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誰も教えてくれない水彩紙のこと

透明水彩の中で、水彩紙はとてもとても大切です。一番大切と言ってもいいと思います。

透明水彩の画材の中で大切な順に描いていくと

  1. 水彩紙
  2. 絵の具

第1位が水彩紙ですね。なぜかというと、紙によっては透明水彩の技法の中で、うまくできる水彩紙とうまくできない水彩紙があるのです。

よく「重ね塗りがうまくできない」とか、「ウェットインウェットがうまくいかない」という悩みがあると思うのですが、これは100%、水彩紙が原因です。

ちなみに、水彩紙のことは、とても大切なことなのに、技法書にはほとんど書かれていません。

ほとんどの技法書には紙のことは1ページくらいしか割かれていなくて、たいてい「水彩紙には色々あって、描き心地が違います。ぜひ色々試してみてください」としか書かれていません。

私もあらゆる技法書を見てみましたが、紙について書かれているのは1冊だけでした(でも、絵の具を乗せた時の比較画像がない)

あまりに情報が少ないので、自分で色々な種類の水彩紙を買ってみて、試してみることにしました。

まず、画用紙ではなく水彩紙を

マルマンのスケッチブックやHOMOのスケッチブックは、画用紙です。手軽なので練習にはよいですが、これらは水彩紙ではないので、絵の具の特徴を生かすことができません。

水彩紙には、絵の具がすぐに染みこんでしまわないように、にじみどめ(サイジング)がほどこしてあります。そのおかげで、ウェットインウェットなど、水をたっぷり使う技法が使えるのです。

これから紹介する水彩紙をぜひ使ってみてください。

水彩紙には大きく分けて2種類ある

水彩紙には色々な素材のものがあります。大きく分けて3種類あります。本当はこれ以外が原料の紙もあるのですが、今回の記事では省きました。

  1. コットンパルプ紙(コットン紙と呼びます)
  2. 木材パルプ紙(パルプ紙と呼びます)
  3. パルプ+コットンの混合紙(①と②を混ぜて作られたもの)

その中でも①コットン紙②パルプ紙の違いについて説明します。

①コットンパルプ紙(コットン紙)

綿の繊維で作られた水彩紙のことをコットンパルプといいます。このコットンパルプ100%の紙のことを「コットン紙」と呼んだりしています。コットン紙といったら、普通はコットンパルプ100%の紙のことです。

コットン紙は表紙にcotton100%と書いてあります

コットン紙の特徴
  • 絵の具がゆっくり乾く(ウェットインウェット、グラデーションなど、表面がぬれている間に行う技法がやりやすい)
  • 絵の具の定着がいい(重ね塗りができる)
  • 発色はやや落ち着いている
  • 表面が強い(マスキングOK)
  • 高価

コットン紙についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓

コットン紙について(水彩紙の基本)

コットン紙の代表的ブランド

アルシュ、ウォーターフォード、ストラスモア、ランプライト、ファブリアーノ・アルティスティコ、ラングトンプレステージなど

②木材パルプ紙(パルプ紙)

木材の繊維から、作られている紙を木材パルプ紙といいます。私たちがよく使うノートにも使われている材料です。コットンパルプと区別してパルプ紙と呼んだりしています。

パルプ紙の特徴
  • 水含みが少なく絵の具が速く乾く(手早く一気に塗らないといけない、グラデーションの技法は難易度が上がる)
  • 絵の具の定着弱い。(重ね塗りすると、下の色が溶ける。その代わり、ふきとれる)
  • 発色がいい。明るめ
  • 強度はまちまち、弱いものも。
  • 表面の凹凸が穏やか。下書きがしやすい。色鉛筆やペンなどの併用しやすい
  • 安い

パルプ紙の代表的ブランド

アルビレオ、マーメイド、ヴィフアール、ラングトン、モンバルキャンソン

③コットン+パルプ紙

コットン紙とパルプ紙の混合タイプです。

コットン紙とパルプ紙の中間のような使い心地です。水彩紙によってコットン紙が含まれる比率が違うので、描き心地も紙ごとに違います。コットン紙に近い特性を持つ紙もあれば、パルプに近い特性のものもあります。

コットン+パルプ混合紙はコットン100%の紙に比べると、手頃な値段ですので、初心者にもおすすめです。

ワトソンはクセがなく、初心者向けです。ホワイトアイビスはかなりコットン紙に近い使い心地で、ワトソンと値段が同じくらいなので、高コスパです。

コットン+パルプ混合紙の代表的ブランド

ワトソン、クレスター、ワーグマン、ホワイトアイビス

コットン紙の方が、高機能!?

こうしてみると、コットン紙の方が、高機能なのかなと思われる方もいるかもしれないですね。

パルプ紙にもメリットはあります。

パルプのほうが、紙のあたりが柔らかいので、色鉛筆を併用する場合は、描きやすいです。下書きの線を描いたり、ペンでアウトラインをひく場合も描きやすいです。

色は、パルプ紙の方が、鮮やかだったりもします。乾く前と後で色が変わりにくいのです。

重ね塗りができないぶん、修正はしやすいというメリットもあります。

でも透明水彩の技法をしっかり使いたいというときには、コットン紙の方が適しているという面があります。

しかしコットン紙にはさらにデメリットがあります。高価です。パルプ紙の3〜5倍の価格です。

透明水彩は、アクリルや油彩とは違い、塗りつぶして違う絵を描いたり、修正ができません。1枚1枚が消耗品です。そして技法に慣れるために、練習が必要です。つまり、たくさん紙を使うんです。なので、全ての紙を高価な紙にするのは、中々難しい場合もあると思います。

価格とのバランスを考えつつ、徐々にコットン紙にもトライしていくのがよいのだと思います。コットン紙もそれぞれ少しづつ描き心地が違うので、色々試して、自分の画風に合うものを選んでいくといいと思います。

まとめ

  • 水彩紙は大きく分けて「コットン紙」「パルプ紙」の2タイプがある
  • コットン紙は、高価だけど、にじみや重ね塗りなど、透明水彩の技法がやりやすい
  • パルプ紙は、安価だけど、にじみや重ね塗りはしにくい(その分修正はできる)
  • コットン➕パルプはどちらかというとパルプ紙よりの特性だけれど、手頃で初心者むけ
  • 初心者であっても、にじみや重ね塗りで悩んでいる人は、コットン紙にどんどんチャレンジしたほうがいい。

この後、各紙の詳しいレビューと比較画像を載せようと思いますので、水彩紙選びの参考にされてください。

すでに絵を描かれている方で、「にじみがキレイにでないな」とか「重ね塗りすると下の色が溶けちゃう」ということで悩んでいる方は、コットン紙を買ってみてください。悩みが一発で解決すると思います。

初心者で、これから絵を描いてみよう!という方でも、少し慣れてきたらコットン水彩紙も試してみると、透明水彩らしい技法を生かした絵を楽しめると思います。

水彩紙のレビュー(リンク先に詳しい説明をのせてます)

コットン紙

ランプライト

ウォーターフォード

ストラスモア

アルシュ

ハーネミューレセザンヌ

ラングトンプレステージ

ファブリアーノ・アルティスティコ

アヴァロン

キャンソン・ヘリテージ

コットン+パルプ紙

ワトソン

ホワイトアイビス

ワーグマン

クレスター

パルプ紙

アルビレオ

ヴィフアール

シリウス

マーメイド

ラングトン

モンバルキャンソン

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