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[透明水彩]オペラの比較、耐光性はどのくらいあるのか?実験結果も

透明水彩のオペラという色についてご紹介します。この色は特殊な色で、通常の赤で表現不可能な色域をカバーする色です。まさに色彩の魔術師。

オペラとは?

オペラとは、とても彩度が高い赤です。全く深みがなく明るい色なので、濃く塗ってもピンクです。あまりに明るいので蛍光ピンクをイメージすると分かりやすいかも。

全てのメーカーが、この色を作っているわけではなく、あるのはホルベイン、ウィンザー&ニュートン、シュミンケホラダム、ターナー、セヌリエです。通販のみですが、ダニエルスミスやミジェロにもオペラはあります。月光荘にもかなり似た色があり、トライアンローズという名前です。

オペラ比較

画面で色が全く再現できていませんが、どのオペラもとても鮮やかです。画像は、実際の色とは違うので、あくまで参考までにお願いします^^

ホルベインとウィンザー&ニュートンのオペラは似ています。深みのない明るいピンク。クセがなく、入手もしやすい。迷ったらおすすめのオペラ。

ターナーのオペラは少し深みがあります。

セヌリエのオペラは他のものに比べて、紫よりです。少し落ち着いた色かな。

シュミンケのオペラも明るめです。こちらはパンフレットに「混色は推奨しない」との記載がありました。

月光荘のトライアンローズは異次元の鮮やかさで、もはや蛍光ピンクです。この中で一番、明るく鮮やかです。青と混色したら、とても鮮やかな紫ができました。分離もしません。とにかく鮮やかさを求める人にはトライアンローズがおすすめです。

ひよこ
ひよこ

どれも鮮やかだね〜
とてもキレイ!

オペラの使い方

オペラはとても便利な色で、あまりに彩度が高い(鮮やか)ので、混色したときに色が濁りにくいということです。本当の意味で、三原色の赤に近いのかもしれません。

+青で紫を作る

特に重宝するのが、混色により紫を作るときです。

通常、赤と青を混ぜても、あまり鮮やかな紫にはなりません。絵に取り入れる時には、あまり鮮やかすぎない方が自然に見えるので、ちょうどいいのかもしれません。

ただ、紫やピンクの花を描く時などは、暗い紫では物足りないこともあります。

紫色の絵具があると、もっと鮮やかな紫を表現できます。

かれは
かれは

オペラを使って作った紫は、本当に鮮やかでキレイです!

が、オペラを混色に使うと、さらに鮮やかな紫になります。

ウルトラマリン×オペラ

特に明るい色の赤紫が中々絵具で表現できないので、ピンポイントでこの色が欲しい場合は、オペラで作るといいかもしれません。色々な混色を試してみましたが、オペラとウルトラマリンの混色が一番鮮やかな紫を作れる組み合わせでした。

フタロブルーイエローシェード×オペラ

フタロブルーとオペラの組み合わせもとても鮮やかです。こちらは鮮やかな青〜青紫も作れます。フタロブルーはイエローシェードでもレッドシェードでも大丈夫です♪

混色の紫をまとめた記事もあります。

+レモンでオレンジを作る

また、レモンイエロー(こちらも三原色にかなり近い色)と混色することで、かなり鮮やかなオレンジを作ることができます。

かれは
かれは

こちらも鮮やかな蛍光オレンジを作れます!

オペラもレモンイエローも深みのない色なので、混色でできたオレンジも深みがなく明るい色です。一色で表現するには物足りない色かもしれませんが、花や果実、人物肌のアクセントに使うことができます。

ただ、オレンジに関しては、かなり明るいオレンジ色の絵具も売られているので、そちらで代用することもできそうです。(シュミンケホラダムのサターンレッドなどはかなり鮮やかなオレンジです。)

単色でピンクとして使う

オペラは、かなり明るいピンクなので、鮮やかなピンクで塗りたいという時には活躍します。

あまりに鮮やかなので、他の色と調和させるのが難しいかもしれません。いっそのこと同じような明るい色で統一してしまうのがいいかもしれません。

ここまで、鮮やかなピンクはオペラだけ。唯一無二の色!

同じようなトーンで揃えたいなら、レモンイエローや、コバルトターコイズ、ホルベインのリーフグリーン、シュミンケのサターンレッドなどが相性良さそうです。

相性の良さそうな明るい色たち

また、かなり目立つ色なので、少ない面積でアクセントとして使うと、絵のトーンが明るく華やかになります。ちょっと物足りないときに少し、加えてみるといいかもしれません。

ひよこ
ひよこ

かわいい色たちだね!
スキャンで取り込めないのは残念だけど…💧

オペラでしか、できない表現というのもあると思います。

オペラの弱点

耐光性の問題

オペラの弱点は耐光性が低いことです。つまり日光による色あせに弱いです。

作品を家に飾る、または作品をギャラリーで販売するという場合は気をつけた方がいいかもしれません。私も作品を販売することが多いので、耐光性が気になり、パレットには入れていません。

ただ、作品をスキャンして入稿し印刷物を作る場合や、自宅で保存して楽しむ分には全く問題ありません。それぞれ最終的にどのような形を目指すか、で変わってきます。

ひよこ
ひよこ

自分用に作品を描くなら、特に問題ないね!

他の赤で代用するのもアリ

オペラは単色では明るすぎて、スキャンする時に取り込むことができない色で、また印刷する時にも表現されにくい色です。なので、混色して鮮やかな紫を作るという用途以外だったら、他の赤でも代用が可能です。

オペラと色が比較的近いのは、ウィンザー&ニュートンのパーマネントローズや、シュミンケホラダムのルビーレッド、パープルマゼンタなどです。特にパープルマゼンタは、紫よりの赤で、しっかりした濃さもありながら、かなり鮮やかなピンク色を作れるので、私はこれで満足です。混色して紫を作る時にも、いい仕事をしてくれます。

かれは
かれは

下の記事で、ピンクを作れる赤の絵具を紹介しているよ

実験してみよう

「オペラの耐光性は、どのくらいのものなのだろう?」

「耐光性の高い色と、どの程度差があるのか?」

「販売する絵にオペラを使っても大丈夫なのか?」

という疑問が湧きましたので、オペラの耐光性の実験をすることにしました。

各社のオペラを塗った紙を窓に貼り付けておきます。(あまり日当たりが良くない南西、1月〜4月なので、紫外線の強くない時期)

耐光性のある、ウルトラマリンとフタロブルーも一緒に塗っておきました。どのくらいで変化が起きるのかは、Twitterで報告しています。

実験を開始したのが、2021年の1月7日。4ヶ月経ったので、結果を報告しますね。

まず1週間後の報告がこちら↓

実は1週間でかなり色が薄くなりました。

特に月光荘のトライアンローズは色が全体的に薄くなっています。

他のオペラも全体的に色が薄くなりました。

そして4ヶ月後…

月光荘はさらに薄くなりました。元の色とは全然違う色に。一番変化がありました。

ターナーは色味自体も変わり、青みが消え、赤っぽくなりました。

セヌリエは彩度が全体的に落ち、渋くなっています。

ホルベイン、W&N、シュミンケは同じような感じで、全体的に鮮やかさだけが抜けています。

オペラは蛍光顔料とPR122(赤紫色の顔料)の混合であることが多いですが、蛍光顔料だけが1ヶ月くらいで、さ〜っと色抜けし、その後耐光性の高いPR122の色味だけが残るようです。

なので、色褪せすると、ムラになってしまいます。

ホネ山さん(@jam732142)のオペラ耐光性実験でも同じような結果が出たようです、私が実験に加えていないダニエルスミス、ミジェロ、クサカベ(シャインパール)の情報もあります↓

水彩絵の具メーカー比較 オペラ耐光性選手権

ちなみにですが、一緒に塗っておいたウルトラマリンとフタロブルーは耐光性の強い色ということでしたが、やはり4ヶ月日に当たっていても、まったく色あせはありませんでした。やはり全然違うのですね。

左が日にあたっていた方、右がファイルに入っていた方

オペラでしかできない表現もある

とはいえ、オペラでしか表現できない色もあるので、愛用者が多いというのも、うなずけます。その段違いの鮮やかさと明るさから、他に代用の効かない色であるというのは確かなんですよね。

特に紫系を作るときには、オペラの混色がとてもいいです。かなり鮮やかな紫になります。他の赤ではここまで鮮やかな紫にはなりません。この色域を作るときにはやはりオペラ。

ひよこ
ひよこ

キレイな紫が作れる貴重な絵具、オペラ✨
でも色あせには弱い〜💦

耐光性の弱さも、個人で楽しみのために使う分には問題ないと思います。今回実験でも、ファイルに保管しておいたものは、特に変化はありませんでした。作品を販売するのであれば、オペラを使うのはやめておいた方がいいと思います。(日光の当たる部屋に飾られることもあると思うのです)思ったより、色の変化は激しかったです。

また、分かったことがあれば追記しますね。そしてオペラの代わりに使える絵具についても記事を書こうと思いますので、お楽しみに〜!