今回はメーカー、絵具の種類を飛び越えて、キラキラ絵具の話をします。
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キラキラ絵具について
皆さんはキラキラ好きですか?枯葉はというと、数年前までは、キラキラといえば「金」か「銀」くらいしか使ったことがなくて、輝きの強い絵具を見てもイマイチ使い道を見出せず。キラキラにはあまり積極的ではなかったのですが、ここ1年でびっくりするほど、色々な種類のキラキラ絵具を使うようになりました。(通常色はあまり買わなくなったのですが、キラキラ系の絵具は少しずつ買い足しています)
また、買うだけではなく、「キラキラをどう作品に生かすか?」ということも真剣に考えてきました。
特に新しいタイプのキラキラは、まだ作品に生かして使っている作家さんが少ない!
ならば、布教してもっともっとたくさんの作家さんに使ってもらわなきゃ、と思いました。今まで使ったキラキラ絵具の中でも、特に気に入って作品に使用しているものをご紹介したいと思います。
ちなみに、透明水彩のキラキラ絵具だけではなく、重ねる分にはアクリル絵具やアキーラ絵具のキラキラ絵具を使っても大丈夫ということも分かってきましたので、水彩ユーザーさんもぜひぜひチャレンジを!
ちょうどクリスマス前ということもあって、ご友人やお子様へのプレゼントにも。
絶対に喜ばれますよ!!
キラキラは正義✨
ホルベイン クロマパール
まずはホルベインのクロマパール、クロマシャインです。こちらは「イリデッセンスシリーズ」という名称ですが、検索にかけるときはクロマパール、クロマシャインでOKです。
こちらにレビューを書いているので、詳しい色のバリエーションなどはこちらで↓
私が特によく使っているのが「クロマパール」のシリーズです。
こちらは枯葉の作品を実際にご覧になったお客様が「一体どの絵具を使っているんですか?」とよく質問がくる絵具です。
実際に見ないと伝わらないのですが、かなりキラキラが強いです。この輝きの強さと華やかさは、かなりインパクトがあります。はじめて使ったときは、もうびっくりしました。
ものすごく美しい!!
厳密には偏光色というコンセプトなのですが、透明性が強いこともあって、そこまで「角度で色が変わる」感じはありません(盛り上げたりすると偏光性が出てきます)
色は、クロマパールレッド、クロマパールイエロー、クロマパールグリーン、クロマパールブルーに、新色のクロマパールピンク、クロマパールアジュール、クロマパールバイオレット、クロマパールライムで全8色です。
特に使用頻度が高いのは、クロマパールイエローとクロマパールブルーの2色で、すでに2回リピートしてます。
あらゆる絵に使っているので紹介しきれませんが、こちらの白い襟にクロマパールイエローを重ね塗り、青い洋服の上にもクロマパールブルーを重ね塗り。全体キラキラしているのですが、全然写真にうつらないですね💦
こちらは星がクロマパールレッドで、盛り上げているのでまた違った見え方でした↓
小作品にもめちゃめちゃ使っていますね。全部、絵具を塗ってから重ね塗りです。透明な絵具なので、下の色がちゃんと見えて、さらにキラキラの要素がプラスされる感じ。
枯葉の作品で妙にキラキラするのがあったら、大体クロマパールシリーズです。
ただ難点はキラキラが強すぎるので、画面全体に塗るのはおすすめしません。人物だと肌の部分までかかると繊細な塗りや描写が目立たなくなります。キラキラさせる部位を絞って、局所的に使うのがおすすめです。
ちなみに透明水彩との併用ですが、しっかり乾いた上なら重ねることができます。が、下の色が溶けてしまうような水彩紙の場合、重ねると下の色と混ざってしまうことも。定着の良い水彩紙と柔らかい筆を使ってそっとのせましょう。どうしても下の色を動かさずにガッツリ塗るなら、アクリル絵具の上にのせるのがおすすめ。
ちなみにクロマシャインの方は、色が渋めでかっこいいのですが、あまり枯葉の画風に合わず、活躍の機会がありません。この色合いに合う色彩を考えたいです。中でもクロマシャインピンクだけは、特別でお気に入り。時々使っています↓
大きいボトルと小さいチューブの展開があります。大きなボトルは高いので、まずはチューブをおすすめ↓アマゾンはセットだけなのですが、楽天は単品販売がありました。
個人的には新色のセットの方が、イラスト作家さんが好きそうな色がそろってるかも!と思いました↓絶妙にプレゼントにもちょうどいい値段。
アキーラのパールゴールド
次はクサカベさんにご紹介いただいたアキーラのパールゴールド。こちらも大のお気に入りでよく使っています。
一言でいうとこちらのゴールドは輝きが強く、主張強めです。光沢が強く、黄色っぽく、そして不透明です。
今までどちらかというとくすんだ青金色、アンティークゴールドのような黄色っぽくくすんだ金色が好みでした。絵に馴染みやすいからです。あまり黄色っぽくぎらぎら主張してくる金色はあまり好きじゃないな〜と。ですが、星のように面積の小さい部分では、このくすんだ金色だとあまり目立たなくなります。
こちらのアキーラの金色は、キラキラ感がありつつも、不透明でしっかりした発色で、面積が小さくてもとても目立つんです。
他のゴールドと比べてみると、一目瞭然!
最初はこのミニ原画で試してみたのですが、紺色の背景に金色をうかべ、衣装の袖口や襟の飾りなど小面積で使ってみたのですが…。すごくいい!小さい面積でもはっきりと発色し、輝きを放つ!特に暗い背景にものすごく映えていい感じです。
これはいい!と思って次、もう少し大きな紙で、同じような画題を試してみたくなりました。最初は洋服に濃く鮮やかな色を入れすぎて、「しまった、失敗したかも」と思ったんですよ。
でも洋服に模様を入れ、背景にアキーラのパールゴールドの星を入れたら…強い青と背景のバランスがとてもよくなりました。写真ではちょっと分かりにくく、普通の金色に見えてしまうのですが、斜めから見ると、星がピカッと光ります。
こちらの写真、星がキラッとしているのが見えやすいですね。光沢はアクリル板であまり見えなくなってしまうこともあるのですが、こちらはきらっとした感じがよく見えます。展示会場でライトを浴びると余計に綺麗に見えました。
すっかり気に入ってしまった枯葉は、夜空の星を金色にしたいときには、アキーラの金色絵具を使うようになりました。この写真がアキーラの金絵具の星がピカッと光っている様子がよく分かるかも↓
他にもシルバーとコパー(銅色)があり、それぞれそれも良かったですが、特に気に入ったのはパールゴールドでした。
透明水彩への重ね塗りも問題なくできましたが、広範囲に塗るのなら、アクリル絵具やアキーラの上がいいかもしれません。
ターナーアクリルガッシュ パールホワイト
ターナーアクリルガッシュのメタリックカラーはとにかく種類が多く、個性的なものも多いので、また別個に記事を作らなくては!と思っているのですが、特に好きなパールホワイトをご紹介します。
枯葉は銀色の中でも、あまりグレーっぽいものじゃなく、白っぽい銀色が好きなのですが皆さんはいかがですか?白金って感じの色です。
でも案外ありそうでないんですよね。
そこで見つけたのが、このパールホワイトです。もちろん銀色というより、メタリック系のホワイトというニュアンスなのだと思いますが、枯葉からすると、理想の白金色。
この色、本当に使いどころが多いです。あまりに素敵なので、紹介するのを迷った(私だけのものしておこうかな)と思ったのですが、やっぱりたくさん売れて欲しいので、紹介します!!
こちらは↑月に使っています。銀色ほど暗い感じにはならず、明るめの光沢だけあるので、とっても美しいです。アクリルガッシュなので隠蔽力もあります。
こちらもすごくお気に入りなのですが↑背景の一部がこのパールホワイトですが、本当に発光しているので、特別な感じがあります。白で残したいけど、紙の白では物足りない時にいいですね。
すごくおすすめですし、安いのでぜひ!!
クサカベ シャインパール(螺鈿)
クサカベのシャインパールも種類が多くてとても楽しいですが、私のお気に入りは螺鈿シリーズ。
こちらのまやさんのレビューでも読めますよ✨
最初にお試しした時には、「これ、ホルベインのクロマパールと似てるな」と思ったのですが、顔料は違うものだそうです。ただ、どちらも偏光色で輝きが強く、透明であるという点は似ています。
ちょっとクロマパールシリーズと似てます✨
こちらは水彩絵具なので、お手持ちの絵具と混ぜて使うやり方もアリです。(クロマパールはアクリル絵具なので、重ね塗りはOKだけど、混ぜて使うことができない。一回やったらえらいことになりました笑)
クロマパールと比べると粒子が細かいのか、ギラギラ感はなく、繊細な輝きなので、よりたくさんまぶしたい時にはこちらを使うこともあります。
ケースは丸いケースで、筆で絵具を取りやすいですね。少し湿らせておくとガッツリ色が取れます。
宝石をテーマにした9連作の作品にいっぱい使いました。↓月とオパールに螺鈿イエロー
分かるかなあ、雲や月の部分が螺鈿ブルーです↓ 細やかな輝きです。角度で色変わります。
上の記事の中でまやさんもおっしゃってますが、緑だけ雰囲気が違います。そもそも顔料の種類が違うみたいですね。緑は地味なのですが、ガッツリ偏光色なので、これはこれで効果として面白いです。
鳥ですが、正面から見るとグレーで傾けると黄緑、すごくいい感じですね。会場でも色々な角度で見てもらって、面白がってくれた方が多かったです。
シャインパールも単品ではリーズナブルなのでおすすめですね。螺鈿シリーズの他にはクリスタルと偏光グリーンを持っています。
ターナーアクリルガッシュ和 玉虫色
最後はターナーの玉虫色です。こちらはかなり個性的で、他で類似の絵具を見かけないので、ご紹介したいと思います。使いどころは悩んでいましたが、最近この使い方いいなと思うような使い方が見つかったので、作例ともに参考までに。
こちらの記事でレビューをしているので、色のバリエーションは確認してください(4色展開です)
チューブから出すとこんな感じなんですよね!
この絵具の特徴は比較的粒子が細かく、艶があり、そしてものすごく偏光!真珠や夜光貝のような輝きがとっても美しい!角度でものすごく色が変わり、複雑な色合いになるのが特徴です。
キラキラというよりツヤツヤ?
真珠のようできれいです!
本来だと黒い紙の上じゃないと色の違いはよく分からないのですが…
おそらくメーカーさんの意図では濃い色の上に重ねることを想定していると思うのですが、枯葉はあまりそういう使い方はしたことがなくて、むしろ白いところに塗って真珠のような艶を楽しんでいます。
こんな風に余白の部分に塗ることが多いです↓
こちらの作品も余白の部分に塗っています。2色重ね塗りして、さらに複雑な色味にしています。その上からクロマパールを塗ったり。独特の光がきれいです!
あまりこれまでに紹介したキラキラ絵具とは違い、派手派手ではないので、広範囲に使っても違和感がない(目が疲れない)というのがお気に入りポイントですね。黒の上に使うという概念に縛られていましたが、白の上に使うのが個人的にしっくりきました。
こちらもお手頃な価格で、全4色揃いますので、ぜひ〜!
他に類を見ない珍しい絵具なので、ちょっとしたプレゼントにもいいかもですね。絵描きはみんなキラキラが好きなんです(多分)
みんなキラキラを使おうぜ!
というわけでキラキラ絵具について語ってみました。
今まで単発の記事にするまでもない?と思っていたものも、ご紹介できてよかったです。心からよいと思っていて、しかもよく作品に使っているものを選ぶことができました。
使ってみたくなっちゃった✨
どの絵具も単色ではお手頃なものばかりなので、ぜひ!
水彩画材でもキラキラのものはたくさん出ているのですが、全部は把握できていないのでそのうち。
過去には顔彩も紹介しているので、こちらも気になる方はどうぞ↓
ただ、あまり顔彩のメタリックカラーは、作品には使用していません。その理由はただ一つ、定着が弱いからです。指で触ると、キラキラがついてしまうほどに定着が弱いです。なので、額装した時にアクリル板の静電気で、キラキラが取れてしまう可能性もあると思って、あまり使わなくなりました。溶けやすくて、色はとっても魅力的なので、趣味では時々使うんですけどね。
キラキラは顔料の粒子が大きく、金属やガラスが原料なので重たいです。そういうものを接着するのは水彩のアラビアゴムではなくて、日本画の膠やアクリルの方が向いているのかもなあと。やっぱり接着力が強いので。というわけで、愛用のキラキラ絵具は必然的にアクリル系が多くなります。
このあたりも参考にしていただけると嬉しいです。
では楽しいキラキラライフを✨✨