おすすめの筆の記事をいくつか書いたのですが、比較的小さい筆の話が多かったので、今回は大きな筆についてです。思いっきり大きな筆、刷毛!
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刷毛とは
このような感じのものです。小さな絵しか描かない、という時にはあまり活躍の場がないのですが、大きめのサイズの絵を描く時には大活躍します。
最近は忙しく制作に中々まとまった時間を取れないこともあって、F4までの小さな作品がメインですが、以前は半切や全紙サイズの絵も描いていました。(今でもたま〜に)
サイズが大きくなってくると、どうしても背景の空など、広範囲にウォッシュをしたりグラデーションをしたりする場面が出てきます。
それを塗るには大きめの筆が必要になるのですが、普通の丸筆や平筆だと大きさが足りません。
はがきサイズくらいならこのくらいでもいいんですが、もう少し大きめのものがあった方が便利です。
なので刷毛が活躍するんです。
どんな場面で使う?
主に背景が多いです。空や海や広い部分を一気に塗り上げたい時に使います。
ウォッシュやグラデーションをムラなく綺麗に塗ろうと思うと…
小さな筆で塗ると時間がかかりますし、途中で乾いてしまうので、ムラもできやすいです。保水力の強い水彩紙だと、しばらく吸い込むまでに時間がかかるので、ある程度は待ってくれますが、それでも間に合わず端っこの方から乾いてしまいます。
このような広範囲を塗る時には絶対に刷毛の方がいいです。
やっぱりサイズが桁違いですので。。端っこから端っこまで一瞬で塗ることができます。
特にグラデーションなどは、透明水彩で行うととても難しい技法です。水加減を一定に保たないとすぐにムラになったり、バックラン現象が起きたりします。なので、筆は大きければ大きいほど、ストロークの数が減るので、トラブルが減ります。
2本以上ある方がいい
にじみだったら、水をひく用の刷毛と絵具をつけて色を塗る用の筆2種類あった方がいいです。
グラデーションなら、色を変化させていくので、2〜3本あると便利です。途中で別の色を塗るために筆を洗ったりすると、時間がかかってしまい、その間に紙の上の絵具や水が乾いてしまうからです。
透明水彩は、とにかく時間との勝負、とう場面がありますので、刷毛は多めに用意しておく方がもたつきません。
サイズは私はこのくらいのものを4本持っていますが、もっと大きいものもあったら便利かも、と思ったりします。
刷毛を使うならマスキングは必須
刷毛のいいところは「広範囲を一気に塗ることができる」点です。
なので、小回りは一切ききません(笑)
そりゃそうだ!
大きさも大きいし、細かいところを塗るのは無理だね
なので、手前に人物を配するといった場合には、必ずマスキングをする必要があります。
刷毛を使う場合は、細かいアウトラインを避けて塗るのは難しいです。透明水彩の場合は上から、どんどん塗り重ねて下の色を覆い隠していくような描き方ができないので、全く別のものを描いていく場合は手前に描くものはマスキングをしなくてはいけません。
特に刷毛を使うときの注意点は、色をつけない、と決めた部分には全面マスキングをした方がいいということです。
この作品では手前の二人の少女にマスキングをしました。境界の部分だけにマスキングをしたのですが、真ん中の部分はマスキングしていなかったため、刷毛を思いっきり動かすことができず、真ん中の部分だけ色調が変わってしまいました。
面倒がらずに全面にマスキングをした方が、きれいに仕上げることができます。
反省!
他にも使い道はある
大作でなくても、ウェットインウェットをする時に、水をひいたりするのにも使えます。筆のボリューム感がたっぷりしているので、水も多く含み、水彩紙にたっぷり水を含ませることができます。
また弾きが強すぎる水彩紙も、最初に刷毛で全面に水を塗って絵具を少し塗っておくと、だいぶ軽減されます。
また水張りする時にも使いますね。
刷毛の値段は?
日本画用の刷毛などは、高価なものもあります。
私はデザインコーナーで買った安価な刷毛を使っていますが、とりあえずは問題なく使えています。
高価なものは使い心地も違うのでしょうが、筆が大きい分お値段もそれなりで、いつかいつか、と思いながらここまできてしまいました。
気になっています↓これだけ幅があれば、背景などもムラなく仕上げられそう。
これも良さそう!↓欲しい!!
お手入れ
しっかり乾かさないと危険です。大きい分乾きにくいので、紐をつけておいて吊るして乾かしたりしています。特に梅雨時や夏場は注意しましょう。カビがやばいです。
日本でカビは危険だよ〜
洗う時もたっぷりの水で洗います。結構汚れは落ちにくいです。特にプルシャンブルーやフタロブルーを使ったときは染みつきがすごいので念入りに。
最後に色々な刷毛と平筆を紹介
刷毛があると背景のグラデーションやウォッシュがとてもきれいにできます。あと、いつもより大きめの紙で描いてみたい時にはきっと活躍してくれます。
刷毛でしかできないこともあるよ♪
最後に色々な刷毛を紹介しますね〜
名村の刷毛はA印とB印がありまして、どういう違いなのかと思ったら、毛のグレードが違うそうです。Aの方がやや上等とのこと。お値段も少しお高めです。
まず1本買ってみたい!という方はB刷毛の10号か15号あたりをゲットしてみるといいかも。
AとBの違いを名村さんが説明してくださっています。
刷毛ではなく、大きめの平筆というのもなかなか便利です。刷毛だと刷毛っぽい使い方しかできませんが、平筆だと用途も色々です。8号くらいだとたっぷりしていていい感じです。刷毛に比べるとちょっとお高めにはなりますが。
2021年に購入して気に入ってるのが連筆。。これも刷毛のような使い方ができますが、刷毛よりもボリューミーでふわふわしているので絵具をたくさん含みます。気になっている方はぜひ!
同じ刷毛でもナイロン製のもの。これは持っていませんが、お試ししたことがあります。羊毛に比べると硬めですが、フラットに塗るのが得意!洗うのは普通の刷毛よりも楽で、お手入れしやすいのも魅力です。
お気に入りを見つけてくださいね〜!
ふわふわの刷毛、大好き…