年末のパレット掃除、入れ替えの記事を書いたのですが、パレットに入れた絵具の解説をしてます。かなり長いです。半分くらいは、備忘録として書いているので、読み物として楽しんでください♪
選んだ理由と、用途についても解説しています。
オススメの基本色は★をつけています。
Table of Contents
黄色、オレンジ系
オレンジが1色、黄土色1色、黄色2色
カドミウムオレンジライト(シュミンケホラダム)
カドミウムオレンジの中でも黄色よりの珍しい色。シュミンケにしかない色の一つだと思います。オレンジ系の絵具は好きなのですが、去年、一昨年とあまり使わなかったので、思い切って黄色よりのオレンジにしてみました。
今年初めて導入する色です。
イエローオーカー(ターナー)★★
イエローオーカーは黄色として扱うと、表現の幅が広がるので、黄色の隣に入れています。くすんだ黄色のイメージです。
イエローオーカーはどのメーカーのものでもOK。ターナーのイエローオーカーは溶けやすく、色も明るめ、優しい色合いで、とても気に入っています。
カドミウムイエローペール(ウィンザー&ニュートン)★★
毎年、必ず入れているカドミウムイエロー。今年はウィンザー&ニュートンの絵具にしました。でもこの色はどのメーカーでも変わりなし。
発色の強い黄色で、不透明色。ムラなくきれいに塗れます。なかなか代わりになる黄色がないので、この色を基本の黄色として使っています。
バナジウムイエロー(シュミンケホラダム)★
今年初めて導入する色。レモンイエローですが、バナジウムイエローはかなり発色強めの色。ちょっとクセが強いので、好みが分かれる色だと思うのですが、入れてみました。
レモンイエローは透明感あふれる絵具が多いのですが、この色は不透明。色もかなり冷たい色です。今年は、青や緑と混色して黄緑を作りたいので、混色用として購入しました。
レモンイエロー自体は基本色の一つなので、おすすめなのですが、イミダゾロンレモン、またはシュミンケのレモンイエローの方がクセがなく万人向けだと思います。
緑系
黄緑2色、基本の緑1色、青緑2色
グリーンゴールド(マイメリ)
こちらもクセの強い色。黄色に近い黄緑ですが、緑としてではなく、黄色として使う事が多そうです。
チューブから出した絵具の色は、なんとも微妙なオリーブ色ですが、水で溶いていくと鮮やかな黄緑。
花や、葉っぱ、果物を描くときに使えそうな黄緑です。ただ個性的な色であることは間違いなし、全員には勧められない。。
サップグリーン(ホルベイン)★
サップグリーンは、毎年必ず入れている黄緑です。ですが、色々なメーカーのサップグリーンを使い試しています。メーカーによって違う色なんです。去年はシュミンケのサップグリーンを入れていましたが、私はホルベインのサップグリーンの方が好きなんです。なので、久しぶりにホルベインのサップグリーンに戻しました。初めて、透明水彩を買ったときに選んだ色の一つで、自分の絵にしっくりくる思い出の色です。今年は、黄緑、緑は、混色で頑張ろうと思っているのですが、サップグリーンも場面によっては便利なので、入れました。
ウィンザーグリーン ブルーシェード(ウィンザー&ニュートン)★★
メーカーによって色名が違うので、紛らわしいですが、フタログリーンのことです。ホルベインだとビリジャンヒュー。
フタログリーンのことは一つの記事にまとめてあるのでぜひこちらを↓
外せない基本色です。作れない色でもあります。
鮮やかすぎて、そのままでは手に余る色なのですが、粒子も細かく、混色に向いてます。無限のグリーンを作れる超優秀なグリーンです。
コバルトターコイズブルー(レンブラント)
鮮やかで明るいブルーグリーン。去年はシュミンケホラダムのコバルトターコイズを入れていましたが、今年はレンブラントのコバルトターコイズブルーにしてみました。顔料は違うみたいですが、同じような色です。
あまり使う色ではないのですが、時々アクセントとして入れると面白いです。
不透明で粒子の大きい粒状化色(グラニュレーションカラー)です。分離色を作るときにも使えます。
混色してもいいのですが、そのまま使ったり、重ね塗りに使う方が、この色の良さを生かせるような気がします。必要な色というわけではないのですが、きれいな色ですし、見ているだけで楽しくなるような色です。
プルシャングリーン(シュミンケホラダム)
去年も入っていた、プルシャングリーン。シュミンケホラダムにしかない独特の色です。混合色ではありますが、抜群に使い勝手がよく、きれいな色なので今年もパレットに入れました。
色の幅が広く、濃いめに塗るとかなり暗いグリーンですが、薄く塗るとミントグリーンでどちらの色調も使いやすいです。
ちなみにターナーのマヤブルーと似た色です。
青系
青系は5色。フタロブルー×2、ウルトラマリン、プルシャンブルー、インダンスレンブルー
ピーコックブルー(ホルベイン)★★
基本色の1つ。三原色のシアン(青)に一番近い色です。
ホルベインのフタロブルー(イエローシェード)やウィンザー&ニュートンのウィンザーブルー (イエローシェード)、シュミンケホラダムのヘリオセルリアン、セルリアンブルーヒューで代用する事ができます。
ピーコックブルーは、フタロブルー顔料(PB15)にフタログリーン顔料(PG7)が入った色です。ただ、おそらくフタログリーンは少しだけです。フタロブルー(イエローシェード)は色が強すぎるのですが、ピーコックブルーはあまり色が濃くなくて、明るいブルーです。とても使いやすい色になっています。色が強すぎないので、相手の色を食わず、程よい着色力です。
ピーコックブルーの色調はありそうでない色で、唯一シュミンケホラダムのセルリアンブルーヒューが似ています。こちらも超オススメですが、値段も高いですし、色はピーコックブルーの方が少しだけ鮮やかです(←!)
去年はこの色をパレットに入れなかったのですが、やはり作れない色があり、とてもとても不便でした。
プルシャンブルー(ホルベイン)
暗く冷たいブルー。フタロブルーに比べると、渋みのあるブルーです。
プルシャンブルーは色がとても強く、着色力も半端ないです。
濃い部分は黒に近いネイビーですが、薄めると鮮やかな水色で、その色の幅も魅力の一つです。
個性的なブルーなので、好みが分かれるかもしれませんが、どのメーカーでも売っているような定番の青です。混色や重ね塗りにも向く色でオススメの青です。
個人的にはホルベインのプルシャンブルーが気に入っています。
フタロブルー(シュミンケホラダム)
平凡な名前がついていますが、実はあまり見かけない個性的な色です。
シュミンケホラダムとマイメリでしか売っていないです。(マイメリではベルリンブルー)マイメリのものより色が淡いです。でもそれがいいのです!いわゆるフタロブルー(イエローシェード)やフタロブルー(レッドシェード)よりも落ち着いた青なのですが、それが絶妙に使いやすいです。他に鮮やかな色を持ってきても、うるさい印象にならず、調和しやすいです。混色にも向いています。
青の顔料は種類が限られていて、どのメーカーのものでも大体同じような絵具が売られていますが、このシュミンケホラダムのフタロブルーは個性的で、かつ使いやすい色です。青が好きな方にオススメ。
ウルトラマリン(ターナー)★★
こちらも欠かせない基本色。ピーコックブルーが黄色よりの青の基本色で、ウルトラマリンは赤よりの青の基本色です。
もともと粒子の荒い色なので、塗った感じはざらざらするし、他の色を混ぜると分離してしまうこともあります。本当は粒子の細かい色の方が混色向きなのですが、赤よりの青というのはウルトラマリンブルーしか選択肢がありません。
ただ、その辺りはメーカーも工夫があり、なるべく粒子の細かいウルトラマリンブルーと粒子粗めのフレンチウルトラマリンの2種類の絵具を売っているメーカーもあります。
ウルトラマリンの比較をした記事もありますのでそちらもどうぞ↓
ターナーのウルトラマリンは粒子細かめで、鮮やかな色味ですが、お値段が素敵です。
170円(税抜)!!
高コスパを実現した、超超超オススメ品です。
デルフトブルー(シュミンケホラダム)
デルフトブルーの内容はインダンスレンブルー(PB60)です。ほとんどのメーカーで売られているような定番の紺色です。名前は色々で、ホルベインではロイヤルブルー、ウィンザー&ニュートンではインダンスレンブルー、マイメリではファイアンスブルーです。
色は暗いブルーで、紺色といった方がイメージがつきやすいかもしれません。
メーカーによって、微妙に色味は違いますが、シュミンケホラダムのデルフトブルーは、紫がかった独特の色味で、気に入っている色の一つです。
紫
ウィンザーバイオレット(ウィンザー&ニュートン)★
ウィンザーバイオレットの内容はディオキサジンバイオレットです。こちらも大抵のメーカーで買える定番の紫色です。ホルベインではパーマネントバイオレットです。
紫は、一時期ハマって買い集めていた時期がありました。2020年はシュミンケホラダムのキナクリドンパープルを使っていましたが、やはり定番のディオキサジンバイオレットに戻しました。あまりクセのないニュートラルな紫です。混色で鮮やかな紫は作りにくい(かなり組み合わせを選ぶ)ので、あると便利な1色だと思います。
赤系
赤は4色。今年は多い方です。
パープルマゼンタ(シュミンケホラダム)
シュミンケホラダムにしかない顔料ではないのですが、この絵具はかなり冴えた発色。ほぼ自分の中では定番の色となりつつあります。赤紫色です。水で溶いていくと鮮やかなピンク色に。
ピンクや紫をよく使う人であればオススメの絵具です。
似たような色相の色に、もっと鮮やかなオペラがありますが、ここまで鮮やかな色だと、私の絵には浮いてしまう事が多いので、パープルマゼンタがちょうどいいのです。去年からパレットに入れ始めましたが、今年も引き続き使うことにしました。
パーマネントカーマイン(ウィンザー&ニュートン)★★
赤の基本色の1つ。必ず毎年入れています。顔料はPV19で、どのメーカーにもあるような色なのですが、この顔料は色の幅が広いのか、メーカーごとに色の鮮やかさや色の深みが違います。各メーカー2色くらいある事が多いかな。ホルベインでは、キナクリドンレッド、シュミンケではパーマネントカーマインかルビーレッドです。
この記事に詳しい解説が入っています、他メーカー情報も↓
透明感があり、粒子が細かい滑らかな赤です。赤の中でも、少し紫がかっていてローズレッドという感じです。
混色にも向いていて、紫やダークレッドを作るのが得意。鈍いオレンジを作るのにもいいですね。薄めると暖かいピンクになります。
汎用性が高すぎるので、赤を一つだけ選ぶとしたら、私ならこの色を選びます。
パーマネントスカーレット(ターナー)
今年初めてパレットに入れた色。赤ですが、かなり明るめの色で、深みはありません。
濃く塗ったところは、黄の強い朱色のように見えますが、薄めると鮮やかなピンクで、なんとも可愛い色です。
ターナーのパーマネントスカーレットの顔料は、他のメーカーでは取り扱いの少ない色で(シュミンケで売っているのですが、かなりお高い💦)これはかなりお買い得!!
12色セットにも入っています→[透明水彩]ターナーの12色セットをレビュー
カドミウムレッドライト(シュミンケホラダム)★
こちらも赤の基本色。黄色よりの赤です。どこのメーカーでも売っている色です。カドミウムレッドは色々種類がありますが、朱色のタイプがおすすめです。
不透明で強い発色、しっかりした色です。パレットの中でも際立った発色の良さです。水で薄めても色が弱くならず、ムラなくきれいに塗れるので、重宝します。
カドミウムイエローとの混色の相性がよく、鮮やかなオレンジが作れます。オレンジを作るのにもいいし、青系と混ぜると強めのグレーになり、これはこれで背景描写に役立ちます。
少量でもしっかり色がつくので、あまり減りません。ずいぶん前に買ったチューブなのですが、中々使いきれません。今年も使い切れるか不安。。
茶色系
スピナルブラウン(シュミンケホラダム)
この色は初めて使う色です。
とてもとても珍しい色です。シュミンケホラダムにしか売っていないんじゃないかな?ほとんどのメーカーは茶色系は一辺倒で色数もあまり多くないのですが、シュミンケホラダムは茶色系のバリエーションがスゴいです。本当にびっくりします。
スピナルブラウンは、明るいオレンジよりの茶色で、とても使い勝手の良さそうな色なので入れてみました。髪の毛や、肌、植物、食べ物や動物の毛、背景の建物など。。色々使えるのではないかな。色鉛筆でもこのビスケットのような色はとてもよく使う色。
イングリッシュベネチアンレッド(シュミンケホラダム)★
定番色の1つ。赤茶色です。
ホルベインではライトレッドが近いかな。ウィンザー&ニュートンではベネチアンレッド。
シュミンケのベネチアンレッドはかなり赤みが強いです。色もかなり鮮やかで、赤の代用品にもなりそうなくらいです。かなりのお気に入りなので、もう何本もお世話になっています。
赤茶色は植物、人物、背景にも使う定番の色で、よく12色セットにも入っています。バーントシェンナという色でもいいと思います。(もっと茶色っぽい色です。)
マースブラウン(シュミンケホラダム)
今年初めて導入の茶色。
こちらもシュミンケの豊富な茶色バリエーションの中から選んだ色で、かなり変わった色です。
茶色から黒が分離します。
マースブラウンの分離はうっすらで、色が茶色なのが絶妙で、絵にニュアンスを加えるのに良さそうです。
バーントアンバー(シュミンケホラダム)★★
定番の深めの茶色です。どれか1色茶色を選ぶとしたら、バーントアンバーがいいかな。
特にシュミンケホラダムのバーントアンバーは、他メーカーのものと比べて深い色味が美しく、ここ15年この色しか使っていません。もう何本も買い足ししていて一番お世話になっている色だと思います。茶色は絵の中でもベースになる事が多いので、地味ですが、とても大切な色です。
茶色系はシュミンケホラダムが本当に優秀です。。
ウォルナットブラウン(シュミンケホラダム)
こちらは、もうすでに廃盤になっている色なので、詳しくは説明しません。
粒状化するグレーがかった茶色で、珍しい色。愛用していたので廃盤はショックでした。あちこちの画材店に問い合わせて買う事ができたのはチューブ2本だけ。なので、大切に使っています。
グレー系
インディゴ(マイメリ)
マイメリのインディゴは、単一顔料で天然インディゴ顔料が使われています。
ほとんどのインディゴが、青と黒の混合色なので、これはかなり珍しいです。黒は入っていませんが、かなり深い色味です。彩度はかなり低めなので、グレーとして扱います。
薄めると、ブルーグレーで、単色でも活躍しそうな色です。
ニュートラルチント(ウィンザー&ニュートン)
紫がかったグレーです。去年入れていたペインズグレーの代わりに入れた色です。ペインズグレーは青味の強いグレーで、インディゴと用途が被ってしまいそうなので、色味の違うニュートラルチントにしてみました。
どちらも、完全な黒やグレーではなく、色味のあるグレーなので、色を混ぜても渋くなりにくく、とても便利です。アイボリーブラックやランプブラックの代わりとしてオススメです。
終わりに
長かったですね!
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします😌