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ワトソンについて(水彩紙レビュー)

ワトソンは一番有名な水彩紙かもしれません。一回は使ったことがあるという方が多いかもしれませんね!そんなワトソン水彩紙についてご紹介したいと思います。

ワトソンとは

ワトソンはミューズから発売されている最もポピュラーな水彩紙です。どこの画材店でも買うことのできるほど、メジャーな水彩紙です。

この水彩紙は、中目の荒さですが、表面の凹凸は小さめで比較的滑らかです。なので透明水彩だけでなく、色鉛筆やマーカー、ペンも使いやすいです。

色は白とナチュラルの2色展開です。

種類はコットンパルプと木材パルプの混合紙なので、「コットン+パルプ紙」というカテゴリーになると思います。

コットン紙の配合がどの程度の割合なのか、分かりませんが、どちらかというとパルプ紙の特性に近いので、配合の割合は低めだと予想します。

ワトソン紙の特徴

素材コットンパルプ+パルプの混合
紙の色ホワイト(=純白)
ナチュラル(=黄味の強いクリーム色)
発色ホワイト…鮮やかで澄んだ発色
ナチュラル…色相が黄色よりになる
地の滑らかさ凹凸は少しあるものの、滑らかで下書きは描きやすい。
にじみあまり広がらないが、わりときれいにできる。
乾きのスピードやや速め。厚みによって差がある(厚い方がゆっくり)
重ね塗り完全に乾いたあと、そ〜っと重ねれば大丈夫。色によってはごっそり取れるのであまり期待しない。
リフティングリフティングはしやすい。修正や境界をぼかしたりは得意。
価格リーズナブル。厚いものの方が高い。
その他手に入りやすく、商品ラインナップも豊富。
  • とにかく手に入りやすい水彩紙
  • コットン紙とパルプ紙の中間くらいの特性(どちらかというとパルプに近い)
  • にじみはあまり広がらないが、まあまあキレイにできる
  • 絵具が紙の表面を漂う感じがある(パルプの特性)
  • あまりクセがなく、ニュートラル
  • 発色が鮮やか(ホワイトの方)
  • 凹凸が激しくないので、細かいところを描きやすい。
  • リフティングがやりやすいので、修正はしやすい。リフティングを生かした表現もしやすい。
  • 色鉛筆やパステルとの相性が良いので、透明水彩で塗ったあと、描き込んだりできる。
  • 「ホワイト」と「ナチュラル」の2色展開。
  • マスキング使える

ワトソンってどんな水彩紙?

紙色は2種類、それぞれちがった発色

ワトソンの紙色は2種類。真っ白な「ホワイト」とクリーム色の「ナチュラル」があります。最初に発売されたのが「ナチュラル」、その次に「ホワイト」が追加されたそうです。

色が違うので、それぞれ絵具を載せた時の発色も違います。

ホワイトは純白なので、絵具の色も鮮やかです。ワトソンはあまり紙の奥に絵具が浸透せずに表面にとどまります。なので、絵具の色はかなりそのまま忠実に発色するという印象を持っています。そういうこともあって、私はホワイトワトソンで色見本を作ることが多いです。

一方ナチュラルワトソンは、他の水彩紙のナチュラル色と比べても黄色味が強いクリーム色です。そのため、絵具の発色にはそれなりに影響が出ます。暖色系だと問題ないですが、青や紫はややくすんで見えるので、注意が必要です。

初心者にはとりあえずホワイトワトソンをおすすめしておきます🙏

にじみ

ワトソンはコットン100%紙と比べると(例えば、アルシュやウォーターフォード、ストラスモアなど)にじみや重ね塗りをキレイに作ることができませんが、水彩らしい技法は一通り楽しめる紙です。

そこまで大きくにじみが広がらず、乾くのもやや早いので、広い面を塗るのには大きめの筆で手早く作業することが求められます。

ただ、コットン紙にはない味わいがあるというか。微妙なにじみの不揃いさが、効果となることもあります。なのでさんざんコットン紙を使ってきたベテランが、久々にワトソンに描いて、ハマり直したりするそうです。

重ね塗りとリフティング

重ね塗りはあまり得意ではない、というのがワトソンの評価ですが、私が使ってみた中ではちょっとコツはいるけれど、全くできないという感じもないです。コツは染みつきの強い色を下に塗るのと、柔らかい羊の筆を使うことです。ゴリゴリこすれば色は取れてしまいますが、そっとのせれば案外大丈夫です。

また、少しずつ色を重ねて濃くしていくのは、うまくいかないことが多いので、濃い色は最初からガツンと入れることが大事です。仕上がりの色を最初から入れる感じ。

また、色を取る技法(リフティング)も得意です。ちょっとはみ出したところを取ったり、わざと色を抜いたり、境界をぼかしたり、色々なことができます。

個人的なレビュー

一時期、コットン紙の使い心地の素晴らしさにハマって、ワトソンを展示用の作品に使う機会は減っていたのですが、最近また見直しています。(初心者の時はよく使っていました!)

ここ数年、豆色紙に作品を描くことが増えてきました。最初はホワイトアイビスやウォーターフォードの豆色紙を使っていたのですが、画面が小さいこともあって、コットン紙だとかえって描きにくいという結論が出ました。豆色紙ならそこまで大きくにじみが広がる必要もないですし…。

今ではホワイトワトソンの豆色紙しか使っていません。もうかれこれ70枚くらいお世話になっています。色も鮮やかだし、あまり凹凸がないので、細かな描写もしやすいです。リフティングができるので、少し作業を戻ることもできます。重ね塗りができないという特性から、かえって手数少なく明快に色を入れる練習もできています。(ホワイトワトソンの描きごこちに慣れてから、制作スピードが上がりました)

なので、今度はもう少し大きな作品も描いてみたいなと思ってます。

こちらは数年前、ホワイトワトソンに描いた作品ですが、にじみがふぞろいになり、他の水彩紙では出ないような不思議な模様ができたことで、より幻想的で神秘的な作品に仕上げられたと思います。今でもお気に入り。

そこまで大きなクセがない水彩紙なので、新しいことを試す、というのにもぴったりですね。分離色やキラキラ絵具とも親和性がよかったです。

価格もリーズナブルですし、ぜひ定番として活躍させたい水彩紙です。

おわりに

いかがでしょうか。ワトソンは水彩をやっている人なら1度くらいは、使ったことがあるのではないでしょうか?定番中の定番ですが、低価格帯の水彩紙の中ではかなり使い心地がよいと思っています。また厚さによっても、描きごこちは違ってくるので、なるべく厚いものもお試ししてみてくださいね。

初心者向きということですが、きれいに色をのせるには意外と慣れが必要な感じがしていますので、意外とベテランが使うと楽しい水彩紙かも…と思っています。

重ね塗りをしながらすこしずつじっくり仕上げていきたい方は、コットン紙の方がおすすめです。特にランプライトは、価格が少し上がりますが、かなり優れた性能なので、そちらもぜひ試してもらいたいですね。

私もまたワトソンの作例を増やしていきたいと思っています。ナチュラルの方を敬遠していましたが、また使ってみたいなとも思いました。