今回は色の基礎知識についてお話します。
Table of Contents
色がわかると使える色が増える
デザインや色彩理論の本には必ず書いてあるのですが、透明水彩の本にはあまり書かれていなかったりします。
色使いがうまくなりたい!と思ったときは色のことが分かると、もっと色々な種類の色を使うことができます。
色使いが素敵だなーと思う作家さんは、本能的に色彩理論が頭に入っているのだと思います。
色を選ぶのが苦手!と思う方は参考になると思います。
私は、色について考えることは好きですが、つい色がマンネリ化してしまったり、色を決めるときとても迷ったりしていました。特に明度のコントロールが苦手で、絵の印象がぼんやりしてしまうことが多かったです。
色彩理論を勉強したら、扱える色の幅がぐっと広がりました。
色というと、鮮やかな色ばかり思い浮かべてしまうのですが、実際には、渋い色や暗い色の方がたくさんあってそのような色をうまく使うことが大切なのだと思います。
色の3要素
色は3つの要素を持っています。
- 色相
- 明度
- 彩度
この3つです。どの色も、この3つの要素から成り立っています。
人間でいうと、身長、体重、腹囲、みたいな感じでしょうか。
ちょっと違う気がする…
例えばオレンジだったら…
①色相はオレンジ ②明度は中 ③彩度は高
です。
茶色だったら…
①色相はオレンジ ②明度は暗め ③彩度は低め
という感じです。
あれっ?茶色も色相はオレンジなの?
そうだよ!彩度が低くなると、色相は分かりにくくなります
じゃあ、こんな色はどうでしょう!ジョンブリヤン(肌色)
むむっ。難しいなあ
①色相はオレンジ ②明度は明るめ ③彩度はやや低
3要素の中で、色相と明度は分かりやすいのですが、彩度は分かりにくいです。
1つずつ見ていきます!
色相 Hue
色相とは色の種類のことです。色相環の中で、その色がどこに位置するか、それをあらわしています。赤、青などは色相をあらわすことばです。
鮮やかな色だと分かりやすいですが、濁った色、暗い色になると、色相は分かりにくくなります。
例えば先ほどの茶色。色相環の中のどの色なのか、分かりにくいですが…オレンジです。
茶色とは彩度と明度の低いオレンジです。でも色々な茶色を並べてみて、その茶色が黄色よりのオレンジなのか、赤よりのオレンジなのか?ぱっと見て認識しづらいです。その色がグレーに近づくほど分かりにくいです。
ちなみにグレーや黒というのは、色相の要素がありません。無彩色と言います。
さて色相は色の中で、一番目立つ要素です。色といったら、ほぼこの色相のことをいっています。
この色相はさまざまなイメージを表現するとき、中心となる性質です。たとえば、背景を塗るとき、赤にするか、青にするかでは大きくイメージが変わります。
色相は3要素の中で一番目立つ要素です。
色、と言ったら色相のこと、と言ってもいいくらい。
補色や類似色を使うときにも、色相がとても大切な役割を果たします。
明度 Value
明度は明るさの度合いのことです。
明度の高い色というのは明るい色のことです。透明水彩でいうと、水をたっぷり入れて作る色です。不透明水彩なら白が混ざった色です。
パステルカラーといったらイメージがつきやすいでしょうか?ピンクや水色、ミント色というのは明度が高い色です。
明度の低い色といったら、暗い色のことです。透明水彩、不透明水彩では黒が混ざった色です。
ダークカラー、例えば紺色(ネイビー)や深緑、ワインレッド、茶色などは明度の低い色です。
明度は形やものの見え方の強さを決めます。どういうことかというと、明度がはっきり違う色を置くと、コントラストができて、ものがはっきり強調されて見えます。
明度のコントラストに欠ける絵はメリハリに欠け、ぼんやりとした印象になりますが、布地や壁紙など連続した模様であれば、明度差がない配色の方がまとまって見えることもあります。
デッサンという練習方法があります。モノクロで物をそっくりに描いていく練習方法ですが、物の形を正確にうつす訓練でもありますが、対象が持っている明度を捉える練習方法でもあるそうです。
彩度 Cloma
彩度は色みの強さの度合いです。
つまり、鮮やかさのことです。
鮮やかなのか、濁った色なのか。このサイトでは、鮮やか、濁った、渋いということばを使っています。
彩度が高い色といったら、鮮やかな色のことです。純色といったり、原色といったりします。
彩度の低い色というには、濁った色のことです。このサイトでは渋い色、鈍い色と表現したりしています。
彩度が低い色、というのが絵ではとても大事です。
彩度の高い色だけでは、反発しあい、喧嘩になってしまいます。
また、世の中にあふれているほとんどの色は彩度の低い色です。この彩度の低い色をいかにうまくあつかえるか、がとても大切になってきます。
例えば、洋服を思い浮かべてください。
赤いシャツに黄色のズボンを合わせたりするでしょうか?
ちょっと奇抜で目立ってしまいますよね(こういう方もいらっしゃるけどね…)
まあ、ひよこ的にはアリだけどね。
赤いシャツには、黒とか、グレー、ベージュなど地味な色のボトムスを合わせる人が多いと思います。
彩度の高い色には、彩度の低い色を合わせて、全体のバランスをコントロールする。これは普段誰でも自然にしていることです。
彩度にはもう一つ、大切な役割があります。
「派手」「地味」のイメージなど、印象に影響しています。例えば、彩度の高い色は「派手」な印象です。彩度の低い色は「地味」な印象です。一般的には彩度の高い色を好む人が多いです。
色相や明度と違い、彩度の違いは見極めが難しいです。一番分かりにくいのですが、うまく彩度をコントロールできるようになると、絵の印象が変わってきます。
色合いがきれいと感じる作品には、彩度の高い色だけではなく、彩度の低い色もうまく使われていることが多いです。
みんなが「きれい!」と感じる配色には、意外と彩度の低い色がたくさん使われていることも多いです
色づかいに悩んでしまう方は、まず、彩度の高い色(きれいと感じやすい色)だけでなく彩度の低い色(渋い色)を絵に加えてみることを意識してみるとよいと思います。
さいごに
というわけで、色についてガッツリ説明してみました。
私は今まで、色に、色相、明度、彩度、3つの要素があることを意識したことはなかったです。
赤や、黄色、のような「色相」の要素ばかり見ていました。
明度や彩度にも意識を向けてみると、かなり色ってたくさんあるのかも。と思うようになりました。
特に渋い色って、とても種類が多く、バリエーションも多いです。以前は渋い色は茶色か、グレーというざっくりしたくくりで捉えていましたが。実はもっともっとたくさんある。名前もない色がたくさんあるんですよね〜
そういう名前のない無数の色は絵具では売っていなくて、ほとんどが混色で生まれる色です。
地味だから、あまり人気のない色たちだけど、絵の中で、鮮やかな色を引き立てたり、繋いだりする大事な色!
色の知識が1つついたところで、それを絵に生かそうとするのですが、これまた難しい〜💧
色々な色と仲良くなりたい♪
かれは様、いつもありがとうございます。この記事は凄く難しそうです。何度も読み返すといいのかも知れません。3つの事をよく覚えておくようにします。複数回お邪魔して読ませていただきます。
また、ちょっと質問なんですが、水彩紙のブロックは、そのまま描けるとネットで調べて描いてあったんですが、ある画家さんのYouTubeでご本人がブロックでも、一枚ずつ剥がして、マスキングテープで板に貼って描くと仰ってたんですが、これは、その人それぞれの好みというか、人によって違うと言う事でしょうか?
先日ウォーターフォードのブロックに描いてみましたが水を多く含むと真ん中が膨らむ感じでした。
本当は一枚ずつ剥がして、マスキングテープで板などに貼って水張りして描いた方が良いのでしょうか?
なんか、基本的な事かも知れないのに質問してごめんなさい。
水張りしてたわむのがおさまってから、描けば、ブロックのままでも、良いのでしょうか?
この記事はちょっと難しいかもしれません。特に彩度が難しいです。
ぜひ何度か読んでみてください。
水彩紙のブロックは、そのまま描くことができます。
ブロックどめは万能ではないので、描いていると、少したわみます(私は気になりませんが…)
しっかり仕上げたい時や水をたっぷり使う絵なら、水張りした方がいいと思いますが、
普段練習したい時などは、ブロックのままでも良いと思います。
そして湿気の強い季節などは、ブロック場合、下の紙が風邪を引きやすいです
(にじみどめがききにくくなる現象)
使うぶんだけ、剥がして水張りし、残りのブロックはジップロック袋の中に入れておくのがおすすめです。
水張りをする時は、専用の水張りテープを使います(裏を水で濡らすとノリが溶けて粘着するテープ)
水張りのことと、紙の風邪引き現象のことは、いずれ記事にしようと思います^^
すいません。マスキングテープは、水彩紙の下地の色を残したい時に貼るものなのですね。
初心者過ぎて、申し訳ないです。ごめんなさい。
そうなんです。
マスキングテープは、水張りテープの代わりに使えなくもないですが、
紙を濡らしてしまうと、粘着しないので水張りテープの方がいいですね〜