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透明水彩の難しいところ[挫折しそうになったら読んでください]

今回は透明水彩の難しいところを考えてみました。透明水彩は、手軽に扱える初心者向きの画材だとされることが多いのですが、意外と難しい画材でもあるんです。「なかなかうまくいかなくて挫折しそう」という方、ぜひ読んでみてください。解決の糸口になりそうな、記事へのリンクも貼っています。

透明水彩は意外と難しい

私が使ったことのある画材は、透明水彩、不透明水彩、油彩、アクリル絵具(ハードタイプ、フルイド、インク)、水彩色鉛筆、油彩色鉛筆、パステル、コピック、日本画(岩絵具)、陶器の絵付け用絵具です。

かれは
かれは

色々挑戦してみたけれど、透明水彩と色鉛筆が一番自分に合う感じがしました

もちろん、どの画材もそれなりの難しさがありました!

ただ、透明水彩はその中でも独特の難しさがあると思っています。

透明水彩は、画材の扱い自体は難しさもなく、いつでも制作できるという気軽さもあります。必要な道具も少ないので、やってみよう!と思ったら、すぐに始められます。

ですが、いざ作品を制作しようとすると、「キレイに塗る」という基本テクニックが、意外と難しい!

ひよこ
ひよこ

あ、あれ?きれいに塗れない…
ムラになっちゃった

ひよこ
ひよこ

わっ、隣の色と混ざっちゃった!

ひよこ
ひよこ

ひゃー、色を重ねたら、汚くなっちゃった!

こんなことありませんか?

私は初心者のとき、よくこんなことがありました。

あまりにうまくできないので、挫折しそうになったこともあります。

普通に色を塗る

これだけのことが、中々うまくできないのが透明水彩です。

そして、描こうとするものが複雑になればなるほど、その難しさは他の画材に比べて増します。

ひよこ
ひよこ

透明水彩は、気軽に始めやすいけど、つまづきを感じやすい画材でもあるよね

かれは
かれは

間口は広いけど、極めるのが難しい画材
それが透明水彩!

ただ、透明水彩の難しさは「何が原因でつまづいているのか」がはっきり分かれば、対処ができることが多いです。そして画材に関する正しい知識があれば、その難しさをクリアできる事も多いのです。

1つずつ見ていきましょう!

水のコントロールが難しい

初心者がまず引っかかるのはここだと思います。

他の絵具は、いわばマヨネーズ状の絵具を引き伸ばして塗るスタイルのものが多いです。

透明水彩は特にほとんど水分の状態のものを塗り広げたりします。

パンにマヨネーズやバターを塗り広げるイメージをしてみてください。マヨネーズのような形のしっかりあるものをパンに塗るのはそこまで難しくはないですよね。

ひよこ
ひよこ

これくらい形がしっかりしてるものなら、慌てずに塗れるね

一方、それが流動状のソースを塗るのはどうでしょう。均一に塗るのが難しいし、傾けたらソースがパンから垂れてしまったりしますよね。

ひよこ
ひよこ

むむ。確かに!
水っぽいものを塗るのは難しいね

透明水彩の場合、ほとんどが水分です。水の中に絵具が浮かんでいるイメージです。水状のものを均等に塗り広げる時、ムラになったりしやすいです。紙を傾ければすぐに垂れてしまいます。絵具も水の中で動き回るので、乾く頃には、思いもよらない場所に絵具が移動してしまったりします。

この水のコントロールがとても難しいのです。

コレが透明水彩の難しさの1つかなあと思っています。

まずは基本の塗り方を練習してみるのがおすすめです。水加減が肝になりますが、それには慣れが必要です。

乾くと縁取りができてしまう!のが悩みの方に。もちろん水彩境界も味わいがあるので、それを効果として使うのもOKですが、縁取りを作らない塗り方を練習してみるのもおすすめです。

かなり使う紙に影響される

悩んだら、紙を見直そう

透明水彩は支持体(紙やキャンバスのこと)にとても影響を受ける画材です。

どの画材も支持体はとても大切なのですが、透明水彩は特に紙の影響が強いです。

使う紙によって、できる技法が違ったり、使えるテクニックも変わってきて、描けるものもガラリと変わります。

このことは、とても大事なことなのですが、あまり技法書でも詳しく書かれていません。

かれは
かれは

「紙は色々種類があるので、試してみてください」としか書かれていないことが多い。

ひよこ
ひよこ

うう、初心者は、それじゃ選べないよ…

なので、うまくいかない、といっているほとんどは紙を変えることで解決します。

例えば

「ムラなく塗ることができない」

「水彩境界ができてしまう」

「重ね塗りができない(下の色が動いてしまう)」

「にじみがあまり広がらない」

「濃い色がのせられない」

などです。どの悩みも水彩を扱ったことのある人なら一度は経験するのではないでしょうか。

このような悩みは紙で解決することが多いです。ですが、大抵機能の高い水彩紙はお値段も高いです。お値段の高い水彩紙の中でも、得意分野がそれぞれ違います。なので、かなり水彩紙の知識がないと、水彩は思い通りの表現ができない画材ということです。これに関しては、かなりこのサイトでまとめているのでぜひ、巡回してみてください^^

コットン紙がおすすめ

塗りに関する悩みは、コットン紙という紙を使うと、ほとんど解決します。

「高い紙だからといって、自分に合うとは限らない」

「安い紙でも使い心地の良いものはある」

という意見も見られますが、やはり「コットン100%の水彩紙」はある程度の機能を持っていて、使える技法の幅が広いです。絵具のコントロールがしやすいですし、きれいに塗れるものが多いです。(高機能の水彩紙の中でも、特性が違うので、好みや相性が生じてくる、ということだと思う)

なので、うまくいかないと思ったら紙を変えてみてください。これが一番早いです。

余談、紙選びが面倒な人はアクリルも検討しよう

そして、このような紙の研究がめんどくさい!予算もかけられない!という方にはアクリルもおすすめです。アクリルも薄塗りするとかなり透明水彩のタッチに肉薄しますので、試してみるのもありです。アクリルは支持体を選びません。安い紙でもある程度強度のあるものであれば同じような、描き心地で描けるのが魅力です。なので、同じような画風のものが描ければ、画材にはこだわらないという合理脳の方にはおすすめです!アクリルは耐光性にも優れるので、絵画の販売を考える人にもお勧めします。

透明性があるから、上から塗りつぶしができない。

透明感=むずかしい?

透明水彩の絵具は透明感があります。絵具の中でも不透明色や透明色があるのですが、透明水彩の不透明色はそこまで不透明ではなく、どの色もある程度透明感があります。そのため重ね塗りをすると下の色が透けて見えます。

透明水彩の透明感を活かした塗り方

コレは透明水彩の魅力の一つです。

かれは
かれは

これは透明水彩のいいところだよね✨

でもこれが、難しい点でもあります。

塗った後に、別の色を塗り直して、色を塗り変えるということができません。

透明水彩でも少しの修正は可能です。塗り過ぎてしまったところの色を取るとか、はみ出した色を取るような。

でも赤に塗った洋服を緑に塗り直したい。というような大幅な変更はできません。絵具にそこまでの隠蔽性がないからです。ただ、アクリルガッシュや油彩なら可能です。

ひよこ
ひよこ

塗りつぶして、別の色にしたりはできないねえ

また制作の手順も難しいです。例えば背景を暗い色で塗って、手前を明るい色で塗りたいときには、アクリルガッシュや油彩なら背景から塗っていけばいいのですが、透明水彩の場合はマスキングして、手前に描くものに絵具がつかないようにしなくてはいけません。綿密な計画が必要です。途中で計画変更もしにくいです。

余談、複雑なものを透明水彩で描くために

ここからは余談です。読み飛ばして頂いて大丈夫です。

また人物の顔のような複雑なものを描くときも、少しずつ重ねて描きながら細部をブラッシュアップしていくような描き方をできないので、透明水彩でリアルな顔を描いていくのはかなり難度が高いそうです。

透明水彩では、常に色を上に重ねてプラスしていく画材なので、進むことはできても後戻りすることができません。途中で色を変更したり、形を微調整したりすることが難しいので、「複雑なものや複雑な構図のものを描く時ほど」難しさがあるのかもしれません。

これに関しては、「綿密にラフを作って計画する」や「サムネイルスケッチで小さい完成図を作る」などの対処法があります。

個人的には小さいサイズで大作用の練習をするのも良い方法だと思っていて、絵全体の流れを掴む練習をすることが大切だと思います。

水彩がのラフをデジタルで仕上げる、という方も多くてなるほど〜と思いました。デジタルは着彩や構成などは自由に変更できるので、納得いくまで考えることができます。その場合はデジタルで計画した色を、アナログの絵具で再現できる混色のテクニックや着彩のテクニックも必要になるのかもしれません…難しいね!

最後に

透明水彩の難しさを考えてみました。

考えてみたら、他にもありましたが、また今度にします。

もちろんどの画材であっても、それなりに難しいところがあります。そして、コントロールしやすい画材であっても、いい絵が描けるかはまた別問題です。どのジャンルにも素晴らしい表現をされる作家さんはおられますよね。

ただ、透明水彩は割と簡単そうな顔をしているのに、手強いところもあるので、それを紹介したいと思って、記事を書きました。かなり道具に左右される部分も大きいんだな、と感じた方も多かったのではないでしょうか。

そうなんです。透明水彩は、紙や筆などの影響を受けやすい繊細な画材なので、画材の知識で、技術をカバーできる部分も大きいんです。逆に、画材知識がないと、かなり遠回りしてしまうことも。

かれは
かれは

私のことだね

遠回りも楽しいものですが、楽しく絵を描いていきたい人だったら、時間をかけずに上達したいですよね。

ひよこ
ひよこ

楽して上手くなりたい♪

水彩紙、筆のことは意外と技法書にものっていないですし、このサイトで全力で推している混色のことも意外に紹介している技法書は少ないです。なので、ぜひ他のページも読んでみてください!!