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アナログ原画の奥深さ!作品サイズによって何が変わるのか?色々な大きさ、形で描いてみよう。

アナログ絵のサイズ感について考えてみました。ミニサイズから大作まで、サイズが変わるとどんなことが変わるのか、まとめてみました。

アナログ原画のサイズとは?

サイズがある、というのはアナログ絵画独特のものです。デジタル画にはキャンバスサイズというのはあるけど、それはデータのサイズということであり、そこまでおおきな意味を持ちません。

拡大すればどこまでも細かく描けるのがデジタル!

でもアナログは紙のサイズで描けるものがガラッと変わってきます。どうしても小さなサイズに、壮大な背景付きの作品は描きにくいし、逆に等身大を超える大きな人物も描きにくいのです。

だからサイズについて色々考えてみようと思いました!自分の作品をベースに考えていくので、自分の場合はどうだろう?と当てはめて考えてみてください。逆に自分の描いたことのないサイズがあったら、こういう選択肢もあるんだとチャレンジの礎にしてみてください。

ATC ミニ原画

ミニ額

アナログ原画界最小サイズの3強が、ATC、豆色紙、セリアミニ額でしょう。

中でもセリアミニが一番小さいのですが、このサイズでは自分らしい絵が描けないと感じ、枯葉はラインナップから外しました。サイズは55mm×55mmです。

プレゼント用に描いたりすることもありますね!

ATC

ATCはわりと一般的になってきた規格ですね。ATCだけで販売することもありますし、額装することもできます。額装ATCは小さいながらも存在感があり、このサイズならではの魅力もあります。

こちらは額装ATCです。ATC用の額というのも少ないですが存在します。

もちろんんATCボードに書くという手もあるのですが、水彩紙に描いて、ATC用の額縁に入れるという方法もあります。こちらが水彩紙に描いたものです↓

こちらがそれをATC用の額で額装したもの。少し寸詰まりになりますが、豪華な感じになりますよね。

こちらは、マットをつけて額装したもの。ハガキ用の額に入れるとかなり豪華な印象です。見に来てくださった方も、ATCサイズとは思えない、とおっしゃってました。

豆色紙

豆色紙のサイズ感はATCと同じくらい。でも形が正方形なのでちょっと感覚は違いますね。こちらもATCのような厚紙ボードに貼られているものなので、そのままでも折れにくく販売向きです。

色紙独特の金縁がつくおかげで、そのままでも豪華な感じがありますし、たくさん集まると迫力があります。

こちらも額装するという選択肢があります。

ミニ額装論

これらのサイズは、あまりに小さく、「画風の都合上、制作できる作家さんと制作できない作家さん」に分かれると思われます。私はギリギリのラインにいるので、いずれこのサイズの作品はラインナップから外そうと思います。結局手間はハガキサイズやSMサイズを描くのと変わらないです。むしろ小さい分神経を使い、大変なことも。人物画は顔を描くのも一苦労ですね。

どんなものが得意なサイズ??

このサイズはなかなか奥が深いです。小さい画面ではあるので、人物描くと顔がメインにはなることが多いです。縦長のATCだとバストアップまで描けることもありますね。組み合わせるモチーフ次第で、思ったよりバリエーションは出せます。「背景なんか描けない、無理!」だと思ったけど、階段や遠くにお城や町などすこーしなら描ける。ギリギリだけど描けるというのが面白い!

面積が同じくらいでもATCと豆色紙では縦横比が異なるため、構図や描けるものは少し違ってきます。人物画と相性がいいのは、縦長のATCかなと思いますが、個人的なお気に入りは豆色紙の正方形の形です。このあたりは好みが出そうなので、どちらも試してみてくださいね。

販売ではどう?

制作する側は大変だけど(サイズの割に手前がかかる)購入する側は手頃な価格で作品を買えるので嬉しいサイズ。制作する側は、まず買ってもらう、知ってもらうためにはよいので、名前を覚えてもらうために期間限定で制作してみるのもおすすめ。小さいサイズを得意とする作家さんもいるので、このサイズを専門にするのも良いけれど、いずれは少し大きめの作品にシフトしていく方が、自分の世界観を打ち出しやすいかも。メインの作品のサブ作品として有効!枯葉は今まで70作品ほどこのサイズの作品を作りましたが、価格が手頃なこともあってほぼ全てお迎えされています。これからもしばらく作ってはいきますが、いずれ大きいサイズの作品にシフトしていきたいとも思ってます。

ひよこ
ひよこ

かわいいミニサイズ!

ハガキサイズ

ハガキサイズは105×148mmです。この規格は誰でもがイメージしやすいサイズ感だと思います。

慣れないうちは「ハガキも小さすぎるぜ!」と、思っていましたが、ATCに慣れると「ハガキはむしろかなり広い‼️」いろいろ描けるサイズと実感するようになりました。

どんなものが得意なサイズ?

人物の全身(立ち絵)入れるのは難しいのですが、座ってれば何とか入るという感じです。

とはいうものの、自分の作品を見返してみたのですが、やはり全身を入れようとすると人物はかなり小さくなり、顔が詳細に描けないのです。なので、全身入れるなら、やっぱりSMサイズ以降だなという感じです!(無理はしないでおこう)

なので、ポストカードサイズの作品だとバストアップか腰くらいまでの構図が多くなります。ただ、工夫次第でかなり自由度が高く可能性に満ちたサイズ。構図も色々な選択肢があります。

販売ではどう?

売る立場からも買う立場からも、お手頃で導入によいです。ミニ原画が小さすぎて制作無理な人はこのあたりを最低限に考えてもいいかも。ここまではミニ原画というジャンルに入る。

インチ額に入れれば、本格絵画として成立するし、ハガキやキャビネに入れればミニ原画という感じになるし、規格としてあまりにメジャーなサイズなので、額なしでも売りやすいサイズ。ドローイングを販売する時は、中途半端なサイズにはせずにハガキサイズにするのがおすすめです。お迎えした後の額装のしやすさは抜群です。

かれは
かれは

フォトフレームなど、額の種類も豊富♪

SMサイズ

SMサイズは158×227mm

小さいサイズの絵は作らないというタイプの作家が、最低限に設定するのによいのがSMサイズ。SMサイズは私にとって立ち絵全身がギリギリ入るサイズで、ポーズも色々取れます。

同じバストアップでも顔や服の柄も細かく描ける!腰くらいまでは余裕!ポーズも腕を上げたりできる。趣味で描くなら小さいサイズで描くメリットはないのでSMは練習にも良いサイズ。高級な水彩紙のお試しもしやすい。このサイズは小さいサイズの中では描きやすさで万能です。

このサイズの作品も手頃故に人気が出がち。世界観を生かしたガチの作品はこのサイズから。

ミニ原画からは外れるので、このサイズからは必ず額装しています。こちらは八切りの額に入れるとしっくりきやすくバランスもきれいです。

ひよこ
ひよこ

気軽なサイズ感!

F3

このあたりからが、枯葉が本気で絵を描く時に使うサイズです。それ以下が手抜きということではないのですが、描きたいものを構想を持って挑んでいるのがこのサイズ以上です。小さいサイズでは、描きたいものが入り切らず、キャンバスの方に絵を合わせていく感覚があるのですが、このサイズ以上は描きたいもの伸び伸び描けています。

F3サイズは私たちが規格として見慣れているA4とも近いサイズです。かけるものはSMとさほど変わりませんが、やはりゆったりしているので、少し間や余白を取ることができますをあけたりする構図が可能ですし、背景などもじゅうぶん描けます。この間が取れるというのが結構重要でして。

絵って描いてある部分もすごく大事ですが、描かない部分にストーリーみたいなものを入れられるのです。小さいサイズでは詰めて描くしかないので、このサイズくらいからやっと余白が入れられるなあという感じですね。

販売ではどう?

SM作品と並んで、需要のあるサイズ。展示会での人気も高い印象。もちろんミニ原画に比べると数は出ませんが、このあたりのサイズからお客様の満足度も高くなっていく感じがします。最近ではこのあたりのサイズを基準として、たくさん作品を出しています。グループ展でもよく求められるサイズ感。

F4

F4:242×333mm

F4このサイズは作家が描きたいものを描くのに十分なサイズです。これだけあれば描きたいものは大体描けます。

ちょうどいいサイズ!もちろん全身も描けるし、背景もしっかり描けます。群像や広い背景の絵でなければ、このサイズで描けないという絵はほとんどないのではないかと思います。

小さいサイズの絵の完成系という感じ。

個人的にはこのサイズで描いたもので、拙作というものは少なく、なんとなく…で描き始めることがないからだと思います。かならず気合を入れて描いています。

販売ではどう?

作品の気合い度があがるためか、このサイズもそれなりに求められるサイズだと思います。もちろんミニ額と比べると数は出ませんが。価格はそれなりになってきますが、手が出ないほどの金額というわけでもないですね。大きさもさほどでないので、一般家庭でも飾りやすいサイズといえます。このサイズを購入された方は満足度高い!とおっしゃる方多いですね。

かれは
かれは

日本の家庭でも飾りやすいサイズ、らしいです!

F6〜F8

F6: 318×410

F8: 380×455

背景がしっかりついた作品はこのサイズに描いています。このサイズくらいから、人物中心より世界観重視になってきます。以前はこのあたりのサイズがメインでした。人物も顔を大きく描きたいときはこのサイズにしていました。

最近は、全体的に絵のサイズを下げているので、F8で描いていたものをF6で少しコンパクトに描くようにしています。

ただ、このサイズからは作品の価格も上がり、額装した後の大きさも圧を感じるものになってくるため、お迎えしてもらいにくくなります。ただ、個展のときなどに、この大きさは必須ですね。小さい作品ばかりだと、展示空間が疎になり、寂しい感じになりがちです。世界観を打ち出したい時に。

ひよこ
ひよこ

背景がしっかり描けそうだね

F10〜20、それ以上の大きな作品について

このサイズになってくると人物がメインではなく背景の方がメインの絵になってきます。そういう絵が描きたいことも多いので。このサイズの作品になると絵のクオリティがあがりやすかったです。世界観が100%打ち出しやすくなるからかもしれません。

このサイズ感になるとかなり作品価格があがってきますが、まれにお迎えしていただけることもあります。

原画販売すると価格が高くなるので、ポスター印刷して販売していた時期もありました。人物かバーンとこないためか、飾りやすいと評判もよかったですね。制作時間はかなりかかり、手間もかかってしまいます。

いばらひめは非売にしてしまったのですが、何度も購入希望があったのですよね。価格も悩ましい…↓

私が描くのはこのサイズまでです。額装が面倒になるの(規格の額に入らなくなってくる)と保管が大変なのと、搬入が大変なのと、価格が上がってお迎えしてもらいにくくなるのと、発送が大変なのと…と大きな作品を描かない理由はいろいろあります。

よく美大芸大卒の方が、50号とか100号とか普通だよ!とおっしゃっててすごいなと。いや、ほんとすごい!ここまでの大作を描くと何かが変わってきそうですね。ものすごい大きな画面でないと描けないものを考えてみたのですが、群像みたいなものはキャンバスが大きくないと描けないのでそういう感じかしら。9人の芸術の神とか、大きな森の絵とか大きな画面で描いてみたいかも。生涯で一回くらいは壁画みたいなおおきな面を埋めてみたい!と思ったりします。

ひよこ
ひよこ

それはそれで面白そうだね!
場所が困るけど…

形(正方形)

今度はサイズではなくて形の話をしたいと思います。

正方形。枯葉は正方形の規格を気に入っています。「枯葉さん、正方形の絵得意ですね!」と作家仲間さんに言っていただくことがあり「そうかも?」と思うようになりました。

長方形ではなくて、正方形でこそ映える構図もある。渦を巻いて循環するような構図や、人物を真ん中に配置して両側を少し開ける構図、案外余白が欲しい時なんかも正方形は生きてきやすいです。

最大の欠点は額縁の選択肢が狭いこと。あまり種類がないですね。しかも割高です。

なので長方形でも描けそうな時はふつうの規格で書いた方が平和かも。しれない。

あまり大きめの作品で正方形にチャレンジしたことがないので、販売で有利なのか不利なのかはさっぱり分からないです。小さいサイズでは、正方形は安定感があり、おさまりがいいのですが、大きなサイズになると正方形はちょっとおさまりが悪い感じもするんですよね。色々実験してみます。

縦長または横長

縦長のキャンバスも面白いです。縦長でないと描けない作品もありますね。縦を生かした構図。

横長もいいですね。個人的は寝そべっている絵とか横長で描いてみたいです。

まだ作例がないのでそのうちに✨

丸、楕円

丸とか、楕円、こういうのはマットでカットしてキャンバスを区切るのがいいですね!丸い構図は柔らかさがありますし、これでないとという絵もあります。また楕円はなぜかポートレート風になることが多いですね。曲線が入ることで、かなり雰囲気はマイルドになると思います。

そのまま丸い額縁に入れるのがいいのか、マットを丸で切ってもらって、正方形の額に入れるのがいいのか?ここは議論の余地がありそうです。人物の収め方などは限りがありますが、ぴったりハマるとすごく素敵です。正円はまだ挑戦したことがないのでそのうちに✨

変形のキャンバスというと、アーチなどもありますね。

キャンバスの大きさや形で、合うもの合わないものあって本当に奥が深いです。

奥が深い、キャンバスの大きさ

紙のサイズは窓の大きさ

同じものをサイズ違いでは描くのではなく、このサイズだとここまでしか描けない、みたいなのはけっこう大事だと思います!サイズを活かすということ。

枯葉は、「キャンバスは窓」だと思っていてそこからお客さんは作家の見る世界をのぞくのだと思っています。なので、キャンバスの大きさは窓の大きさ。キャンバスが大きければ窓も大きく、世界が広々見渡せるし、キャンバスが小さければ小さい窓から、小さな世界をそっとのぞくという感じです。

なので、小さいサイズだと、人物が至近距離で感じられ、大きなサイズの絵は遠くの世界を広々見ている感じがあり、そもそも感じられる世界のスケール感が全く違うんですよね。小作品には小作品の魅力があり、大きな作品は大きな作品でしか感じられないスケール感があります。

色々なサイズで描いてみよう

サイズで、描けるものはそもそもまったく変わってきます。いつも同じサイズで描いているという方は、普段描かないサイズの作品にも挑戦してもらいたいな!と。

枯葉は以前は大きなサイズの作品が多かったです。色々描いていくうちに、自分がもっとも描きたかったのが、F12くらいの水彩画だったんです。売れるかどうかなんてあまり念頭になかったので、描きたい世界観を打ち出せるサイズ感を好んでました。

これはじめてやった個展の写真なのですが、今見ると…↓

かれは
かれは

絵が大きい!!

そして活動再開してからは小さなサイズの作品をたくさん描いています(2年前くらいから)これは今まで描いてみたいと思ったこともないし、自分には無理だと思っていたサイズでした。小さなサイズには描けるものがないと思いこんでいたのですが、いざ挑戦してみるとなかなか奥が深かったです。小さいサイズということは、顔や手くらいしか入らないのですが、逆にそれだけに、顔の表情や感情の表現をできる!小さいからこそのよさもあるなって思いました。

そして小さな作品はとにかく値段が安いので、たくさんの方に求めてもらえる!絵を買うハードルはそれなりに高いので、まず最初にお迎えしていただくものとして、とてもよいなと思いました。絵は薄利多売のスタイルはよくないとか、小作品を売っても仕方ないとか、色々言われたりしますが、たくさん買って頂けるとそれなりにいいこともありまして。それは「おむかえされやすい絵の傾向がわかる」ということ「作品数が増えるとそれに応じて色々な試行錯誤ができる」ということです。

枯葉のつくる大作はせいぜい12号くらいなので、大きな作品を描き慣れている方からすると笑われてしまいそうですが、大きめの作品を描くときにわりとはっきり決めていることがありまして。それは小さいサイズで描いているものを拡大して大作としないということです。人物のサイズはあまり変えないで、世界だけを広くしています。なので12号くらいでも枯葉の作品は「大きいですね!」と言っていただくことが多いです。これがキャンバスのサイズに比例して人物も大きくなるとあまり大きさを感じにくくなってしまうような気がして。

大きな作品のいいところは、描きたいものが思いっきり描けるところと、飾ると迫力が出て存在感が出るところ、あとはサイズの大きなものを構成するのは単純に難しいので描き終えると自分の成長につながることです。なので、小さいものしか描いたことない、という方もぜひ大きめのものに挑戦してもらいたいな!と思いました。

かれは
かれは

少しずつサイズを上げていくのがおすすめです

ひよこ
ひよこ

ちょっと大きい紙を買ってみようかな?