[透明水彩]水彩紙の使い比べをしよう!

水彩紙は種類によって性格が違う!

透明水彩は仕上がりが、画材の影響を受けます。

一番違いが出るのは「水彩紙」です。

透明水彩を始めたら、まず水彩紙についての情報をチェックすることをおすすめします。

絵具はあまり仕上がりに影響しない

絵具も多少は影響するのですが、メーカーの違いというより、顔料の違いによるものが大きいです。

私はホルベインで、透明水彩をスタートしました(今から20年前)

今は、シュミンケホラダムの絵具を使っています。

でも、ホルベインで描けるものとシュミンケで描けるものは基本的に同じです。

ホルベイン時代とシュミンケ時代で、絵の雰囲気はまったく一緒です。色合いもほぼ一緒です。

じゃあ、シュミンケホラダムとホルベインでは何が違うの?ということなんですが、一つ一つの色の違いというより、扱っている顔料の種類の豊富さの違いという感じです。あとは、溶けやすさや固さなど使い心地にちょっと差があるのですが、決定的な差ではないです。

なので、透明水彩を描いている人で、

ひよこ
ひよこ

高級な絵具を買わないと、素敵な絵が描けないのでは…

と思っている人には声を大にして言います。

かれは
かれは

絵具では、差が出ないので大丈夫!

ただし、子供用の絵具はやめたほうがいいかな〜と思います。顔料の質に差があります。混色した時、色がとても沈んでしまうのです。逆に、お子さんで、絵を描くのが好きな子には、透明水彩でも不透明水彩でもいいので、大人用の絵具を買ってあげてもよいと思います。世界が広がると思います。子供用絵具は少し不自由に感じます。

水彩紙は仕上がりにダイレクトに影響する

ところが水彩紙はそうもいかないのです。作品の仕上がりにダイレクトに影響します。

例えば、私が初心者のころ愛用していた「ヴィフアール」という水彩紙があります。この紙、とても当たりがソフトで下書きが描きやすく、色もキレイに発色します。地の色もクリーム色で上品です。とても魅力的な紙なのですが、この紙は、あまり重ね塗りが得意ではありません。一回塗った後に、もう一度塗ると下の色が溶け出してしまうので、背景のグラデーションも一回しか塗ることができません。マスキングもできません

その代わり、色鉛筆やパステルの併用がとてもうまくいきます。

ところが、「ウォーターフォード」という水彩紙は、重ね塗りが得意です。何度でも重ねることができるので、もちろん淡い色も表現できるのですが、重厚な塗りで、暗さや重みを表現することもできます。ただ、色鉛筆やパステルを使うと、ざらざらした感じになってしまい、ソフトな感じにはなりません。

つまり「ヴィフアール」と「ウォーターフォード」で表現できるものは、全く違います

使える技法も違うし、紙の質感も全く違うので、必然的に違った雰囲気のものができます。

かれは
かれは

水彩紙にこだわろう!

なので、透明水彩絵描きさんは「自分の絵柄にあった水彩紙を探す」「やりたい技法ができる水彩紙を探す」ということがとても大事なんです。

おさえるポイントは3つ

1.紙の素材について知る(コットンかパルプか)

2.表面の質感(ざらざらかスベスベかなど)

3.その水彩紙の得意なこと(重ね塗りが得意!リフティングが得意!など)

この3つがポイントです。あとはこの他に価格という要素もあります。

やはり、予算が青天井という人は少ないと思いますので、多くの人は価格と使い心地のバランスということになると思います。

ポイント1 紙の素材について

水彩紙の一番のポイントはここだと思います。

その水彩紙、何でできてるの?

ということです。

大きく分けて3つの種類が、あります。

  • コットンパルプ100%紙コットン紙
  • 木材パルプ紙パルプ紙
  • コットン+パルプ紙(上の二つが混ざっている)

コットン紙は、簡単に言ってしまうと水の吸い込みがいいので、絵具がよくにじみ、重ね塗りが得意です。

透明水彩らしい技法、ウェットインウェット、ウォッシュ(平塗り)、グラデーション、重ね塗り、はこのコットン紙が得意です。ただ、紙がざらざらしていることが多いので、鉛筆で下書きがしずらかったり、ペンで線画を作る時にはしづらいものもあります。価格は高めです。

(コットン紙:アルシュ、ウォーターフォード、ファブリアーノアルティスティコ、ラングトンプレステージ、セザンヌ、ストラスモア、アヴァロンなど)

パルプ紙は、あまり水を吸わないので、絵具が紙の上を漂っている感じで、そのまま乾きます。なので、重ね塗りの時、下の色が溶けてしまったり、にじみがあまり広がらないということが起こります。ただ、色は鮮やかなことが多いです。鉛筆での下書きも綺麗にできます。価格は安めです。

(パルプ紙:ヴィフアール、ラングトン、ワーグマン、アルビレオ、モンヴァルキャンソン、マーメイドなど)

コットン+パルプ紙は、二つの水彩紙の中間くらいの性質です。どのくらいコットン紙が配合されているかにもよりますね。

(コットン+パルプ紙:ワトソン、クレスター、ホワイトアイビス、ワーグマンなど)

お手持ちの水彩紙がどのタイプに入るのか、チェックしてみてください。

コットン紙の水彩紙は必ず表紙に「cotton100%]と書いてあります。書いていなければ、パルプ紙です。

もちろん同じコットン紙の中でも、特性がそれぞれ違い、どの技法が得意か、には差があります。

ただ、コットン紙か、パルプ紙か、でかなり性質が違うので、できることが違ってくるというのは大切なポイントです。

今使っている紙で「透明水彩の技法がうまくできない〜」という場合は、「コットン紙」を一つずつ試してみてください。

「透明水彩の技法」を最大限生かせるのは「コットン紙」の方です。

ポイント2表面の質感

表面の質感は、その紙は「荒目」「中目」「細目」の3タイプあります。

荒目が一番、ざらざらで、細目はつるつるです。中目はその中間です。

一種類しかない水彩紙は、大体中目です。

かれは
かれは

とりあえず、中目がおすすめ

同じ中目でもかなり、目の荒さがかわってきます。

目の荒さは「水や絵具が乾くスピード」と「細かいところを塗りやすいか」に影響します。

目の荒い紙の方が、絵具がゆっくり乾くことが多いので、ゆっくりウォッシュやウェットインウェットをすることができます。そして、にじみも大きくきれいに広がります。乾くのがゆっくりということは、「ムラなく塗る」「グラデーション」のような技法がきれいにできやすいです。紙のサイズが大きければ、大きいほど効力を発揮します。

ただ、あまり目が荒いと、細かいところを筆で描くときに、凹凸が邪魔になってうまく描けないことがあります。

また、鉛筆で下書きするときも、ざらざら感が強い紙だと、下書きの線もざっくりしてしまいます。色鉛筆を併用するときも同じです。私は画材に色鉛筆も使うので、色鉛筆との相性も重視しています。

目の大きさだけでなく、凹凸の深さや固さにも差があり、色が薄いところはかなり目立ちます。

スキャンして、PCに取り込む際にも、目の荒さが目立つことがあります。凹凸が妙にくっきりしてしまい、取り込んだ絵が暗く感じることもあります。

荒めの紙の方がグラデーションやウォッシュがきれいにできる

一方、目が細かいツルツルの紙は、細かい部分の描き込みはしやすいのですが、大きめの面積をムラ塗るということになると、ちょっと難しかったりします。塗ったそばから、乾いてしまい、気づくとムラになってた!ということも多いです。ただ、細密な描写には、細目の紙の方が向いていたりします。特に人物を描く場合は、水彩紙の凹凸がくっきり顔の真ん中に出ない方が、きれいということもあります。

どちらが良いのかというのは色々な要素を加味してみなくてはいけません。

バランスが良いのは中目ですが、同じ中目でもかなり目の荒さは、水彩紙によって違うので、色々試してみないと分かりません。

その紙の肌合いは、かなり絵の雰囲気にも影響するので、色々試してみた方が良いです。

ポイント3その水彩紙の得意なことを知る

これはポイント1の素材についてと関わりが深いのですが、ただ同じ素材でも特性は同じではないので、大切なポイントだと思います。

ひよこ
ひよこ

同じコットン100%でも、使い心地は同じじゃないんだね

これは、にじみどめのかけ方や、製法が違ってくるので、それぞれ使い心地に差が出てくるということなのかもしれません。

具体的にどのような特性があるのかというと…

  • にじみがキレイに広がる
  • ウォッシュが平坦になりやすい(ムラにならない)
  • 乾くのがゆっくりでグラデーションがかけやすい
  • リフティングができるので、それを生かした絵が描ける
  • 重ね塗りが得意。何度重ねても下の色が溶けない
  • 発色が鮮やか
  • マスキングができる
  • ペンでなぞっても引っ掛かりがない

もちろん複数の特性をあわせ持った紙もあります。

が、やはりそれぞれの紙ごとに性格が違います。その辺りが、「描きたい画風」とマッチしているかが、ポイントです。

例えば、ソフトでフワッとした絵を描きたいときはにじみが得意な紙、そして少しリフティングができる紙が良いです。

重厚なカッコいい絵が描きたい場合は、重ね塗りが得意な紙、着色が強い紙だと、その雰囲気は出しやすいです。

線画をはっきりペンでなぞってから描きたい場合は、ペンで引っかからない滑らかな紙が向いてます。

水彩紙レビュー

どの水彩紙がどんな感じなのか、詳しく知りたいという方は、下のリンクから、レビューページに飛んでいただければと思います。なるべく客観的に書いたつもりですが、自分の絵を描くときの感触が頼りですので、若干偏りがあるかもしれません。あくまで参考までにお願いします。これから少しずつ増えると思います。

コットン紙

コットン+パルプ紙

クレスター

パルプ紙(または他素材の混合)

アルビレオ

シリウス

ラングトン

トルション

終わりに

まとめ
  • 絵具はどのメーカーの絵具でもあまり作品に影響しない(子供用はNG)
  • 水彩紙は紙によって、描ける絵が違うので、こだわるべし
  • 水彩紙の素材(コットン紙かパルプ紙か)をまずチェック!
  • 水彩紙の表面、特性もチェック!
  • その中で自分の描きたい画風にあった水彩紙を選ぶべし!

どの水彩紙がどの特性を持っているか、というのは、実際に試してみるのが良いのですが、これからそれぞれの水彩紙についてのレビューも参考にしてみてください♪

とはいうもの
どれから試せばいいのかなあ?

かれは
かれは

使い切れるか心配という人や
少しずつ色々な種類を試したい人は
アソートパックもおすすめ!

こちらの記事は色々な種類の紙を試せるアソートパックなどを紹介しています。ぜひ!