今回は、とても便利な色、サップグリーンについてお話ししたいと思います。
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サップグリーンは黄緑色
サップグリーンは黄緑色の絵具です。それも少しだけ彩度の低い(ちょっと渋い)黄緑色。

これはホルベインのサップグリーンです

黄緑は色相環の中では、黄色と緑の間に位置します。
混色して簡単に作れる色ではありますが、とてもよく使うので、パレットにもよく入れています。
サップグリーンで表現できるものは多い
葉っぱや茎、果物、野菜、春の新芽、草原。。。

植物であれば、黄緑の部分は必ずあります。場合によってはもう少し、濃い緑のこともありますが。
よく観察してみると、植物の葉っぱなどは、そこまで彩度が鮮やかなわけではないのです。少しだけ、渋い色です。

ちょっと渋くて、本物の葉っぱみたいな色♪
鮮やかな黄緑のこともありますが、絵では色々なものを画面に入れるので、バランスを取るため、少し彩度を落としたほうが、おさまりが良いこともあります。

もちろん、黄色と青の絵の具で作ることができる色みです。でもあまりによく使われる色なので、パレットに出しておくと大変便利です。一回一回作るのも手間なので。
もちろん、青と黄色で黄緑を作る方法も、マスターしておくと幅が広がりますね。どの黄色とどの青を選ぶか、で色々な黄緑作れます。

サップグリーンは完成された色
サップグリーンはあまりにもメジャーな色なので、どのメーカーでも見つけることができます。
サップグリーンは、どのメーカーの色も、ちょうどいい色みに調整されています。なので大変使いやすいです。絶妙!
ホルベインの12色セットにパーマネントグリーンNo.1という色が入っていますが、かなり鮮やかな色なので、ちょっと渋いサップグリーンのほうが断然使いやすいと思います。
緑はあまり鮮やかすぎると、そのまま植物の色として使うことができませんが、サップグリーンは混色しないでそのまま使うこともできて、とても便利なんです。

サップグリーンの混色
サップグリーンに混色するとさらに便利!
どんな色とも相性がいいのが特徴です。色々試してみたのがこちら↓

黄色系と混ぜれば、涼しげな黄緑に。オレンジや茶色と混ぜるとさらに渋みのあるオリーブ色に。青と混ぜると爽やかなブルーグリーンに。
黄緑は、少し幅を持たせるととても魅力的なので、イメージや他の色に合わせて色のイメージを変える事ができます。加える色は少しでいいと思います。個人的には混ぜきらないで、一滴にじみに使うのがオススメ。

メーカーごとに色が違う?
サップグリーンはもともと、植物から取られた古典的な顔料だったようです。
今は、耐光性の高い顔料を混合して作られています。
黄緑の顔料というのはほとんどなく、大体、黄色の顔料とフタログリーンPG7(ホルベインだとビリジャンヒュー)か、PG36(ホルベインだとバンブーグリーン)の顔料が混ぜられています。そこに赤の顔料が混ぜられて、色が渋めにされているものもあります。
ホルベインだと、
- PY150(透明感のある黄色)
- PG7(ビリジャンヒュー)
- PR122(キナクリドンマゼンタ)
3つの顔料で構成されています。ウィンザー&ニュートン、シュミンケホラダム、クサカベは黄色の顔料と緑の顔料の2色で作られています。
それぞれ、混ぜられている顔料や配分が違うのでメーカーごとに、「サップグリーン」という同じ名前でも色が違います。

黄色味が強いのが、クサカベとホルベイン。クサカベはかなり明るめの色で、さらに黄色味が強いです。ホルベインは独特の渋み(赤系の顔料が混ざっています)があります。
青味が強いのがシュミンケホラダム、ウィンザー&ニュートン、ターナーです。中でも鮮やかなのはシュミンケホラダムですね。ウィンザー&ニュートンとターナーは渋めです。
ここには載せていませんが、マイメリだけは、単一顔料で、PG17という別の顔料が使われています。色のイメージはターナーのサップグリーンと似ています。

どのサップグリーンがいいかな。
迷っちゃうねえ…
どれもいい色でNo .1を選ぶことはできませんが…個人的なお気に入りはホルベインのサップグリーンです。
思いいれのある色
私はサップグリーンの色がとても好きです。初めて透明水彩を買った、20年前からサップグリーンはずっとパレットに入り続けている、自分にとっての定番色です。あまりに好きなので、色々なメーカーのサップグリーンを買ってしまいます。

葉っぱを塗るときの基準の色として使う事が多く、サップグリーンに別の色を混色して、調整しながら塗っています。植物を塗るのには、とても自然で取り入れやすい色だと思っています。
黄緑色を混色で作るのも素敵ですが、パレットに入っていると安心感があります。実はどんな色とも相性がよく、赤やピンクだけでなく、黄色や紫、青など様々な色の引き立て役にもなれます。

色々な使い方があります。
特に植物を描く人、必見!
ちょっと雰囲気の似ている色としては、ホルベインのパーマネントグリーンNo.1やリーフグリーン、シュミンケホラダムのメイグリーン、あとはあらゆるメーカーで見かけるクロミウムオキサイドグリーンなどです。どれも同じように使う事ができると思います。
基本7色の買い足しとしてもオススメです。
メーカーによって違う色味なので、比べてみるのも面白いですよ。気になった人はぜひ参考にしてみてくださいね!