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ウルトラマリンブルー(至高のウルトラマリンを見つけよう)

今回は水彩でも油彩でもアクリルでもお馴染みの青、ウルトラマリンブルーについて、ご紹介したいと思います。定番中の定番ですが、色の鮮やかさが美しく、やはり使い勝手の幅が広い色なので、その魅力をお伝えしたいと思いました(2023年、追記しました)

ウルトラマリンブルーとは

ウルトラマリンブルーって聞いたことあるでしょうか?絵具を触ったことのある方なら「よく知っている青色」なのではないでしょうか。名前くらいは聞いたことがある、という方も多いと思います。

ウルトラマリンブルーは少し赤みがかった、とても美しい青です。

このウルトラマリンブルーは全てのメーカーで「ウルトラマリンブルー」という色で売られていることもあり、とても有名な青色の一つです。

ウルトラマリンブルーの歴史はとても長く、昔は鉱石ラピスラズリから取った色のことを指していました。ラピスラズリが取れたのはアフガニスタン。名前の由来は「海marine」を「超えてきたultra」青ということだそうです。ちなみにこの海とは地中海のことだそうです。

ひよこ
ひよこ

なんてロマンチック✨

19世紀に合成ウルトラマリンが作られるようになり、誰もが手に入れることのできる顔料となりました。この合成ウルトラマリンは天然ウルトラマリンよりも、さらに鮮やかで安価です。

(私もラピスラズリの絵具を持っていますが、価格が高い割に、思ったより色は鮮やかではありませんでした。正直絵具のスペックとしては、合成ウルトラマリンの方が断然上なんですね。)

「こんな綺麗な青を、気兼ねせず使える現代に生まれてよかった!」と心から思いました。

かれは
かれは

ウルトラマリンは、今ならどこでも買える。
そして安い!!

ウルトラマリンブルーの特徴

ウルトラマリンブルーの顔料はPB29となります。

とても鮮やかな青です。色はやや赤みがかっているので、少し暗めに感じたりしますが、実際はかなり鮮やかです。それでいて適度に透明感もあります。

このウルトラマリンの顔料は、やや粒子が荒いというのが大きな特徴です。

でも最近では粒子が細かいウルトラマリンブルーというものも、開発されており、メーカーによっては粒子が細かめのウルトラマリンと粒子が粗めのウルトラマリン、2種類が展開されていることも多いです。

次の章で詳しくメーカー比較をしますが、2色展開されている時は大体こんな感じです。

  • 粒子の細かいウルトラマリン ウルトラマリンライトやウルトラマリンブルーという名前、色は明るめで、やや緑より、密度が高い
  • 粒子の荒いウルトラマリン ウルトラマリンディープという名前が多い 色は濃いめで紫がかった青、粗密感あり

粒子の荒いウルトラマリンは他の色と混色すると、混ざりにくく、分離する傾向にあります。それが嫌な場合は、粒子の細かめのウルトラマリンを選ぶのがおすすめです。とはいえ、粒子の細かめのウルトラマリンといってもフタロブルーのような粒子の細かさとは違います。やっぱりそれなりに粒子感がある場合もあります。ちなみに粒子は細かくすればするほど色が淡くなるそうです。

混色でも欠かせないウルトラマリン

私はこのウルトラマリンブルーが、とても好きです。単色でそのまま使うことも少なくないのですが、混色するとさらに活躍してくれます。

簡単に活用例をのせておきますね。

赤と混ぜて鮮やかな紫をつくる

このウルトラマリンの色は、鮮やかな紫を作るときには一番よく使います。本当にきれいな紫になります!

ピンク系や紫とは相性抜群ですね。フタロブルーのように色が強すぎないので、明るい紫になります。粒子が荒いウルトラマリンだと分離してしまいますが、それもそれできれいな紫になります。

紫を作るのに特化した記事、こちらも見てみてくださいね。

黄色を混ぜる

逆に、黄色系を足すとかなり鈍い色の緑が作れます。鮮やかな緑を作りたいときには、ちょっとウルトラマリンは向かないんですが、落ち着いた色が欲しいときにはいいですよね!

左がカドミウムイエロー、右はイエローオーカーを使った混色です。イエローオーカーの方がもはや緑ではないのですが、このくすんだ色はベージュのような使いかたもできます。

グレー系の色をつくる

また茶色やオレンジのような補色と組み合わせて、美しいグレーを作ることもできます。これも黒の絵具を使うよりも、色彩豊かに見せることができるので、おすすめですね!

分離色をつくる

粒子の荒いウルトラマリンだと、分離色作りやすいです!

そもそも市販の分離色もウルトラマリンが使用されている確率、かなり高いですね。シュミンケホラダムのツンドラバイオレットやツンドラブルー、ツンドラピンクやハルモニアのスターリーウィンター、ダスクスカイ、ブルーホール、他にもたくさんあります!

使い勝手のいい色が多い!

これはほんの一例でして。

ウルトラマリンで作れる色味は、とにかく水彩では使い勝手のいい色が多いです。鮮やかな紫から、落ち着いたブルーグレー、ラベンダー色、くすんだ緑や、鮮やかな青緑など、とにかくどの色も使える色ばかり。私もパレットは1年に一回入れ替えているのですが、ウルトラマリンだけは、最初に水彩を買った高校生のときから外したことがありません。他に代替できる色もありません。

粒子が荒いのは、弱点とも言えますが、かなり粒子の滑らかさにこだわっているメーカーもあるので、よく吟味してくださいね!

ウルトラマリンメーカー比較

ウルトラマリンは、少しずつメーカーで粒子の大きさや色の感じが違います。色々なメーカーのウルトラマリンの比較してみたいと思います!

シュミンケホラダムのウルトラマリン

シュミンケホラダムのウルトラマリンは3種類あります。

全て同じ色味になってしまっていますが、肉眼で見ると違いがあります。
  • ウルトラマリンファイネスト(PB29単一顔料、一般的なウルトラマリン。他メーカーに比べ、赤みが少ない。ウルトラマリンにしては粒子が細かめ)
  • ウルトラマリンブルー(ウルトラマリン+フタロブルーとの混合、ややくすんだ色味。価格が抑えられている)
  • フレンチウルトラマリン(粒子が荒く、かなり粒状化する。赤みが強く、紫がかっている。)

この中では、ウルトラマリンファイネストが一番おすすめです。ウルトラマリンファイネストは、他の色と混ぜた時分離しづらく使いやすいです。そして結構色も濃いめです。お気に入りでよくリピートして買っていました。

フレンチウルトラマリンの紫がかった青は、ホルベインのウルトラマリンディープと少し似ていますね。

ホルベインのウルトラマリン

ホルベインのウルトラマリンは2種類あります

  • ウルトラマリンディープ(ウルトラマリンライトより、濃さのある色で、色の幅が広い。紫がかった青。粒状化の色)
  • ウルトラマリンライト(明るめの色。)

ホルベインのウルトラマリンディープは、紫がかった色で、好みではありますが、分離もしやすいし、ちょっと癖があるかなと思うので、初心者にはウルトラマリンライトをおすすめ!ただこのウルトラマリンライトは色がやや淡めです。すごく粒子が細かいかというと…そうでもないですね。

ちなみにウルトラマリンディープは、はじめて高校生の時に買った色の1つで、思い出の色です。

ウィンザー&ニュートンのウルトラマリン

ウィンザー&ニュートンのウルトラマリンは色が濃く濃厚です。いわゆるウルトラマリンで、使いやすいです。

フレンチウルトラマリンの方は、かなり粒子が粗く、ザラっとしていますね。

ターナーのウルトラマリン

ターナーのウルトラマリンも2種類です。

ウルトラマリンとウルトラマリンディープの2色です。

ウルトラマリンの方は明るい発色で、色が澄んでいます。くせがなく一番使いやすいと思います。ウルトラマリンの中では粒子が小さく滑らかだと思います。そのせいか、分離しづらく有難い!

私はコスパ抜群だと思います!

ウルトラマリンディープの方は色が濃いめでやっぱり粒子が荒いです。

セヌリエのウルトラマリン

セヌリエのウルトラマリンも2種類あります。

  • ウルトラマリンライト(色が明るめのウルトラマリン)
  • ウルトラマリンディープ(色に深みのあるウルトラマリン)

この2種類はどうやら、粒子の荒さではなく、色の濃さに差があるようでした。

セヌリエのウルトラマリンは、他のメーカーのものと比べて、特に、色が濃く、鮮やかです。とても発色が強いので、はっきり青を効かせたい、ここぞというところに使うと、とても色が際立ちます。

セヌリエは、どの色もはっきりしていて、色が濃く鮮やかです。乾燥させても固まりにくいのが、欠点といえば欠点ですが、はっきりした強い発色が好みの方にはおすすめです。

セヌリエ全色レビュー

マイメリのウルトラマリン

マイメリのウルトラマリンも2種類です。

  • ウルトラマリンライト(粒子が細かく滑らかなタイプ)
  • ウルトラマリンディープ(粒子が荒く、色も粗密なタイプ)

こちらは粒子の荒さに差があります。

ウルトラマリンライトは、粒子が細かく、滑らかで発色も強めです。ウルトラマリンディープはやや紫がかっていて、粒子が荒いです。色も薄めに発色します。

初めて使うなら、ウルトラマリンライトが、混色でも分離しにくくおすすめです。

ただ、ウルトラマリンディープも、重ね塗りに使ったりすると、独特の効果があって面白いです。マイメリのウルトラマリンディープは、枯葉のお気に入りの色で、すごくたくさん使っています。それまでは粒子の荒いウルトラマリンなんて!と思っていましたが、この色をきっかけにすっかりハマってしまいました。粒子の散り方がきれいです。

クサカベのウルトラマリン

クサカベのウルトラマリンも2種類です。

  • ウルトラマリンディープ(粒子が荒く、粗密なタイプ)
  • ウルトラマリンライト(粒子が細かく、滑らかなタイプ)

画像はウルトラマリンライトのみです。

クサカベのウルトラマリンも発色が強く、色がはっきりしていて鮮やかです。ただ、少し溶けづらいので、濃いめに塗ろうとするとすぐに絵具を消費してしまいます。

安価なウルトラマリンの中では一番色がはっきりしています。

まっちのウルトラマリン

こちらは最強のウルトラマリンです。ずっと追記しようと思っていました。

あらゆるウルトラマリンの中で一番粒子が細かく、しかも不思議に色に深みもあります。

そして価格もリーズナブルすぎる…

とってもおすすめのウルトラマリンです。2年前に出会ってから、このウルトラマリンを定番としてパレットに入れ続けています。

どのウルトラマリンが最強!?

ウルトラマリンは、各メーカーで2〜3種類の絵具が売られていることが多いです。

なので混乱しちゃいがちなのですが、粒子が細かい方がいい!という場合は、色が明るいタイプを選ぶと失敗しません。

粒子が細かめなのは、まっちのウルトラマリン、ターナーのウルトラマリン、ウィンザー&ニュートンのウルトラマリン(GS)、シュミンケホラダムのウルトラマリンファイネストあたりでしょうか。

色が濃いめで発色がよいのは、セヌリエ、クサカベ、まっちあたりでしょうか。

コスパがいいのは、ターナーとクサカベとまっちだと思いました。

かれは
かれは

粒子が荒いタイプは、他の色と混ぜると分離しちゃうよ

粒子の荒さを楽しみたい人におすすめなのは、マイメリのウルトラマリンディープですね
!粒子の散り方がきれいで、美しく分離します。

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Maimeri
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色はどのウルトラマリンも同じような感じです。そこまで差は感じません。差がないので、安いメーカーのものでも大丈夫ですよ。

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クサカベ(Kusakabe)
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その中でもホルベインのウルトラマリンディープだけは、色がかなり紫がかっていて、ちょっと個性的ですね。

ひよこ
ひよこ

ううむ。
どれも捨てがたい…!

ウルトラマリンで描いてみた

ウルトラマリンで塗ってみた絵です。

背景はウルトラマリンブルーとフタログリーンです。目に飛び込んでくるような鮮やかさがあります。意外とパンチの強い色。

白いものの影の色のベースにも。冷たい感じ、硬質な感じを表現できます。

色々表現できます。

青は2種類あると使いやすい

絵具をそろえるとき、青は2種類あると混色の幅が広がります。

  • 緑がかった青(フタロブルー、セルリアンブルー、プルシャンブルー)
  • 紫がかった青(ウルトラマリンブルー)

緑系の青には選択肢がいくつかあるのですが、紫系の青はウルトラマリンのみです。ちなみにコバルトブルーは中間くらいの色味です。緑系、紫系、両方の青をパレットに入れておくと便利!

かれは
かれは

こんな感じの青が2色あると便利です↓

赤みの強い青、ウルトラマリン
黄みの強い青、フタロブルー

混色の時、両方の青で混色を試しておくと、感覚をつかみやすいです。

例えば、黄色と青を混ぜるとき、黄色+フタロブルー、黄色+ウルトラマリン、両方の混色をしてみて、それぞれどういう色ができるか試す、という感じです。

この記事では、青の絵具を顔料ごとに紹介しています↓

もう一つの基本の青、フタロブルーはややこしいので、ぜひ読んでみてください↓