「補色って何?」という質問を頂いたので、簡単に説明してみることにしました。今回は簡単に説明してます。もちろん色彩理論なんか知らなくても絵は描けます。が、一通りの知識があると、配色の参考になりますよ!ぜひ役立ててくださいね。
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色相環と補色
簡単に言ってしまうと色相環の反対にある色が補色です。
まず色相環から。
まずは三原色があります。マゼンタ、イエロー、シアンですね。分かりやすく赤、黄色、青と呼んでおきましょう。三原色は三角形に配置すると分かりやすいです。

隣の色を混ぜていくとそれぞれ緑、オレンジ、紫ができます。これは二次色と呼ばれます。

またそれぞれ隣の色を混ぜていくと3次色ができます。ぐるっと並べたものが色相環です。

で、補色は色相環のちょうど反対側にある色のことです。

特に三原色の補色というのがとても大事なので、この3つの組み合わせはぜひ覚えてください!
赤⇄緑
黄色⇄紫
青⇄オレンジ


この3つの組み合わせは、ぜひ暗記して!

よおし!
赤と緑、黄色と紫、青とオレンジね…
補色にはどんな性質がある?
補色同士の関係

補色ってよく聞くけど、
絵を描くときに関係あるの?

大ありです!
特に絵具で塗るときにはとても大事な知識です。
補色とは、色相環の中で反対側にある色でしたよね。
でもそれが絵を描くときにどう関係してくるのか?
実は補色同士の組み合わせにはこんな性質があります。
- 対比が強いので引き立て合うが、距離が近いと反発もする
- 混ぜるとグレーになる(色がなくなってしまう)
補色同士は反発し合うが引き立て合う
補色同士の色は、お互いの色が色相環の中で一番遠いので、お互いが一番違う色、似ていない色です。ただ、それだけに調和しにくい関係なので、原色のまま隣に置くとどぎつい雰囲気になりがちです。
一番きついのは赤と緑だと思いますが、原色同士を隣に置くと目がチカチカしませんか。ただ、クリスマスカラーになっているだけあって、とても魅力的で印象的な組み合わせには違いありません。

補色同士はお互いを引き立て合う色ともされていて、上手に使うと画面全体がとても華やかになったり、見せたい色を効果的に見せることができます。近くに置くと、お互いが鮮やかに見えやすいということもあります。
歴史上の絵画でも、この補色をうまく使っている絵はとても多いんですよ。特に赤と緑の関係が一番対比が強く、色々な形でたくさん使われています。

オレンジと青も、オレンジと紺色や茶色と青のような形で使われていることがとても多いです。こちらは幾分、落ち着いて見えますが、とても取り入れやすい補色です。
黄色と紫(正確には青紫)は明度の差が激しい組み合わせなので、色の対比だけでなく明るさの対比も見せることができます。青と黄色はゴッホやフェルメール、ダリも好んだ組み合わせで、時々「青と黄色は補色同士」という解説がされていますが、正確には青紫と黄色が補色同士です。

へえ〜
確かに黄色と青とかよく見かけるかも
補色同士を混ぜるとグレーになる
絵具を扱うときに注意しなければいけないのは、補色同士を混ぜると、色彩がなくなりグレーになるという点です。


絵具の混色のルールは
「色相が近いものを混ぜると彩度が落ちにくい、色相が遠くなればなるほど彩度が落ちる」
補色はちょうど反対側で一番距離が遠い色になるので、その補色同士を混ぜると最高に彩度が落ちます。つまりグレーになります。
赤と緑を混ぜるとグレーに、青とオレンジを混ぜるとグレーになりますのでぜひお試しください。
で、なぜか黄色と紫だけはグレーになりません。ちょっと青成分が足りないみたいです。試しに青紫にしてみると一応グレーになります。(デザインの本では黄色と青紫が補色同士、と描いてありました)

ちょっとむずかしい…
この法則は、「色を混ぜて鮮やかな色を作りたい!」ときにも「色を混ぜてくすんだ色やグレー、黒を作りたい!」ときにも生かすことができます。
色の彩度を落とさず、鮮やかな色を作りたいときはなるべく色相が近い鮮やかな色同士を混ぜます。
一方、なるべく無彩色(色の付いていないグレー)に近づけたい時は、なるべく色相が遠い補色同士の色を選べばいいわけです。
絵を描いていると、鮮やかな色も、渋い色もどちらも必要になります。というより、どちらの色も使った方がメリハリが出ます。補色同士の混色で、渋い色を作る練習もしておくといいですね。
最後に
というわけで簡単に説明してみました。「補色ってよく聞くけど何なの?」って思う方の参考になったでしょうか?
絵の配色に迷う時にぜひ生かしてみてくださいね。私も「補色」を意識するようになってから、絵の色彩が華やかになったような感じがします。
色彩理論はちょっと難しいですが、少しだけ頭に入れておくと役に立ちますよ。絵具の中でどの色同士を混ぜるとグレーになるか、ぜひお試しください!
色相環はぜひ自分で作ってみてください!