水彩紙って、いっぱいありすぎてどれから買ったらいいのか悩みますよね?今回は「ちょっといい水彩紙を買ってみたい」という方に向けて3種類のおすすめの水彩紙の比較をしようと思います。
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使いやすい水彩紙を見つけるには?
使いやすい水彩紙を知りたいな
使いやすい水彩紙って人によって違うものなんですよね。
水彩紙によって得意な技法が違ったり、紙肌の違いから同じような描画でも見た目に違いができたりします。相性のいい筆も違ったりします。
どの水彩紙が自分に合うか?はどのような技法を多く使うか、描きたいイメージによって変わってきたりします。なので、どうしても使ってみないと分からなかったりします。
「水彩紙は色々使い試してみるべし!」とはいうものの、いっぱいありすぎてどれから買ったらいいのか分からないという話もよく聞く話です。
本当に種類色々ある…
一体どれから試せば…?
いざ、試してみよう、と思ってスケッチブックを1冊買っても、その水彩紙が合わなかった場合、なかなか使いきれず、辛いものがあります。
無駄を出さずに、少しずつ色々試してみるにはアソートパックがオススメです。
ただ、色々使い試すと言っても、初心者の場合、よく使う技法もよく分からなくて「どんな水彩紙が向いているのか?」まだピンとこないというケースもある気がするんです。
最初はどれが合っているのかも
よく分からなかったです…
そこで、今回はちょっといい水彩紙の中から、入手性がよく、ユーザーも多く、使い勝手もよい水彩紙を3つ集めて比較してみました。色々使い試すといっても、よく違いが分からないという人やチェックするポイントがよく分からない、という場合は、まずこの3種類の水彩紙をお試ししてみてください。
今回ご紹介する水彩紙はどれも使い心地はいいです!なので、どんな画風の人であっても、使いきるのが辛い…とはならない…はず…
エコノミーな水彩紙とは違って、3つともそれなりのお値段しますが、めっちゃ高級な水彩紙と比べるとコスパよろし!
このツイートが元になってます。
おすすめ水彩紙3選とは?
オススメの水彩紙3種とは、これです!
1度は「聞いたことのある水彩紙」なのではないでしょうか!?
有名どころではありますよね。
私も色々使ってみたのですが、この3つや見事にタイプがはっきり違う水彩紙なので、最初に使い比べするのにぴったりだと思ったんです。できれば、ぜひ同時購入して使い比べしてみてください。
価格はウォーターフォードとストラスモアが同じくらい、ランプライトは少しリーズナブルです。価格も水彩紙を選ぶ上で大事なポイントではないかと思います。
ポイントはこれから描いていきます。なるべく客観的なポイントを描いていきます。
紙比較の見かた
私は、色々な紙を試す時、同じ条件で色々な技法のお試しをして比較をしています。なるべく客観的な違いが知りたいのでそうしていす。
純粋な比較のために、色は加工していません。
左からグラデーション、重ね塗り、リフティング、ウェットインウェットの技法を使っています。
グラデーション…シュミンケホラダムのマゼンタという色で、グラデーションをつけて塗っています。色の濃さや乾くスピードが違うことがよくわかります。
重ね塗り…マゼンタの上からレモンイエローを重ね塗りしています。重ね塗りができないタイプの水彩紙は、マゼンタの色が溶けてレモンイエローの方に染み出しています。どのくらい重ね塗りができる水彩紙かを判別しやすくなっています。
リフティング…比較的染みつきやすい色であるフタロブルーを塗って乾かした後に、どのくらい色が取れるか試してみたものです。しっかり取れているものは、リフティングがしやすい水彩紙ですが、大抵の場合は重ね塗りのしやすい紙はリフティングがしにくい水彩紙となっています。
ウェットインウェット…薄めたフタロブルーを塗った後、同じ色濃いめをにじませています。これは下に塗る色の水分量や、上に色を塗るタイミング、絵具の濃度によってかなり見た目が変わってきてしまうため、あくまで参考までに。すべて同じ条件では塗れていません。ただ、乾くのがゆっくりの水彩紙は、にじみが大きめになっていることは確かです。
発色…色の鮮やかさは分かりやすいポイントかと思います。色が真っ白の水彩紙ほど、ピンクや青の発色は鮮やかです。黄色や緑はそこまで変わらないのですが、特に青の色の違いをよくみて見てください。かなり色の違いを感じやすいと思います。青の美しさを際立たせたい絵の場合は、色が白く青が綺麗に見える水彩紙がオススメです。
ウォーターフォードはこんな紙!
まずはウォーターフォードです。
この3つの中では一番表面が荒く、表面強度も強いです。
一番際立った特徴はとにかく重ね塗りに強い!
上から重ねても、下に塗った色が取れたりしないので、重ね塗りという技法にとても向いています。ですが、その分はみ出した部分の修正や、上から色を抜くリフティングという技法が難しかったりします。3つの中でもリフティングはほとんどできていません。
乾くのはややゆっくりでにじみも大きく広がります。落ち着いて描画できますが、気づくとグラデーションで塗ったところも均一塗りになっていたり、ウェットインウェットの部分も思ったよりにじみが広がって濃淡がついていなかったりもします。
紙の奥の方に色が吸い込まれる感じなので、乾くと色が薄くなることが多いです。重ね塗りして色を濃くします。
発色はホワイトとナチュラルではかなり違いが出ます。ホワイトでは色が鮮やか、ナチュラルは落ち着いた色になります。合わせたいイメージに合わせます。乾くのはナチュラルの方が少しゆっくりで、やや初心者向けと言えるかもしれません。
ちなみに中目は触った感じはややざらざら、下書きはちょっとしにくいかもしれません。弾きが強いこともあります。表面強度は強いのでマスキングにも対応します。
ストラスモアはこんな紙!
次にストラスモア。
ウォーターフォードと同じような価格帯でありながら、全くタイプの違う水彩紙なので比較にピッタリ!
ストラスモアの特徴は、「発色の鮮やかさ」と「バランスのよさ」だと思います。
3つを比べてみて、1番絵具の色は鮮やかでした。紙の色がトップクラスに白いのです。特に青とマゼンタ系のピンクの発色が際立っていました。透明水彩だけではなく、色鉛筆の発色まで鮮やかなのには驚きました。私は青系の絵と鮮やかなピンクを使う時にはストラスモア、と決めています。
技法の話をすると、重ね塗りは適度にできるけれど、適度に拭き取り(リフティング)や修正もできます。どちらの技法も適度に使うことができて、とてもバランスがいいです。
ストラスモアの方が乾いて色が薄くなってしまう現象はあまりなく、濃い色もしっかりのせられます。乾いて色の印象が変わるということはあまりありません。
そして乾くスピードも適度です。ウォーターフォードに比べれば、やや早く乾くのですが、パルプ紙ほどではありません。きれいなにじみも作ることができます。濃淡をしっかり生かした塗りもできます。
表面も強めなので、マスキングも使えます。
要するに、「どの水彩技法も快適に使うことのできる、バランスの良い水彩紙」という感じです。ウォーターフォードやアルシュがあまり?という方にもぜひ試していただきたいですね。表面の凹凸はあるのですが、あまりガサガサしていないので、細筆で細かい描写も可能です!下書きにペンを使う方にもオススメ
ランプライトはこんな紙!
最後はランプライトです。ミューズの国産の水彩紙です。
こちらはクオリティが高いのに、お値段はウォーターフォードやストラスモアに比べるとリーズナブルです。
ランプライトの特徴は、「表面のソフトさ」と「リフティングの面白さ」です。
3つの中で表面は一番滑らかなので、細かい描写も得意です。やや弾きが強く、絵具は紙の表面を漂っている感じですが、乾くと紙の奥に絵具が吸い込まれる感じです。にじみも独特の表情があります。
ウォーターフォード、ストラスモアに比べると重ね塗りには少し弱いです。パルプ紙と比べると重ね塗りはできるのですが、何度も重ねたり、硬い筆で擦ったりするのはやめた方がいい感じです。そのかわりリフティングがとても面白いです。パルプ紙のように色がゴッソリ抜けるのではなく、ぼやけたような感じに色が抜けるので、ハイライトや発光表現にも適しています。
あまりこのような水彩紙はないので、これもとても面白く感じます。
クリーム色の水彩紙なので、発色はやや落ち着いています。赤が深みのある美しい色に発色します。
マスキングは概ねOKですが、他の2種に比べると表面は繊細です。
価格を考えるとコストパフォーマンスはかなりよいと思います!
技法別で対決!
紙の白さ
ストラスモア>ウォーターフォード(ホワイト)>ランプライト>ウォーターフォード(ナチュラル)
発色
ストラスモア>ウォーターフォード(ホワイト)>ランプライト>ウォータフォード(ナチュラル)
重ね塗り
ウォーターフォード>ストラスモア>ランプライト
リフティング
ランプライト>ストラスモア>ウォーターフォード
乾きの速さ
ストラスモア>ランプライト>ウォーターフォード
表面の粗さ
ウォーターフォード>ストラスモア>ランプライト
こんな感じですかねえ。違う感じ方をすることもあるかもしれませんが、参考までに。
3種のうちどれかはお気に召すのではないかと!
合う水彩紙があればよいのですが!
絵によって使い分ける(枯葉の場合)
ちなみにですが、私はこういう使い分けをしています。
ウォーターフォードは、めっちゃ重ね塗りしたい時に使うことが多いです。何度も重ねて深い色にしたい時。大作で、背景に大きくグラデーションをかけたい時。乾くのがゆっくりで大きく滲むのでグラデーションや背景のにじみはきれいにできます!絵の大きさが大きい時はウォーターフォード率高いです!
ストラスモアは青や青緑、紫、ピンクがメインの絵に大活躍!冴えた発色が、絵具の色を引き立ててくれます。F4〜F6くらいの絵を描くことが多いですが、小さい絵も描きやすい!リフティングもできるので、エッジをぼかせるので少し柔らかい絵を描きたい時にも。
ランプライトは繊細な絵を描きたい時に。塗った後にぼかすこともできるので、柔らかいソフトエッジの絵に。リフティングでハイライトを入れたい時に。女の子の顔をメインにした絵にも向いています。とてもソフトな感じになります。
関連リンクを貼るよ
水彩紙って、とても大事なので、買う前に知識を付けていくといいかもしれませんね。
ウォーターフォード(中目)(ホルベイン )
ストラスモア(ホルベイン )
ランプライト(ミューズ)