モニターに参加したこともあり、ウィンザー&ニュートンプロフェッショナル(水彩紙)のレビューを書いておきます。(備忘録も含めて)ついでに、モニターで描いた絵も見てやってください。
ちゃんと描き心地を味わうのを忘れて、夢中で絵を描いてしまった。
モニターで頂いた水彩紙は細目、中目、荒目の3種類。
最近になって、中目のブロックF3を買い足しました。
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モニター参加の時の感想をのっけとく
1枚ずつ似たような絵を描いて、描き心地を比べました。使う色や人物の顔の大きさを変えてしまうと比較しづらいので〜。文章は当時のツイートから引用しています。
テーマは雨冠の三姉妹。長女が雪、次女が雲、三女が雫
プロフェッショナル水彩紙 荒目(長女 雪)
プロフェッショナル水彩紙(荒目) 荒目とってもそこまで荒くない。 弾く感じはあるので、柔らかめの筆だと粗いタッチになる。 ボカしたようなタッチが得意。 にじみはゆっくり、コントロールは難しかったですが、背景のウォッシュはとてもきれいにできました。 もっと大きい紙だと本領発揮しそう!
ちなみに長女は責任感が強いタイプ。何かと背負い込みがち。
プロフェッショナル水彩紙 中目(次女 雲)
プロフェッショナル水彩紙(中目) スタンダードな紙質。 下書きもスムーズにでき、適度に凹凸もあるので、にじみやグラデーションも塗りやすかった。 重ね塗りもきれいにできましたが、濃い部分にさらに濃く乗せるのは難しそうだった。 癖がなく、バランスの良い水彩紙でした。
次女は考えるより感じるタイプ。行動力あり、自由人。
プロフェッショナル水彩紙 細目(三女 雫)
プロフェッショナル水彩紙(細目) 細目はかなり滑らかで、ツルツルした紙質。 色鉛筆やペンでの細密な描写には最適で、滑らかな線を引くことができる。筆は柔らかめのものを使用すると、とても繊細な塗りができる。 ただ乾くのは早いので、広範囲のウォッシュは難しいです。細かい絵向き。
三女は無邪気と見せかけ、かなりの策士。
ウィンザー&ニュートン プロフェッショナル水彩紙中目の詳しいレビュー
ここからは、新しくプロフェッショナル水彩紙(中目)を買ったので、もう少し細かくレビューしていきたいと思います❗️
私が感じた特徴は
- 弾き強い!
- 乾くのがかなりゆっくり
- にじみが大きく広がる。
- 重ね塗りはほぼできる
- リフティングはできる
- 発色はオックスゴールがあれば良好
弾きが強い
モニターで頂いた紙はそんなことなかったんですが、新しく買ったプロフェッショナル水彩紙は、とにかく弾きが強い!
ロットが違うのでしょうか?
特に1枚目がかなり弾きました。塗ったところが弾かれて、ギザギザのエッジになってしまうため、うまく塗れませんでした。
こんな時はオックスゴール!
オックスゴールを少量混ぜて塗ると、かなり滑らかに塗ることができました。色もくっきり出ました。発色にも影響がある感じがしました。弾かれているところはややくすんで白っぽい色味です。
弾きが強いのは、絵具が紙に吸収されるまでに時間がかかるということなので、画面のコントロールがしやすく、ゆっくり塗る事ができます、なので、マイナスばかりではないのですが、一番最初の塗りでは苦労することもあるかもしれません。オックスゴールは手元に一本控えておくと、自分好みに描き心地に変える事ができます。
でも、弾きの強さはロットによっても微妙に違う感じ…
じゃあ、買ったスケッチブックにもよるかも?
(W&Nプロフェッショナルに限らないのですが、水彩紙の弾きの強さに関してはロットによっても差がありそうです。そしてどのくらい店頭に置かれていたか、でも変わってきてしまいます。なので、このあたりの使い心地の差は、個体差も大きいと思います。アルシュやウォーターフォードでも、買ったスケッチブックによっても弾きの強さが違う事がよくあります。)
乾くのがとてもゆっくり
これは弾きが強いことと関係していると思うのですが、乾くのがかなりゆっくりです。
ウェットインウェットや、グラデーションなどかなり余裕を持って行うことができます。
ただ!あまりに乾くのが遅いので、にじませたり、濃淡をつけたつもりの部分も、気づくと色が広がりすぎてただのウォッシュ(平塗り)になってた、ということが起こりがちです。
初心者の人がじっくりにじみを作ったりするのには向いています。紙に絵具が吸収されるまでかなり時間があるので、余裕を持って取り組む事ができます。広範囲を塗るのにも向いていますね!
重ね塗りをする時は、しっかり乾いてからなので、慌てて重ね塗りしようとすると汚くなります。時間をかけて乾かしてから、慌てず、です。
にじみが大きく広がる
上に書いたのと重なる内容ですが、乾くのがゆっくりなので、にじみが大きく広がります。
他にもアルシュやウォーターフォードも弾きが強く、ゆっくり乾き、にじみが大きく広がるの水彩紙なので、W&Nプロフェッショナル水彩紙は似たタイプの水彩紙だと思いました。(若干乾くと白っぽくなるのも似てますね)
にじみを生かした表現とはとても相性が良くて、きれいに仕上がります。
特に大きな作品で映えそうです!
重ね塗りはOK、リフティングも
重ね塗りは、普通に塗る分には、特に問題なくきれいにできました。
ただ、濃く塗ったところに明るい色をのせると、若干色が溶けるかな〜という程度です。概ねしっかり定着するので、重ね塗りがきれいにできる水彩紙という認識で良さそうです。
リフティングもほどよくできます。少しぐらいの修正ならできますが、ランプライトのようにガッツリ色を抜くことはできません。
発色は良好
モニターで試した水彩紙では、どの色もきれいに発色していました。ので、たまたま買った水彩紙が弾きが強すぎたのかもしれません。
弾きの強い部分に色を塗るとカサッとした白っぽい質感になってしまい、深い色が今ひとつきれいに出ませんでしたが、オックスゴールで弾きを抑えるととても深みのある発色が出ました!
上の絵だと、髪の毛や左下の濃い青の部分、リボンの部分にオックスゴールを加えて塗っています。とても深みのあるいい色に仕上がりました!
これが本来の紙の力だと思います。
オックスゴールはやっぱり1本あってもいいかもですね〜。
本当魔法の薬です。便利!!
総評
3枚も試させてもらったにも関わらず、なんだか記憶にないという申し訳ない結果に。今回リベンジしました。目の荒さが3タイプある水彩紙は少ないのですが、自分の絵に合わせて選べるので、とても嬉しいです。今回は中目を買いましたが、細目や荒目もとても描きやすかったことを記憶してます。
中目も適度に荒さはありますが、フワッとしたにじみが美しく、細かな描写にも向いています。
ウィンザー&ニュートンプロフェッショナル水彩紙は、割と高価な水彩紙です。でもそれだけにキレイに重ねられ、にじみやグラデーションもしやすいので、ちょっと奮発してみようと思う方にはおすすめです!