今回の話題はウィンザー&ニュートンプロフェッショナル透明水彩のおすすめ色を紹介します。値上げされるため、駆け込みで買っておきたい、と言う声を受けて記事をつくりました。
Table of Contents
ウィンザー&ニュートン透明水彩のおすすめ色をまとめるよ
2022年6月から値上げされるというウィンザー&ニュートンの透明水彩絵具。約2割ほどの値上げだということで、ホルベインの3倍くらいの価格になるのではないかと思います。そこで質問箱に、「値上げ前にこれだけは買っておけ!という色があったら教えてください」というリクエストが入っていたため、オススメ色をまとめてみることにしました。
ウィンザー&ニュートンの水彩絵具は、あまりにもメジャーで使っている人も多いことから、改めてオススメ色の記事を書くという発想がなかったんです。
まさに盲点!灯台下暗し!
私が使った中から、この色はウィンザー&ニュートンの絵具を買うべし!と思う色7色と評判のよい色をおまけとして、ご紹介したいと思います。ご購入の参考までに〜。
ウィンザー&ニュートンで買うべし。オススメ7色
スマルトブルー
人気色なので、多分多くの人がオススメ色の中に入れていると思います。
ウィンザー&ニュートンでしか買えない独特の色。そもそも青顔料は種類が少なく、その中でも赤みがかった青の選択肢は限られています。ウルトラマリンブルーやコバルトブルーあたりが定番だと思います。
スマルトブルーは、ウルトラマリンブルーやコバルトブルーよりもさらに赤みが強く、青紫といった方がいいかもしれません。色味はあまり濃くないのですが、重ね塗りにはかえってその方がいいかもしれません。
とっても珍しい色!
色味自体も魅力的なのですが、青紫色は、暖色系の混色でグレーを作ったり、影の色に使ったりとかなり実用的だったりもします。ラベンダー系の色が好きな人は要チェックです。
コバルトグリーン
この色はとてもとても珍しいグリーンです。色は淡いミントグリーンなのですが、PG50でこの色味は恐らくウィンザー&ニュートンのものだけです。同じ顔料で、コバルトターコイズの色味(水色)やもっと濃いめのグリーンは他メーカーでもあるのですが。。
白が入っているわけではないのですが、パステルカラー。淡いグリーンです。
色はそこまで彩度は高くないのですが、この穏やかで濃すぎない色が、どの色とでも調和しやすく絶妙だなあと思っています。粒子が荒いのですが、鮮やかめの黄緑の分離色も作れます。
この記事でも紹介してます。
ペリレンバイオレット
シュミンケホラダムなどでも購入可能ですが、ウィンザー&ニュートンの方が遥かに手に入れやすい価格なので、こちらをオススメしておきます。
今年のパレットに入れていますが、とても使いやすい色。かなりくすんだ赤紫です。このダークな赤紫、植物の茎や木の実、花芯、貝殻など、とにかく自然物に多く含まれている色です。よく混色で作っていましたが、パレットに入れておくと便利!という結論にいたりました。
渋くて格好いい色だ!
色味はとても強く、混色して黒っぽい紫を作ったり、赤の影色にしたり、地味な色ですが、大活躍してます。
この絵にも登場してます↓
ウィンザーバイオレット
最推し。
ウィンザーバイオレットの中身はPV23で珍しい色ではありません。ホルベインだとパーマネントバイオレットです(その他どのメーカーでもある色)
ですが、パーマネントバイオレットとは、色の深みと顔料濃度がまるで違う。もちろんパーマネントバイオレットもいいのですが、ウィンザーバイオレットは混色などで深い色も出すことができ、画面の中では圧倒的に効く色。(逆に淡く使いたい、混色で濃い色にしたくないときにはパーマネントバイオレットでもいいかも)
顔料の濃度もかなり高いらしく、去年のパレットに入れていたのですが、塗っても塗っても色が無くならず、使い切るのにかなり苦労しました。そういう意味ではコスパのいい絵具と言えるかもしれません。
アントワープブルー
こちらはプルシャンブルーの弟分。
ちょっと優しめの青!
この色も珍しくウィンザー&ニュートンならではかな、と思ったので入れました。プルシャンブルーと同じPB27なのですが、プルシャンブルーに比べると少し色が淡いです。
プルシャンブルーは濃く塗ると紺色くらいの濃い色になりますが、水で薄めると明るめの水色になります。この幅広い色の幅が魅力ではあるのですが、一定の濃度で塗るのが難しく、ちょっと癖が強いです。
が、アントワープブルーは少し淡めの色なので、プルシャンブルーの色を一定のこさで塗りやすいです。混色したり、平坦にウォッシュするならこちらの方が使いやすいかなと思ってこちらの色を選びました。個人的にはこのちょっとくすんだ青、好きです。
ポーターズピンク
こちらもシュミンケホラダムやマイメリでも購入可能な色ですが、ウィンザー&ニュートンで手に入れやすいため選びました。
面白くて癖のある色No.1!
粒子が荒すぎて、紙に載せた瞬間に粒状化します。絵具もザラザラしていて砂絵を描いているような感じです。(慣れてくるとこれが癖になるw)
粒状化がすごいので、どの色を混ぜても分離します。
絵の具は伸びません、ムラになります。
にじませても広がりません。
一回乾燥させてしまうと、絵の具は溶かしづらくなります。使うたびにチューブから出すのがオススメです。
発色も弱いです。
え〜っ?
すごい色だねえ
ここまで聞くと、買う必要ある?って思うかもですが。すごく面白い効果が出せるのも事実。独特の質感の表現もできます。錆びた感じや、ベルベットや皮の表現など、古くなった表現やザラザラしたものを表現するのにぴったり!
そもそも顔料自体が、ピンクと言うのも珍しいので…
絵具の癖はすごいですが、絵具沼に来たからには一度は水彩ユーザーさんに使って欲しいです。透明水彩の面白さを味わえるオススメの1色です。
ネイプルスイエローディープ
この黄色がとても気に入っています!
使い方はイエローオーカーのような、少し落ち着いた黄色として、混色して使う感じです。イエローオーカーと違うのは茶色みがなくまろやかな黄色の部分だけがあるところですね。普段はイエローオーカーの方がパレットに入っているため、なかなかメインパレット入りしないのですが、使うたびに「この黄色が一番好きだな」と思います。
薄めるとひよこちゃんっぽい優しい黄色!
わ〜い✨
枯葉のように、ちょっと落ち着いた色調が好きな人にはオススメです。レモンイエローやカドミウムイエローのような澄んだはっきりした黄色も必要ではあるのですが、普段の混色で使うには、このくらいの優しい黄色の方が画面全体のまとまりがよくなる感じがしています。
その他、人気色と気になる色(おまけ)
ローズドーレ
この色は枯葉の推し色というわけではないのですが、人気色なのでご紹介します。
こちらも白が入っていない透明感のあるパステルカラーで、落ち着いたサーモンピンクです。これもウィンザー&ニュートンでしか見かけないちょっと珍しいピンクです。
重ね塗りに最適で、ちょうど人物の血色カラーとして便利のようです。
もう少し溶けやすいと、言うことなし!
ペイズグレー
ペインズグレーもウィンザー&ニュートンのでないと!という声が多いですね。
ホルベインのペインズグレーに比べると青よりです。インディゴよりはグレーよりなのですが。この色がなんとも絶妙です。ペインズグレーは青がかったグレーですが、通常の黒に比べると色が暗くなりにくいので、透明水彩向きの色調です。
とても便利なのでこの系統の色は1つパレットにあるといいですね。
ウィンザーオレンジ(RS)とトランスペアレントオレンジ
似たようなオレンジなのでまとめてご紹介します!
ウィンザーオレンジレッドシェードはかなり赤よりの鮮やかなオレンジです。この色もウィンザー&ニュートンが一番手に入れやすいです。蛍光色のように輝くようなオレンジです。
赤よりなので、薄めてピンクのようにして使うこともできます。
トランスペアレントオレンジの方は、より透明感が強いオレンジです。シュミンケホラダムのトランスペアレントとは顔料が違い、色も違います。もっと深いオレンジで富有柿のような色。
透明感は抜群なので、緑系と混色したり、重ね塗りしたり、下地も最適。
アクアグリーン
持っていない色!でもこれも人気色〜!
ドットシートで塗ってみました。PB16のフタロターコイズ(ホルベインで言うとマリンブルー)と少し色が似ていますがもう少し緑よりで、深みのあるグリーン。青や紫と合わせたら面白そうです。
カドミウムフリーイエローペール
カドミウムイエローは最押しの黄色ではあるのですが、一応毒性表示があるため、なかなか人にオススメしづらく…。(もちろん、そこまで毒性が強いわけではなく、仮に体内に入ってしまっても問題ないレベルとのこと。私は普段あまり気にせず使ってしまっています)
それを解決してくれたのが、このカドミウムフリーシリーズ!
強い発色と鮮やかさ。隠蔽力はやや本物のカドミウムの方に及ばないものの、かなり再現性は高い!なので、カドミウムイエロー気になっているけど、ちょっと毒性が…という人にオススメしたいですね。黄色はどうしても混色の時に負けやすいので、しっかりした黄色がパレットに入っていると便利です。
安全なカドミウムイエローだ〜
ウィンザー&ニュートンの基本色もいい!
今回はご紹介できませんでしたが、基本色もとてもいいのがウィンザー&ニュートン。フタログリーンやパーマネントローズ、ウィンザーレモン、ウィンザーブルー、ウルトラマリンブルー、ベネチアンレッド、ライトレッドなど、一般的なお色も、とてもオススメです。
私も、基本色ならウィンザー&ニュートンのコスパが良い感じがして、よく買っています。
ウィンザー&ニュートンの絵具はどちらかと言うと顔料の特性を重視した絵具だと思っています。なので、どの色も顔料の特性がよく出ていて面白いです。どうしてもホルベインにないような特殊カラーも揃っていたりするので、もっと色々な色を試してみたい、と思ったらぜひ。ウィンザー&ニュートンの絵具を試してみてください。
実は私もドットカードでしか試したことのない色もたくさんあるので、少しずつチャレンジしてみたいなと思っています。今回の値上げで、私は買い足しは見送りしますが、駆け込みで売り切れが出たりするかもしれないので、狙っている方はお早めに✨
買い溜めしとこかな…