そろそろ主要な水彩紙についてはレビューできたかな、と勝手に思っているのですが、お手頃な水彩紙のレビューはあまりしていないので、今回はアルビレオをご紹介します。
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アルビレオ水彩紙について
アルビレオはホルベインの水彩紙になります。アルビレオは一度は使ったことある、という方も多いのではないでしょうか。
ホルベインのwebshopに動画もありましたのでぜひ。
こちらはパルプの水彩紙になりますが、大変お手頃です。
F6サイズでも1枚62〜75円で、メジャーな水彩紙の中で、一番安い水彩紙なのではないかと思います。高級な水彩紙になると1枚200円を超えるのが普通になってくるので、それと比べるととても安いですよね。
アルビレオ | ブロック(218g) | 62.5円 |
スプリング(151g) | 75円 | |
本とじ(218g) | 92円 |
こちらの値段を一覧にした記事でも書いていますので興味のある方はぜひチェックしてみてください♪
厚みは2種類で、ブロックタイプの218gと151gの2種類があります。結論から言うと、218gの分厚い方がしっかりしていて描きやすくおすすめです。
なぜか、ブロックタイプの218gのものは枚数が多く、1枚あたりの値段は一番安くなっています。
218gのブロックタイプがお得かな?
アルビレオ水彩紙の特徴
- 発色が明るく、鮮やかに色づく
- 重ね塗りには向かない
- リフティングがよくできる(修正はしやすい)
- 乾くのが早くにじみはあまり広がらない
- 表面が滑らかなので、繊細な表現に向く
- 表面強度はそこそこ、マスキングは可
発色が明るく、鮮やか
紙は真っ白で、アクリルデネブやストラスモアほどではありませんが、白色度は高めです。くせのない紙色で、絵具の発色は素直で明るめです。パルプ製の水彩紙全般に言えることですが、コットン紙のように紙の奥に絵具が吸い込まれないため、意外にも鮮やかな色が出ます。
試してみたところ、絵具の色だけでなく、色鉛筆の発色もよかったです。
値段が安い紙でありながら、これだけ絵具の色が綺麗に出やすいのは嬉しいポイントですね。
重ね塗りには向かない
重ね塗りにはあまり向かないです。絵具が紙の表面に乗っかっている状態で、上から別の色を重ねると色が溶け出してしまうことが多いです。特に、絵具を濃いめに塗った上に重ね塗りが、厳しめです💧
なので、あまり重ね塗りの技法は使わない方がいいかもしれません。
裏を返すと、あまり絵具の定着がよくないため、リフティング(絵具を拭き取る技法)はしやすいです。かなりごっそり取れます。なのでリフティングを生かした技法や、修正をしたい場合は良いと思います。
重ね塗りは要注意です!
乾くのは早め、にじみはあまり広がらない
乾くのが早く、広い面をムラなく塗り広げたり、グラデーションを綺麗にするのは難しいと感じました。
同じ理由で、にじみもあまり広がりません。なので、水彩らしい技法をたくさん取り入れるのはちょっと難しいかもしれません。
濃い色を広範囲に塗るのも難しいです。
151gと218gでは218gの方が分厚く、どちらかというと水を含む力があるような感じがしました。描き心地にはかなり差があるので、個人的には218gがおすすめです!
表面が滑らか、繊細な表現にむく
表面は滑らかで、下書きもしやすくペンも引っ掛かりがなく綺麗に入れられました。
どちらかというと、ペンでしっかり線画を作り、着彩はあっさりするタイプの絵の方が向きそうです。塗りであまり欲張らない方が、いい結果が出そうです。
色鉛筆やカラーインク、マーカーなど、他の画材との併用を考えるなら、表面に癖がないので、やりやすいです。色鉛筆の描き心地は割と好きです。
表面強度はそこそこ、マスキングは可
表面強度はまあまあ強めです。
マスキングは一応大丈夫でした。試したのはマスキングテープとホルベインのマスキングペンです。ただ、そこまで頑強という感じはしないので、油断は禁物です。
アルビレオで描いてみた
アルビレオで描いてみた絵を載せておきます。
こちらは218gに描いたもので、そこそこ心地よく描けました。ただ、色を濃いめにのせるのが難しいみたいでした。色鉛筆やペンの滑りは良かったです。
これは151gに描きました。乾くのが218gよりさらに早く、かなり手早く塗らないとムラになりがちでした。表面は滑らかなので、細かい線を描くのにはとても良いです。重ね塗りはあまり綺麗にできないので、諦めました。さっと淡彩風に軽く仕上げるのが、おすすめです。
アルビレオ水彩紙、個人的な感想
アルビレオ水彩紙は、かなりお手頃な水彩紙なので、手に取る機会も多いかもしれません。私は、初心者の頃は使ったことがなく、最近使い比べのために買った水彩紙です。
画用紙と比べると、表面強度も強く、色も鮮やかに発色し、ぐっとグレードが上がった感じがすると思います。
水彩ならではの技法をたくさん使う場合には、ちょっと物足りない部分もありますが、値段も安いので、その分伸び伸び描けるかもしれません。アルビレオは普段使いにぴったりの水彩紙かもですね。
少し慣れてきた方には、ランプライトやストラスモア、 ウォーターフォードのような本格的な水彩紙もぜひ!とおすすめしたいところです。こちらはにじみや重ね塗り、など水彩らしい技法がたくさん使えて、透明水彩の面白さが存分に味わえます。