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[水彩紙レビュー]ワーグマンについて

今回は水彩紙ワーグマンについてのレビューです。

オリオンのワーグマン

ワーグマンはオリオン社の水彩紙です。

素材ははっきりと明記がなく、ずっとパルプ紙だと思っていました。はっきりと書いていないので、分からないのですが、本にはコットンとパルプの混合紙とありました。

ですが、感じとしては、そこまでコットンの配分は多くないのでは、と思っています。

ワーグマンの特徴

  • 紙目が独特、凹凸がかなり目立つ
  • 表が中目、裏が細目、と両面使える
  • にじみは比較的きれい
  • 表面が強い
  • 弾きが強い
  • 発色は鮮やか
  • 重ね塗りはあまりできない

ワーグマン、どんな紙?

独特の表面

まず、とても独特の表面です。表は中目とのことですが、中目にしては凹凸が目立ちます。凹凸の形が規則的でかつ、くぼみが深いんです。なので、このくぼみに絵具が溜まって、独特の模様が浮き上がります。

特に濃い色の絵具を塗ると、この凹凸が目立ちます。塗っている最中は特に写真のような斑点模様が強く出るので、ちょっと不安になりますが、乾くと落ち着きます。

濡れている時は、
ブツブツがくっきり見えていて…
ブツブツどうなっちゃうの!?と焦りますが、
乾くと落ち着きます

スキャンした時にも、この凹凸はちょっと目立ちますね。

ただ、グラニュレーションカラー(粒状化色)、つまり粒子の荒い色だったりすると、はっきり粒子が見えて面白い表現になります。あとは分離色が好きな方!くぼみにしっかり粒子の重たい顔料がたまるので、とても分離しやすいです。市販の分離色にハマっている方、自力で分離色作るの好きな方、おすすめですよ〜!

くぼみに鮮やかな青がたまっています

はじきが強い、表面が強い

はじきが強く、絵具がつきにくいです。水張りをすると軽減されます。

ちょっと最初は絵具のノリが悪く感じられるのですが、描き進めていくと、大丈夫になってきます。

かれは
かれは

思い切って絵具をしっかりのせたほうがうまくいくよ

はじきとも少し関係すると思うのですが、表面も強く、毛羽立ちにくいです。下書きで、消しゴムを使っても、問題なかったです。水彩紙の表面の強さはとてもありがたいです。マスキングも大丈夫でした!

にじみはきれい

はじきが強く、しばらく紙の表面に絵具が漂っているので、落ち着いてにじみやぼかしの技法をすることができます。ただ、あまりに水分が多すぎると、ふちに絵具が溜まってエッジができやすいです。ちょうどいい水分量で塗ることが大切です。

グラデーションはキレイにできました。にじみもいい感じ!

乾くとにじみはとてもいい感じ。きれいです。

グラデーションも試してみましたが、きれいにできました。焦ることなく、ゆったりと作業ができました。また色合いも鮮やかに、はっきりと出ています。

重ね塗りはあまりできない

重ね塗りは、そーっと重ねればできます。全くできないわけではないのですが、コットン紙に慣れてしまうと、「下の絵具動くなあ💧」と感じます。もちろん下に塗る色にもよりますし、筆も柔らかければ大丈夫だったりします。

ですが、何度も重ねると汚くなりがちです。濃くしたいところは最初から強めに色を入れていくのが良いです。

色の着色はよいので、始めから濃い色に塗ることはできます。

裏の使い心地

裏面も使用できるという事で、裏にも描いてみました。

裏は表よりも、紙の凹凸が小さめです。あまり大きなくぼみがないので、私はこちらの方が好きかも。

ただ、表以上に弾きが強いです。あからさまに弾きます。

なんか拒否されてる感じする…

そのかわりに、裏面では重ね塗りが、割とできました。

表と使い心地が違うので、両面試してみるといいですよ!

個人的なレビュー

発色はいいし、ぼかしもきれいにできるので、割と本格的に使える水彩紙として、一時期使っていました。値段もそこまで高価ではないので、試しやすいです。

好みが分かれるのは、独特の紙目かなあ、と思います。

丸がたくさん並んでいるように見える紙目は、人によっては「苦手」と思うかもしれません。特に人物の顔を大きめに描いたとき、肌の部分もはっきり紙目が目立ち、絵具も少しくぼみに溜まるので、滑らかな肌感にはなりにくいんですよね。

たくさん絵具をのせてしまうとあまり感じなくなるのですが。

ただ、分離などはきれいに出やすいので、分離色で遊ぶにはぴったり。きれいに分離してとても楽しいです。

ワーグマン、表紙も以前より格好よくなったので(以前はおじさんの横顔シルエットだった)テンションも上がります。気になる方はぜひ!色々な紙を試して表現の幅を広げよう!!