名村大成堂の東紅という筆を買ってみました。とても良い買い物だったので、ご紹介します。
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東紅特選とは?
東紅特選は名村大成堂さんの日本画の筆です。
水彩画の筆は、細長いシュッとした形をしているのですが、日本画用の筆は根元がぷっくりした短い形のものが多い感じがします。これは水彩画でも使えるのかなーと興味津々だったのですが…
名村大成堂さんのツイートを見かけてどうしても欲しくなってしまった東紅特選。
名村さんのツイートが魅力的すぎて、ついつい筆が欲しくなる現象…
「日本画用ですが、水彩画やイラストにも。」とあるし…
というわけで買っちゃいました!
芯はしなやかなイタチ、周りを柔らかい羊毛が覆っているそうです。
イタチと羊、2種類の毛が使われているんだね
私が購入したのは中サイズです。
先が細くなっているので、細い線描や、先端が細い形を塗ったりするのにも良さそう。イタチオンリーの筆よりも、毛先がビシっと揃っている印象です。毛先がきれいに揃うのは羊毛らしいですが、柔らかすぎて弾力に欠けるし、イタチは弾力と保水に優れますが、そこまで毛先が細く揃わないので、東紅はまさにいいとこ取りしたような筆に見えました。
使う前にしっかりほぐす
東紅は使う前に、しっかり筆下ろしをした方がいいです。というのも、しっかり根元がほぐしきっていない状態で、しばらく使っていたので、「あれ?根元が硬い」と思っていたのですが、しっかりほぐしたあとは全く別の筆になりました(笑)
根元までしっかり浸水させたあとに、絵具も筆の奥の方までじっくり含ませてみると、とても絵具を吸います。しっかりほぐれると、とても柔らかい筆になります。これでとても使いやすい筆に!
使うたびに馴染んできて、塗りやすくなっていきます。
東紅の特徴
①水含みがよい
水含みはとても良かったです。ボリューム的にはいつも使っている筆と同じくらいです。(サイズ感は、水彩筆と規格が違うので比べるのも難しいですが)
根元が太いので、この膨らんだ根元にたくさん絵具をたくわえることができるみたいです。
実際に塗ってみましたが、とても長く塗れました。そして色がとても濃いし、最後まで濃い色が持続します。
この色の濃さは、ラファエルのコリンスキー筆で塗った時と同じです。(安めのナイロン筆で塗ると色は薄いんです。)上質なイタチ毛は絵具の粒子を吸う力が強いのだと思います。とても深い色が出る。
確かに色が濃い!
②毛先のそろいが神
毛先がとてもきれいにそろう筆です!先端が細い。でも硬くはないです。
しなやかできれいな線が描けます。
先が細いので、入りと抜きもきれいにできます。日本画用の筆ってこの形が多いけれど、葉っぱや茎の流れがきれいに描けるようにかな?がしがし塗るより、繊細な仕事に向いている感じです。確かに水彩画にもいい。
この適度な柔らかさのおかげでとてもきれいな線や塗りができます。この毛先の繊細さは羊毛の筆の似ています。が羊毛オンリーだとコシがないので戻らないんですよね。その点、東紅は芯がイタチなので、適度に弾力もあり描きごこち良い。。
③滑らかな紙に向く
最近感じているのが、「筆と紙の相性」です。
柔らかい筆は、荒目の紙やサイジングの強い紙の表面に負けやすく、滑らかな線が描きにくいです。元々日本画用の筆は日本画用の紙に合わせて作っていると思います。水彩紙は、結構凹凸が激しい紙の多いのですが、日本画用の紙は比較的滑らかです(合ってるかな?)なので、そこまで凹凸を乗り越える仕様にはなっていないと思うんです。
東紅は適度に弾力はあるのですが、やはり柔らかめであるので、荒目の水彩紙にはあまり向かない感じがしました。どちらかというと細目〜中目に向いています。中目、細目に対しては、力加減の調節で絶妙な塗りをすることができました。私の愛用の水彩紙は、滑らかよりの中目なので、東紅は大活躍でちょうど良かったです。
とても気に入りました❗️
ただ、使っている水彩紙の凸凹が大きい場合は、真価を発揮しづらいこともあるかもしれません。
サイズと価格
名村さんのHPに商品情報があります。
お値段はそれなりにしますが、上質な筆なので、長く使えるのではないかと思います。コリンスキーも良いのですが、それよりはお手頃だと思います。細かいところも、広いところも一本で塗れるので、持ち替えしなくて良いのも魅力の一つです。
私は大満足でした!もう1本サイズ違いを買おうと思うくらい。
廉価版もあるようです。まずはこちらで試してみてもいいかもしれません。