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ぎゃらりぃあと「長閑やかに溶ける」出品作品〜テーマの掘り下げ方、創作の過程なども紹介

ひさしぶりの展示作品紹介となります。展示自体もぎゃらりぃあとさんも久しぶりです。今回は作品ができるまで、をたっぷり書きました。

ひさしぶりの展示

ひさしぶりの展示です。去年展示をつめすぎたので、今年はゆったり活動しています。大阪のぎゃらりぃあとさんにお誘いいただき、初の企画展の参加です。

展示のテーマは「布団に入って眠りにつく前のひと時」

期間は9月20日(水)〜24日(日)です

いつも展示前には、このように作品紹介をするのですが、どのようにコンセプトを決めたりするのか、額はどんな風に考えているか、ということも盛り込んでみました。何か参考になれば!

展示空間から使う画材を逆算してみた

今回は特殊なライティングの展示とのことで、いつもより少し薄暗い展示空間での作品展となるそうです。なにしろ、作品に直接光をあてず、「間接照明」のみとのこと。最初はどんな作品が仄暗い中でも映えそうか、色々考えてしまいましたが、お写真を見せていただいたら、想像よりは暗くなかったので、そこまで考えなくても大丈夫だ、と思いました。

ひよこ
ひよこ

面白そうな展示だね
どんな感じになるのかな?

かれは
かれは

絵の見え方はいつもと違うかもしれません!

ただ、少しうす暗いとキラキラがすごく映える(キラキラ光りやすい)のは、間違いないので、「キラキラする絵具」を要所要所に使った作品にしよう!と決めました。

こちらのホルベインクロマパールと、ターナーのラメシリーズ、あとはクサカベのアキーラのゴールを選びました。最近は、控えめなキラキラ✨よりもギラギラ🌟の絵具の方が好きでして!あからさまに光っているくらいの絵具のほうが、額装した後もキラキラが見えやすいんですよね。

というわけで今回はきらきら、ではなく、ギラギラさせていきます!

テーマの掘り下げ

まずテーマについてあれこれ考えました。「眠りにつく前のひととき」ということで、テーマは「眠り」ではないんですね。あくまで「眠りにつく前の時間」。

みなさん、寝る前何してます?最近、枯葉は疲れすぎていて、ベッドに横になると、気を失うようにすぐに眠りに落ちているのですが、もし時間と体力に余裕があったら、眠る前に何を楽しむかな…。最近は、すぐスマホを見ちゃうんですよね。SNSをチェックしたり、Youtube見たり(Youtubeは最近見なくなったかな)いやスマホは絵のテーマから外そう…。

と考えた結果、眠りにつく前にしたいことは、読書、音楽を聞く、未来の妄想、この3つでした。これらはスマホがなかった時代に、実際によくやっていたことでした。

ひよこ
ひよこ

ゆったりした時間だね

(スマホによって豊かな時間が失われている!反省反省😂)

今回それらを絵に組み込んでみることにしました。

そして、女の子は全員、寝間着姿です(レアかも?)パジャマやネグリジェ、部屋着という言葉は個人的にしっくりこなくて、寝間着という言葉の響きが好きです。

こんな風に描く前にテーマの掘り下げをしてみるのはおすすめです。そして、絵に使う小道具の雰囲気も統一しておくといいです。枯葉はあまり現代の物語は描きません。過去の物語か未来の物語が多いです。なので、今流行っているものや現代的なモチーフはあまり絵に入れません。ちょっとレトロな雰囲気を心がけています。そういう意識も作品群の一貫性という意味では大事だと思っています。

どんな絵になったかご紹介しますね。

まどろむ空の色

コンセプトと制作について

こちらの作品は「読書をしながら、いつの間にか眠りにおちる」をテーマに描きました。

天蓋付きのベッドなのか、ベッドにカーテンがついていて、その向こうが夜空。そしてベッドの足元には夕空。うとうとと眠りにつく1秒前。読みかけの本はそのまま。浮かぶ光景は現実なのか、非現実なのか?まどろみが時間の感覚を溶かしていく、そんな様子を表現できたらと思いました。

「眠る少女」は以前(15年くらい前)によく描いていたモチーフでしたが、ひさしぶりに描きました。今回は八切りサイズの額におさまるように小さめに描きましたが、もう少し大きくてもよかったかな。ぎゅっと世界観が詰まった感じになったと思います。

流れ星はキラっと光るので、現地で見れる方はぜひ見てください。

これがアイディアスケッチです。タイトルはなかなか決まらなくて10個くらい案を考えました。やや横長の絵を考えていましたが、空を大きく取りたくなり、縦長にすることになりました。

こちらがサムネイルスケッチですね。

2枚描きました。最初に描いた左のものは、全体的に落ち着きすぎていると感じたので、右のものでカーテンのすそを本の水色と同じにしてみました。明るい色が下の方にくると清涼感がありますね。本の世界が、現実の世界に侵食してきているイメージです。

額装

額はラーソンジュールの規格額「マンティーヤ」の金を選びました。お店で一目惚れして購入しておいた額が、作品にぴったりでよかったです。

マンティーヤは金、銀、黒、どれも好きで使っています。枯葉の作風とすごく合った額だと勝手に思っています。規格額にしては高いので、迷いますが、やっぱりこれを選んじゃいますね。

ラーソンさんに反応いただけてるー😭

マットは今回マルニさんにお願いしました。はじめて溝加工を選びましたが、想像よりもずっとよかったですね。マルニさんの溝は細めですごく上品でした。とってもイイ。溝加工はダブルマットほどインパクトはないのですが、さりげなくてすごく素敵でした。またお願いしたい!

またいつかの物語

コンセプトと制作

こちらは「未来への妄想」をテーマにしました。流れる時間は夜だけれど、「またいつか」どこかへ行きたいと願う女の子です。

最初のラフスケッチとサムネイルスケッチでは、飛行機はなかったのですが、どうしても入れたくなって。今年の夏は「沖縄台風巻き込まれ事件」で飛行機の欠航に苦しめられました(とった飛行機が3回も欠航に)「飛行機はしばらく懲り懲りだけど、でもまたいつか乗って旅したい」という気持ちなんですよね。

飛行機のぬいぐるみを描きました(飛行機のぬいぐるみ、ってシュールで可愛くて好きです)

女の子の髪飾りやエリや袖、飛行機が虹色にキラキラします。これはターナーのラメシリーズを使ってます。ラメが大きいので、かなり激しく光ります。

これ、実物を見て欲しいなあ!キラキラです。すごく可愛いのです。うすぐらい展示会場でキラキラするはず…。

この作品、あまり枯葉らしくないようにも思うのですが、今まで描いてこなかったものを描けたような感じがして、すごく満足してます。

水彩紙はストラスモア(廃盤になりました(~_~;)真っ白なので、女の子の着ている服のラベンダー色の洋服の色がとてもきれいに出てくれました。もう廃盤なので1枚も無駄にできない感じ…。一枚ずつ大事に使います。

ひよこ
ひよこ

はいばん…

額装

額装はサムトレーディングの「ロッサ」の白を選びました。ロッサはサムトレーディングの中でもお気に入りの額ですが、(金、銀、黒は使ったことがあるのですが)白ははじめて!ロッサの白は真っ白(普通の白額は模様の部分にアンティーク風の汚し塗装があったりする)なので、すっきりしていておしゃれではあるのですが、なじみにくさもあると思っていたのですが、この作品にはこれ以上ないくらいしっくりきました!

白い額に白のマットではあまり額のよさが引き立たないので、グレーのマットにしました。でもグレーだけだとちょっと暗いし、で、内側に真っ白のマットを入れて、ダブルマットにしました。

サムトレーディングさんに褒めていただけたっ😂

「月夜のオルゴール」

こちらは直前に制作した作品です。いつもは出品する1ヶ月前に作品が出来上がっているのですが、なぜこんなことになったかというと…。

規約を読み落としていたからですね。本当はポストカードサイズの作品を2点出品しようと思っていましたが、今回の展示、小さいサイズの作品は出品できない、というルールでした(完全に自分のミスです💧)

ひよこ
ひよこ

よく読まないとだね!

作品自体は2点出来上がっていたので、そのままでもいいかなあと思っていましたが、せっかくなので、「できることならもう1点出したい」と思い…。

出来上がったら「出品する」、間に合わなかったら「11月の個展に出す」ことにして、制作をはじめました。

とりあえずどんな作品にするか考えます。時間がないため、今まで描いたことのある作品に近いものがいいなと思いました(まったく新しい要素を入れる、挑戦作はさすがに時間が必要なのです)

ちょうど1年前、三日月にのる月の女神を描いたので、今回は女神ではなくて普通の女の子にしようと決めました。眠りにつく前に、というテーマなので寝る前にやりがちなことで、まだ描いていなかった「音楽を聞く」を選びました。オルゴールは入眠にぴったりだし。

煙のように漂うのは、メロディ(旋律)です。

色も最初に考えておきます。「まどろむ空の色」は金色のキラキラで統一、「またいつか の物語」は白のキラキラで統一。別の色を使いたいなあと思って思いついたのが、ホルベインのクロマシャインのピンクで三日月を塗るアイディアでした。(何か一つだけ新しいことを取り入れたい)

右下の絵具がクロマシャインピンクです。

うん、とても気に入ったので、この色合いでいきます。

パジャマなので少し透けててもいいよね(謎)

とりあえず深夜に下書きだけして、おやすみなさい。

次の2日間でめっちゃ塗りをがんばりました。

2日でここまで。最後、手が腱鞘炎ぽくなりました。(痛くて湿布貼った)

ピンクの月は、正面から見るとピンクですが、角度を変えると黄金色になって「おお」となります。ああ、実際に見てもらえたら!!

そして漂うメロディは、ピンクと黄色にキラキラします。こちらはクロマパールピンクとイエローのほうです。

ちょっと時間制限ある中での制作になりましたが、すごく気に入っています!

ぴったりの額を探さなくては!世界堂、額装探訪記はこちら、↓

こちらの額、世界堂オリジナルだそう。名前は「セラミカ」新しく入ってきたものだとか。ピンクがかったベージュが、月の色とぴったりだと思い、これを選びました。マットもすこーしだけピンクがかっています。

描けてよかった!

今回の3作品は、作品のタイプも額装も全く対照的な感じにあえてしています。「まどろむ空の色」のマンティーヤの方はクラシックで重厚な雰囲気、「またいつか の物語」のシャルムホワイトの方は可愛く軽やかな感じに、最後の「月夜のオルゴール」のセラミカは神秘的に。背景の紺色の空は同じような色で塗っていますが、周囲にある色が全然違うので、雰囲気も全く違う感じになってます。

どちらのタイプの作品もとても満足な感じになって嬉しいです。

お迎えがなければ、個展にも飾ります。

ドローイング

ドローイングも描きました。眠りにつくまえに、をテーマに色々描きました。

今回は分離色の絵具を使いました。

「入眠のおまじない」こちらはクサカベハルモニアの「アークティックオーシャン」を使いました。紙はランプライト。

「また明日」

クサカベのパープルスピネルを使用しました。紙は廃盤になってしまったキャンソンヘリテージの細目です。残念…。

「眠りに落ちる」こちらはシュミンケホラダムのディープシーバイオレット。紫からピンクがのぞくのがお気に入りです。文字が入った水彩紙に描くとかっこいいね(カットしちゃいましたが)こちらはアルティスティコ(新しいもの)

「この日を忘れない」クサカベハルモニアのウィッチボルドー。最近お気に入りになった色です。下地にもよさそう。赤茶色っぽい色ですが、乾くと赤と青がうっすら分かれます。きれいな色!

並べるとこんな感じ。

ドローイングは背景にそれぞれマッチする色の色紙を敷いてます。ちょっと強度が増すといいのですが。見た目もちょっといいですね。

ドローイングと普通の作品の違いを聞かれるのですが、単純に制作時間です。(色数も1色〜2色)枯葉は基本的に1時間で描いたものをドローイングにしてます。長くても2時間です。時間はかけていませんが、でも1枚ずつ心をこめて描いているし、クオリティの高いものだけ厳選するようにしています。

ときどき、あまり使わない新しい絵具を試したり(分離色など、単色でしか生きにくい絵具など)キラキラの絵具をしあげに使ってみたり、色々な塗り方を試してみたり、そういう実験の場としても利用しています。

時間をかけない分、塗りに勢いが残ったりしていて、気に入っている作品も多いんですよ。

なので、気軽に楽しんでいただけたらと思います。

展示情報

「長閑やかに溶ける」

会場:ぎゃらりぃあと(大阪、黒崎町)

会期:9月20日(水)〜24日(日)

時間:13:00〜20:00(最終日のみ18:00)

販売、作品申込のルールはこちらからどうぞ

ぎゃらりぃあと 長閑やかに溶ける

あ、そうそう、今回在廊を予定しています。23日の土曜になると思うのですが、関西の方とお会いできたら嬉しいです!!