今回も名村大成堂の筆をご紹介します。名村の筆は、個人的に気に入っているものが多く、これからも紹介が増えると思います。今回はたまたま購入したけど、ものすごく気に入ってしまった「みやこ」のレビューです。
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みやことの出会い
こちらの「みやこ」はたまたまセールになっていたものを購入しました。ある都内の画材店ですが、画材エリアを縮小するということで(涙)それまで店頭にサンプルとして飾られていたものや古いモデルのものが、セールになっておりました。そこで、出会ったのが「みやこ」!
みやこは、その中でも元値がそこそこいいお値段でした。
が、
値段の高い筆は間違いない!
と判断し、購入。
素材などは購入時はよくわからず。
最初は読み方が分からなかった(笑)
古い仮名(変体仮名)なんですね。筆の情報を探すのにちょっと苦労しました。
みや…??
ただ、このとき、思い切って「みやこ」を買ってみて、本当に良かった!今ではそう思っています。
面相筆 みやこはこんな筆
みやこは面相筆のような形をしていますが、面相筆ではないようです。穂先の長さが、面相筆よりも太く短く、点付、版下筆よりも長い筆、とのこと。
名村さんがツイートでみやこの紹介をしていました。とても分かりやすい!
名村さんのツイートは本当にお役立ちだね!
日本画やデザインに使用される筆のようです。ですが、もちろん透明水彩にも使えます。
日本画は割合繊細な作業が多いのか、日本画用の筆は先が尖った、細い線を描けるような筆が多いです。他にも使いやすい筆がたくさんあります!
(みやこは名村大成堂のHPでは、デザイン筆のカテゴリに入っていました。どのように分けられているのか気になりますが…)
みやこのラインナップ
みやこは中国産のイタチの毛でできているようです。
使いやすいと思っていたら、やはりイタチ!中国産のイタチは品質がよいそうです。
サイズは、大、中、小の3サイズ。私が買ったのは大サイズでした。
大サイズでも十分細い線がひけますが、さらに細かい描写をしたい場合は中や小サイズも良さそうです。
みやこの使い心地
先がとても細いです。ですが筆の根本はそこそこボリュームがあるせいか、絵具をたくさん含んでくれます。
なので、線が途切れない!!長く線がひける、たくさん線がひける。
コシの強さも絶妙です。柔らかすぎず、硬すぎず。水彩紙は、日本画で使われるような紙と違い、凹凸が大きいものもあります。あまり柔らかい細筆だと、筆の方が紙の凸凹に負けてしまって、滑らかな線が描けないこともあります。硬すぎる筆だと、下に塗った色を削ってしまうことも…
その点、みやこの硬さはちょうどよく、どんな水彩紙でもキレイな線が描けました。
とても快適〜!
ラファエルの小筆やナイロンの小筆より自分には合っているかも。
細かい線を筆でひいたりするのがとても苦手ですが、この筆ならキレイに描けました。人物ならまつげや唇、髪の毛。植物なら茎やがく、細い花びらなど細かところ。細い枝を書いたり。アウトラインをひいたり。
今まで細い筆は結構買ったんですが、どれもうまく扱えなくて
みやこは、今までの筆の中で一番、細い線や繊細な作業がしやすかったです。頼もしい!
きっと上手な人なら、糸のような線も描けると思います。
そうそう、透明水彩は色を塗ってから、線を筆で描き起こす、というスタイルの方けっこういらっしゃるんですね。みやこはそのような使い方にも最適なのではないかなと思います。
試してくださった方が!嬉しいです。面相との比較も分かりやすいです
日本画筆って使いやすい
今まで水彩筆ばかり使っていましたが、日本画用の筆も透明水彩にとても使いやすいものもあるんだな、と思いました。
日本画の筆は獣毛のものが多く、水彩筆に比べると柔らかいものが多いように感じます。ただ日本画も水彩も水を使って描くので、同じように使えるものが多いです。ただ、日本画筆は、種類も多くどんな用途に使う筆なのかが、よく分からないので、これからちょっとずつ勉強しようと思います。
比較的手頃なものもあれば、かなり上等なものも。。
少しずつ色々な筆にチャレンジして、皆さんに紹介できればな〜と思いました。
[追記] みやこを買って1年くらい経つのですが、あまりに快適すぎて、細筆はこれしか使っていません。「筆で細い線を描くのはちょっと…」という方にもおすすめですよ!面相筆も使ってみましたが、私はみやこの方がコントロールしやすくて好きです。
他にも東紅特選を愛用しています。コリンスキーもいいのですが、東紅は先端が細く、細かいところもスイスイ塗れます。
こちらもおすすめなのでチェックしてみてくださいね。