透明水彩絵具のメリット、デメリットをまとめてみた

透明水彩絵具のメリット、デメリットについて考えてみました。

私は、普段なにげなく使っている画材なので、あらためて透明水彩絵具について考えることがありませんでした。透明水彩ってどんな画材なのか、思いつくことを書いてみます。

油彩や、アクリルなどと比べて、透明水彩はどんなところが、優れているのか、またどんなところが弱いのか

これから、「透明水彩を描いてみたい」または「色々な画材があるけれど、どれがいいかな」と考えている方、是非参考にしてみてください^^

透明水彩絵具の特徴

1.透明である

その名の通り、透明です。透明なのは、顔料に対して、メディウムの量が多いからです。

透明感があるので、紙の下地の色、素材感を生かすことができます。色を塗り重ねても下地の色が透けて見えます。

なので、複雑で繊細な色合いを表現することができます。

また、下書きの線も透けるので、それを生かすこともできます。色鉛筆や、ペン、アクリル、色々な画材と一緒に使うこともできます。

なので、風景画や静物画だけではなく、イラストとも相性がよいです。

2.水に溶ける

メディウムはアラビアゴムとグリセリンで、これが水に溶ける性質を持っているので、水彩絵具はよく水に溶けます

乾いたあとは耐水性にはなりません。つまり乾いたあとも水をつけると、絵具が溶けてしまいます。(ただし、これは水彩紙にもよります)

3.にじみ

アラビアゴム、グリセリン、界面活性剤のおかげで、濡らした紙の上で、絵具がにじみます。これは透明水彩だけの独特の特徴です。

透明水彩のメリット

1.透明感があるので、それを生かした重ね塗りができる。

不透明水彩や油彩は上から色を塗ると、完全に覆い隠してしまうので、下の色が見えることはありません。

透明水彩は、文字通り絵具自体に、透明感があるので、セロファンを重ねたような独特の表現ができます。

たとえば、あらかじめ塗っておいた色に別の色を重ねたり、また同じ色を重ねたり。

この重ね塗りの効果で、複雑な色を表現することができます。あとは、本当に透けているような感じを見せることもできます。

この重ね塗りは使っている用紙や、絵具にも左右されるので、中にはキレイに重ねにくいものもあります。

2.にじみを作ることができる。

水ににじむので、それを効果として狙った表現ができます。

これも、透明水彩独特のものです。水をひいたところに、絵具をのせていくと、境界がぼわーんとにじんでいきます。複雑に色を変化させていったり、混色したり、または境界をにじませたりすることができます

どのように、にじんでいくかは予測しにくいところがあり、偶然性の高い技法です。

あまり、コントロールしようと思わず、できたにじみを生かしながら描いていくと慣れると、とても楽しいです。

また先ににじみを紙に作っておいてから、それを下地として、絵を描いていくのも面白いです。

にじみは基本的に、水をひいたところにしか広がっていかないので、それを生かした画法もあります。はっきりとした境界をつくることができるので、イラストにも向きます。

このにじみを生かした表現は無限大にあるので、自分なりに追求していくことも楽しいです。

3.乾いたあとも水に溶けるので、パレットに出しておけば、そのまま使える

透明水彩は、他に本業を持つような忙しい人にもおすすめです。

パレットは一回一回洗う必要がありません。パレットに絵具を絞り出しておくと、そのうち固まります。

固まった絵具は水に溶けるので、パレットは一度作ってしまえば、そのまま、次に使うことができます。

準備は、パレットを引き出しから出して、水入れに水をいれてくるだけ。

後片付けも筆を洗って、水入れの水を片付けるだけ。

準備と後片付けが圧倒的に楽です!

(油絵やアクリルは、一回一回絵具をパレットに出したり、それを洗って片付けたりしなければいけません。準備や後片付けにはそれなりの時間と手間がかかります)

とくに気負わず、ちょっとしたスキマ時間に気軽に描くことができます。

スペースもいりません。

ですから、小学生くらいのお子さんから、年配の方まで、どんな方にも気軽に楽しんでいただけるのが、透明水彩のいいところだと思います。

また、持ち運びたい時も楽です。小さなパレットやケースに8色ほど入れておけば、どこでもスケッチ出来ます。コンパクトな固形絵具セットもあります。

4.他の画材と一緒に使える

透明水彩は、油絵やアクリル(厚塗りの場合)と違い、薄塗りです。薄塗りなので、紙の地が残っています。

そして透明感があります。

なので、色鉛筆やパステル、ペンなど他の画材と一緒位使うことができ、他の人と違った表現を追求することもできます。

たとえば色鉛筆で薄塗りしたあと、透明水彩を塗ることができます。透明なので、下に塗った色鉛筆を消さないところがポイントです。

透明水彩を塗った後に、色鉛筆やパステルを塗ることもできます。

私の絵は色鉛筆も使っています

ペンで線をなぞった後に、透明水彩を塗ることもできます。このやり方は、もちろんイラストでも一般的ですが、スケッチでも見られます。一発ペン書きの上に水彩絵具を塗っている本を見たことがありますが、独特で面白かったです。

不透明の画材、キャンバスに描くような油絵やアクリル絵では、色鉛筆、パステル、ペンとの併用は中々できません。

透明水彩のデメリット

1.ムラなく塗るのは難しい

透明水彩にも一応ウォッシュという技法がありますが、ムラなく均一に塗るのは難しいです。水加減によって、色の濃いところ、薄いところができてしまいます。

均一に塗ったつもりでも、ムラができています^^

透明水彩のウォッシュは、そういった不均一なところが、独特で美しいのですが、きっちりベタ塗りしたいときは、不透明水彩か、アクリル絵具の方が得意です。

もっともっと均一にしたい場合はもうデジタルの方がいいのかもしれません。

また、透明水彩の場合は、絵具によっても均一になりやすいもの、塗りムラが出やすいものがあり、その見極めも難しいです。

ウォッシュだけでなく、グラデーションもとても難しいです。しかも、やり直しがききません。

矢印のあたりにバックランという現象が
おきています

なので、これは、デメリットというより、透明水彩と付き合うときは、その良さが生きるような描き方を考えた方が良さそうだ、という話かもしれません。

2.技法の出来不出来が、水彩紙の影響をうける

透明水彩はとても支持体の影響を受ける画材です。

支持体とは、絵具をのせるもので、透明水彩の場合は、です。

透明水彩は、独特の繊細な美しさがありますが、その繊細さゆえか?

紙によって、技法がうまくできるもの、できないものがあります。

もちろん、描く人がどんなものを、どんな風に描きたいかにもよるのですが、どの紙がどんな性質を持つのか理解していないと、中々思い通りに描けない、といったことがあります。

アクリルなどはどんなものにも描けて、支持体を選びません(紙、キャンバス、板だけでなく、布や石にも描ける)

なので、透明水彩の場合は、水彩紙をいろいろ試してみる、ということが必要になってきます。

その辺りの手間をどう捉えるか、が人によって違うと思います。水彩紙については、別記事で紹介します。

私は、初心者の頃、紙に関する知識が全くなかったので、水彩紙には程遠いツルツルの紙に描いていました。
徐々に色々な紙を使うようになりましたが、「透明水彩が紙によって、描けるものが全然違う」ということはもっと早く知っていたかった、とつくづく思います。

3.厚塗りしすぎると、べたつくことがある

透明水彩は、顔料とアラビアゴムで出来ているので、たくさん塗りすぎると、ベタついてしまうことがあります。

ベタつくと、重ねたとき、紙同士がくっついてしまったり、カビが生えることもあるそうです。

厚塗りしたいときには、アクリルなどの画材の方がよいです。

ただ、透明水彩で、厚塗りする人はあまりいない(というかできない)ので、そこまで気にすることではないかもしれません。

4.全体的にコントロールが難しい

透明水彩は、全体にコントロールするのが、難しいです。

にじみはどう広がるか、予測がつきにくいですし、ウォッシュやグラデーションもムラになりやすいです。

シンプルな絵だと、かえってその特性がプラスに働くのですが、複雑な絵を、透明水彩だけで描くのはとても難しいです。

修正もできないし、途中で加筆もしづらい、色の変更もできません。

透明水彩は後戻りのできない画材です。

複雑な絵を描くときには、基本的に一発書きということを念頭に入れて、下絵を作らなくてはいけません。

透明水彩を描くときは、「コントロールしづらい」という特性と、うまくつきあうのが、ポイントのような気がします。

まとめ

いかがでしたか。

こうしてまとめてみると、透明水彩は、かなり道具に影響を受ける画材です。水彩紙によっては、重ね塗りが出来ないものや、修正が全くできないものもあります。

使っている絵具にも左右されます。

なので、画材の使い比べや、知識がとても大切になってきます。

私は、初心者のときには、水彩紙の存在すら知らなかったので、透明水彩難しい!と思っていました。

なので、同じように思っている人がいるかも・・・と思い、少しづつ透明水彩の画材のことを書こうと思っています。備忘録も兼ねて、です^^

透明水彩は独特の透明感、にじみが持ち味の画材です。

コントロールが難しくもありますが、にじみによる偶然性が楽しかったりもします。

始めてみたい!と思った方は他の記事も見てみてくださいね。

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