねると、冷たい影色として使う事ができる。

個人的には、アイボリーブラックやランプブラックよりも、ペインズグレーの方が他の色と馴染みやすくておすすめです。

イントロセットの感想

イントロセットの価格は 4,400円。それぞれの色を単品で買うと合計で、9,020円になるので、半額以下で買う事ができます。とにかくお得

入っている色は、基本色というよりは、ちょっと個性的な色が多い印象です。既に絵具を持っている人でも手持ちの絵具と被らないと思います。この絵具だけでも、混色して色々な色を作る事ができます。

マイメリブルーってどんな絵具なのか試してみたい、という方にはとてもおすすめのセットです。

マイメリイントロセットで絵を描いてみた

マイメリイントロセットの5色を混色して、色々な色が作れました^^

グリーンは渋めですね。ウルトラマリンディープとカドミウムイエロディープを混色しました。

紫はキナクリドンレーキを軸にして、他の色を混ぜて作っていますが、とても華やかな印象です。

ウルトラマリンディープを混色に使うと分離します。肌色作れるか心配でしたが、作れました!

マイメリイントロセットを使って、絵を描いてみました。ちょっと難しいですが、茶色も作れます。女の子の服はウルトラマリンディープを使っていますが、粒子の荒い絵具を使うと、ざらっとした風合いを出す事ができて面白いです。

マイメリブルー透明水彩ってどんな感じ?

とにかく色が濃厚です。なので、水分の量を調節して塗るといい感じです。薄く塗っても色が浅い感じにならないので、水をたっぷり塗った技法にもよいです。溶けやすく、伸びもよいので、水分量が少なくてもきれいに伸ばして塗る事ができます。塗りムラも出来にくいです。

マイメリブルーはリニューアルして、全色単一顔料になりました。混合しないと作れないような色味もあるので、もちろん限界はあるのですが、他では見かけないような珍しい色もあります。本当の意味で、かなりバリエーションの豊富なブランドだと思います。混色は単一顔料の絵具同士で混ぜた方が澄んだ色味になるとされています。マイメリは全色単一顔料なので、混色に向く透明水彩ブランドだと思います。

しかしながら、チューブが12mlのみで、かなり大きいです。中々使いきれなさそうです。それに応じて値段も高めです。小さいチューブもあると気軽に試せるのに、と思います。マイメリはドットシートも購入済みなので、全色試したらまたレビュー記事を作成するつもりです^^

お楽しみに!!