連筆を初めて見た時は、そのシュールな見た目に驚かされましたが、思いきって買ってみてよかったなと思える画材の一つです。透明水彩でも使えますよ!
Table of Contents
連筆ってどんな筆?
念願の連筆を購入しました。ずーっと憧れだった連筆。日本画の教本で見かけて、水彩の作家さんも大作に使用する方もいるらしく、とても気になっていました。
この見た目!
すごくないですか?画材好きにはとてもそそられる形状なのです…
連筆は日本画の筆です。彩色筆が何本も束ねられている幅の広い筆です。
束ねられている筆の本数は3本、5本、7本のものがよくお店で見かけるものです。もっと多いものも存在するようです。(不朽堂の店頭で、ものすごくたくさん連なっている筆をちらっと見かけました)
連筆は、刷毛みたいな見た目なのですが、刷毛よりもできることが多いです。
束ねられている筆の1本1本が普通に使える彩色筆になっているため、3連筆なら、通常の筆の3倍、5連筆なら5倍の保水力を持っていることになります。
触ってみるとかなりボリューム感があることが分かります。
何これ、めっちゃふわふわ〜〜
なので、連筆は恐ろしく水含みがよく、大きな面積のグラデーションやウォッシュが、とてもとても綺麗にできるんです。
私は刷毛も使いますが、同じ幅でも刷毛よりも連筆の方が毛量が多いので、水含みや絵具の含みがいいです。長さも長いので、はらうような筆使いもできます。
日本画の絵具はムラになりやすく、広範囲をムラなく均一に塗るのが難しく、このような筆が使われるらしいです。連筆だけでなく、幅のめちゃめちゃ広い刷毛なんかも日本画コーナーで見かけます。
日本画ならではの筆みたいです!
連筆は透明水彩でも使える!
連筆は透明水彩でも使えるんです!
背景のグラデーションなど広い部分を塗るとき、とても綺麗にできます。
私が購入したのは5連筆です。3連筆でも充分かなと思ったのですが、せっかく買うなら少し大きいものが欲しいと思って5連筆にしました!
水を多く含むので、広範囲での塗りが、刷毛とは段違いです。もう少しムラになるかと思っていましたが、ものすごくフラットに塗れます。
刷毛よりも穂先が長いこともあって、絵具もしっかり含むし、しなやかさもありムラなく仕上げるだけでなく、塗ったところの境目をぼかしたり、という表現もしやすかったです。
また、片側だけに絵具を多くつけてグラデーションやわざとムラを作ることもできそうでした。
今まで、このような作業は刷毛で行っていて、これでも十分使いやすかったのですが、連筆はさらに表現の幅が広い感じでした。
まさに魔法の筆!
もともと1本ずつでも筆として使えるものを5本束ねたのだから、より高機能なのは間違いないですよね。
コレを最初に思いついた人すごい!
ちなみに小さい紙だと一筆〜二筆で綺麗なグラデーションやムラのない背景が出来上がり。
F6くらいのサイズでも楽々に背景塗りが終わりました。いつもより心なしか色も深い!
ちょっと絵に使ってみよう!と思い、背景の空を塗ってみました。結局色々な色をランダムににじませたので、平坦なウォッシュにはしなかったのですが、今まで時間のかかっていた背景が一気に終わりました。少し紙のサイズが大きくなると、背景を仕上げるのがしんどかったのですが、連筆のおかげで楽しくなりました。
連筆を使うときの準備
連筆は筆が大きいので、水入れも大きなものを用意するとよいです。水もたくさん吸うので、たっぷり水を入れて使います。
そして水気の調節はティッシュなどではとうてい無理なので、手拭いサイズのタオルを使いました。
あとは絵具は仕切りの部分から溶かすのは無理です。何しろ筆が入らないので…
なので混色スペースや絵具用のお皿を用意して、連筆で塗る用の絵具を、あらかじめ作っておきます。量もかなりたっぷり必要です(塗り途中で無くなってしまうと悲劇💧)チューブから直接出した方がいいです。大きめの筆で絵具をあらかじめ溶いておいてから、連筆に含ませました。
キレイに仕上げたいときにはしっかり水張りも必要です。紙がたわむとくぼみに絵具が溜まってしまいますから…
いつもより念入りに準備するのがおすすめです。
お手入れは念入りに
これだけ絵具を含むので、筆を洗うのは時間がかかります。かなり奥まで絵具が入り込むので、しっかり洗った方がよいです。
そして筆が乾くのにも時間がかかります。ぶら下げて、風通しのいいところで乾かしましたが、完全に乾くのに丸一日かかりました。うっかり絵具をつけたままにしないように気をつけないとですね…
いい筆なのでしっかりお手入れして長持ちさせようと思いました!
しっかり乾かそう!
連筆はこんな人におすすめ!
空を描くなど、広範囲をしっかり塗ることが多い人にはおすすめです。少し大きめの作品を描きたい人にも!
キレイに空が塗れたら嬉しいな♪
透明水彩だと、どちらかというとランダムな仕上げ(にじみやぼかし)が好まれるみたいですが、私のようにフラットに塗りたい、という人にはとても使いやすいはずです。(そういう意味では、枯葉の絵は、実は日本画の方が向いているのかも??)
連筆はもちろんランダムな塗り方もできるのですが、フラットな塗りにしたいときにとても使いやすいです!
どんなもんだろう?と思う人は三連筆くらいから試してみるといいかもしれません。
ものすごく紙が大きいと普通の筆のようにも使えるみたいで、とても汎用性が高いです。
個人的に気になっているのは、分離色をこの筆で塗ったらどんな感じになるんだろう、ということです。
今度やってみようと思います!
チューブ1本くらい使い切っちゃうかもね
今回の記事は、質問箱で「刷毛や連筆、平筆についてもっと知りたい」というリクエストがあったため書いてみました。まだ使いこなすというレベルには達していないのですが、どなたかの参考になれば嬉しいです。
名村さんの連筆のツイート↓