キャンソンヘリテージ水彩紙は2023年に廃盤となっています。一応、こういう水彩紙もあったという記録に残しておきたいと思っています。
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キャンソンヘリテージとは
フランスキャンソン社の最高級水彩紙です。マルマンが代理店となっています。
*キャンソンヘリテージ水彩紙は2023年に廃盤となりました。まだ一部の店舗で購入できるところもあるようですが、いずれは買えなくなる水彩紙です。このような水彩紙のレビューを残しておくことには、いつも迷いがあるのですが、愛されてきた水彩紙ですので、記念の意味にも残しておこうとは思っています。
キャンソンの水彩紙は色々ありますが、キャンソンヘリテージは中でもコットン100%の高級水彩紙です。
コットン100%って何?という方はこちら→コットン紙とは?[水彩紙のきほん]
またキャンソンヘリテージの特設HPがありましたので、そちらもどうぞ→キャンソンヘリテージ
表紙は気球の柄が目印です。とてもデザイン性が高く、おしゃれです^^
目の荒さ、形態
目の荒さは 荒目、細目、極細目 の3種類(目の荒さのよって表紙の色が異なります)
今回は真ん中の細目のレビューになります。
四方固めのブロックタイプと片側だけ留めてあるパッドタイプの、2タイプの販売ですが、ブロックタイプの方がサイズの種類が豊富です。パッドタイプの方が、一枚あたりの値段が安いので、「まずお試しに」と考える方はパッドタイプの購入がおすすめです。
キャンソンヘリテージの特徴
- 紙の色は真っ白
- 発色がかなり鮮やか
- 乾くのが早い(パルプ紙の乾きの速さとはまた違う)
- すぐに重ね塗りができる。下の色は動きにくい。
- キレイににじみができる
- 規則正しい凹凸を持った独特の紙目
- 価格が目立って高い
キャンソンヘリテージのレビュー
色が鮮やか
紙は真っ白で、絵具の色がとても映える水彩紙です。パレットで溶いた絵具も、紙の上にのせると色が変わってしまうことが多いですが、キャンソンヘリテージはほぼ絵具の通りの発色です。
特に赤、青は鮮やかに発色しました。特に赤は、紙によっては沈んでしまうことがありますが、キャンソンヘリテージでは、とても鮮やかでした。
なので、色鮮やかに表現したいときに、向いている水彩紙だと思います。
にじみはキレイ
にじみやグラデーションは、他のコットン紙と同じように、とてもキレイにできます。やや水をたっぷりめにひくと綺麗に塗りやすいです。
乾くの早い
この水彩紙の際立った特徴は、乾くのが早いことです。にじみどめは効いているので、もちろんにじみやグラデーションは落ち着いてやることができるのですが、水を少なめに塗ると割とすぐに乾きます。なので、テンポよく重ね塗りをしたいときには助かります。
私はとてもせっかちで、次々重ね塗りしていきたいので、乾くのが早い水彩紙はとてもありがたく感じました。下の色も動きにくいので、重ね塗りにも向いています。重ね塗りした色も濁りにくいですね。
赤の上にレモン色を重ね塗りしているのですが、重ね塗りできない紙だと、レモン色の方に赤が流れ出します。キャンソンヘリテージは、全然レモン色の方に、赤が染み出していないので、重ね塗りに強い紙だと分かります。リフティングもあまりできないみたいです。
紙目が独特
あとは独特の紙目かな。凹凸が大きく、規則正しく並んでいて、目立ちます。いかにも水彩紙といった感じですが、スキャンすると紙目はよく見えると思います。特に、白く塗り残したところではっきり紙目が見えます。画面全体に色を塗った絵ではそこまで目立たないです。この感じは、もしかしたら好みが分かれるかもしれません。
逆に粒状化色(グラニュレーションカラー)や分離色では、紙目のおかげで、絵具がくぼみにたまりやすく、綺麗に分離します。なので、粒子の大きさや差を生かした表現には合うと思います^^
マスキング
マスキングは一応できたのですが、一度だけマスキングテープを貼ったときに、少し破れてしまった事がありました。消しゴムなどには強いのですが、マスキングは一度試してから使ってみた方がいいかもしれません。
また、新たに分かったことがあれば追記します。
価格
お値段が際立って高いのが難点です。コットン紙はどれも高いですが、その中でもかなり高い部類に入ると思います。最高級と言われるアルシュと同等くらいです。先ほど書きましたが、ブロックよりもパッドタイプの方が安いので、そちらを買う方がお得感があります。あまり大きいサイズはないのですが、230×310mmと260×360mmの2サイズがパッドタイプで売られています。
他にも水彩紙のレビューのせていますのでぜひ読んでみてくださいね。