透明水彩紙にも色々な種類がありますが、その中でも日本の水彩紙、ランプライトについてお話ししたいと思います。
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ランプライトとは
ランプライトはミューズから発売されている、日本産の水彩紙です。
そもそも水彩紙は、ヨーロッパやアメリカのものが多いですが、ランプライトは日本産の水彩紙。輸入物の水彩紙に比べて質も安定していて、値上がりもしにくいので、とても頼りになる存在です!
ランプライトは2023年で10周年とのことで、比較的新しい水彩紙ですね。こちらが2023年に枯葉庭園がランプライトのPRに参加したときに執筆した記事です↓作品のメイキングも載せているので、ご興味ある方はぜひお読みください。
ランプライト、私はとっても好きな水彩紙で、よく使います。なのでみなさんに魅力が伝わるように紹介できればと思います。
貴重なコットン100%の国産水彩紙です!
使ってみたいな✨
ランプライトの特徴
素材 | コットンパルプ100% |
紙の色 | クリーム色 |
発色 | 落ち着いている |
地の滑らかさ | 凹凸はあるが、比較的ソフトで下書きしやすい |
にじみ | そこまで大きく広がらない |
乾きのスピード | ややゆっくり。表面はすぐに乾くが、絵具の浸透には時間がかかる |
重ね塗り | 完全に乾けば、下の色はあまり動かず重ね塗りできる。塗った直後は、取れやすい |
リフティング | 完全に乾く前だったら、かなりリフティングできる。それを活かした発酵表現やツヤの表現も得意。 |
価格 | コットン100%で、この性能の割にはかなりリーズナブル。コスパのよい水彩紙。 |
その他 | ロットによってはかなり弾きが強いことも(対策できる) |
ランプライトってどんな紙?
落ち着いた紙色
まず、ランプライトの紙色はかなり落ち着いたクリーム色。ランプの光のような暖かい色の紙色。あまり黄色っぽくはなくて、明るめのベージュです。純白の水彩紙を使い慣れていると、色がついていると感じますが、慣れると使いやすい色です。
そのためか、絵具の発色はやや落ち着いた色です。比べないと分からない程度ではありますが、真っ青で涼しげな絵を描く、というよりは、落ち着いた色彩や暖かみのあるの絵が得意だと思います。
リフティングができる
リフティングができる紙、というのは珍しくありません。というがほぼ全ての紙でリフティングができます。どちらかというと、リフティングができない紙の方が珍しいです。
ただ、リフティングができる水彩紙(パルプ)は、多くの場合、重ね塗りができないんです。(そして色が取れすぎる)
ランプライトが変わっているのは、「重ね塗りが出来るのに、リフティングもできる」という点です。
半乾きの時は、かなり色を取る(リフティング)ができて、乾いてしまうと、色が取れるのは少しだけです。それも全部、ごっそり色が取れるのではなく、少し絵具が水彩紙に残った状態です。パルプ紙はごっそり色が取れるので、それとは違った表情で、とても面白い表現になります。力加減によって絵の具の取れ具合を調節することもできます。
ぼやけたように色が取れるので、ソフトなハイライト表現ができるんです。この技法で描くぶどうが面白すぎて、一時期、色々な種類のぶどうを買ってきては、このランプライトで描いていました。(ぶどうのハイライトを、この方法で作るとぴったり)
ぶどうの光沢にピッタリ🍇
これは例えば、髪飾りが光っているように見えるようにしたり、蝋燭の光だとか、幻想的な光の表現にも使えるし、境界をうまくぼやけさせて、柔らかさを表現したり、色々な活用法があります。
こんな紙は他にないのでとても面白く感じます。
にじみはやや控えめ、乾くと整う
にじみは独特ですが、乾くと整う
にじみは、ゆっくり広がります。濡れたところに絵具をのせると、あまりにじみが広がらず、物足りなく感じるのですが、にじみは少しずつ広がり、乾いてみるといい感じです。ウォーターフォードやアルシュのようにフワッと大きく広がるにじみとは違った感じです。
これはこれで、上品でよいと思います。コントロールしやすいので、私はわりと好きです。
弾きが強いと聞いたけれど?
確かに弾きは強いこともあります。これは買ってみた水彩紙のコンディションにもよるのですが、時々弾きの強いランプライトもありました。(たぶん、製造されてから時間が経っていない鮮度の高い紙…)
製造されてからの時間や保管で変わってきます
ランプライトは絵具の吸い込みがゆっくりで、しばらく絵具を吸収しない感じなので、乾いた後に少し絵具の色が白っぽくなってしまうことも。
そういうときにはオックスゴールを使うと、ちょうどいい感じにすることができます。ランプライトを買う時はオックスゴールを一緒に買っておくといいと思います。
紙肌がソフト
紙肌はソフトで、凹凸はあまり大きくありません。かと言って細目、極細目のようなツルツルでもないので、絵具も適度にのりやすく、色々な画材と併用できます。
凹凸があまり大きくないため、色鉛筆や鉛筆で下書きを描いたり、線画をペンで描く場合も、とても描きやすいです。
色鉛筆やペンを一緒に使うのもいいね
紙肌の形状は、かなり、絵のタッチにそのまま影響します。
ランプライトは繊細な描き込みや、柔らかさを表現したい時にはぴったりだと思います。
値段がリーズナブル
お値段もコットン紙の中では、一番リーズナブルです。コットン紙はどうしても高価なものが多いのですが、ランプライトは、本格的に使えるコットン紙の中で一番安いです。なので、ウォーターフォードやアルシュを買う前にぜひ試していただきたいな、と思います。
コスパが素晴らしい水彩紙!さすが国産♪
特に、ランプライトはコットン紙でありながら、パルプ紙のソフトな感触と共通するものがあるので、コットン紙は初めて、という人にもおすすめできます。
個人的なレビュー
個人的な話になりますが、ランプライトはとても自分の画風に合っている紙だと思います。ソフトな紙肌で、適度に滑らかなので、女性の顔が柔らかく、滑らかに表現できるんです。また、果物を描くのにも、とてもいいです。色はそれなりにのせられますが、とても濃い色にはなりません。
どちらかというと、メリハリのきいた現より、ソフトな表現に向く紙だと思います。
またリフティングが独特で、面白いので、柔らかいハイライトを入れたりするのにぴったりですね。すごく面白い!
力強さや、インパクト、重厚感を求める人には、やや物足りなさもあるかもしれませんが、ひたすら「ソフトに、繊細に表現したい人」には、とてもよい水彩紙だと思います。
また、アルシュやウォーターフォードなどが合わなかったという人もぜひ。
同じコットン紙でも全然タイプの違う水彩紙なので、こちらが使いやすいという方もいるかも!
とりあえずという人はまずハガキサイズやA4パックで試してみるというのも、おすすめです。
商品のラインナップ
ランプライトは国内で製造されている水彩紙なので、ラインナップが日本人の水彩作家向きですね。
まずランプライト300g(分厚いもの)はブックとブロック、両方の展開があります。サイズはそれぞれ、SM、F2、F4、F6、F8サイズがあります。ブックはオレンジ色の表紙のものですね。ブロックは真ん中に白が入ったデザインです。価格は同じなので、お好きな方を!
あとはお試ししやすいハガキサイズもあります。アソートパックもありますが、ランプライトだけのものは、たくさん試せていいですよね。水張りしなくても、そっくり返りにくいのも推しポイントです。
こちらはPRの時に発売になったA4パックです↓(数量限定商品でしたが、定番商品になったそうです。枯葉のイラストついてます!!)A4パックは1枚の価格が安めなので、少し大きめで試したい方にはこちらの方がよいかも。
こちらが最近発売になった(2024年)色紙です。ランプライトの豆色紙あったらいいなあ、と思っていたので嬉しいです。豆色紙、1/4色紙、大色紙と3サイズあります。
あと、こちらも最近発売になったランプライトの220gの水彩紙パッドです。通常のものよりちょっと薄いのですが、価格がめちゃくちゃお得です!中途半端な高級紙買うならこれをおすすめします。A4、B5、B4の展開です。ちょっと薄いので、もしかしたらプリンター通るかもしれません…。
終わりに
というわけでランプライトは商品の種類がすっごく増えました。PR記事のときにかなりたくさんの方に手に取って頂けたみたいで🙏廃盤が続く中、商品ラインナップが増えるのは嬉しいことです!あの機会に手に取ってくださった皆様にも感謝です。
これからもランプライトを推していこう!!
楽しみだね!