TwitterにてATCとは?という質問があったので、記事に残しておきます。確かに「ATC」と検索しても目的の情報が出てきません笑 検索するなら「ATC イラスト」とかで。
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ATCとは?
ATCって何?
Artist Trading Cards の略だよ
ATCとはアーティストトレーディングカード(Artsit Trading Cards)の略で、2.5×3.5インチ(約64×89mm)サイズの作品です。ちょうど写真のL判の半分のサイズです。
スイス発祥とのことで、最初はアーティスト同士の交換(トレード)を目的としたものだったようですが、日本では交換というより、持ち帰りが可能な作品として販売されることが多いようです。小さい作品のため価格も安めに設定することができます。
詳しくはこのページで↓
本来は使用する紙に決まりはなく、サイズが64×89mmであればOKですが、専用のATCボードというものも売られています。展示会によってはATCボードに描かれたもののみ扱うという場合もあります。
ATCボードはどこで売っている?
ATCボードは、あまり画材店では売っているところを見かけません。Tooの商品のようです。Amazonや楽天には取り扱いがあります。
Tooから販売されているのは、ワトソンボード、マーメイドボード、コットンボード、ケントボード、アクリボード、カスタムメイドボード、揉み紙ボード、光沢ボード、ホワイト&ブラックボード、アソートパック。
種類も色々あるのですが、水彩で絵を描くなら、ワトソンかマーメイドが描きやすいかな、と思います。
Arts Laboさんにはもっとたくさんの種類の水彩紙のATCボードがあります。セザンヌやウォーターフォード、アルシュのような高級水彩紙もあります!水彩紙のお試しにもなりますね。
今回、ランプライトとセザンヌ水彩氏のATCボードを購入してみました。ランプライトは比較的価格がお手頃なのに描きやすいのでおすすめです。
どの水彩紙も滑らかな細目タイプがチョイスされていて、細かい画面でも小さく描きやすいようになってます。
ATC制作のコツ
どんな絵を描こうかな…
とにかく小さいので、構図も悩みます。小さいと描けるものが限られるので、モチーフも限られます。例えば人物だと全身は絶対入りません。胸くらいまでが限界かな。
いつもの絵と、こんなところを変えました!
顔のバランスを変えた
私の場合、いつも描く顔のバランスがリアルの人間のバランスに近いので、そのままATCに描こうと思うと目が小さくなりすぎて華やかさが出ません。なので、いつもより子供っぽく、目の大きいバランスに変えました。
ペン線画にした
ぼんやりとしたタッチだと、絵が見辛い。画面が小さいので、はっきりさせるためにペン線画にしてアウトラインをはっきりさせるようにしました。
繊細なタッチは、小さい作品では伝わりにくいです。ぼかしやにじみ、分離色もほとんど分からないです。凝った塗りは大きめの作品で!
ペンも色々な種類があると便利です。パーツによって色を変えたり、太さを変えたり。白いペンも濃い色の上の描きこみに便利です。
はっきりした色を使う
出来上がってから、思ったのは、濃い色や鮮やかな色もワンポイントで入れた方が、生えるということです。小さい画面なので、淡い色彩だけだとどうしても「塗っていない感」が出てしまいます。
ポイントポイントで濃くはっきりした色も入れた方が、画面がしまるし、可愛い。明暗のコントラストも強めに入れました。キラキラのメタリックカラーも豪華に見えるので、向いてると思います。
構図はつめこむ
人物の場合、一番注目されるのは顔なんですけど、ATC(だけじゃなく小さい作品全般)は顔が大きく描けないので、あまり顔の表情とかじゃなく、ポーズや装飾品を工夫したり、色も派手な色を入れた方が映える。
いつもだと余白も大事なんですが、画面が小さいので、これでもかというほどギュッと詰め込んで余白はないように描いてみたりしました。工夫次第でATCならではの作品づくりができると思います。
コツまとめ
コツはこんな感じかな?
- 濃い色や鮮やかな色をポイントに使う。
- 曖昧な表現は避け、はっきりした塗り方にする
- いつもより要素を詰め込む
サイドの工夫
サイドも塗ってみました。みなさんどうされてるんだろう?
左の2作はPebeoの4Artistマーカー、金と銀を塗ってみました。
右のはホルベインのファインテック。リッチゴールドで。リッチゴールドの方がリッチに見える笑
メタリックカラー塗る場合は、不透明の絵具かペンがおすすめです。
ATCボードは厚みがあるから
サイド塗っても可愛い!
ATCは額装なしで販売したり交換することが多く(ATC用の額もありますが、ケースで販売したりするようです。)サイドも見えることもあるのでは、と思って塗ってみたんですが…
好きな色塗ってみてもいいかも。アクリルガッシュで塗ってもいいですね。赤とか塗ったらチラッと見えて可愛いかも。
何色で塗ろうかな♡
最後に
というわけで人生初のATCを語ってみました。
と言っても、まだ4枚しか描いていないので、私自身まだコツをつかみきれていません。
ただ最近小さめの作品を多く描くようになって、いつもと同じ調子で描くとうまくいかないのでちょっと変えた方がいいところもあるな〜と思ったりしている次第です。
大きい作品ばかり描いていると、逆に小さい作品は難しいです。
「小さい作品だから楽」
ってわけじゃないのね
大きい作品ならば、要素を盛ることもできますし、描き込みを増やして質感の表現で見せることもできるし、余白を作って構図で見せることもできる。見栄えよく見せるために取れる選択肢が色々あるのですが、小さい作品はそうも行かない。制限の中でいかに魅力的に見せていくかということに考えさせられますね。
私の絵柄があまり小品
向きじゃないのかも…
私の場合、すごく時間もかかってしまいます。緻密な作業が増えて、手も疲れます。
もうやりたくないと思ったのですが(笑)、買ったATC(たぶん15枚かな)使い切るまでは頑張ってみようと思います。
完成品は宝物みたいで、結構可愛いんですよね。
ATC気になる方はぜひ挑戦してみてください!