2023年のメインパレットにいれた色を詳しく解説しようと思います。今回もとんでもなく長いですが、お時間あるときにのんびり楽しんでいただければ♪
色名やメーカー、顔料も書いておくので、ご購入の参考にどうぞ!
いつもの通りパレットの左下から紹介しますね。
Table of Contents
黄色系
黄色系はいつもイエローオーカー、カドミウムイエロー(どちらも定番色)、混色でつくれないレモンイエローの3色の年が一番多いのですが、今年はレモンイエローは外しました。
代わりに入れたのは…
ん?なんだろ??
イエローオーカー
ホルベイン アーティストパン PY43
定番中の定番、イエローオーカーです。これが入らない年はありません。透明水彩を始めた時からずっとパレットに入り続けている色です。メーカーによって色差もないので、どのイエローオーカーでも構わないのですが…
この色はチューブから出してパレットの上で乾燥させると、ちょっと溶けにくい色になります。まあ、気になるほどではないのですが、もう少し溶けやすいといいな、と思っていたところ…
ホルベイン アーティストパンのイエローオーカーを試してみたところ、これがものすごく溶けやすくて調子よかったです。(ハーフパンから出して、パレットにくっつけて使っています)なので、今年も引き続き使うことにしました。
今までで一番気に入ったイエローオーカー✨
イエローオーカーについてもっと知りたい人はこちらの記事を↓
ネイプルスイエロー
マイメリブルー PY53
レモンイエローの代わりに入れたのが、マイメリのネイプルスイエローでした!
あれ、この色って…
そう、ひよこちゃんの色!
まさにひよこっぽい色である、このネイプルスイエロー。他メーカーでは、黄色と白の混合顔料なのですが、なんとマイメリのネイプルスイエローは単一顔料。マイメリの中でもレア顔料だそうです!
色は淡い黄色。単一顔料ですが不透明。重たい顔料らしく、あまりにじみは広がりませんが、その分均一に塗りつぶすことができます。ひよこのイラストを塗るのにぴったりな色がなくて困っていたのですが、これで安心。青や赤との混色なども楽しみな色です。
カドミウムイエローペール
ウィンザー&ニュートン PY35
カドミウムイエローも私の中では定番の黄色となっています。
不透明ですが、色も鮮やかで発色も強めです。混色でも単色でも塗りやすいので、気に入っています。カドミウムイエローも色々ありますが、カドミウムイエローペールやカドミウムイエローミドルあたりが好きです。発色のよい、鮮やかな黄色が欲しい方にはおすすめの黄色です。
有毒や不透明が気になるなら、代わりにイミダゾロンイエローを。
緑系
緑は2色と青緑2色にしました。どの色も使ったことのある色ですが、オリーブグリーンとプルシャングリーンはひさしぶり!楽しみです。
オリーブグリーンイエローウィッシュ
シュミンケホラダム PO62、PG36
あまり話題にはならないですが、個人的にお気に入りの黄緑です。サップグリーンを入れるつもりでしたが、シュミンケホラダムの絵具の残りを積極的に使いたいので、こちらを選択しました。
この色はフタログリーンとオレンジの混合です。(黄色との混合ではないところが少し変わっています)こんなに渋い色ですが透明感があります。
色はまさに抹茶の色。宇治抹茶!!
この色だけでは少し地味かもしれませんが、他の色と混色して幅を出したいです。
使い方はほぼサップグリーンと同じかなと考えています。
フタログリーンブルーシェード
ターナー PG7
フタログリーンはそのままでは、鮮やか過ぎて、自然を表現するのは難しいですが、混色で驚くほど色々なトーンの色が作れるので、なんだかんだ毎年パレットに入れています。発色は強めで、彩度高め、透明感にあふれた色です。
メーカーはどこのものでも同じ。今年はターナーのフタログリーンブルーシェードにしました。
フタログリーンイエローシェードPG36は去年使ってみましたが、ほぼ同じように使えます。お好きな方を。発色がやや強いのはブルーシェードの方です。
メーカーによって色名が違ってややこしいので、この記事でチェックしてみてください↓
コバルトターコイズ
ホルベイン アーティストパン PB28
コバルトターコイズも混色で作りにくいほど鮮やかな色です。
色は明るく、深い色味はありません。鮮烈な色で混色にも活躍します。この色もここ5年くらい愛用していますね。どのメーカーのものがいいのか悩みますが、個人的なお気に入りが、ホルベインアーティストパンの固形のコバルトターコイズです。去年も同じ色をパレットに入れていましたが、今年もリピートしました。
コバルト系の色はどの色も固まると溶けにくくなりますが、アーティストパンのコバルトターコイズはとても溶けやすくて、濃く塗りやすかったのがお気に入りのポイントです。
ハーフパンから絵具を出して、アラビアゴムで接着しています。
プルシャングリーン
シュミンケホラダム PG7,PB60
この色も数年前にはよくパレットに入れていた色。シュミンケホラダムらしい深みのある色でお気に入りです。フタログリーンとインダンスレンブルーの混合なので、作れない色でもないですが、好きな色なので入れました。
深みがあり、少しグレーがかったプルシャングリーンは、人物画とも相性がよく、今年は背景にも使用してみたいと思っています。
青系
青系は確実に使う定番色+はじめてのスマルトブルーという組み合わせにしてみました。
フタロシアニンブルー
ホルベイン アーティストパン PB15:3
こちらも定番色の一つです。去年青の中で一番減りが早かったので、今年はハーフパンを乗っけてみることにしました。
とても鮮やかな青で、三原色のC(シアン)に一番近い色です。透明で、滑らか、発色も強めの顔料です。
黄色と混色することもありますし、紫や赤との混色も自分の中で定番です。とても密度が高く、発色が強いので、それを逆手に取って深い色味も作りやすいです。
基本7色の1つにも入れています。
プルシャンブルー
マイメリブルー PB27
個人的なお気に入りなのでこの色もここ数年定番になりつつあります。
この色がすごいのは、1色で黒に近いような深い色味も、鮮やかな水色も持っているということです。深い色も塗れるし、薄めて淡い色も使える。色幅がすごい!
特に、マイメリブルーのプルシャンブルーは、特に深い色味なので、気に入ってしまい、去年衝動買いしました。
今年もたくさん使いそうです。
ウルトラマリン
まっちベイシック PB29
マイメリブルーのウルトラマリンディープもすごく気に入っていて、どちらにしようか迷って、迷って、まっちベイシックのウルトラマリンにしました。
ウルトラマリンには粒子の荒い深い色味のもの(ちょっと紫がかっている)と粒子が細かい明るい色味のものがあります。まっちのウルトラマリンは特に滑らかです。
お値段もお財布に優しい笑
単色ずつ入手しずらいのが難点ですが、お気に入りのウルトラマリンなので全力でおすすめしておきます。
もう一つのお気に入りのマイメリのウルトラマリンディープは粒子の荒いウルトラマリン、こちらも同じ仕切りに出してしまおうかな〜と考えています(どっちも好きで選べない症候群)
スマルトブルー
ウィンザー&ニュートン PV15
こちらは、実はメインパレットに入れるのははじめての色です。
はじめての色!
わくわく✨
あまりメインで使ったことがなかったので、入れてみました。色は明るめの青紫。少し粒状化しているようにも見えます。
ウルトラマリンよりもさらに赤寄りの珍しいブルー。この色味はウィンザー&ニュートンだけだと思います。珍しい色としてこちらの記事のおすすめ色でも紹介しました。
いい色ですよね。混色して素敵なグレーが作れそうなので楽しみです。
やや溶けにくい色だという記憶があったので、ハーフパンにしてみました。
ロイヤルブルー
こちらもここ数年定番となっているインダンスレンブルー。
今年はクサカベのロイヤルブルーにしました。クサカベのロイヤルブルーはPB60(インダンスレンブルー)にPR122というピンク色の顔料が入っているようです。確かに少し、紫がかっていてシュミンケホラダムのデルフトブルーに似てるかな?
この色も深い色を出すのによく使っているので、今年も活躍するはずです!
紫系
ウィンザーバイオレット
ウィンザー&ニュートン PV23
こちらも定番の紫。ウィンザーの名前がついていますが、中身は「ディオキサジンバイオレット」です。
とても鮮やかな紫色です。紫色は赤と青の混色で作るのが難しいので、毎年パレットに入れています。
定番カラー!
どこのメーカーでも買えますが、深みのあるウィンザーバイオレットが個人的に気に入っています!
ポッターズピンク
この色ははじめてパレットに入れます。
これ以上癖のある色もなかなかないですが、独特の効果が出せるのがとても面白くて、去年、密かに多用していたので今年はちゃんと仕切りの中に場所をあたえてあげようと思いました。
粒状化の激しい(粒子が荒い)色No.1!!
普通にムラなく塗るのは難しいです。混色してもすぐに分離してしまいます。
でも面白い色。色味もいいですしね。
この色を使ったメイキングを公開しています。
ペリレンバイオレット
去年からの続投になります。
赤ワインのような深みのある赤紫色です。
ペリレンシリーズはペリレンマルーンやペリレンレッドなどの赤、赤紫やペリレングリーンのような緑もあります。どの色も渋みのある深い色なのですが、このペリレンバイオレットは枯葉のお気に入り。
薄めるとくすんだピンクになり、この色も影の色にも使っていました。
混色して深い色を使うのにも便利でした。
この色にも使ってるんですよ↓
とても使いやすい色でおすすめです。
赤系
赤系は今年は4色です。オレンジをパレットから外したのでかわりに赤を3色から4色にしました。
キナクリドンマゼンタ
ホルベイン アーチストパン PR122
とても重要な色です。鮮やかな紫を作るときに欠かせません。他にも青みがかったピンクが欲しいときにも。青みのピンクといえばオペラが有名ですが、オペラよりも耐光性に優れた色なので、主力に使っています。彩度はオペラほどではないのですが、乾く前の色はオペラと同等くらいの彩度があるのではないか、と思うほどです。
三原色のマゼンタMに一番近い色。
色々なメーカーから売られている色ですが、中でもホルベインアーチストパンのキナクリドンマゼンタは明るい色味でお気に入りです。去年からのリピートです!
ルビーレッド
シュミンケホラダム PV19
こちらも定番として欠かせない赤です。赤を1色しか選べないとしたらこの色にします。混色してもいいし、そのまま使ってもよいし、うすめて鮮やかなピンクとしても使えます。
発色がよく伸びもよい顔料です。透明感があり、滑らかなのもポイント高いです。
去年はこの色の代わりにセヌリエレッド(PR254)を入れていましたが、やっぱりこちらの色の方が混色の時に便利だったので、呼び戻しました。
ホルベインのキナクリドンレッドや、W&Nのパーマネントローズも同じ色です。
キナクリドンスカーレット
ホルベイン PR209
ちょっとスキャンで十分読み取れていませんが、とても明るく鮮やかな色です。ルビーレッドのような深みのある色ではありませんが、抜群の彩度をほこっています。
薄めたところの彩度が特に鮮やかでかわいい。まさにピンク!!という感じです。
透明感も強いので、重ね塗りにもよいです。
去年はじめてパレットに入れた色でしたが、とてもよかったので今年も使うことにしました。
カドミウムレッドライト
シュミンケホラダム PR108
大体どこのメーカーでも取り扱う、定番のカドミウムレッド。色も朱色から、深紅、深めの赤など色々あるのですが、欠かせないのがカドミウムレッドライト。
色は朱色で、オレンジがかった赤です。
発色が強く、少量でよく伸びます。赤系では珍しく不透明です。混色で力強い色を作ることもできます。
紅葉した葉っぱのような赤は、自然界ではよく見かける色で何かとよく使う色です。
この色は決して珍しい色ではないのですが、私はシュミンケホラダムのカドミウムレッドが一番好きです。ホルベインでは粒状化色だと分類されているらしいのですが、確かに他メーカーでは粒子の粒がよく見えています。シュミンケホラダムのカドミウムレッドはびっくりするほど滑らかで、ムラになりにくいです。
残量が少ないのでたぶん使い切ってしまう…
買い足ししたいですが、すごい値段になってしまいましたね…
茶色系
スピナルブラウン
この色は…3年目の続投ですね。
あまりに便利なので中毒性があります。すぐにこの色に頼ってしまうため、去年も後半はパレットに追加するのを自粛していました笑
色合いは淡い茶色で、食べ物や動物を描くときにも活躍します。
クッキー色?柴犬色?
下地色に使ったり、混色にもよく使っていました。
パレットに出しておくとボロボロになってしまいやすい色なので、使う分だけ出すのをおすすめします(もしくはハーフパンのほうがいいかも✨)そういえば世界堂でスピナルブラウンのハーフパンが売り切れになってました!
記事もありますので、気になった方はぜひ見てみてください。
イングリッシュベネチアンレッド
シュミンケホラダム PR101
こちらも10年ほどパレットに入り続けている常連色。名前が、イギリスなのかイタリアなのかよく分からないですが、お気に入りです。
ほどよい赤みと滑らかさ、強い発色が特徴です。
この赤茶色は混色して強めの色も作れるし、自然界によくある色なのでそのままでも使います(植物や土など)薄めると淡いピンクのようになるところも好きです。
この色をパレットから外すことは考えられませんね。
この顔料は酸化鉄なのですが、色の種類も色々あって面白いので、ぜひこの記事でお気に入りを探してみてくださいね↓
バーントアンバー
シュミンケホラダム PBr7
こちらも10年ほどパレットに入り続けていますね。
茶色の基本色として使っています。バーントアンバーはよくある色ですが、シュミンケホラダムのものは、ほどよく落ち着いた色味で気に入っています。また茶色は一般的に塗りムラになりやすく、粒子も荒めでいかにも「土!」と言った感じの色が多いのですが、こちらはとても滑らかで端正なイメージ。
無人島に1色だけしか持っていけないとしたら?
この色を選びますね。そのくらい好きな色です。
ウォルナットブラウン
シュミンケホラダム PBr33
廃盤色なので使わないつもりでいましたが、今年はこの色を使って描きたい絵が何枚かあるのでパレットに入れました。
もったいないと思っているのも
もったいない気がしたので…
粒状化色で粒子が荒いのですが、茶色とブルーグレーが分離する摩訶不思議な色です。
チューブから出したところは濃い色ですが、溶いてみると意外と淡い色調です。
私はよく人物の髪の毛などに使っています。
グレー系
インディゴ
マイメリブルー インディゴ顔料
このマイメリのインディゴはパレットに入れるは3年目になります。あんなにたっぷり入っていた12mlチューブもようやく使いきれそうです。
最近チューブを開けると不思議な匂いがするのですが、同じような方いらっしゃいますか?インディゴ顔料の匂いなのかなあ、と思いつつ、早く使い切った方がよさそう!と思っています。
色は青みが強くない、グレーですが、色は思ったより濃い色ではなく、うっすら透明感もあります。
もちろん夜の表現など濃い部分にも活躍しますが、重ね塗りにもよい色です。
ペインズグレー
ペインズグレーの名前がついているけど普通に黒です笑
(ちょっと青がかった例のペインズグレーが欲しい人は、「シュミンケペインズグレー」がおすすめです。)
久しぶりになんのクセもない、滑らかな黒が使ってみたくて、この色を選びました。
セヌリエグレー
セヌリエ PW6、PBk9、PG17
今回、Twitter上でセヌリエグレーに対するコメントが多かったのが、このセヌリエグレー!
最後パレットの色を決めるとき、1色だけがどうしても決まらなくて、画材屋さんを放浪していたところ見つけたがこの色でした。去年入れていたグレイオブグレイもよかったのですが、少し色が淡かったので、もう少し濃い色を入れてみたいなと思っていました。
(ウォームグレーも迷いましたが、すでに人気色ですし、ちょっと面白くないとも思って…)
緑がかったセヌリエグレーを選びました。この絵具には白、黒の他にクロミウムオキサイドグリーンという緑が入っています。
今のところ
- 影の色にする
- 下地にする
- 肌色のアクセントにする
- 寒色系と混色してくすみカラーをつくる
といった使い道を考えています。私も使うのが一番楽しみな色です。
セヌリエはおしゃれな色が多いね
おわりに
全部並べてみるとこんな感じです。オレンジやレモン色がないのがちょっと寂しい気もしますが…
深い色味がたくさんつくれるパレットになってます。
気になる色があったらぜひ調べてみてくださいね。
では今年もよろしくお願いいたします!!