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シュミンケホラダムの特徴をまとめてみた

透明水彩の高級ブランド、シュミンケホラダムの絵具の特徴をまとめてみました。別の記事にも、少し書いた記憶がありますが、興味のある方も多いと思うのでまとめてみました。他のメーカーの絵具と何が違うのか、ということを私見も踏まえて書いていきたいと思います。

シュミンケホラダムとは?

ドイツのシュミンケ社の透明水彩ブランドがシュミンケホラダムです。ちなみに油彩はシュミンケムッシー二という名前です。

シュミンケの透明水彩には、シュミンケアカデミーという廉価版のシリーズがありますが、これについては今回言及しません。

シュミンケホラダムな120年ほどの歴史がある、伝統的なブランドです。顔料やバインダーが工夫されており、とても高品質であるということです。

全110色のうち65色は単一顔料(1種類の顔料で作られた絵具、混色に最適)だということです。

私も最初は他メーカーの透明水彩を使用していたものの、1色だけシュミンケホラダムの絵具を試してみたところ、その使いやすさにすっかり魅了されてしまい、あっという間にパレットがシュミンケホラダムの絵具に置き換わってしまいました。

シュミンケホラダムの絵具はかなり高価ですが、そのくらい魅力があります。

シュミンケホラダム、ここが他メーカーと違う!

  1. パレット上で水に溶けやすい
  2. 塗りムラが出ない
  3. 全ての色が使いやすい濃度に調整されている
  4. 色や顔料の種類が豊富

①パレット上で水に溶けやすい

シュミンケホラダムの絵具は、パレットに固めておいた絵具を、筆で優しくなでるだけで、スッと色が取れます。

これは固形水彩の時も同じで、やはり少ない水でもスッと色が溶けるのです。

透明水彩では、ウェットインウェットや広範囲のウォッシュなど、スピード感が要求される場面も多いです。水や絵具が乾く前に、手早く塗り広げなくてはいけないからです。このような時は、絵具が溶けやすくスッと色を取れるというのは、とても有難いです。

また、筆も傷めません。特にコリンスキーやリスの筆は柔らかいので、溶けにくい絵具だと、何回もごしごし擦らなくてはいけません。

少ない水で絵具が取れるので、絵具の色を濃く取ることができます。溶けにくい絵具だと、絵具を取るために水をたくさん使うので、色が薄まってしまうのです。これが、シュミンケホラダムの絵具が発色に優れていると感じさせるポイントではないかな、と思います。(もちろん実際に発色も優れているんですか)

②塗りムラが出ない

添加されているオックスゴールのおかげか?詳しいことはよく分かりませんが、塗りムラが出にくいです。滑らかでフラットに色がのります。

左がシュミンケホラダム。
他の2色に比べて、ムラなくフラットに塗れていることが分かりますね。

もちろん、色にもよりますが…粒子が大きい絵具は塗りムラが多少出ます。ドットシートで試したところ、ほとんどの色がムラなく塗ることができます。

なので、塗りがうまくなったように感じます。

またにじみも大きく広がる傾向にあるので、結果的にフラットな感じになりやすいのです。

力強い感じ、荒々しいタッチには向きませんが、整った感じに仕上げたい(特にイラスト)ときには、きれいに見えやすく良いです。

③全ての色が使いやすい濃度に調整されている

これは色々なメーカーのドットシートを塗ってみて気づいたことです。

絵具は、顔料によって、色が濃厚すぎるものもあれば、逆に色が弱いものもあります。顔料の性質によるものだと思われます。ただ、シュミンケホラダムの絵具は、どの色も使いやすい色の濃さです。濃厚すぎる色は、パレット上で色の濃度を調整する必要があるのですが、シュミンケのものはそこまで色が濃くないです。逆に薄い色というのもないです。

ウィンザー&ニュートンは、逆に、顔料の個性がそのまま反映されているという感じがしました。濃厚な色は濃いし、薄い色はとても淡いです。

このあたりは、好みかな、と思います。私はどちらも使っていますが、どちらの良さもあると思いましたし、色にもよります。この色は、シュミンケでは物足りないなーと思うものもありますし、逆にこの色はシュミンケでないと、思う色もあります。

④色や顔料の種類が豊富

シュミンケホラダムは、単一顔料が多いメーカーで、とにかく色の種類が多いです。

青は、顔料自体が主に6種類で元々種類の少ない色です。種類が多いメーカーは混合色をたくさん作っているパターンが多いです。シュミンケホラダムの青は、同じ顔料でも違う色味の絵具を作っているので、若干他メーカーより種類が多いです。

シュミンケホラダムで特に種類が豊富なのが、赤と黄色、紫、茶色です。他で見かけないような色もたくさんあります。一見すると同じような色がたくさん並んでいるような感じがします。カタログでは違いがよく分かりませんが、実際に塗ってみると、透明度や粒子の荒さ、着色度に差があります。

なので、「暗めで着色力の強いダークレッドが欲しい」とか「不透明なレモン色が欲しい」、「イエローオーカーと同じ色の透明色が欲しい」というように、具体的に欲しい色のイメージがあるときには、とてもいいです。このバリエーションは、絵を描いている人のピンポイントの要求に応えてくれる、というわけです。

なので、種類が多すぎて混乱します。とにかく何を買えばいいかわからない、という場合は、カタログの●印がついているものが基本カラーなので、参考にしてみるといいと思います。私も何色かおすすめ色を書いた記事を挙げています。

個人的には茶色の種類が多いのが助かります。ここまで茶色の種類が多いメーカーは他にないと思います。地味だけれど、よく使う色なので、色々なバリエーションが嬉しいです。

他メーカーとの共通項

発色についてですが、鮮やかさはどのメーカーもそこまで変わりませんでした。同じ色を並べて塗ってみて比較をしてみましたが、透明水彩として売られているメーカーであれば、どのメーカーの絵具でもほぼ同じくらいの鮮やかさ発色です。なので、シュミンケホラダムの絵具の発色が突出している、という感じはしません。

「高い透明水彩じゃないと、きれいな絵が描けないのでは?」と思っている方は、心配しないでください。どのメーカーの絵具でも大丈夫!と声を大にして言います。言っちゃいます笑

(でも子供用の絵具だけはNGです^^;)

どちらかというと、絵具の発色や透明度は顔料による差なので、メーカーにこだわるよりも、顔料を確認するといいと思います。

まとめ

シュミンケホラダムの絵具は上質ですが、とにかく値段が高いです。ホルベインの5倍くらいです。

ただ、5倍ほどの違いがあるか?と言われると、それは人にもよると思います。

発色を重視するのなら、他メーカーでも、ほとんど変わりはないです。

ただ、独特の絵具のしっとり感、溶けやすさ、滑らかさはシュミンケホラダムだけなので、この点にこだわる場合は、その価値があると思います。

あとは、バリエーションの豊富さです。具体的に使いたい色のイメージが細かくある場合は便利です。「透明感のあるイエローオーカーが欲しい!」というような具体的な要望がある時は、シュミンケホラダムの絵具を探してみると、大抵あります(笑)または珍しい色味を買って、表現の幅を広げたいとか、そう言った場合にも良いと思います。

なので、もし初心者の方だったら、ホルベインやターナー、ウィンザー&ニュートンで基本色をそろえ、少しづつ気になる色を買い足ししていくスタイルでもいいかもしれません。まさに私はこのパターンで、ホルベイン10色くらいでスタートし、徐々にシュミンケホラダムを買い足ししていきました。気づいたら、ほとんどシュミンケに置き換わってしまいましたが…

でも最近は色々なメーカーの絵具を試して、それぞれの良さがわかってきたこともあり、様々なメーカーの絵具を織り混ぜて使っていきたいと思っています。

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